まだ題名決まってないから
こんなスレ名ですー。
飽きたら終わるかもだけど、
それまで地道に書いていこうと思いますー。
〜ぷろろーぐ〜
か細い声が耳に届いて
道端でゴミのように見棄てられた猫。
ふと、昔を思い出す。
もう戻りたくない過去。
いっそのこと消したい。
そう願うのに・・・
「………母さん、父さん」
__オレの人生は。
小さい時、いや物心つき始めの頃。
オレと母さんと父さん。
至って普通の家族だった、はず。
夫婦同士仲良くてオレも愛されてた。
……愛されていたと勘違いしてた。
あの日もいつものように3人で出掛けて。
_嗚呼、今も後悔する。
あのときオレも一緒に行ってれば。
あのときオレがもっと鋭ければ。
まだ幸せだったのかもしれないと。
今はもう遅い話。
道端に力果て横たわった猫を抱き締め街灯一つない道を歩く。
静かなのは嫌いじゃない。
でも少ししんみりする。
目の奥に何かが込み上げてくるのを必死に耐える。
まだ駄目だまだ駄目だまだ駄目だ。
オレはもう慣れてるんだ。
そう自分に何度も言い聞かせる。
夜空の星はオレと間逆に輝いていた。
真っ暗な道。オレの人生も端から見ればこんなんだろうか。
なんて、しみじみ思ってみたり。
でも実際、オレに明るい未来なんてないだろう。
親に愛を貰ったことも親の温もりも。
何も知らないオレにそれを次に繋げることは
不可能なことだから。
山あり谷あり。
人生はそんなもんだって、遠い記憶の中で聞いた。
でもオレの人生は、山もなければ谷もない。
ただ永遠に真っ直ぐな道。
平和だって、確かにそう思うけど。
どこか物足りないのは気のせいだろうか。
オレの人生、何のためにあるんだろうか。
小さなアパート。それがオレの家。
でも今日からもう一人、家族が加わる。
「……みゃぁ…」
本当は動物飼うのは禁止なアパート。
でもこんなか細い声で鳴かれたら無理だった。
こんな小さい身体で汚れた世界を歩いてきたのか。
そう思うと自分がちっぽけに見えた。
もわっと広がる白い湯気がオレらを包み込む。
猫は水嫌いって聞いたけど大丈夫かな。
猫ってなに食うんだろう。
とか、どうでもいいことに悩んでみたり。
風呂場でぴちゃぴちゃと水音がなり響く。
嗚呼、オレの過去が一瞬にして甦る。
優しい、優しい、あの声が__
「__くん、ちゃんと肩まで浸かるんだよ」
「__くん、10秒数えようか」
「__くん……」
__ジャーッ
ふと夢から覚めたようにはっとして。
猫がオレを不思議そうに見いてる。
シャワーを止め、流れる水を呆然と見た。
血が、血が流れていく。
真っ赤に染まった、あの人の……
ギュッと目を瞑る。
あの日をかき消すように。
そして二度と思い出さないように。
ごめん書けない。