私の双子の兄は、なんでも持っていた。 まず、どっかの王子さんだってビックリの端正な顔。次に、その全国統一模試でも上位を獲る頭脳。更にはたくさんの人々から好かれる持ち前の明るさやコミュニケーション能力まで。 悲しいことに、こいつは母の胎の中で私の全てをかっさらっていってしまった。 その通り、私はこいつの持っている何もかもを持っていなかった。