あおいろ

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1:Naa.:2016/10/24(月) 00:52


胸のざわつきの理由をしった、
17歳の冬。

2:Naa.:2016/10/30(日) 03:11


高校生活2度目の10月

神崎 澪 (かんざき みお)
17歳 秋のこと。

お母さんとケンカしてて帰るのが憂鬱だったから
放課後の校内をウロウロして時間を潰していた。

グラウンドで練習をするサッカー部を見ていたけど
その内飽きてき帰ろうと思い渡り廊下を歩いた。

中庭には大きな木が植えてある。
その前にはアンティーク調のテーブルとベンチが置いてある。

丁度私の教室から見えるその場所が好きだ。
いつもは誰かしら座っているけれど、
今は放課後だから誰もいないその場所が悲しく思う。

私はベンチに座り回想に浸った。
毎休み時間、いつもそこに座っている男の子。

暗めの茶色いサラサラの髪。
程よく着崩した制服。

大人っぽくてカッコいいその要素にいつも自分の教室から見惚れていた。

鼻からすっと息を吸って口からはいた。
そして目を開けてよしっと気合いを入れて立ち上がった。


家に帰ると私は一目散に部屋に入った。
そしていつもの習慣になっている日記を書き始めた。

この日記を始めてもう半年が過ぎた。
高校に入ってからずっと続けている。

3冊目の最後のページ。

カリカリとリズムよくノートにペンを走らせた。

3:Naa.:2016/10/30(日) 03:26

10月 18日 (火)

彼と目が合った時、体の芯から暑くなるそんな感じがした。
ドキドキしたけど恋とは違う変な感覚がした。
なんなんだろう。
萌花に聞いても茜ちゃんに聞いてもさくらちゃんに聞いても分からなかった。


1時間目が終わったあとの休み時間、
私の机の周りにはいつものように萌花と茜ちゃんとさくらちゃんが座っていた。

「そういえばさ、数学の宿題してる?」

茜ちゃんが3人に問う。

「うち途中までしかしてへん!」

さくらちゃんが笑いながら言った。

「萌花なんかやってへん!」

萌花がそう言うと茜ちゃんとさくらちゃんは更に笑った。

「澪は?」

茜ちゃんが私に聞く。

「私してるよ」

「珍しいこともあるもんやんな!」
「全部解けてん??」
「絶対全問間違えやんな!」

3人は私をボロクソに言う。

まぁ成績の悪い私だから無理もない。

ふと私は中庭に目をやった。

いつもの彼はそこにいた。

友達と仲良さそうに戯れていた。
相変わらずのカッコ良さ。

好きとかそんなんじゃないはずなんだけど、
なんか見ていると落ち着く、そんな感じがする。

「澪?なに見てるん?」

3人が不思議そうな顔をして私のことを覗き込んでくる。

「別に何も見てへんよ!」

そしてまたいつものように日常会話を続けた。

ふと中庭に目線をやると彼と目が合った気がした。
分かんないけど確かに合ったような。

足の先から頭の先までがすごく暑くなって
しびれが走った感じがした。

なんだか分からないけど鼓動が早くなった。

苦しいけどこの感覚は嫌いじゃなかった。

4:Naa.:2016/10/30(日) 11:12

10月 31日 (月)

今日はハロウィン。
毎年恒例の文化祭が行われた。
私は仮装をして笠原くんと校内を歩いた。
あの男の子も仮装しててすごくカッコ良かったな。


「ハッピーハローウィン!」

掛け声とともにクラスを飛び出す生徒達。

「神崎、お菓子配り行くぞ」
「うん!」

笠原くんに声をかけられてお菓子の入ったカボチャのバケツを持って駆け寄った。

「にしても神崎その仮装似合うな」

笠原くんはフッと笑いながら言った。

「絶対馬鹿にしてるやん..」

私は仮装と言うより恐竜の着ぐるみみたいな服を来ていた。

「笠原くんこそバンパイア似合ってる」
「俺はまぁイケメンやからな」

笠原くんはすごいドヤって言った。

「ナルシスト笠原くん気持ち悪いねん」
「うるせえわ!」

そんな会話をしながら校内を歩き回る。

「トリックオアトリート!」

そう声をかけられると

「ハッピーハローウィン!」

と言ってお菓子を渡す。
それが私達の仕事。

「ねえ笠原くん」
「ん?」

「もうお菓子なくなるんだけど..」
「俺もや」
「じゃソロぼち戻ろっか?」

そして私達は教室へ戻った。

「澪と笠原は見回りしてきてかまんよ!」

萌花にそう言われる。

「茜ちゃんとかさくらちゃん知らへん?」
「もう先回ってると思う」
「えー」
「笠原と回っておいでや」

そう言われ笠原くんを見ると笠原くんが言った。

「俺も回る相手いてないしかまんぞ!」

そして私は笠原くんと見回ることにした。


「笠原くん笠原くんっ!」
「なんだようるせえな!」
「あれやりたいねん!!」

私の目線の先には射的。

「射的ね、かまんで」

そして私達は射的コーナーへ向かう。

「はい、笠原くんあれ取ってね」
「あれ?」
「あのクマちゃんクマちゃん!」

私は笠原くんをバシバシ叩きながら言った。

「分かったからやめろ!」

笠原くんはクマちゃん目掛けて射的を打った。
5発あったのに取れなかった。

「残念だな、諦めろ」
「…おかしい」
「は?」
「これ絶対なんか細工してある!!」

笠原くんは慌てて私の口を抑える。

「んぐくく」
「すみません..」

そう言うと笠原くんは私の手を引っ張ってそこを後にした。

「クマちゃん欲しかった..」
「だからってあんなこと大声でゆってんじゃねえよ」

そして私達は校内をブラブラしていた。

すると前方から見覚えのある影が近づいてくる。

「…あ」

思わず声に出てしまう。

笠原くんと同じバンパイアの仮装をしたあの男の子。

「神崎?」

思わず見惚れて停止していると笠原くんに肩を揺さぶられる。

「あっ、なに?」
「なにボーっとしてんの?」
「別に、早く行こう!」

そして私達は校内を回り、文化祭を終えた。


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