幻宮

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1:みづき:2017/11/15(水) 22:13

「ここが『都』・・・!」

天皇がいる

「幻宮」から徒歩三分

ここは賑やかな市・・・

2:みづき:2017/11/22(水) 23:06

どうせここからは出られない・・・。

私は知っていた

ここは遊郭

抜け出す人も多いと聞くが

警備が厳重がここから逃げ出せるわけなどない

「涼花さぁ〜ん」

わたしのなまえはすずか

いま最も勢いのある大見世明月の引込禿

九つで売られ姉女郎の夕木菟姉さんにしごかれて育ってきた

「はぁ〜い」

そろそろ行かなければ




ここはまだ地獄の入り口でござんしょう

3:みづき:2017/11/25(土) 00:31

「またきていなんし、さびしゅうてかないません」

「おうおうまたくるぞ」

この世一の美人とうたわれる夕木菟姉さん

私もいずれああいう風になる・・・いやならなくちゃいけない

決意を胸に質屋に走り出す

「精一杯愛想よくして、高く買い取ってきなさいよ」

女将さんにそうせかされてしまった

昔から笑うのなんて得意じゃない

どうしよう

そうやって悩んでいるうちに

誰かとぶつかった

「堪忍しておくんなんし」

相手の顔を見ると

顔立ちの整ったザンバラ髪だった

「ごっ、ごろつき・・・」

叫ぼうとしたが声が出ない

その時男は笑ってこう言った

「ふっ、おもしろい」


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