皆さん、『あの日の物語』、『私の恋は叶うの?』を書いています!ルナです。この小説は、もしかしたら、『心が叫びたがってるんだ』に似てる物語になると思いますが応援よろしくお願いします。
荒らしは辞めてください。
感想、コメント、アドバイスお願いします!
>>2 登場人物
>>3 ストーリー
>>4 プロローグ
登場人物
川音 梨依(かわおと りい)
声を失ってしまった少女。中学1年生。歌がクラスの中で美しい声を出す。吹奏楽部。
相馬 翔(そうま しょう)
梨依と同じクラス。作詞が得意。バスケ部。
櫻井 小雪(さくらい こゆき)
スポーツ万能で、しっかり者。梨依の親友。吹奏楽部。梨依と同じクラス。
中村 涼(なかむら りょう)
同じく梨依と同じクラス。学校でモテる。翔の友達。バレー部。
ストーリー
ある日、小6の時寝ていると声を失った主人公の梨依。おとなしくなり、中学生へと進んだ。そんなある日合唱コンクールなど声を出す行事がいっぱいで、梨依は、パニック!でも、翔達が支えてくれ、協力しあう、青春物語。
プロローグ
「ただいま!ふぅ!疲れたー!」
私が、小6の時のお話だ。私は、小6の前半まで、凄く元気が良く、学校では人気が出ていた。
「ふぅ…疲れた!寝よう。」
私は、自分の部屋のベッドへもぐりこみ、眠りについた。
「貴方は、たまには、静かにしないと一生喋れなくなります。」
ある黒いマントに制服を着ている一人の少女がいた。しかも、顔が私にそっくり。
「何を言っているの?!」
「いいからお黙りなさい。貴方は、回数は言わないが、何回か喋ると貴方は、亡くなります。」
「亡くなるっていうことは、私、死ぬの?」
「はい。そうです。」
黒い私は、ニヤリと笑った。
「貴方には、喋れなくなるように口にチャックをしめます。」
やめてよ!私は、どうしても声を出すことが出来ない。
目覚めると、声も出なかった。息切れしている声だけ。誰か、助けて…
第1章ー少女の中学校入学ー
私が声が出なくなって、何日たっただろうか。1ヵ月くらいか……今日は、入学式だが、お母さんは来ない。どうしてお父さんがいないかと言うと、お父さんは私が、6年生の12月にある病気で亡くなった。そう。大切なお父さんがね。もちろん、お母さんも泣いたし、私も泣いた。立ち直れたは立ち直れたけど、あまり、元気がない。
「………」
私は、下を向き黙った。
「梨依!おはよう!」
「……お……は…」
彼女は、小雪。私の仲良しの友達っていうより親友。小雪は、私が声を出せないのをわかるのだ。
「あ。声出せないよね。ごめんね。」
私は、首をぶんぶん振って、スクールバッグの中から携帯を出した。私はこう書いた。
『小雪おはよう。大丈夫!頑張って声を出せるように頑張るから。』
と書いた。
「でも、何回か喋ると、梨依……」
『ううん。大丈夫!』
「そう?体育館に行こう!」
私は、こくりとうなずき小雪と一緒に体育館へ行った。
「今日、梨依のお母さん来ないの?」
『うん。仕事だからしょうがないよ。』
と、会話を続けた。ちなみに、携帯を持ち始めたのは、小5だ。お母さんが最近忙しくなり、携帯を持っていないと、どこに私がいるか、心配になるからだって。
「それでは、1年生の皆さん体育館へ入ってください。」
マイクの音が廊下まで響いた。
私達、1年生は、拍手の音に包まれた体育館へ二列になり入った。
「緊張するね…」
と、小雪が言った。今は、入学式だから携帯は使えない。だから私は、こくりとうなずいた。
そして、入学式が終わり、下校。
「梨依帰ろ!」
私は、こくりとうなずいた。
私と小雪が帰ろうとしたとき、
「待って!」
と声をかけられて、私と小雪は振り向いた。すると、一人の男子がいた。きっと、同じ学年だ。
「あの、その髪を横に結んでる人。名前は?」
その男子は、私のことを指差した。どうしよう……私喋れないんだけど……
りいちゃん、かわいそう。
私、ここまで読んだよ!
ずっと、ルナとりいちゃんを応援してます。
読んだよ‼
梨依ちゃん気の毒すぎる…………。
続き、絶対読むね!
「いいからこっち来い!」
私は、男子に手を引っ張られた。凄く痛い…
「い…た……やめ……」
私は、苦しみながら言った。
「ちょっと梨依に何する気?」
小雪が私の手を握り、男子が掴んだ手を取った。
「話しするだけだけど…」
「梨依は、どうしたいの?」
小雪は、心配そうな顔をした。私は、携帯に
『大丈夫。』
と書いた。
「じゃあ、いっていいよ。でも、お前、もし梨依に何かやったらどうなるかわかるよな?」
小雪…怖い……
「わかってる。じゃあ、こいつと話するから。」
私は、男子に手を引っ張て、裏庭に来た。
「お前、名前は?」
「あ……か…わ…………」
やっぱり言えない!だから、私は、スクールバッグから携帯を出して、
『川音梨依です。』
と書いた。
「お前、喋れねーの?」
『私が小6の時寝ていました。ところが、黒い私(もう一人の私)がいたのです。その黒い私が「貴方は、何回か喋ると亡くなるでしょう」と言ったのです。それで、黒い私に口のチャックを閉められ、目が覚めると声もでなかったのです。』
「亡くなるってことは死ぬの?」
私は、こくりとうなずいた。
男の子、強引だなぁ。
黒い私って何?
>>11
梨依のもう一人の自分。制服を着ていて、全身っていうより、洋服が全部黒。のことを黒い私(梨依)
そういうことね。
ありがとう!
「そうなのか…」
男子は下を向いた。私は、ハッとした。携帯でこう書いた。
『そう言えば、貴方の名前を聞いていなかった。』
と書いた。だって、人の名前を教えてたのに、自分の名前を名乗らないのはおかしいと思う!
「あ。そう言えば言ってなかったね。オレの名前は相馬翔よろしく!」
私は、こくりとうなずいて握手をした。
翔君か……かっこいい名前……
『翔君って呼んでいい?』
「あぁ。俺は川音って呼ぶな」
翔君は、顔を赤くした。
『じゃあ、私行くね!』
と書き、手を振って、小雪のところへ行った。
「川音……梨依か……」
面白い!!……けど…梨依ちゃんかわいそうだな……
最初は強引な男子だなって思ってたけど、翔君って結構…
最後の翔君のセリフが気になる…
第2章ー私と翔君の出会い…ー
次の日……私は、起きたとき、私の部屋のテーブルに置き手紙が一枚。
『梨依へ
今日お母さんは、早めに仕事に行くことになりました。朝ご飯は、お母さんが作りました。ちゃんと食べてね。遅刻しても決して、休まないこと!約束よ!
お母さんより』
と書いてある手紙があった。
お母さん……
私は、自分の部屋から出て、お母さんが作ってくれたご飯を食べた。
今は、6時30分まだ大丈夫だ。
トゥルルルルルルルルル
私が朝食を食べているとき、携帯が鳴った。小雪からだ。
『梨依、今日私、7時30分に梨依の家で待ってるね!』
とメールが来た。私は、小雪にメールの返信をした。
『了解♝』
と……私は、朝食を食べて、食器を洗った。
私は、食器を洗い終わったら、制服に着替えた。
私は、家を出た。
「いっ……てき………ま……うぅ……」
なんか、頭痛がする。私は、音符の絵が描いてある救急ポーチから、頭痛薬を取り出して、水筒を取りだし、頭痛薬を飲んだ。すると、だんだん落ち着いた。そう言えば、朝のお薬を飲んでいなかった。ちなみに私の救急ポーチの中はたくさんある。
ポーチの中身
頭痛薬、胃腸薬、包帯、ばんそうこ、虫刺されの薬、日焼け止め、虫除けスプレーを入れている。これくらあったら、誰でも助けられるし、自分でも助けられる!
「うわーーーーーん!!!」
私が、登校していると、低学年で多分小学1年生の女の子が泣いていた。早く行かないと、学校遅れちゃうし…あ!あと、小雪置いて行っちゃった!ヤバい……小雪にメールしよう。
私は、メールした後、女の子のところへ走っていった。学校も大事だけど、でも、困っている人も助けなくちゃ!
「ど…うし……たの…?」
「転んだの……うえーん!」
女の子の膝を見ると、膝をすりむき血が出ていた。
私は、消毒液を出した。
「ちょっと、染みるけど我慢してね。」
私は、女の子の膝に消毒をした。女の子は必死にこらえている。
「終わった……よ…」
「わぁ!くまさん消毒だ!ありがとう!お姉ちゃん!」
女の子は元気になってくれた。
「お姉ちゃんじゃあね!」
女の子は、走って私に手を振って行ってしまった。
梨依ちゃん、声出しちゃった‼
けど、思いやりあって優しい‼
でも……喋ると私……死んじゃうんだよね………凄く怖いよ……
「梨依おはよう!」
小雪は、私の肩をぽんっと叩いて、手を降って挨拶した。
「お、おはよう………小…雪」
私が挨拶すると、小雪はびっくりしていた。
「えーー?!梨依が喋った!久々に見たよ!なんで話せるようになったの?!」
小雪は、興味津々で、聞いてきた。
「あの……小学1年生の女の子……が膝をすりむいて泣いてて……それで、救急ポーチで…手当てしたの…喋らなかったら……おかしいと思われると思ってたらなんか喋れるように……」
「てか、なんかスラスラ話してない?」
気づいたら、本当にスラスラと話していた。
「でも、話したら、頭痛するんじゃないの?」
小雪は、心配した顔で聞いた。
「ううん…大丈夫…!」
「そう?」
私と小雪が一緒に歩いていると、肩を誰かからトントンと叩かれた。私は、後ろを振り向くと…
「小雪と梨依ちゃんおはよう!」
と、同じクラスの咲良夢ちゃんと、鈴木美代奈ちゃんだった。
「初めて同じクラスなったね!」
と、美代奈ちゃんがニッコリして答えた。
「二人は、小6の3学期に転校してきたもんね!そう言えば、雫と結は?一緒じゃないの?」
私も気づいた。いつもは、水田雫ちゃん、麻生結ちゃん、夢ちゃん、美代奈ちゃんの4人で来るのに…喧嘩でもしたのかな…?
「あぁ…実はね……結の家に行こうとしたら、雫が結の家の前にいて、話を聞いたら、結が寝坊したんだって。雫が急いで結を連れていくから先に二人は行っててって言われたの!」
結ちゃんらしい……
「結らしいね。」
私と夢ちゃん、美代奈ちゃん、小雪は苦笑いをした。
「そう言えば、今日、梨依ちゃんが日直だよ!大丈夫?」
あぁ。きっと、私が喋られないことか……でも、大丈夫!
「ううん。大丈夫…」
「え?待って、夢。嘘でしょ。」
「現実?」
「えーーーーー?!」
二人は驚き叫んだ。まぁ。それは、びっくりするよね。
「実は……………」
私は、さっきのことを話した。
「そう言うことね。でも、今日の日直はバッチリじゃないの?」
「う〜ん…でも、自信がないな……」
私は、笑っている顔をして言った。
「でも、喋る頭痛がはしるんじゃないの?」
と、心配してる顔をした美代奈ちゃん。
「大丈夫…!頭痛薬…持ってきたから…!」
「そっか、なら安心!でも、無理しないでね?」
と、美代奈ちゃんはお母さんのように言った。
ルナっち!やっほー~☺
小説板ってガールズトーク板にいる子が結構書いてるんだね!
頑張ってネ✩
>>25
うん!ありがとう!頑張るね!
「あ!夢と美代奈おはよう!」
急いで走ってきた雫ちゃんと結ちゃんだった。
「結!もぅ!今日から授業始まるんだからね?入学式の時、早起きする!って言ってたじゃん!」
と、夢ちゃんが言った。
「むぅー!来年から!」
「どうせ。ずっとやらないでしょ?」
結ちゃんと夢ちゃんの争い…かなっ?
「…って、小雪ちゃんと梨依ちゃんもいたんだ!みんなで一緒に行こう!」
と、結がニコニコしながら言った。
「あ…!」
と、私は、叫んだ。
「どうしたの?」
と、雫ちゃんと、結ちゃん、夢ちゃん、美代奈ちゃん、小雪が言った。
「今日、私…日直じゃん…」
私は、時計を見て気がついた。
「えーーーーー!!!!梨依ちゃんがしゃべったぁーーー?!」
結ちゃんは驚いている。てか、そっちかいな!
「そこじゃねーだろ!」
と、夢ちゃん、雫ちゃん、美代奈ちゃん、小雪がツッコミをした。
「と、とにかく!急ごう!!」
と、小雪は、私の手を引っ張り急いで学校へ向かった。もちろん、夢ちゃん達も走っている。結ちゃんは、雫ちゃんに手を引っ張られながら走っている。
そして、中学校に着き、教室に着いたとき私達はホッとした。なぜなら…
「授業まだ始まってなかった!」
からです。結は、凄くホッとしているご様子。
私は、席につき、スクールバッグからいろんな物を出した。教科書、ペンポーチ、ノートそれから……
「川音さんっていろんな物持ってきてるんだ。」
と、声をかけられた。声をかけられたのは、同じクラスの中村涼君だ。中村君は、学年で一番モテる男子。私には、何処が格好いいのかが、全然わからない。
「いや…みんなの…役にたちたくて…」
私は、下を向き答えた。顔をあげると、私の方をにらむ女の子がいる。あぁ。多分、中村君ファンクラブだな。今から謝りにいこう。
私は、席から立ち上がり、中村君ファンクラブのところへ行った。
「あの。ちょっと良いですか?」
「うん。良いよ。」
ちょっと、イラついているのかな?ここまで来たんだからちゃんと謝らないと!
「ご、ごめんなさい!」
「え?!」
私が頭を下げて、謝ると、中村君ファンクラブはびっくりしていた。
「え?どうかしましたか?あ。謝り方がおかしかったら直します。」
「いや、そういう意味じゃなくて、し、喋れるの?」
と、ファンクラブリーダーの笹川岬ちゃんがびっくりしている。
「あの。ちょっといろいろありまして。」
私は、ちょっと苦笑いをした。
すると、ファンクラブから肩をがしっと捕まれた。え?!何?!私悪いことした?!
「よかったぁー!!」
と、岬ちゃんは、私に抱きついてくる。
「え?」
私は、訳がわからなくなってきた。
「あのね、私川音さんとずっと友達になりたかったの!小学校は違うけど入学式した時に、川音さんと仲良くなりたいって思ったの!良いかな?」
「も、もちろん!!」
私は、笑顔で答えた。
「そう言えば、川音さんって何部?」
「私は、吹奏楽部かな」
「あ!私と一緒!」
部活も一緒だし仲良くなれそうだな…
「じゃあ、梨依って呼ぶね!」
「うん!」
なんだか、とても心がわくわくする感じがするの!嬉しい!
「梨依っちって呼ぶ!」
私のニックネームは、梨依っち、りーちゃんになった。
「りーちゃん、今日一緒に帰ろう!」
と、坂上水月ちゃん通称、みずは言った。
「うん。良いよ。でも、小雪も良い?」
と、言った。小雪が可哀想に見えるから。
「うん!良いよ!小雪とりーちゃんって仲良しなの?」
「うん!小学生の時から仲良しなの!」
私は、小雪のいろんなところをほめた。
「優しいところいっぱいあるんだね!私も小雪と仲良くなってみようっと!」
と、みっさー(岬)はやる気満々!!
キーンコーンカーンコーンと、チャイムがなった。みんなは席につくと、先生が教室のドアをガラッと開けて、入ってきた。
「皆さんおはようございます!では、日直の川音さんお願いします!」
と、先生がニッコリして言った。ヤバい……緊張する!私は、すぅっと息をすって……
「き、起立!お、おはようございます!」
「おはようございます!」
私の声でみんなが挨拶をすると、教室に声が響く。
「ち、着席!」
と、私は緊張気味で言った。
「では、健康観察をやります!」
健康観察と一時間目が終わり、休憩。
「あれ、川音だよな…あの静かな」
「川音さん声出せるんだ。」
と、みんなざわつき始めた。なんだか、嫌な気分がする…………
私は、嫌な気分がして、ずっと下を向き、次の準備をそーっとしていると、
「りーちゃんが可哀想だよ!」
と、大きな声で注意した人がいた。聞こえた方を向くと………
「みっさー!!」
「え?!岬と友達になったの?!」
と、小雪はびっくりした。
「話したら友達になれたの!」
「良かったね!」
と、後ろにいた小雪から頭を撫でられた。
「そうだよ。みんなりーちゃんに謝って?」
と、みずは、言った人ににらみつき、怖そうな顔で言った。すると、みんな私の机のところに来た。
「え?!な、何?!」
私は、びっくりした。だって、みんな私の机のまわりにいるんだもん!
「川音、ごめんなさい!」
みんな声を合わせて謝ってきた。え?どゆこと?はい?
「俺、川音が喋らない女ってずっと思ってた。すまない!」
「私もごめんね。りっちゃんとは、3年生の時に同じクラスで明るかったけど最近喋らなくて静かな女って思ってたの。本当にごめんね!」
みんな、ざわざわしながら謝ってくる。あぁ………耳にあててた手がだんだん耳から放れていく……
2時間目は、音楽。私は吹奏楽部に入ってるから音楽は大丈夫だと思う!
「はい。急ですが、歌のテストをやりたいと思います。」
音楽担当の藤原先生。藤原先生は、私が通っていた学校の6年1組担当の先生。私達が卒業するうえに、先生も中学校に行くことになった。まぁ。里見先生とは、別れちゃったけどいつか会えるよね!
「えーーーーーー!!!!」
みんなは、叫んだ。きっと歌のテストが嫌なんだよね…
「出席番号順にしていきます。男女でいきます。まず、浅倉君!」
「へぇーい」
そして、いよいよ私の番!緊張する!
「では、川音さん」
「はい…!」
私は、今日は日直だし、凄く怖い。歌下手だったら、嫌だ!神様お願いします!
「〜♪〜〜♪〜〜〜♪」
私は、思いっきり歌った。みんなはぽかーんと口を開けたり、びっくりして、目を丸くした人もいた。でも、小雪はうんうん。とこくりとうなずいていた。
「はい!川音さん凄いですね!」
私は、先生に誉められて嬉しくて顔を赤くした。すると、パチパチと拍手がなった。
「川音さんすげぇー!」
「りーちゃん凄いね!」
みんなからほめられて顔を赤くするけど、なんだか照れる!
音楽の授業が終わったあと学年中に広まった。私は、学年で一番歌声が綺麗だってね。
みんなから注目されて恥ずかしい…けど、嬉しい!!
「川音凄いな!」
私の目の前で話した翔君がいた。
「私のやる気をはっきしただけだよ…」
私は、少し苦笑いをして言った。
「そう言えば、川音って何部?」
「私は、吹奏楽部。確か、翔君は、バスケだっけ?」
「あぁ!」
翔君は、歯をニッと出し、笑った。なんだか、笑顔が眩しい………
「バスケね…懐かしいな…」
私は、ちょっとおっとりした顔で窓を見た。
「え?どういうこと?」
翔君は、首をかしげて私に、聞いてきた。
「ううん。なんでもないよ!授業始まるよ!」
「あ、あぁ。」
翔君は、聞きたそうな感じだったけど諦めて自分の席に戻った。まぁ。翔君って明るい人だなぁ……
第3章ー梨依の秘密…ー
学校の帰り、みっさーとみず、小雪、私で帰った。
「これから私達は、仲良し4人組ね!」
「うん!」
私は、こくりこくりとうなずいた。
「じゃあ、秘密なしね!あ!だったら、誰にも言えないことを言うなんてどう?」
小雪は、言った。前私は、小雪にみんなに秘密を言えなくて辛い。と言ったからだ。小雪ありがとー!
「良いね!じゃあ、うちんち来ない?」
と、みずが言った。みんなは、目を輝かせて
「行く行く!」
こくりこくりとうなずいた。
「じゃあ、決まりね!りーちゃんは?」
「私も良いよ。」
私もこくりとうなずいた。私は、携帯をスクールバッグから取り出して、お母さんにメールをした。
『今日友達と遊びます。』
私は、送信を押した。
「じゃあ、行こう!」
みんなルンルンで行った。私も着いていった。
着いたところは、周りにお花が咲いていて、3階建ての家だった。
「みずの家豪華だね…」
私は、思っていたことを口に出してしまった。
「まあ。私この雰囲気好きなの!」
みずは、ニコッと笑った。
「じゃあ、入って」
「お邪魔しまーす」
みずがドアを開けて入ると、家は予想してたより広かった。
「あら、お帰り」
リビングから出てきたのは、みずのお母様かな?
「お姉ちゃんただいま」
お、お姉ちゃん?!まぁ、若かったからな。
「そちらは、お客様?」
「うん!私の友達!」
「じゃあ、ゆっくりして行ってね。」
みずのお姉さんは、ぺこりとおじぎをしてキッチンへ向かった。
「こっちに来て!」
みずに着いていき階段をあがった。そして、みずの部屋に行った。
「みずの部屋綺麗!」
私は、感激した。カーテンはふりふり、整頓されている!凄く綺麗!
「ありがと!最近綺麗にしたの」
みずはニコニコしてそう答えた。すると、コンコンとドアをノックする音が聞こえた。
「水月?お菓子とか持ってきてたわよ」
この声は、みずのお姉さんの声だ。
「良いよ」
みずはニコニコして答えた。みずのお姉さんは、ドアを開けてお盆にあった、お菓子、紅茶を置いた。
「紅茶飲めるかしら?」
みずのお姉さんはちょっと心配そうな顔をして聞いた。
「いいえ。小雪と私紅茶飲めるので大丈夫ですよ」
私は、小雪のことまで言った。
「あらそう?じゃあ、ごゆっくり〜」
みずのお姉さんは、ニコニコしてドアを閉めた。
sibe:水月のお姉さん
「ふふふ。女子会かしら?良いわね!ふふふ」
「じゃあ、私からね!私はね……」
みずから順に、みっさー、小雪、私の順番だ。
なんか、すっきりしない感じがする……あ。こういう時はすっきりしない時用のじゃーん!このモフちゃんマスコット!それ、名前通りモフモフして気持ちいいんだよぉ〜!モフモフした感じがたまらない…………
「…で、私の話は終わり!」
私はモフちゃんをモフモフしてたらいつの間にかみずのお話は終わってた。
「で、どう思う?りーちゃんは」
「ドキィーーーー!!!」
私は、ドキドキしてたのを声に出して叫んでしまった。
「り、りーちゃん?どうしたの?もしかして、話聞いていなかった??」
私は、顔を真っ青にしてこくりこくりとうなずいた。
「あ。いい忘れたけど、梨依は、自分の秘密をはかないと、人の話が聞けなくことがあるの」
小雪は、私と仲良しだったから、私のことならなんでも知っている。
「じゃあ、みずの次梨依っちで良いよ。」
みっさーは優しく譲ってくれた。
「ありがとね。じゃあ、言うね…」
私は、息をすぅっとすい……
「ちょっと、おとぎ話みたいな感じかも。私が小6の時………
1年前…………
「ふぅ!疲れた!さすがに、卒業式練習厳しいよ!」
この日は、卒業式前日の日だった。私は、愚痴を言いながらねっころがった。私は、疲れて眠りについた。すると、夢の中に制服を着ていて、黒いマント?を着ているもう一人私がいた。もう一人の私はこう言った。
「貴方は、お喋り過ぎです。口にチャックをつけます。貴方はチャックをつけている間何回か喋ると貴方は亡くなります。」
私は、一瞬亡くなるの意味がわからなかった。亡くなるってことは……まさか!!
「死ぬの……?」
「えぇ。そうよ」
もう一人の私はニヤリとすごく怖い顔をした。すると、私に近づいて、口にチャックをした。そして、夢から覚めた私は、喋れなくなっていたのだ……ただ、息切れをしている声だけだった……
これで、終わり。」
私は、言えてすっきりした。ところが、みずとみっさーはポロポロと涙をこぼしていた。
「え?!どうしたの?!」
私は、びっくりして焦った。
「いや、感動する?的な感じで」
みずは、涙をふいて笑った。
「じゃあ、進めよう!次みっさーね!!」
「ok」
こうして、女子会が終わった。
「お邪魔しました!」
みっさーと小雪と私は声を合わせて言った。
「また、遊びに来てね」
みずのお姉さんはにっこりして言った。
「じゃあ、また明日!」
みずは、玄関で手を振って見送ってくれた。
「私みっさーの家の隣だからじゃーね」
「うん!」
私と小雪はみっさーに手を振った。
「今日は楽しかったね!」
小雪はニコニコしながら私に言った。私も楽しかったからこくりこくりとうなずいた。
「明日って部活あるよね?」
「うん。でも、17時までって書いてあるよ」
「よっしゃ!」
小雪は小学生のように喜んだ。ふふふ…まぁ、私も嬉しいけどね。
「あ。家に着いた!バイバイ!梨依!気を付けるんだよ!」
小雪は、元気よく手を振った。空はだんだん暗くなりそうだ…
「あれ?川音さん?」
私が歩いていると、後ろから誰かから声をかけられた。
「あ。中村君……」
私が後ろを振り返ると、中村君がいた。
「暗い中どうしたの?」
中村君は、心配している顔をして聞いてきた。
「友達の家でお茶会みたいなのをしてたかな。」
私は、ニコニコして言った。
「家まで送るよ?」
中村君は、手をさしだした。
「で、でも、中村君の帰り遅くなっちゃうじゃん……それに………」
「俺川音さんのこと好きだから……」
「え?」
第4章ー私のこと好きになる人なんていないー
私はびっくりした。まさか、私のことを好きだって言う人を
「で、でも…私、あんまり喋らないよ?」
「いや。声がかわいい」
は?性格とかじゃなくて??
「わ、私帰ります!!」
私は、走って帰った。
「ただいま…」
私は、小さな声で帰宅した。私がリビングに行くと、ビニール袋があった。その中には、コンビニのお弁当があった。お弁当のふたには、
『梨依の夜ご飯』
と書いてあった。お母さんは寝ている。お母さんは何も食べずに寝ている。お母さんの分のご飯がない。私は、お財布を持って出掛けた。
「いらっしゃいませ!」
大きな声で挨拶をしてくれる若い店員さん。私が来たのは、家の近くのコンビニ。
「え、えっと…お母さんのお弁当…」
私が探していると、お母さんが好きそうなお弁当を見つけた。それは、ドリアだ。私は、ドリアを持って、レジに行った。
「いらっしゃいませ!お嬢ちゃん夜にお買い物?自分のお弁当?」
私が行ったレジ担当の若いお兄さんが聞いた。
「いえ、お母さんのです。」
「お母さんから頼まれたの?えっと、360円ね。」
「いいえ。お母さんのお弁当だけがなくてお母さん仕事で寝ていたので。はい。お願いします。」
「はい。ちょうどお預かりします。レシートのお返し。温める?」
「じゃあ、お願いします。」
私は、ペコリとお辞儀をした。今から店員さんと喋るんだ。
「お嬢ちゃんは、何歳かな?」
「12歳です…」
私は、緊張して小さな声で答えた。
「まさか、小学生??」
店員さんはびっくりして聞いてきた。
「え。いえ、中学生です。」
「だよね。どう?中学校楽しい?」
「はい!楽しいです!」
私は、ニコッと笑った。
「僕の弟も中学生で、君と同じ年なんだけどね。部活は?」
「吹奏楽部です…」
私は、笑って答えた。すると、温め終わった音が聞こえて、レジのお兄さんは、取り出してビニール袋に入れながら話した。
「そうなんだ。僕の弟は、バレー部だったかな。僕は、今高校生だけどね。」
「へぇ……バイトですか?」
「うん。まぁね。はい。」
お兄さんは、丁寧にドリアを渡した。
「ありがとうございました!」
お兄さんは、大きな声でにっこりして顔で見送ってくれた。
「ただいま。」
私は、玄関をガチャッと開けて、リビングに行くと、お母さんは起きてた。
「お帰り。ずいぶん遅かったわね」
お母さんは、怒らずにっこり笑った。
「ちょっとね。」
私は、苦笑いをした。
「お母さんはい。」
私は、コンビニで買ったドリアをお母さんに渡した。
「え?お母さんに?」
お母さんは、ドリアを見て、びっくりしていた。
「うん!私のだけあって、お母さんのがなかったから。」
私は、にっこりと笑った。
「梨依ありがとう!!」
お母さんは、子供のように私に、抱きついてきた。
「お母さん、さめないうちに一緒に食べよう?」
「はいはい…」
お母さんと久々にご飯が食べれるんだ……
「今日ね、新しいお友達ができたんだよ!」
「あら!良かったわね!」
お母さんといるとホッとする……なんだか、心が暖かくなるな……
次の日。私が小雪と登校していると、昨日の帰り中村君から告白されたことを思い出してしまう。
「…い!りい!梨依!」
「あ!はい!」
「話聞いてた?」
「あ。ごめん!考え事してた!」
ヤバイ…小雪の話聞いてなかった。中村君のことで頭がいっぱい……
「みんなおはよう!」
中村君は、チャラそうに、女子のみんなを惚れさせた。女子は、みんな目がハートだ。
「あ…」
私と中村君は、目が合ってしまった。すると、中村君は、私にウィンクをした。
「え?梨依と中村付き合ってんの?」
小雪は、小声で聞いてきた。
「ち、違うよ。絶対に言わないでね?」
「うん。」
私は、焦ってた。だって付き合っていないのに、付き合ってるって誤解されたら、中村君ファンクラブからこ、殺されるぅ………
小雪は、私の口元に耳を向けた。
「告白された。」
私は、顔を赤くして言った。
「え?誰に?」
「な、中村君から………」
「え?!マジで?!」
小雪は、大声を出さずに話した。
「そっかぁ……梨依は、いつかモテ期になると思うな」
小雪は、にやにやして、腕をくんだ。
「でも、小雪の方がモテるじゃん」
「さぁね…」
私と小雪は、仲良く喋って登校して学校に行った。
「みんなおはよう!」
私と小雪は元気よく教室に入った。
「お!こゆっぺと、りーちゃんおっはー!」
挨拶をしてくれたのは、椅子に座って手を振っているみずとみっさーだ。
「昨日宿題多くなかった?私なんてプリント真っ白だよ!」
みっさーは、宿題のプリントをみずと、私、小雪に見せた。
「私は、全部埋めたかな。」
私は、ファイルから、宿題のプリントを出した。
「え?!これもしかして当たってる?」
「まだ、わかんないよ。数学の時に答え合わせするって。」
「そっか!」
みっさーとみずは笑顔になった。
「皆さんおはようございます!」
先生は、教科書を持ち、教室に入ってきた。
「宿題の数学のプリントを集めます。班ごとに持ってこーい」
「はーい」
みんなは、暗そうな返事をした。
「私が持って行くね。」
私は、班の人のプリントを取って言った。
「じゃあ、川音さんよろしくね」
同じ班の野々村美澪ちゃんがにっこりとして、プリントを差し出して言った。
「うん。」
私は、ふんわりとした笑顔をした。
「はい。皆さん出しましたか?それでは、先生は丸つけをします。喋って良いけど、大きな声は出さないでください。」
「やったーー!!!!」
みんなは、嬉しそうに、仲良しグループに集まった。
「梨依っち、椅子持ってこっち来て!」
みっさーが、手を振って私を呼んだ。私は、椅子を持って、みっさー達がいる場所に行った。
「なんの話する?」
みっさーは、足をバタバタさせて言った。
「こら!みっさー!そんなにバタバタしてると、男子からスカートの中見られちゃうよ!」
みずは、みっさーの足をバチンッと叩いた。
「いってぇー!!」
みっさーは、みずから叩かれた足を急いで撫でていた。
「じゃあ、小学校の話なんてどうかな?」
私が、思い付いたのが、小学校の話だ。
「あ!確かに良いね!みずとみっさーとは、違う小学校だったもんね!」
小雪の言った通り、みっさーとみずとは、違う小学校だった。私と小雪は同じ小学校だ。
「良いね!じゃあ、話そう!」
「じゃあ、まず、みっさー&みずね!」
「良いよ!私の学校は、とにかく盛り上げ男女がいっぱいいたかな。」
「私の梨依のところもそういう感じかな!」
みっさー達の学校のことは、みずが話して、私の学校のことは、小雪が話した。
「皆さん席についてください!」
先生が大きな声で言った。どうやら、先生の丸つけが終わったようだ。
「では、プリント返しますね。まずは、川音さん」
「は、はいぃ!」
私は、緊張して返事をする時失敗した。うぅ…恥ずかしい……私は、緊張と恥ずかしさを抱えて、先生のところへ行った。
「川音さんは………」
これは、緊張する………怖いな…
「満点です!」
「は?」
私は、びっくりして、『は?』って言ってしまった……先生から怒られるな…
「おぉー!川音さん凄い!」
「凄いね!教えてぇー!」
みんなは、うらやましい声、そして、教室に響く拍手…こんな学校生活……生まれて始めてた…
「川音さん、プリントもらったら、席についてください。」
「は、はい!」
私は、緊張と恥ずかしさを捨てて、安心を持った。
「………」
私は、プリントに間違いなしで嬉しくて、ニヤけてしまった。
「次に、笹川さん」
「はい!」
次は、みっさーの番だ。みっさーは、ニコニコしていた。満点とれる気満々なのかな?いや…でも、プリント真っ白だったし……
「笹川さんは、0点です」
「へ?」
みっさーは、びっくりした顔で言った。
「う、嘘だろ?!」
「本当です。」
先生は、棒読みで答えた。
「やったぁー!!!」
え?!なんで、0点で?!
「みっさー?!ちょっと!0点だよ?!」
みずは、席から立って、みっさーを叱った。
「だって、0点を取る人って凄いんでしょ?!全部間違えるのって凄いんでしょ?!」
いや。みっさーは、プリントに何も書いてないよね。あ。でも、名前は書いてたか。
「しかも、トラえもんののぴ太かいっつも0点取って凄いんでしょ?!だから、私も凄い!」
や、ヤバイ……みっさーが壊れてる……
「いい加減にしなさい!」
みずは、みっさーの頭でチョップをした。そ、そう言えば、前にみずは、空手をしてたって聞いた……って、みっさーは、気絶をしていた。
「先生。私責任を持って笹川さんを保健室に連れていきます。」
「あ。はーい」
みずは、真顔で、みっさーを保健室に連れていった
休み時間、私と小雪とみずは、保健室に行った。
「失礼します。」
私は、ドアをコンコンとノックをして保健室に入った。
「あら。笹川さんのお見舞いに来たの?」
ポニーテールで、眼鏡をかけてる若い先生がこちらをにこにこして話しかけた。
「はい!」
「笹川さんは、ここで寝ているので」
先生は、カーテンが閉まってるところを指をさして教えてくれた。
「ありがとうございます!」
「ちなみに、私の名前は、藤川若菜よ。よろしくね」
若菜先生はふんわりとして笑顔をした。
「う〜ん……」
カーテンが閉まってる方からみっさーの声がした。みずは、サーッとカーテンを開けた。すると、みっさーが起きていた。
「みんなどうしたの?」
みっさーは、目をこすりながら聞いてきた。
「どうしたの?じゃないよ…!大丈夫…?」
私は、首をかしげて聞いた。
「うん。大丈夫。でも、頭がジンジンするような…」
「あぁ。みっさーごめん。それ私だわ」
みずは、苦笑いをして謝った。
「はぁ?!みずだったの?!あの空手チョップみたいなやつ!!」
空手チョップですよ……みっさーもしかして、記憶ないの……?
「みっさー、私のことわかる?」
私は、おそるおそるみっさーに聞いた。
「今更何を言ってるの!川音梨依でしょ!」
あぁ!よかったぁ……!!もし、みっさーが、記憶なくしたらどうしようって思ったよ!
「じゃあ、みっさー行きますか!」
「はーい!若菜先生ありがとうございました!!」
「良いのよ!元気な時でも来てちょうだい!」
と、若菜先生はニコニコしながら言った。
「じゃあ、失礼しました!」
「はーい」
若菜先生は、笑顔で手を振ってくれた。優しい先生だな…
「みんなただいま〜!」
みっさーは、元気よく教室に戻った。
「笹川さん大丈夫でしたか?」
「大丈夫ですよ〜!」
みっさーは、にぃっとして笑った。ホッとした……
「川音さん大丈夫かな?今」
後ろから肩をぽんぽんされて後ろを向いたら、中村君がいた。
「あ。うん…小雪と、みっさー、みずちょっと行ってくるね。」
「うん!大丈夫だよ〜!」
みずとみっさーは、手を振って言った。中村君についていくと、屋上までついていった。
「で、前の返事は?」
「え?!」
私は、ドキッとした。正直言うと、中村君はニコニコしていて怖いっていうか、恐怖を感じる。これから、付き合って何をされるかわからないし……
「ごめんなさい……」
私は、下を向いて断った。中村君の反応は?
「だと、思ったよ」
え?どういうこと?
「俺、川音さんの気持ちもわからず、告白してた。だからさぁ…ビックリしたよね」
「え。いや…」
「じゃあ、俺行くね!」
「あ。えっ……」
私が言いかけた時に、中村君は屋上から出ていった。中村君ごめんなさい。
「中村君ごめんなさい…中村君ごめんなさい…」
私は、『中村君ごめんなさい…』って心の中で言っていたら、言葉がこぼれた。なんでだろう……私は、昔、喋れなくて……馬鹿にされたことを思い出す。
第5章ーこぼれる言葉ー
ーーーー梨依貴方、私との約束破ったの……どうして?酷いよ…酷いよ…!
「はっ!!」
私は、夢で起きた。あの夢はいったい……なんだったんだろうか……今は、午前5時だ。そろそろ、朝食を作ろう。私は、キッチンひ向かって料理を作り始めた。
「……」
私は、何を作ろうかと迷っていた。あ。そうだ!サラダを作ろうかな。
「確か、レタスがあったはず。」
私は、冷蔵庫の野菜室を開けた。そこには、大きなレタスがあった。私は、そのレタスを持って、プチトマト、ブロッコリーを使ってサラダを作った。
5分後……私は、ランチョンマットをしていて、朝食の準備をした。
「ふぅ!終了!」
「あら。梨依おはよ。早いわね。」
仕事の服に着替えたお母さんが目をこすりながら来た。
「お母さん!おはよう!」
私は、元気よくにっこりと笑って挨拶をした。
「あら、梨依朝食準備してくれたの?ありがとう!」
お母さんはとてもニコニコしていた。私にとって、安心した…
「あ。梨依、学校終わったらおつかい行ってくれるかしら」
「うん。良いよ」
私は、家事は好きだけど、一番好きなのは、おつかい。いつもの商店街に行くと、よくいろんな人に会うのだ。
「じゃあ、お願いね。お母さんメモしておくから。梨依は、朝食を食べ終わったら、学校の準備をしなさい。食器洗いはお母さんやるから。」
「うん。ありがとう。」
私は、階段をのぼり、学校の準備をした。
梨依ちゃん、相変わらず良い子!
そして、友達とも仲良くて羨ましい‼
これからも頑張って!
>>62
ありがとう!!かおるんも頑張れ!
私は、制服を着ると、髪をくしでとかした。
「行ってきます…!」
「気を付けるのよ!」
「はーい!」
私は、家を出た。ドアを開けた瞬間新しい今日が始まる風がふいてきた。
「今日は少し寒いな……」
まぁ、春だし、寒くなったり、暑くなったりするのは、当然だよね。そして、私は、学校に着いた。
「みんなおはよう…」
私は少し恥ずかしそうに教室に入った。
「あ!川音おはよう!」
「川音さんおはよう!」
「梨依ちゃんおはよう!」
私が、喋れるようになってから、みんな私が挨拶をすると、挨拶を返してくれるようになった。これはこれで嬉しい……
「梨依っちおはよう!」
元気よく教室に入ってきたのは、みっさーとみずだ。
「おはよう。朝から元気だね。」
私は、ニコニコしながら言った。みっさーは、笑顔が眩しくて、うらやましいよ……
「そう言えば、小雪来てないね。」
「私も思った。朝迎えに来なくて…」
すると、バッグから『ピロリン』と音がなった。私は、バッグから携帯を取り出すと、小雪からメールが来ていた。私は、メールをみると、
『今日、風邪ひいちゃった…(>iДi<)今日学校お休みすることに…』
え?嘘…小雪休み?!
「今日………小雪風邪だって…」
「え?!小雪めっちゃ元気なのに?!」
「うん。返信しとく」
『大丈夫?無理しないでね?あと、お見舞い行くからね♝』
と………小雪のお見舞いで何持っていこう……
そして、放課後……私とみっさーとみずは、小雪の家にお見舞いに行った。お花の束と、クッキーを持ってきた。本当はフルーツを持っていきたかったけど、売り切れてた……私は、インターホンを押した。
「はーい。あら梨依ちゃんと……」
小雪のお母さんが玄関から出てきた。あ…みっさーとみずのこと知らないか…
「はじめまして!小雪さんと同じクラスの坂上水月と申します。」
「私も小雪ちゃんと同じクラスの笹川岬です。」
二人は自己紹介を終わるとぺこりとお辞儀をした。
「あら。じゃあ、中に入って」
小雪のお母さんはにっこりと私達を家にあがらせた。
「小雪〜?」
私は、小雪の部屋のドアをノックした。
「どうぞ〜」
私は、小雪の部屋のドアを開けた。すると、ベッドに寝込んでいる小雪がいた。
「小雪具合どう?クッキーとお花持ってきたよ。」
「あ。ありがとう。うん。熱は下がって、明日から来れるよ!」
小雪が元気で良かった………あ!お母さんにおつかい頼まれてるんだった!
「小雪とみっさーとみずごめん!私お母さんにおつかい頼まれてるんだった!」
「先帰って良いよ!また明日!」
小雪とみず、みっさーはニコニコして私手を振った。
「お邪魔しました!」
私は、小雪の家から飛び出して、家に帰った。
「ただいま!行ってきます!」
私は、玄関にバッグを置いて、玄関に置いてあったエコバッグを持って玄関を飛び出して、鍵を閉めた。
「ヤバい。お母さんに迷惑かけちゃう!」
私は、自転車をこぎながら、商店街に行った。
「あら、梨衣ちゃん」
お肉屋さんの人が声をかけてくれた。ここのお肉屋さんは、卵も売っているのです。
「こんにちは。えっと、鶏肉と、卵ください」
「はい。600円ね」
「今日はおまけで、飴あげるわね」
「ありがとうございます!」
私は、飴をギュッと持ち、家に帰った。自転車をこいでいると、少し空暗くなっていた。
「ただいま〜」
私は、キッチンに行って、晩御飯を作った。今日はオムライスを作ろう。私は、リモコンでテレビをつけた。
「こんばんは。今日のニュースです」
と、テレビからニュースが流れた。私は、さっそく、晩御飯を作ることにした。
「あ!その前にランチョンマットしかないと!」
私は、思い出して、ダイニングにランチョンマットを2枚敷いた。そして、スプーンと、コップを置いた。
「お母さんまだ帰ってこないしな……」
「それではお天気です。中河さんソラタロー!」
テレビからニュースの音が響く。私は、テレビを消して、自分の部屋に行った。
「勉強でもするか…」
私は、勉強机の電気を明るくして、さっそく、勉強を始めた。私は、さらさらと、問題を解いた。
勉強をしている途中に、携帯がなった。
「あ、お母さんからメールだ…」
私は、メールを開くと
『今日は、仕事でお泊まりすることになったの。夕飯は自分で作ってね。』
お母さん、夜帰って来ないの?!
うーん、所々…修正できそうな部分が
70:岬◆x.:2017/10/14(土) 15:43相変わらず超面白いね!
71:渚◆t/k:2017/10/14(土) 15:44 >>70
ありがとう!!
『う、うん。わかった』
でも、ご飯まだ作ってなかったし……私は、お母さんが食べる準備をしといた物を片付けて、料理をすることにした。
そして、10分後オムライスが完成した。
「いただきます…」
私は、小さな声で、オムライスにケチャップをかけて、パクッと食べた。
「お母さんと一緒の味だ…」
私は、ボソッと言った。涙が出てきそうだな……ありがとう。お母さん。
偉いね、梨依ちゃんは。
なるべく声出さないでね!
亡くなっちゃうから。
渚、伝言よろしく。
>>73
はいはい!!
うん!って!喋ると亡くなる設定すっかり忘れてた(笑)ありがとう!教えてくれて!
いつもありがとう!
次の日……私は、静かに登校した。あの、味お母さんが作ったオムライスの味だ……おいしかった……
「梨依〜!!」
後ろから、私を呼ぶ声が聞こえて、振り向くと、小雪、みず、みっさーが走ってきた。
「おはよう……!小雪大丈夫だった?」
私は、ニコッと笑って挨拶をした。
「おっはー!うん!大丈夫だよ!ずいぶん元気!」
小雪は、にぃっと笑った。
「あ………!」
私は、思い出したのだ………ずっと忘れていた……もう一人の私の言ったことを……
「どうしたの?」
みずが、首をかしげて聞いてきた。私は、言葉に出そうとしたけど、死ぬのが怖くなり、喋れなくなった。私は、バッグから携帯を出して、
『ごめん。喋ると亡くなるってことすっかり忘れてた……』
と、書いた。
「それじゃあ、しょうがない!ね?迷惑じゃないし!」
みっさーは、ニッと笑った。
「うん!喋れなくても親友……でしょ?」
「大丈夫!私達梨依のわがままでもなんでも聞くからね?」
私は、嬉しくなり、泣きそうになったけど、こらえてこくりとうなずいた。
帰り……今日からいよいよ部活!でも、早め終わるらしい!
「はい。では、吹奏楽部員揃ったかな?では、10月に行われる発表会に向けて、『星に叶うなら』を練習します。一回1年生は良く聴いててくださいね!」
部長の葉月先輩は、優しい笑顔で、1年生に教えてくれた。
演奏する準備ができ、先生が指揮をすると、綺麗なメロディが聴こえてくる。最初は、フォルテ……急に小さくなり、メゾピアノ……なめらかな感じの演奏だ。私は、演奏が上手くできるか、とても心配だ……
そして、演奏が終わると、私達1年生は、パラパラと大きな拍手をした。
「どうでしたか?」
「ぁ………」
私は、声に出そうとした。でも、言うのが辛いのだ。
「ぁ……あの…!」
私が少し大きな声で言うと葉月先輩は私の前に来た。
「どうしたの?」
葉月先輩はニコニコして私に聞いてきた。
どうしよ……これが言いづらくなるやつだ……
「あ。あの……やっぱりなんでもありません…」
「そう?何かあったら教えてね!」
葉月先輩は、ニコッと笑って、元のところへ戻った。本当は、『なんだか、素敵な曲で感動しました。』って言いたかったのに……
部活が終わると、昇降口には誰もいなかった。小雪は、そのままお迎えで医者、みっさーはピアノ、みずは書道教室があるから一緒に帰れないのだ。運が悪いな……一人で帰るか。
「川音!」
私は、一人で帰ろうとすると、後ろから私を呼ぶ声が聞こえて後ろを振り向くと……
「翔君……」
「どうしたんだ?俺帰る人いないから川音と帰ろうとしたんだが…」
「うん。一緒に帰る。」
私は、翔君と一緒に帰ることに……
「どうしたんだよ…いつもより元気がないぞ…?」
翔君は、私の顔を見て心配している。でも、迷惑をかけたくない。
「ううん。大丈夫!」
私は、無理して笑顔を作った。本当は今は、笑顔を作るのが辛かった…
「そうか?無理すんなよ?」
「うん……」
翔君…………本当に心配してくれたんだ…どうしよう……言いたいよ…
「翔君…」
私は、立ち止まって翔君を呼んだ。
「どうした?」
「私……翔君が…………好き…」
第6章ー君に気持ちを伝えたい…ー
「え……」
私は少しずつ顔をあげると、翔君は、顔を赤くしてびっくりしていた。は、恥ずかしい…
「ご、ごめんね!変なこと言って。私帰るね!」
悲しい……私は、無理して笑顔を作った。本当は泣きたいのに……
「ちょっ…!川音!」
私は、翔君に肩を強く掴まれ、翔君と目があった。
「ど、どうして泣いてるんだ?」
え?泣いてる?泣いてないけど…
すると、私の目から何かの水滴が落ちた。目から出てきたのは涙だった。
「な、なんでだろう…どうして……涙が出るのかな……?」
私はこすっても涙がだんだん溢れてきた。
「お、おい!大丈夫か?!一回公園よって行こう。」
翔君は私の手をぎゅっと握って公園まで走っていった。公園に着くと、誰もいなかった。ただ、噴水の音しか聞こえなかった。
「あ、あの……翔君…手……」
私は手を繋いでいる手を見て顔を赤くしながら、翔君に言った。でも、翔君は離そうとしない…
「翔……君…?」
「俺も!」
翔君叫んで、私はびくっとした。え?何が?ん?
「川音のこと好き」
「え…えーーー?!」
じ、じゃあ……私って……両想いだったってこと?
「よかった……でも、俺から告白したかったのに。」
翔君は、悔しそうな顔をしないで、ニヒヒと笑っているだけ。
「………」
私は、少し涙をぬぐった。
「あの……!」
何か言おうとすると、翔君と声が合ってしまった。
「川音先にどうぞ」
「いや、翔君が…」
「いや、レディーファーストだよ」
「いや、言おうとしてたなら今言いなよ……」
私と翔君は、先にしゃべるかの押し付けをしていた。すると、私と翔君は、クスッと笑って
「じゃあ、せーので、言おう?せーの!」
「これからよろしくお願いします。」
私と翔君は照れくさそうに笑った。
「ねぇ、バスケ部どう?」
「ん?楽しいよ。オレ、3年生の時からバスケ始めてたんだ!川音の部活って何?」
「そうなんだ。私は吹奏楽部……」
私は喋るのが嬉しいせいかなんだか恥ずかしそうに言った。
「楽器は決まったの?」
「ううん。まだ……でも、トランペットとかやりたいな…小学生の時にクラブで吹奏楽クラブがあってね、それでトランペットだったの。」
「川音って凄いな!」
翔君は、ニィッと笑った。眩しいな。翔君の笑顔……
「あ!いたいた!梨依!!」
走ってきたのは小雪だった。
「どうしたの?」
私は首をかしげて聞いた。
「あれ?お二人って付き合ってるの?」
私と翔君は静かにこくりとうなずいた。
「って!そんな場合じゃなかった!梨依!今すぐ、病院に行って!」
「え?」
なんで病院なの?誰も怪我してないじゃん…なんで…?
「梨依のお母さんが病院に運ばれたの。相馬も来い!!」
「小雪、何病院?」
私は顔を真っ青にして小雪に聞いた。
「星野砂町病院」
星野砂町病院……?そこって確か、お父さんが生きてた時にお母さんとお父さんと一緒に行った、公園の近くの病院だ!!
「小雪お願い。」
「わかった。じゃあ、走るよ!!」
私は、ごくりとつばを飲み、準備をした。そして、制服のまま、病院へ走った。
病院に着くと、私はスリッパを履き、速歩きで、受付に行った。
「すみません。あの、川音梨那さんの病室は……」
私は背を伸ばして、受付にいる看護師さんに、お母さんの病室を聞いてみた。
「え……あの人の…………」
看護師さんはびっくりしていた。
「どうかしましたか?」
「いや、なんでもありません。失礼しました。101号室です」
「ありがとうございます。」
私はぺこりとお辞儀をして、101号室に向かった。
梨依ちゃんおめでとう!
86:ナギルーナウィール◆/k ルナだお:2017/10/28(土) 13:31 >>85
少しはハッピーエンドもたくさん入れようって思って梨依と翔を付き合わせたぜ!
なんだったんだろう……看護師さんの様子がとてもおかしかった…なんで…?
私は101号室の目の前に来た。私はノックをしようとすると……
「川音梨那さんの娘さんですか?!」
看護師さんが、走って私の目の前に来た。なんだ?
「は、はい…」
私は、緊張して、小さな声で答えた。
「実は、梨那さんがこの世を去ってしまいました……」
看護師さんは涙を流しながら私に伝えた。
「え……お母さんが………この世を去ったって……!亡くなったの?」
「はい……」
私は、頭が真っ白になり、何が起きているかわからなくなってしまった。
次々と、お父さんとお母さんといた記憶がなくなりそうになった。
「り、梨依…?」
小雪は悲しそうな顔をして私の名前を呼んだ。私はお母さんの病室に飛び込んだ。
「お母さん!」
私は、耳が遠い人でも聞こえるくらいの大きな声でお母さんを呼んだ。けれど、お母さんは返事をいっさいしない。
「お母さんわざと?やめてよ〜!」
私は、冗談のように笑って言ったけどお母さんには反応がなかった。
「心臓は動いて………ない……」
私はお母さんの胸に耳をすますと、心臓の音が聞こえなかった。
「う、嘘……でしょ……」
私はバタンと倒れた。
「う、うわぁぁぁぁぁぁ…!!!!」
私は泣き続けた。お母さんのベッドで泣き続けた。最悪だった。
次の日、私はへこみながら、学校へ行った。お母さんのことで全然眠れなかった。
「梨依おはよう!大丈夫?」
眩しい笑顔の小雪が私のところに元気よく走ってきて、私の顔を覗き込んだ。
「大丈夫じゃ……なさそう……」
「小雪ごめんね……」
元気の良かった小雪を元気をなくしてしまった。お父さんから言われたこと守れなかった……
「おはようございます。日直さんお願いします。」
「はい。起立。」
みんなの元気の良い歌が聞こえてくる。
「川音さん?みんな立ってますよ?」
先生は、私の顔を覗き込んで、私に話しかけた。
「あ……!すみません……!」
私は、急いで席から立った。あぁ…いつもは、こういう感じじゃないのに…なんで…?
「この問題は………川音さん」
なんで………なんでなの…?
「川音さん?」
「は、はい!」
私はボーッとしていて先生から指名されていたのがわからなかった。
「この問題を解いてください。」
「は、はい……」
えっと、この問題は……え…?いつもわかるのに…思い出せない……なんで?なんでなの…?
「わ、わかりません……」
私は顔を真っ青にして言った。
「あら…ちゃんと覚えましょうね。」
先生は、怒らず優しく言ってくれた。私のせいで、みんなに迷惑かけてる…どうしよ…
梨依ちゃん、大丈夫だよ!
92:ルナ◆t/k:2017/11/06(月) 18:48 >>91
梨依
みゆちゃん、ありがとう。私みんなのためになるように頑張るね…!
部活の時間の時、私はなんだかダルく感じた。楽しみにしていた部活もなんだかやる気が出ない……
「梨依?今日部活休んだら?」
「でも部活やりたいし…」
私は下を向いて答えた。小雪にも迷惑をかけてしまった……
「二人ともどうしたの?」
上を向くと、葉月先輩が楽譜を持って音楽室の前で首をかしげて聞いてきた。
「あの…実は、お母さんが昨日亡くなってしまって今凄く体調が悪くて…今日の部活休ませていただけませんか…?」
私は勇気をふりしぼり、ぷるぷる震えながら葉月先輩に言った。
「良いよ。気持ちが落ち着いたら部活に参加してね!私から先生に言っておくからね!」
葉月先輩はふんわりした笑顔をして階段をおりていった。きっと職員室に行くのだろう。
「じゃあ、梨依お大事に!落ち着いたら部活で教えてあげるね!」
「うん…!バイバイ…!」
私は軽く手を振った。今日は一人で帰るのか……
「あれ?川音?」
私は後ろをチラッと振り返ると、翔君がいた。
「なにしてんの?部活サボり?」
「そっちは?」
翔君は部活のバッグをブラブラと持ちながら答えた。
「今日は早めに終わったんだ。川音は?」
「私は昨日のことで……」
「あぁ…悪い…泣かせてしまって…」
翔君は私が今泣いたと勘違いをして私の背中をさすってくれた。
「私泣いてないけど……」
「わわっ!す、すまない!」
翔君は、跳び跳ねて顔を赤くしてビックリしていた。
「一緒に帰ろう…?」
私はニコニコしながら翔君と手を繋ぎ下校した。
「……川音……」
「ん?」
私は、翔君の方を振り返って首をかしげた。すると、
「川音んちで住ませてもらっていいか?」
「えぇ?!ちょっ!なんで?!」
私はびっくりして翔君の肩をがしっとつかんで揺らした。
「お、落ち着いて!オレの母さん離婚するんだ。オレ途中でバスに乗るんだけどさぁ……まぁ、川音の家よりはめっちゃ遠いし……いい?」
「その前に挨拶しないと…お母さんは…?」
私は首をかしげてきいた。すると、翔君は……
「良いよ。オレの母さん今主婦だし…それに父さんは仕事だからさ。」
翔君は安心して言った。お父さんから厳しい指導とかうけられてたのかな?
「じゃあ行こう?」
私は翔君の手を軽く握って首をかしげた。
「うん……」
バスで、翔君の家に行った。なんかわくわくしてきた自分がいる。
「ただいま〜」
「お、お邪魔します…」
翔君の家に入ると、綺麗な家だったし、いい匂いもした。
「お帰り…ってその子は?」
「あぁ…オレの彼女の川音梨依ちゃん」
「ど、どうも…」
私は小さな声で挨拶をした。お母さん…美人だ…私のお母さんみたいな感じだな…雰囲気とか……ポニーテールがお母さんに似てる…
「それで、梨依ちゃんの家が住んでも良いらしいんだ。だから、住もうぜ?」
「私は良いけど…梨依ちゃんのご両親に挨拶に行かないと…」
「いえ…」
私は翔君のお母さんが話してる時に私は、小さな声で言った。
「私のお母さんは、昨日事故で亡くなり、お父さんは2年前に亡くなったんです……」
私は涙声でぷるぷる震えながら言った。涙を堪えたけど、涙がとまらなくなった。
「梨依ちゃん……」
私が涙を制服でぬぐうと、ふんわりとした物が私にぶつかる。
「大丈夫よ……辛かったわよね…」
翔君のお母さんは、私を娘のように慰めてくれた。昔を思い出すな……
第7章ー私の過去…ー
9年前………当時、私が3歳の時だ。その時の私は、今の私とは逆の性格だった。元気よく遊んでて明るい笑顔をしていた。
「パパ〜ママ〜!お花あげる!」
私は公園でお父さんとお母さんと一緒にピクニックとかをしてたな。他にも、お父さんとお母さんにたんぽぽをプレゼントしたな……
「あら!ありがとう!」
「梨那見てごらん。梨依がかわいく撮れてるだろう?」
「あらほんと!」
お父さんとお母さんは私の写真を見てクスクスと笑っていた。私は永遠にこの家族で暮らして行きたい…そう思った……
ヤバい程続きが気になる・・!!
頑張って下さい(*´ω`*)
>>98
ありがとう!
ところが……私が6年生の時の12月24日。クリスマスイブだ。その日はお父さんとお母さんの誕生日だった。私は自分のお小遣いを貯めてお父さんとお母さんに誕生日のプレゼントを買おうとした。
「梨依ちゃん、お花を買うの?」
「はい!今日はお父さんとお母さんの誕生日なんです!」
私は元気に返事をした。私はこの日のためにお手伝いも頑張った。だからこの気持ちを伝える!
「お父さん!お花持ってきたよ!」
私は、ニコニコして大きな声でお父さんに言うと……
「お父…さん…?」
私はショックで花束を落とした。私は顔を真っ青にしてお父さんに駆けつけた。
「お父さん!お父さん!死んじゃダメ!ダメ!3人で仲良くご飯を食べたい!」
お父さんに泣きながら言った。すると、お父さんは…
「梨依…お前はお父さんがいなくなってもお母さんと幸せに暮らすんだよ…じゃあね。」
すると、ピーと音が鳴った。私はお父さんの胸に耳を傾けた。すると…お父さんの心臓は動いてなかった。お父さんは亡くなった…
そして……昨日…お母さんが事故で亡くなった。原因は、お母さんが帰ってくる時だったらしい。青信号になってわたったら車にひかれたらしい…それは…私に取って最悪の人生だ…
第8章ー私と翔君の暮らしー
土曜日、私は家を綺麗にしていると、ピンポーンとはじけるようなインターホンが鳴った。
「どうぞ!」
「お邪魔しまーす。」
翔君のお母さんはふんわりとしたニコニコしていたけど、翔君は緊張しているのかな?まぁ、男子ほとんどは女子の家には行かないもんね…
「空いてる部屋を案内しますね。荷物は私が持ちます。」
私は一生懸命重い荷物を頑張って持った。ここで諦めちゃダメ!
「ここです!」
私は空いている部屋に招待した。ちなみにお父さんとお母さんの物は売ってしまった。本当は売りたくなかった…でも、売らなくちゃいけなかった。でも…お父さんとお母さんと私が写ってるアルバム、写真たてはまだある。私の部屋にある。写真は目立つところに置いてある。その方がお父さんとお母さん見守っている感じがして安心するから……
「ありがとう。母さんの部屋は?」
「あ。翔君のお母さんはこっちの部屋です。お父さんとお母さんが使っていた部屋です。」
「ありがとうね」
翔君のお母さんはふんわりとした笑顔をした。お母さんに似てる…
いよいよ、今日から翔君と暮らすことになった私。これからは家族として…
翔君のお母さんと翔君本人の部屋のインテリアは完璧!
「あとは、昼食を作らないとね。」
翔君のお母さんはエプロンをつけてとても張り切っていた。
「私も手伝います!」
私は、エプロンをつけようとしながら翔君のお母さんに言うと、
「お礼だから翔となんかしてて良いわよ!」
翔君のお母さんはとてもニヤニヤとしていた。ま、まさか!!き、キス?!
「あ、いや…!あの!」
私は戸惑ってしまった。翔君のお母さん何者?!
「じゃあ、行くか」
翔君は、私の腕をガシッと力強くつかんで翔君の部屋へ行った。正直言うと痛かった……
「じゃあ、やるか?」
「え?何を?」
ん?何を?私はまた戸惑ってしまった。私的にはちょー迷惑ですよね!
「え?キス」
すぱっと言いやがった!!翔君はチャラ男か?浮気したら私は元々柔道をやっていたから吹っ飛ばすできるぞぉ〜!
「む、無理ぃ〜!!!」
私は翔君の部屋を飛び出した。翔君が呼び止めても恥ずかしくなって無視をした。(翔君には申し訳ない…)
そして、私は自分の部屋に逃げ込み鍵を閉めた。私の部屋は鍵を閉めることが出来るのだ。
「おい!」
翔君が強く私の部屋のドアを叩いている…や、やめて……やめてよ……
「やめて!!」
私は耳をふさいで鍵を開けて涙を流していた。
「え…なんで…俺が悪かった…」
翔君はさっきよりもだんだん優しくなり、背中を擦ってくれた。翔君には言えないけど…私はお母さんとお父さんと幸せに暮らした家を壊されたくなかった……そんなこと言ったら翔君に迷惑がかかる………
「川音……」
「ん…?」
私は目をこすって翔君の方を振り向いた。
「お前ってM?」
「は?」
私はびっくりした。私はMなの?!って思ってしまい。私ってM?
「なんで?」
私は難しそうな顔をして翔君に聞くと翔君の顔がますます赤くなって、翔君は私の耳元に来た。
「川音がかわいいから…」
翔君は小声で部屋に響かない声で言った。私が…かわいい……?えぇ?!
「え、な、なんで…?!むぐっ…!」
「それは……」
翔君は私の口を軽くふさいで話をした。すると、
「翔〜!梨依ちゃ〜ん!ご飯だよ〜!」
翔君のお母さんの元気の良い声がドアを閉めている私の部屋までに響いた。
「は、はーい!」
私と翔君は少し顔を赤くし返事をした。まぁ……びっくりしたよね……
私は自分の部屋のドアを開けて翔君と一緒にダイニングに向かった。
「今日はオムライスよ!」
翔君のお母さんはジャーンと見せた。なんだか凄いな…てか、前に食べたけどオムライスは私の好物…だからそれで良いの……
「いただきまーす!」
私は元気よく言ってスプーンでオムライスをすくって口に運んだ。すると…
「お、美味しい…」
私のオムライスとは大違い!お店のように卵はとろとろしていてお母さんのオムライスを思い出す…
「美味しいです!」
私は目を輝かせて食べていた。私はとても嬉しかった。まるで、お父さんとお母さんと一緒にご飯を食べているように見えた。
「ご馳走さまでした!」
私は、食器を持って翔君のお母さん、翔君のお皿をスポンジで洗い始めた。
「梨依ちゃん!私やるわよ?」
翔君のお母さんは、キッチンに来て腕捲りをして来た。
「ありがとうございます。でも少しは恩返しをさせてください」
「そう?じゃあお願いします。」
翔君のお母さんはにっこりとしていた。私の笑顔になれる……
私が食器洗いが終わると自分の部屋に戻った。
「ふぅ……」
私は小さなため息?をついた。少し疲れてしまったかも…
私はベッドで寝ようとしたけど夜眠れなくなるのが嫌だからやめた。
「さて、本でも読もうかな…」
と、本を選んでいたらコンコンとドアをノックする音が聞こえた。
「どうぞ…」
私は、ドアをガチャっと開けると目の前には翔君がいた。
「な、何…?」
「散歩に行かない?」
翔君は私の手をギュッと握って聞いてきた。え、えっと…散歩?
「ダメか?」
翔君は、首をかしげて聞いてきた。私は小さくうなずいた。気分転換に良いかもしれないな…
第9章ー気分転換の散歩ー
私と翔君が外に出ると冷たい風がふいた。今晴れてるのに…
「今4月後半なのに。」
翔君は震えながら言った。私も寒いな…下はガウチョだし…
てか、もう4月後半か…早いな…もう少しで5月。私の誕生日。
「何処に散歩するの……?」
私はもう一人の私から言われたことを思い出して小さな声で言った。
「う〜んと…近くの公園でブランコとか…」
ぶ、ブランコ!?やりたい!
ブランコに乗りたくてたまらない自分が心の中にいた。
「着いたよ!」
「わぁ………」
私は目を輝かせた。まだ、桜が咲いていた。地面には桜の花びらが一枚一枚散らばっている。公園には誰もいなかった。
「よし!ブランコでも乗るか!」
翔君は、元気よく走ってブランコを乗った。私は軽く走ってブランコに乗った。なんだか懐かしかった…小さい時にお父さんとかお母さんにブランコを押してもらったことがあった……
「風が涼しく感じる……」
自分ではどんな顔をしているかわからないけど、ふんわりした笑顔で私は独り言を言った。
「そうだな……」
翔君は、私の独り言にニカッと笑って答えてくれた。
「うぅ……寒い……そろそろ帰る?」
私はブランコから立って翔君に言った。
「そうするか。風邪退いたら嫌だし。」
立ち乗りをしていた翔君はぴょーんとブランコから降りて私と手を繋いで帰った。
「ただいま〜!」
私と翔君は声を合わせて言った。ふふふ…なんだか、兄妹みたい…翔君がお兄ちゃんで私が妹みたいな…
「う〜ん…頭痛い………」
私はおでこに手をあてて、呟いた。すると、翔君が
「大丈夫か?」
と、私のことをおんぶして心配した顔で聞いてきた。
「うん…って!なぜおんぶする必要が?!」
「倒れたら大変だろ?」
翔君は首をかしげて答えた。あ。そういうことか……
「着いたぞ。」
翔君はゆっくりと私をおろしてくれた。
「なんかポカリ飲み物持ってくる」
翔君は少し焦りながら私の部屋を出た。翔君ありがとうって言いたい……
ポカリは無しでお願いします
111:天野 瑞◆MIZU/j3v.s バカ=瑞:2017/12/01(金) 22:25 「はぁ……」
私は小さくため息をついた。なんだか悪いことをしてしまったように。
すると、コンコンとドアをノックする音が聞こえた。
「ど、どうぞ〜…」
私はベッドに寝転んだまま声が消えそうな声で言った。
「おいおい…大丈夫か…?安静にしないとダメ……」
「う、うん……」
私は少しクラクラしながら小さくこくりとうなずいた。
「飲み物持ってきたぞ。スポーツドリングで良いか?」
「うん…ありがとう…」
私は顔を赤くしてにっこりと笑った。翔君が私の部屋から出ると、私はゆっくりと目を閉じて眠りについた。
「はっ…!」
私は目をパチッと開けた。何時間寝ただろうか……目覚まし時計を見ると16時…
「あ…もう目が覚めたのね。具合どう?」
ドアをガチャッ開けて入ってきたのは翔君のお母さんだった。
「はい…大丈夫です…少し頭は痛いですが…」
私は少し苦笑いをして言った。
「お粥作ってきたんだけど食べる?」
翔君のお母さんはいつの間にかお盆を持っていてお粥をテーブルに置いた。
「はい。大丈夫です。」
私はにっこりとして言った。すると、翔君のお母さんその場から立って
「じゃあ、お大事にね…」
と優しい声で私の部屋から出ていった
。
私はベッドから起きてテーブルを置いてあるお粥を食べた。味は何もなかったが美味しく感じる…私は少しずつ食べた。
第10章ー幻ー
「…い……りい………梨依……」
お母さんとお父さんがお花畑で私を呼んでいる。
「今行くよ!」
私は軽く走ってお父さんとお母さんのところへ行った。
「お父さん!お母さ……ん……」
私がお父さんとお母さんのところへ行くとお父さんとお母さんの姿は何処にもなかった。
「キャッ!」
「じゃあね……」
お母さん!!お父さん!!やだよ!!離れたくないよ!!
「はっ!!」
私はパチッと目を覚ました。夢だったか……
今は、6時ちょうどだった。そう言えば、目覚ましをつけていなかった。私はパジャマを着たままでダイニングへ向かった。
「あら、梨依ちゃんおはよう」
翔君のお母さんは、髪はとかしていて、私服を着ていた。
「あ、お、おはようございます!私手伝いますよ?」
私は、翔君のお母さんの近くに駆け寄って行った。
「いえ、大丈夫よ!それより制服に着替えて良いよ!」
翔君のお母さんは元気よく言った。なんか凄く元気だなと私は思った。
私は、翔君のお母さんに言われた通り、階段をあがって、制服に着替え始めた。ネクタイはまだつけないようにした。そして、髪をとかして行った。
「あれ?翔君起きてたの?」
「今起きた……」
翔君は小さなあくびをして頭をかいていた。凄く眠そうな顔をしていた。
「翔!梨依ちゃんを見習いなさい!さっさと着替えなさい!」
と、翔君に注意した。もしかして、私を見習ってほしいから?!いや…わからん……
「いただきまーす!」
私は、食パンにさっそくかぶりついた。幸せな感じがする味?だったかも……私は、汚さないようにエプロンを着て食べていた。
「行ってきまーす。」
学校に行く準備をして私と翔君は、家から出た。
「おっはよー!」
玄関前には、みっさーとみず、小雪がいた。
「あ、あれ?なんで翔がりっちゃんのところから?」
と、みずとみっさーはびっくりしていた。
「あのね、前に聞いたかな。梨依の両親が亡くなって、梨依が独りぼっちになるし、ちょうどね、相馬の両親が離婚したから一緒に住むことになったらしいよ。」
小雪は私の代わりにみっさーとみずに詳しく説明してくれた。
「そういうことか……」
みっさーはこくりこくりとうなずいた。
「あー。オレ朝練あるから行くわ。」
翔君は、家からダッシュして私達より先に中学校へ向かった。
「よし!うちらで久しぶりに4人で帰ろう!」
と、みっさーがリーダー的な感じで張り切っていた。
「おーー!」
私と小雪とみずで元気良くみっさーのノリにのった。
「おはよう……!」
私はにっこりとドアを開けて挨拶をした。
「川音?!」
みんな私が来た瞬間とてもびっくりしていた。私なにかやったかな?
「心配したぞ?」
「川音さん、最近さ元気なかったからみんな心配してたんだよ。」
クラスのみんなは、ホッとした顔で私の周りに集まってきた。
「……っ……う…」
私はみんなが心配してくれたのが嬉しくて思わず涙を溢した。
「え?!りっちゃん?!」
みっさーとみず、小雪、クラスのみんなは私を囲んだ。
「梨依……?どうしたの…?」
小雪は、優しく私の背中をさすった。
「う、うわぁーー………!!ご、ごめんなさい……!」
「え?!なんで?!」
みんなは同時に言ってびっくりしていた。私はその場から立ってハンカチで涙を拭きながら言った。
「実は、私のお母さん一昨日亡くなったの……お父さんは去年亡くなった。それが悲しくて……」
ハンカチで涙を拭いたけど拭いた意味がなくまた、泣き始めてしまった。
「大丈夫!」
私がバッと顔をあげると、中村君がにっこりして言った。
「俺は川音さんの味方!みんなも味方!」
「え……?」
私は思わず中村君が言ってることがわからず首を少しかしげた。
「え?だって俺達………仲間じゃん!」
中村君の言葉に私は心を撃たれた。恋って訳ではない……ただ……『仲間』と言われたのがとても意外だった…
「みんなありがとう………!」
私は消えそうな声で泣きそうな目でありがとうのメッセージを言った。
「よし!梨依!席に行こう!」
と、小雪は私を慰めるように私を元気付けた。ありがとう…
きっもw
119:瑞◆MIZU/j3v.s hoge:2017/12/25(月) 21:27 私はトコトコと自分の席まで歩いて、席につくとゆっくりと座った。一瞬…違う景色が見えた。
「昨日の記録帳書きすぎたかな…?」
私は提出する前に昨日の記録帳のページをジーッと見つめながら言った。
「どれどれ?」
みっさーはヒョコッと顔を出して私の記録帳をのぞいてきた。
「え!?りっちゃん……眩しいよ…」
みっさーはぷるぷる震えながら涙目になっていた。
え?!私泣かせることした!?と私は凄く心の中ではパニックになっていた。
「え、えっと!みっさー……落ち着いて……」
私はあわあわしながらみっさーの背中をさすった。
「りっちゃんありがとね!」
と、みっさーは何事もなかったようにとても笑顔になっていた。
私は、先生の机に記録帳を提出した。
「屋上行こ……」
私は、冷たい風に当たりたくて、屋上へ向かった。
屋上に着くと、冷たい風が吹いた。私ギュッと目を瞑った。
「梨依……」
「この声は………!」
私は目をハッと開けて目の前を見ると、そこには私が6年生の時に夢に出てきたもう一人の私と、お父さんとお母さんの姿があった。
「な、なんで………?」
私は、思わず固まってしまった。だって、大切な両親が私の目の前に居たからだ。
「お前にどうしても渡してやりたい物があるんだ」
もう一人の私は、私に近づいてきた。それで何かを持っていた。
第11章ーペンダントー
「ペンダント?」
私はサファイアペンダントを見てちょこんと首をかしげた。
「これの中に私が入るの。まぁ私は貴方の守り神的な物よ。」
もう一人の私は、私にペンダントをつけながら話してくれた。
「あと……貴方たくさん友達できたし…いろいろと喋りたいでしょ?まぁ…封印を解く前からいっぱい喋ってるけど…喋れなくなる封印は解いてあげる」
もう一人の私は、私の口を軽く抑えて封印を解いてくれた。
「ありがとう。ところで貴方の名前は?」
「あ、私?私の名前は川音蓮依よ。まぁ、双子の梨依の亡きの姉って言ってもいいくらいかしらね。」
蓮依か………幽霊の『レイ』からとったのかな…?まぁ、いいや。
「んじゃ、私は貴方のペンダントに入るけど最後に梨依の母と父に言うことない?」
「ある………」
私はボソッと、蓮依に言った。
「じゃあ言いなさい。そろそろ時間がヤバいわ…」
蓮依は腕に身に付けていた腕時計を見ながら焦り始めた。
「……お父さん!お母さん!私…お父さんとお母さんがいなくなっても私…頑張るからーー!!!」
私は泣きながらお父さんとお母さんに大声で叫んだ。お母さんとお父さんは泣きながらニコッと笑い空へ消えてしまった。空へ消える前に、
「梨依頑張るんだよ……ずっと家族だよ……」
とふんわりした声が一瞬聞こえた。これがお父さんとお母さんと話した最後の会話だった………
「梨依……そろそろ教室戻りましょう。」
蓮依は、私の背中を優しくさすって言った。私は涙を拭い、屋上から教室に戻った。
「蓮依ってみんなには姿が見えるの?」
私は階段を降りながら、蓮依に聞いた。
「たぶん、見えるかもな…一応ペンダントの中に入るね」
と告げ、私のサファイアのペンダントにシュッと入った。
私は何事もないように、教室に堂々と入った。
「りっちゃんお帰り〜!」
みっさー達が私を見てニヒヒと笑って手を振ってきた。私はみっさー達がいる場所に向かった。
「あれ?りっちゃんって、こういうペンダントつけてたっけ?」
みずは不思議そうに首をかしげた。私はハッとした。このサファイアのペンダントを隠すのをすっかり忘れていた。
「梨依…私のことを言いなさい…」
蓮依は、その選択肢しかなく、私はこくりと小さくうなずいた。
「このペンダントにはね、もう一人の私がいるの…」
「もう一人の私?」
みず、小雪、みっさーは、う〜んと首をかしげた。
「まぁ、ドッペルゲンガーってことかな……」
私あははと、ほっぺをポリポリとかいた。
「そういうことね。でもドッペルゲンガーを見た人は死んじゃうはずじゃ…」
「ううん。なぜか死なないの。」
私は平気そうににっこりと笑った。
「そっか……下校の時に見せてくれることできる?」
みっさーは会いたそうな顔をしていた。私はにっこりと笑いこくりとうなずいた。
そして、約束の下校…今日は部活ない。だからいつもの4人で帰った。一応みんな吹奏楽部だけど…
「はじめまして。川音蓮依よ。梨依と双子の姉と言ってもいいくらいかしらね……ま、よろしく…」
蓮依は、クールに微笑んで、自分の髪をくるくるといじっていた。
「似てるねぇ……」
みっさーは、『う〜む』と言いながら、私と蓮依をじろじろ見始めた。
「なるほどね〜!自己紹介しないとね!」
「あ、その必要はないわ…左から順に、岬、水月、小雪でしょ?」
それぞれに指を指して、蓮依はスラスラと名前を当てた。
「あなたは神ですか!?」
「いいえ、蓮依よ。」
みっさーは目をキラキラに輝かせたが、蓮依のクールな性格で輝かせた目が一瞬できえた。
「んじゃ、れっちゃんって呼ぶ!」
みっさーは、自信満々でピースをして元気よく言った。
「却下」
蓮依は、真顔でみっさーが考えたニックネームを却下した。
「GODと呼べ」
蓮依は、ドヤ顔をして自信満々でカッコつけた。
「もう!蓮依!GODって神って意味だよ!」
私は、急いで蓮依の口を無理矢理ふさいだ。
「んー…そうだ!はーちゃんなんてどう?」
「なんで?『れい』って名前なのに?」
みっさーはう〜んと首をかしげて聞いた。
「蓮依ちゃんの『蓮』ってね、『はす』って読むことがあるの。だから、はーちゃん!」
みずは、ニヒヒと優しく笑って解説?をした。みんなの反応はどうだろう…
「却下」
みっさーと蓮依は、みずの顔に近づく怖い顔をした。みずは、凄く焦っていた。
「れっちゃんの方がマシ!」
蓮依は、ツーンとしてぷいっと後ろを向いた。だったら、最初からokしてよ…
「わかった。んじゃ、よろしく!れっちゃん!」
みっさーは、ニヒヒとピースをして蓮依に言った。
「私からもよろしく。れっちゃん!」
みずが言うと、みっさーが言ったときより顔がだんだん赤くなっていった。ツンデレ?
「ただいま〜」
私は、玄関を静かに開けた。靴は、翔君の靴しかない。翔君のお母さんは、新しい仕事を始めたらしいから仕事に行っている。
「蓮依…そろそろペンダントの中に隠れて…」
「えぇ…」
私は、小さな声で蓮依に呼びかけ、蓮依は、ペンダントの中にスッと入った。
「あ、お帰り」
翔君は、私服で階段からおりてきた。
「今日って何かあったっけ?」
私は、靴を脱ぎながら、翔君に聞いた。
「ないよ。ただ、買い出しに行ってた」
「嘘!?」
私はびっくりして床に滑った。私はとても驚く表情をしていた。
「え!?なんでびっくりしてるんだ?」
翔君は、首をかしげて『?』を浮かんでいる。
「だって!私が料理担当だったから買い出しに行ってくれたから…」
「彼氏としては、川音……いや…梨依の役にも立ちたいし…」
「あ、ありがとう…」
私が下を向いたときに、翔君は優しくポンポンと頭を撫でてくれた。
「荷物置いてきな」
「うん」
私は、にっこりしながら階段をのぼった。
部屋に着くと、勉強机に宿題、ペンポーチを出した。
「梨依〜」
「ん?何?」
私が勉強していると、ペンダントから蓮依が出てきて、ベッドに座りながら私の名前を呼んだ。
「あの人誰?」
「彼氏…かな…」
私は蓮依の目も見ないで、勉強に集中しながら蓮依と喋った。
「キスしたの?」
「え!?し、してないよ!」
私は、顔を真っ赤にそめて、シャーペンを落とした。
「おーい!梨依……ってお前誰?」
すると、翔君が私の部屋のドアをガチャッと開けて、蓮依を見たとき凄くびっくりしていた表情だった。
すごく面白い!
だけど、梨依ちゃんのお母さん亡くなったんだね…。
>>129
ありがと!最近ネタ切れだけどね……だから、ストーリーと違っちゃった…
梨依ちゃんには凄く申し訳ない…
「それは、翔君のお母さんが来たら話す!!」
私は、涙目になりながら翔君に言った。
「あぁ…梨依そんなことでなくなよ…」
翔君は私の頭をポンポンと優しく撫でてくれた。その様子を見てた蓮依は、にっこりしていた。
「蓮依…」
私は、勉強が終わると、蓮依の隣に座った。
「ん?」
「さっき翔君から頭を撫でられたときににっこりしてたじゃん?意地悪の笑み?」
「ううん。なんか仲良くていいカップルだなって…」
蓮依は、私の顔を見てニコッと笑って言った。すると、蓮依の首にキラッと光っている物を見つけた。
「蓮依、首につけているものは何?」
おおーっ!
続きがめちゃめちゃ気になる!
梨依ちゃんへ
翔君と頑張ってぇーーーー!
応援してるよぉーーーー!
相原
>>132
ありがと!
梨依
ありがとう!おかげで元気になれた!ありがとう!
梨依
「あぁ。これ?前に、私は亡くなった貴方の双子の姉と言ったでしょ?だからお揃いのやつをつけようと思ってね」
と、蓮依はペンダントをはずして私に見せた。私も蓮依と同じようにペンダントをはずした。
「梨依はサファイア、私はルビーよ」
蓮依は私に見せると、すぐにペンダントをつけた。
「そろそろ夕飯の準備しないとな…」
私はペンダントをつけて、エプロンをクローゼットから出そうとした。
「私も手伝った方が良いかしら?」
「んじゃ、お願いしようかな…」
私は、エプロンを出して、にっこり笑ってokを出した。
「よぉーし!今日も張り切って料理しまーす!」
私は前よりも大きな声でやる気を出した。
「明るいな……ってうわっ!!!」
クククと笑っていた翔君は、蓮依を見たとき驚きの表情だった。
「翔君のお母さんが来るまで我慢して…」
私は、翔君のところへ行って苦笑いをしてお願いをした。
「あぁ………」
翔君は頑張るような笑顔で言った。無理してるの…かな…?
「梨依…今日は何作るの?私料理はじめてやるわ…」
「そうなんだ!いろいろと教えてあげる!」
私は、ニコッと笑い、蓮依に料理を教えることになった。
「今日は………」
私は、翔君が買ってきた材料が入っているエコバックから全部を出した。
「う〜ん…これでできるのは…カレーかな…」
「え!?本当にカレーするの!?」
翔君は目を輝かせて、私のところへ近づいてきた。私は、ニコッと笑い、こくりとうなずいた。
「やったー!」
翔君は嬉しそうにスキップでソファーに戻った。
…………やっと、カレーができたとき 私は人に教えるのはあまり慣れていなかったら、いろいろとパニックになったけど…蓮依は楽しくできたらしいから私は安心した。
「ふぅ……ただいま〜」
カレーができあがったあと、翔君のお母さんが、疲れた顔をして帰ってきた。
「おっ!今日はカレーか!良いね!ってうわ!!びっくりした…誰!?」
やっぱり、翔君のお母さんも、蓮依を見たとき、凄くびっくりした。
「と、とにかく、ご飯食べましょうよ!」
私は炊飯器を開けて、ご飯をよそった。
「いただきまーす」
私達は声を合わせて食べ始めた。少し辛い気がする……
「えっとですね…この子のことですが…かくかくじかじかで…」
私は、蓮依のことを翔君と翔君のお母さんに伝えた。
「なるほどね…」
翔君と翔君のお母さんは、こくりこくりとうなずき納得してくれた。
「んじゃ、これからよろしく」
翔君のお母さんはニコニコ笑って、蓮依に手を伸ばした。蓮依と翔君のお母さんは握手をした。
「ところで、蓮依は学校に行かないの?」
私は、食器を拭いている蓮依の隣で、食器を洗いながら聞いた。
「………」
蓮依は、食器を拭いたまま少し黙っている。
「蓮依ごめん…」
悪かったな…と思った顔で蓮依に謝った。
「良いわよ。答えだけど、私は透明になれることが一応できるの…だから、透明になって、一緒に授業を受けるわ…」
蓮依は、ドヤ顔をしていつの間にかスクールバッグまで持っていた。
「でもさ…バレるの?」
私は食器を洗い終わり、カチャカチャとお皿の音を鳴らしながら食器入れに入れながら聞いた。
「いいえ……全然よ…」
蓮依はふふふと笑いながら言った。
お風呂からあがったら、蓮依が私のベッドに座っていた。
「そう言えば、蓮依の寝るところは?」
私は部屋の周りをキョロキョロして聞いた。
「ここよ」
蓮依はドヤ顔をして私のペンダントに指を指した。
「このペンダントが部屋なの?」
「そうよ…んじゃ、おやすみ」
蓮依は、こくりとうなずいた時に、一瞬でスッとペンダントの中に入り寝た。
「私も寝よう…」
私は「ふぁ……」とあくびをして自分のベッドに入り眠りについた。
6時になると、『ピピピピピピ』と目覚まし時計が私部屋に響いた。
私はカチャッと目覚まし時計をとめた。
「梨依おはよー!」
蓮依は私の勉強机の椅子に座り、私に向かってピースをした。
「あぁ、おはよう。早いね」
私は少し目覚めるように洗面所で顔を洗いながら言った。
「まぁね!」
蓮依はニヒヒと笑いながら自慢的なことをした。
「おはようございます!」
私と蓮依は大きな声で挨拶をして、リビングへ入った。
「二人ともおはよう!」
一番に声をかけてくれたのは、キッチンで朝御飯を作っている翔君のお母さんだった。
「ごめん!翔を起こしに行ってもらっていいかな?」
翔君のお母さんは忙しそうにしながら私達に行った。
「梨依〜!彼女なんだから起こしに行きな〜♪」
蓮依は私を軽く押して、ニヤニヤしていた。
「じゃあ、いってきます」
私はリビングを出て、また階段をのぼった。もう!蓮依ったら!私と翔君が付き合ってるからって……
「翔君…起きてる…?」
私はゆっくりと翔君の部屋のドアを開けながら聞いた。
「……」
返事がない…まだ、寝ているようだ。
「ふふふ…」
私は翔君の寝顔を見てふふふと笑った。翔君の寝顔かわいいな…
「ん……梨依……?」
私がにっこりしながら翔君の寝顔を見ていると、翔君がゆっくりと目を開けた。
「う、うわっ!」
翔君は私が居たのにびっくりしてベッドからドンッと落ちた。
「あ!ごめん…!大丈夫…?」
私はあわあわとしながら翔君に聞いた。
「うん。大丈夫だよ!」
翔君はニヒヒと笑い、ピースをした。
「蓮依達待ってるからご飯食べにいこ?」
私は翔君の腕を軽く掴み、リビングまで引っ張って行った。
「おはよー」
翔君はベッドから落ちて、すっかり目は覚めてるが、あくびはしていた。
「さっ!翔が来たんだし食べましょうか!」
「いただきまーす!」
今日の朝食はパンケーキ!さっそく私はパンケーキを一口入れた。
「ふわふわして美味しい!」
私は目を輝かせた。隣に座っている蓮依を見ると、蓮依も目を輝かせていた。
「こんなの初めて!こんなにふわふわな食べ物食べたことない!」
蓮依はパクパクと味わって食べていた。気に入ってもらってよかった…!
「行ってきまーす!」
私、蓮依、翔君で声を合わせて玄関を出た。
「りっちゃんとれっちゃんおは!」
玄関を開けると、小雪とみず、みっさーがいた。
「じゃ、あとでな!」
翔君は私に手を振って、学校まで走っていった。
「もう!相馬りっちゃんと登校しても良いのに!」
みずは「はぁ…」とため息をしていた。な、なぜ…?
「まっ!学校行こう!」
こうして、5人で学校に行くことになった。
「私は梨依のペンダントに入るわね」
蓮依は私のペンダントの中にスッと入った。
「おはよう!」
「はよーっす!」
教室には『おはよう』の挨拶がざわざわと聞こえる。
私はそんなことは気にしないで、プリントなどを提出した。
「梨依トイレ行こっ!」
小雪は私の席の目の前に来た。私はこくりとうなずいて、小雪と一緒に廊下を出た。
「なんか梨依と話すの久しぶりに見えてきたね〜!」
「確かに!」
私はニコニコと笑って小雪に返信した。
「あ!梨依そろそろ誕生日だよね?何欲しい?」
「なんでもいいよ」
すっかり私は忘れていた……誕生日なんて…
「待っててね!」
小雪は私にそう告げて個室に入った。私は鏡を見て髪をとかした。とかすって言っても寝癖を直すだけだけど…
「ふぅ…ごめん!待った?」
小雪は、制服のポケットからハンカチを取り出して、申し訳なさそうな顔をして聞いた。
「ううん。大丈夫だよ!」
「なら良かった!」
小雪はニコッとして安心した顔をした。トイレから出て、少し速めに歩いて、教室に戻った。
「間に合ったね……」
私と小雪は少し息切れをしながらお互い笑った。
「小雪とりっちゃんなんで息切れしてるの?」
みずは、ニコニコしながら不思議そうに首をかしげた。
「授業始まってるかと思って速めに歩いてきたからね…」
私と小雪は「あはは…」と苦笑いをしながら言った。
放課後は部活。私達は楽譜を持って音楽室へ移動した。
「こんにちは〜!」
私達4人は声を揃えて言った。私の担当はトランペット!私はトランペットを出して、さっそく吹いた。
〜♪〜〜♪
音楽室に私のトランペットの音色が響いた。
「音綺麗ね〜!」
にっこりして入ってきたのは、葉月先輩だった。
「葉月その前はすみません…」
私は申し訳なさそうな顔で首を下げて謝った。
「いいよ!ゆっくり休んで元気になってくれたし!私はそれで十分よ!」
葉月先輩は私を慰めてくれるように言ってくれた。
この吹奏楽部のみんな優しい…吹奏楽部に入ってよかった!
「はい!ではトランペットの人〜!梨依ちゃんに教えてね〜!」
葉月先輩はニコニコしてトランペットの子に呼びかけた。
「んじゃ、ここね…」
といろいろトランペットの子から教えてもらい、短い時間でスラスラと吹けるようになった。
「よし!梨依ちゃんができるようになったってことで!いきなりだけど、全部通してやってみようか!」
葉月先輩はニコニコしながら言った。すると、みんなは楽器を用意して準備をした。
「んじゃ、先生お願いします!」
先生が指揮を始めると、さっそくトランペット!
〜〜〜〜〜〜〜♪
〜〜〜〜〜〜〜♪ 〜〜〜〜♪
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜♪
何分か立つと、演奏が終わった。みんなは息切れをしている。
「みんな初めてなのに上手!ちょっとバラバラだから気をつけてね!」
葉月先輩はニコッと笑いそう言った。
部活が終わると、私達は一緒に昇降口に行った。
「うちらこっちだから。じゃあね!」
みずとみっさー、私と小雪と2組に別れて、解散した。
「夕方なのに空青いね〜」
私は周りの空を見渡してにっこりしながら言った。
「だね〜!」
小雪はこくりこくりとうなずきながら言った。
「ただいま〜」
私はドアを開けて帰宅した。家には誰もいない…『ただいま』の声が響いた。
「勉強でもするか…」
私はカリカリとシャーペンで勉強を始めた。一応全部わかる…
「ふぅ…終わった…」
何時間たっただろう…あっという間に全問解き終わり、丸付けをした。
「5つ間違えちゃった……」
私は20問中5問間違えてがっくりしていた。
「梨依は別に成績悪くないからいいじゃない」
すると、蓮依がペンダントからスッと出てきて、私のノートを覗いた。
「でも、もう少し頑張らないと…」
私は髪を結い直してまた、勉強に取りかかった。
「私はお買い物行ってくるね」
「あ、うん。ありがとう」
私は自分の部屋から出る蓮依を見送った。
side 蓮依
はぁ……まったく…梨依ったら…
私はため息をついて、エコバックを持って商店街へ向かった。
「あら!蓮依ちゃんこんにちは」
「こんにちは!」
少しずつこの町の人に私のことをいろいろと知ってもらえた。
「あれ?蓮依?」
声をかけられたのは、部活の帰りの翔だった。
「あら…お帰り」
「梨依は?」
翔は首をかしげて梨依のことを聞いてきた。
「梨依は勉強中よ…」
「そっか…じゃあな!」
翔は梨依のことを聞くと、ダッシュで家に戻った。本当に梨依が好きなのね…思い出したらにやけちゃう…
「すみませ〜ん!」
「あいよ!」
私が八百屋に着くと、八百屋のおばさんが出てきた。
「キャベツともやしください!」
私はお財布を出しながら言った。
「あいよ!400円ね〜!」
おばさんは、ビニール袋にキャベツともやしを入れながら言った。私は400円を渡すと、八百屋から出ていった。
次は、お肉屋で豚肉を買った。そして、日がくれる中私は帰った。
「ただいま〜」
私はリビングへ入って料理の準備をした。麺、豚肉、キャベツ、もやしを準備した。
「あ!ごめん!ありがとう!」
勉強が終わったのか、エプロンを2枚持ってきた梨依が居た。
「勉強は?」
「ん?もう終了!めんどくさくなっちゃった!」
梨依はえへへと笑った。私達は料理を始めた。今日は焼きそば!
「んじゃ、蓮依はキャベツとか切ってくれる?私は今のうちに豚肉ともやし炒めるから」
梨依はフライパンに火をつけて油をしいた。
やっぱり、梨依は成長したのね…
「よし!キャベツ切ったよ!」
私はやりとげた顔をして言った。
「んじゃ、入れて!蓮依やってみる?」
梨依は箸を置いて聞いてきた。私は嬉しそうにこくりとうなずいた。
「わぁ!良い匂い!」
私は目を輝かせながら言った。
「ふふふ…」
梨依はにっこりしながら笑った。
「よーし!できた!」
炒め終えると、部屋中にソースの香りが広がった。
「ただいま〜!良い匂いね〜!この匂いは焼きそばかしら!?」
丁度良いタイミングで翔君のお母さんが帰ってきた。そして、焼きそばのところへ走って目を輝かせた。
「よし!翔君のお母さんが来たからご飯にしよう!」
私はニコッと笑っていった。梨依はみんなの盛り付けをして、次々と並べていく。
「いただきまーす!」
声を合わせて言うと、さっそく焼きそばを食べた。
「美味しい〜♪」
私は目を輝かせて言った。ソースが口の中に広がる!まさに私の大好物!
side 梨依
「あと、蓮依こっちおいで!」
私はニコニコしながら蓮依を引っ張り2階へ上がった。
「はい!」
私の向かい側のドアを開けた。すると、蓮依は目を輝かせた。そう…蓮依の部屋だ。
「なんで!?」
蓮依は目を輝かせて聞いてきた。
「蓮依前に言ってたじゃん!」
「え?」
前のこと………
「蓮依って現実に部屋とか作れるの?」
私は本を閉じて聞いた。
「ペンダントを部屋の窓に置いて、○○の部屋にしてください…って言えばできるのよ」
「…そうなんだ」
「…ということよ」
私は少し長々と喋った。でも、一応蓮依が喜んでくれただけで私は嬉しいよ
夜になると、すっかり暗い…でも小さな宝石のような星がキラキラと輝いていた。
「綺麗だね〜!」
私と蓮依はベランダに出て、星を眺めていた。
「梨依…」
「ん?」
「ありがとね」
蓮依はにっこりして言った。
「私のために部屋まで…」
「もう泣かないでよ!蓮依は私のお姉ちゃんだもん…!!」
少し泣いている蓮依を見ると、余計私まで泣けてきた。
「もう!梨依まで泣かないでよ…!」
私と蓮依はお互いに泣き顔を見て笑った。
「…もう寝る時間だね…おやすみ!」
「うん!」
中に戻ると、手を振ってお互い部屋に戻った。
「部屋に着いても光が当たる…」
私はクスッと笑ってサファイアのペンダントをギュッと軽く握った。
「よし…寝よう…」
私はペンダントをつけたままそのまま眠りに着いた。
side 蓮依
「んー…星は明るくて綺麗だな…」
私は机の椅子に座って目の前の窓で星を見上げていた。
「……」
私はにっこりと笑い、ルビーのペンダントをギュッと握った。
「寝ましょうか…」
私はもこもこのルームウェアのフードを被って寝た。
「い…!りい…!梨依…!」
いつの間にか十字路の場所。私は呼ばれた気がした……後ろを向いた。そこには蓮依が居た。
「助けて……よ…」
蓮依は横断歩道に体勢を崩して私に手をのばしていた。
「なんで……そこに…」
私はびっくりして蓮依がいる横断歩道に向かった。
「大丈夫?」
私は蓮依を起き上がらせた。すると…
「え…何の音なの?」
私と蓮依はキョロキョロすると、トラックがこちらに向かってきた。
「危ない…!!」
私は蓮依に押されて転んだ。私は起き上がると、蓮依は倒れていた。血を流していた。私の足元には蓮依のペンダントがあった。
「蓮依……?蓮依…!!!!!」
「はっ……!」
私はパチッと目を開いた。
「なんだ…夢か…」
私は少し安心してしまった。また大切な人が居なくなると思い心配だった。
「蓮依〜?起きてる?」
私は蓮依の部屋のドアをノックした。反応はなかった。私は蓮依の部屋を開けた。
「あ、寝てる…」
私はため息を出しそうになったけど、蓮依を起こしに言った。
「蓮依起きて」
私は蓮依の体を揺らしながら言った。
「ん〜……」
蓮依は素直に起きてくれた。蓮依の髪はボサボサだった。蓮依の髪って私と同じくらいの長さだな…
「さっさとご飯食べよ」
私は蓮依の腕を引っ張り連れていった。
「おはようございます」
蓮依はとても眠そうに挨拶をした。
「あら、二人ともおはよう」
翔君のお母さんは相変わらず朝から元気だ。
「おはよぉ〜…ふぁ〜…」
珍しく、翔君は自分から起きた。大きなあくびをして、寝癖がピョンッと跳ねている。
「なんだか可愛い…」
私は誰にも聞こえないようににやにやしながらつぶやきた。
「いただきまーす」
今日の朝食はオムレツ!卵料理は私が好きな料理!
「美味しいです!ぜひ、レシピを教えてください!」
私は目をキラキラに輝かせながらお願いした。
「えぇ!もちろん!」
翔君のお母さんは嬉しそうにうなずいてた。
「ごちそうさまでした〜!」
食器を洗うと、制服に着替えた。リボンは曲がっていないか鏡を見てチェックした。
「これつけよ……」
私はお母さんから貰った形見のピンをつけた。このピンは私が好きな青…そう言えば蓮依も持っているらしい…蓮依も青…完全に双子だな〜!
「行ってきまーす!」
3人同時に玄関から出た。
第12章ー転校生!?ー
「りっちゃんおはよ〜!」
みっさーとみずは元気よく挨拶をしてきた。
「うん!おはよう!」
私はにっこりとしながら挨拶を返した。
「あれ?そう言えば小雪は?」
「あぁ………小雪熱出しちゃって…」
キョロキョロしているみずに携帯のメールを見せた。
「そっかぁ……残念!今はお見舞いに行けないけど早く治って欲しいね」
みずは少し心配した顔をしながら言った。
そう言えば…みっさーがいない…
「みず!りっちゃん!」
息切れをしながら私とみずのところに向かってきたみっさーが居た。
「ど、どうかしたの!?」
みっさーが強く肩をガシッと掴まれた私はぷるぷると震えながら聞いた。
「隣のクラスに転校生だって!見に行こう!」
みっさーは強引に隣のクラスへ私とゆずを連れていった。
「あ!川音〜!」
クラスの男子が私に手を振ってくる私達は小走りで男子がいるところに行った。
「お前にそっくりな奴が転校生だぞ!」
男子はドアのところを開けて見せてくれた。そこには……
「えーー!!!!」
私達はびっくりしてしまった。その子は蓮依だったのだ…
「れ、蓮依!?」
私は隣のクラスのドアをガラッと開けて蓮依の席に向かった。
「な、なんで蓮依が!?」
「あぁ…翔の母さんが転入届けを出してくれたんだ」
蓮依はなぜかドヤ顔をして言った。
「そ、そうなんだ……」
私は苦笑いをした。苦笑いしか選択がなかったのだ。
「あれ?川音さんと蓮依ちゃんってどういう関係なの?」
「名前似てるし、名字も一緒だし…髪飾り、髪型とか……」
蓮依を囲んでいた人は少し考えながら聞いてきた。
「私と梨依は双子なんだよ〜!」
「えぇーー!!!!」
「え!?ちょっ…蓮依!」
蓮依は自慢するようにニコッと笑うと、周りに居た人はびっくりした表情だった。
「だからか〜!」
「でもなんで二人で登校してなかったの?」
「ギ………クッ……」
私は少しギクッとして効果音的な物が飛び出して消え去りそうな声をした。私は蓮依をチラッと見ると真っ青だった。ここは私がなんとかしないと…
「れ、蓮依はね…昔まで別々の小学校とか中学校に通ってたの!」
「は?」
「あ、あの…なんていうか…別れた姉妹って感じなのかな…それでまた暮らせるようになって……」
私は説明が苦手で目が回りながら言った。
「そういうことね〜!」
「双子なら言ってよ〜!」
みんなはニコニコしながら言った。なんとかごまかせた…
ん?なんか嫌な気配が…私は恐る恐る蓮依の方を向くと、蓮依は全然怒っていなかった。なんで?
下校の時間…部活が終わると、蓮依と帰った。ちなみに蓮依はバスケ部に入った。運動が苦手な私と大違い…
「ねぇ…蓮依…」
「ん?どうかした?」
蓮依は私の言葉に首をかしげた。
「さっきなんで怒らなかったの?」
「え?いつ?」
蓮依はとぼけて首をまたかしげた。
「朝…」
「あぁ…朝のことね…別に怒ってないよ。ごまかせたからよかったって思っただけよ」
蓮依は私を見てふふふと笑った。
「ならよかった!」
私は蓮依が笑っている顔を見ると、私まで笑顔になれた。
それにしても…あの嫌な気配はいったい…
第13章ー私と蓮依にストーカー!?ー
蓮依が転校してきて次の日のこと…
「んじゃ、蓮依!勉強頑張ってね!」
「梨依もね!」
お互い手を振って教室に入ろうとした次の日だった。
「りっちゃん!れっちゃん!」
廊下から走ってきたのは、小雪とみっさー、みずだったのだ。
「どうしたの?」
私と蓮依は声を揃えて首をかしげた。
「あ、そう言えば小雪復活したんだ!」
「うん!…ってその場合じゃないよ!」
私は小雪の風邪が治り、嬉しそうに言うと小雪から何故かツッコまれた。
「これを見て!」
みずはバッグから携帯電話を出してある写真を見せた。
「あれ?これって梨依と私じゃん…」
蓮依の言う通り、昨日私と蓮依が帰った時だ。
「ここを見て!」
みずが指さした場所を見ると、電柱に男子生徒が隠れていたのだ。
「えーー!?これってストーカー!?」
私と蓮依は目を丸くしてびっくりした。
「てか…これってさ…うちの学校の制服じゃん…」
「ほ、本当だ……」
私は怖くなりますます顔が真っ青に染まっていく。
「はよーっす。ってあれ?梨依どうしたんだよ?さっきまでの元気は何処に行ったんだよ」
翔君は心配した顔をしながら聞いてきた。
「翔…君…」
「実は…かくかくじかじかで…」
私は涙声になり、喋れなくなった時に蓮依が私の代わりに翔君に説明をしてくれた。
「え!?ストーカー!?俺が今日から二人と一緒に帰るよ。友達も一緒だけど…」
「私達も着いていくね」
「みんなありがとう!」
私と蓮依は心強くなりニコッと明るい笑顔を見せた。
「はい。では今日の部活はおしまいです。明日も頑張りましょう。解散!」
部活で解散すると、私達5人は昇降口まで一緒に行った。
「今日はうちらも一緒に帰るし、相馬の友達も一緒に帰るからにぎやかになるね〜」
小雪はニコニコとしながら言った。でも、にぎやかの方が楽しいもん!
「あ!おーい!櫻井達〜!」
昇降口から出ると、翔君達が待っていた。
「ごめん!待った?」
「大丈夫」
私は少し上目遣いで聞くとニコニコと笑いながら言った。
「てかさ、川音姉妹大丈夫なのかよ…」
翔君と同じバスケ部の男子が聞いてくる。
「さぁ……私もわからないな…」
私は少し心配そうに言った。
「大丈夫だよ。俺が守るし」
翔君はニヒヒと笑った。
「……そこかっ!!!」
蓮依は手に持っていたバスケシューズを投げた。
「いたっ!」
どうやら誰かに当たったみたいだ…まさかストーカーに!?
「あ!貴方は!!」
「宮崎!」
みんなは声を揃えて指をさした。
宮崎と言うのは、宮崎 守君のことだ。見た目は普通だけど顔を良い方……なのかな…?
「宮崎?誰?」
蓮依は首を怪しげにかしげた。
「こいつは変たi……あ、超イケメンの宮崎君だ」
「おい!今変態と言おうとしたよな!?」
翔君は宮崎君のことを紹介するときふざけて言うと、宮崎君と翔君は喧嘩をしている。
「はぁ……宮崎だっけ?あんたなぜ、私と梨依をストーカーしてたわけ?」
蓮依はギロリと宮崎君を怖い目でにらんだ。
「はぁ!?ストーカー!?」
宮崎君はあんぐりとしながら言った。え!?どういうことなの?
「俺は友達が川音のことが好きらしいから…」
宮崎君は少し焦りながら言った。
「ちょっと聞いていいかな?」
みずは宮崎君の前に一歩出て聞いた。宮崎君はこくりとうなずいた。
「どっちの川音なの?梨依なの?蓮依なの?」
みずは私達を丁寧に指をさしながら宮崎君に聞いた。
「あぁ。ごめん。蓮依ちゃんの方だよ」
すると、蓮依は顔を少し赤らめていた。
「友達が蓮依ちゃんの運動神経とか髪型とか顔が好みらしいんだよ」
蓮依は益々と顔がまるで何かを我慢しているように赤くしていた。
「う、うるせぇよ!!」
蓮依は何故か思いっきり宮崎君にビンタをした。
「な、なんで俺!?」
宮崎君は蓮依にビンタされた場所を擦りながら涙目で蓮依を見た。
「な、なんでもないわよ!行くよ!梨依!」
「え!?ちょ…待ってよ!」
蓮依は顔を赤らめたまま、私を引っ張り家を帰った。
「蓮依…!どうしたの!?」
私は蓮依が引っ張っているのを引き返した。
「だ、だって…」
すると、蓮依は小さく口を開けて、ボソボソッと言った。
「あいつが私のこと好きってあり得ないんだもん…」
蓮依は顔を赤くしながら言った。今太陽が沈んでいってる。太陽のせいで蓮依の顔が赤く見えるのかもしれない。
「大丈夫よ。断ればなんとかなるよ!」
私は褒めることが特に苦手。でも、私は蓮依を慰められるように頑張って慰めた。
「ふふふ…ありがとう…」
蓮依は私が蓮依を元気付けようをしてる行動が面白いせいか鼻笑いをしたらお礼を言ってくれた。
とにかく、私は蓮依が笑ってくれればそれで良いなと思った。
「おーい!蓮依と梨依!」
後ろから私と蓮依を呼ぶ声がした。私と蓮依は後ろを向くと、大きく手を振って走ってくる翔君の姿があった。
「おいおい。蓮依と一緒に行ったから心配した……」
翔君は走ってきたせいか『はぁ…はぁ…』と荒い息をしていた。
「ありがと…小雪達は?」
蓮依はハッとして周りをキョロキョロした。
「あぁ…あいつらは男女1人ずつペアで帰ったぞ」
「そうだったんだ…」
翔君がそう教えてくれると、蓮依と私はホッとして声を揃えた。
「さて、そろそろ帰ろうぜ」
「早くご飯作らないといけないし!」
私と翔君と蓮依は後ろに影が映りながら笑顔で笑いながら帰った。
第14章ー告白の手紙!?ー
次の日、私と翔君と蓮依は久しぶりに一緒に登校した。
久しぶりなのかな?初めてなのかな?わからん…
「な、何これ!」
蓮依が居る下駄箱がある場所に行くと、蓮依は手を震わせながら何か紙を持っていた。
「何それ?」
私はちゃんと靴を履いて、蓮依の手から紙を取ると、裏には『川音 蓮依さんへ』と書いてあった。
私はなんだか気になり、封筒とわかって封筒を開けた。
『川音 蓮依さんへ
僕は初めて君が来た時に、僕は胸がドキドキしてきました。気づけば貴方のことが好きでした。貴方のことを考えてしまいます。
良かったら僕と付き合ってください!返事は5月8日の放課後で裏庭に来てください。』
と書いてあった。相手の名前は書いてなかった。
「これって…イタズラなの…?」
「ラブレターでしょ!」
蓮依は少し不安そうな顔で言うと、私と翔君は声を合わせて言った。
「ら、らぶれたー?」
蓮依はラブレターのことがわからなく首をかしげて私と翔君に聞く。
「ラブレターって言うのはね、手紙で内容を伝えて告白するって言う感じかな…」
私は蓮依に少しでも伝わるように言うと、蓮依は難しい顔をしてまた首をかしげる。
やっぱり、私の説明は難しいか…
「簡単に言えば、恋の手紙的な感じだよ」
翔君はにっこりしてサラッと言う。翔君爽やかな性格なのか!?
「とにかく、この日に行った方が良いよ。誰が告ったかわかんないし…怖かったら私こっそり着いていくよ?」
私は蓮依を心配し、首をかしげて蓮依に聞く。
すると、蓮依は首を横に振る。
「頑張って一人で行ってみる!」
蓮依はニコッと笑いそう言う。蓮依もなんでもチャレンジだね!
私達はチャイムが鳴る前に急いで教室へ駆け込んだ。
side 蓮依
あぁ…胸がドキドキしてきたよ…恥ずかしい…
「蓮依ちゃんおはよっ!」
クラスで仲良くなった子は積極的に私に挨拶をする。私はニコッと笑い挨拶を返した。
「とにかく、準備しないとな…」
私は提出物をたくさん持ちながら出していく。
提出物を全部出すと、すっきりした感じがする。
「ねぇねぇ…」
私は仲良くなった子に話しかける。
「どうかしたの?」と首をかしげて聞き返す。
「今日って何日?」
「7日だよ」
クラスの子はカレンダーを指さして教えてくれる。
ラブレターの返事は8日…明日!?いきなり言われてもな〜…
「今週は凄くイライラするなぁ…」
私はさっきより暗い顔をして呟く。
すると、隣の席の男子からほっぺをつねられる。
「なんだよ」
私はほっぺをつねられた腕をガシッと掴み、睨み付けた。
「わりぃわりぃ…お前ボーッとしてたからさ」
こいつは私にいつもちょっかいを出す。名前は中川だ。でも、下の名前は名乗ってくれない。
「お前さ、今日どうしたんだよ」
中川は心配して首をかしげて聞く。
「まぁね…」
私は苦笑いをして言う。苦笑いをすることしかなかった。
「……」
「蓮依ちゃ〜ん」
「何?」
部活の時に、私はラブレターのことで頭がいっぱいで部活の先輩に呼ばれたのが気づかなかった。
「蓮依ちゃん大丈夫?保健室行く?」
「ううん…熱ないし大丈夫…」
先輩は心配をして言うと、私は首を横に振り、断った。
今日の私どうしちゃったの?
「はい!今日の部活は終わりです!」
部活で解散すると、みんな一斉に帰った。小雪と岬、水月は用事があり、中学校からそのまま急いで行くらしい。
丁度、バレー部とバスケ部、吹奏楽部が終わり、昇降口で翔と一緒にいる梨依と遭遇して一緒に帰ることになった。
本当は二人の邪魔をしたくないんだけどね…
「…でね!っておーい!蓮依大丈夫?」
私がボーッとしていると梨依は私の体を揺らしながら聞く。私はハッとした。
「あ、ごめん。考え事してた」
私は苦笑いをしながら答える。
どうしてもラブレターのことで頭がいっぱい……
「もしかして…ラブレターのこと?」
梨依は首をかしげて聞く。
うぅ…さすが梨依…鋭いな…
「告白の答えっていつなんだ?」
「明日…」
「明日!?ラブレター送ったやつバカだな〜!」
「ちょっと翔君!」
翔は告白のことを聞くと、私はラブレターを見ながら答えた。
すると、翔は目を丸くしてびっくりして大声でそう言った時に梨依は口を抑えて注意した。
「一応決まってるよ?」
「どうなの?」
私は真顔で言うと、梨依と翔の唾を飲み込む音が聞こえる。
「考えとくにするわ…」
「え?」
私がそう答えると、翔と梨依は少しびっくりして口を開けていた。
「どんな性格かわかんないじゃん…いきなりごめんなさいって言うとなんか嫌じゃん?」
私は思っていたことを全部翔と梨依に告げる。
「まぁ…それもそうだね…」
梨依は「うんうん」と言いながら納得してくれた。
「俺は反対」
すると、翔は少し怒っているように乱暴そうに言う。
なんか、部活でイライラしてるの?
「女子って性格で決めるって言っても顔で決めんじゃん…」
翔は最後に「はぁ…」とため息をつき、呆れた顔で言った。
「し、翔君!蓮依はそんなことしないよ…!」
梨依は私をかばうように翔に言う。
翔は結局なんなのよ…
第15章ー告白の返事ー
あの日から翌日…私は昨日の夜は眠れていなかった。
結局昨日の翔の反対意見はなんとか翔を説得することができた。めんどくさかったけど…
「おはよ…」
私は目をこすりながら眠そうにリビングに来ると、制服の上にエプロンを着て、料理をしている梨依が居た。
「梨依早いね」
私は驚きながら言う。
梨依はニコニコと笑う。
「今日翔君のお母さん早めに仕事に行ったから私が作ることになったの」
私はこくりこくりと小さくうなずきながら黙る。
「蓮依〜翔君呼んできてくれる?」
「いいよー」
私は梨依に言われた通り、翔を起こしに行った。
あいつ目覚まし時計セットしてんの?
「翔ー起きろー」
「またもう少し…」
私は棒読みで言うと、翔はわがままを言う。
これしかないか…
「梨依が美味しいご飯作ってるよー」
「マジで!?行かないと!」
またまた棒読みで言うと、翔は跳び起きて、階段をダダダッと走っておりていく。
これは使えるな!!
「梨依〜ちゃんと翔を起こしたよ〜」
私はソファーに偉そうに座る。
「ご苦労様。翔君ったらリビングに来たときに大きな声で挨拶してきたもん」
「り、梨依…」
梨依は料理をしながらクククと笑うと、翔は顔を真っ赤にして恥ずかしがる。
「二人とも〜ご飯出来たから座って〜」
梨依は料理をテーブルを置きながら言う。
私と翔は同時に椅子に座る。
今日のご飯は何かな〜?とわくわくしてくる。
「いただきまーす」
手を合わせて言うと、さっそく食べ始めた。
今日の朝食はご飯、若芽と豆腐の味噌汁、卵焼き。おまけにお茶も!
「やっぱり旨い!梨依の料理!」
「翔のお母さんが作るのも美味しいけど梨依のも美味しい!」
「そう?ありがとう」
翔は甘い卵焼きを飲み込むと目を輝かせて言う。
私は味噌汁の汁をすすりながら言う。梨依はにっこりして嬉しそうだった。
「ごちそうさまでした」
ご飯が食べ終わると、梨依が食器洗いをしている間に私と翔は着替え始めた。
「行ってきまーす!」
私達は一斉に出る。梨依はちゃんと鍵を閉めてくれた。
「今日は天気いいな…」
翔は眩しそうな顔をして言う。
確かに今日は晴れてて眩しいな…
「そう言えば今日テストだ……」
「え!?マジで!?」
「わ、私勉強してないよ!」
梨依は真っ青にして呟くと、翔と私は食いつく。
えーー!!テスト今日あったっけ!?
「違うよ。勉強じゃなくて歌のテストね」
「なんだ〜…って俺もだった…」
梨依は苦笑いをして歌のテストと教える。梨依は音楽確か得意なんだよね…私とは間逆!
私はテストじゃなくて凄くホッとする。
「でさ〜…」
梨依が話している間…あの事を思い出してしまう…
そう…今日は告白を返す日だ。
「おーい!蓮依〜…」
「え!?何?」
私は梨依が私を呼んでいたのに気づいていなかった。
も、申し訳ないなぁ〜…
「大丈夫?顔色悪いよ?」
「ううん。大丈夫」
梨依は私の額に手を当てながら聞く。
体調は別に悪くない…
「あ、もしかして、あれか?」
「うん…」
「あれ?あ!あれか!」
翔は少し難しそうな顔をして聞く。
私はこくりとうなずき言う。
梨依は最初は何かわからなかったけどハッとして思い出す。
「んじゃ、蓮依!後でね!」
「うん…」
梨依と翔と別れると、少し気が重たくなる。
なんだか、ダルいな…
「蓮依ちゃんおはよー!」
「うん。おはよ」
「あれ?蓮依ちゃん顔色悪いよ?」
「あぁ。うん。大丈夫だよ」
クラスの子に挨拶をされると、私は暗く挨拶をする。
クラスの子は私の顔を覗きこみ、心配する。梨依とほとんど同じことやってる…
「ごめん。屋上行ってくるね」
「あ、うん」
私は、朝の会まで10分前に教室から出て、屋上に向かう。
屋上に行くと、誰もいなくて静かだ…
なんだか落ち着く…
「はぁ…今日大丈夫かな〜?どうせなら今がいいな〜…」
私は屋上のさくを強く握りながらため息をつく。
ほんっと…勉強に集中できないじゃん…
「ここに居たのかよ。川蓮依」
扉から声が聞こえ、後ろを振り向くと、中川が立っていた。
「何よ…てか川蓮依って何よ」
「いや〜!川音って言うとなんかね〜…」
中川はあははと笑いながら言う。
どうせ、あれでしょ?
『川音』って呼ぶと、私と梨依が勘違いしそうって話でしょ?
話したいことはなんとなくわかる。
「てか、お前さ…なんで屋上にいんの?」
「考え事よ…」
「ふ〜ん…なんの?」
中川は私を見て聞いてくる。
私は空を見上げながら言う。なんか男子と目合わせんの無理。
中川は何故かしつこく聞く。
「ラブレター渡されたの!」
「あ…それ俺だ……」
「え?」
私がびっくりして、中川の方を向くと、顔を赤らめていた。
ど、どうして?
「なんで私なのよ!」
「笑顔が可愛かったし、優しいし…」
私は少し焦り気味で聞くと、中川は顔をだんだん赤らめ、真剣な顔で言う。
なんかそれだとしっくりこない…
「…で、返事は?」
中川は私の顔をしっかり見て、真剣な顔で聞く。
真剣な顔をすると、余計胸がドキドキする…
私は…中川とは付き合う気がない。友達でいたいし…
「ごめん…なさ…い」
「……」
私は声が消えそうになりながら言う。
中川は下を向いて黙っている。
か、悲しむよね…せっかく勇気を出して告白してくれたのに…
「川音…ありがとう…」
中川は顔をあげて、にっこりと微笑む。
え?ごめん。何を言ってるかさっぱり…
「俺さ、ずっと頭の中が蓮依のことだらけでさ…」
「なんか引くわ…」
中川はハハハと笑いながら言う。
私はゾッとして中川から一歩一歩離れていく。
「わりぃわりぃ。じゃあな」
「うん…」
私は中川の後ろ姿に手を小さく振る。
私は一人になった時しゃがみこむ。
「はぁ……」
_______________
私が廊下を黙って歩き、教室へ戻る。
「ごめん。蓮依いいかな?」
「ん?」
梨依はおろおろしながら私に言う。
私はちょこんと首をかしげる。
「蓮依のクラスって数学の授業いつある?」
「え?3時間目…」
「教科書忘れたみたいだから貸して…」
「しょうがないな…いいよ」
私は教室に入り、机から数学の教科書を取りだし、梨依に渡す。
梨依はホッとして、「ありがとう」と私に告げると、小走りで教室に戻る。
「……なんかイラつく…」
私は心がモヤモヤするのに、なんだかイライラしてしまう…
なんなの?この気持ち…意味わかんない!