エンドレス鬼ごっこ

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1:しおん:2015/10/17(土) 19:32

ねぇ、エンドレス鬼ごっこって知ってる?
知らないって思ったあなた……。
私が教えてあげる。
それはね、夜中の0時に―……。

2:しおん:2015/10/17(土) 21:00

「夕奈ちゃん、つーかまーえたっ!」
そんな明るい声と共に、鬼の美弥は夕奈の背中を軽く叩いた。
ニヤリと笑う美弥とは対照的に、夕奈は悔しそうな表情を浮かべる。
「また捕まったぁ。あたし、足遅いからなー」
「大丈夫だって。……さて、みんな捕まえたかな?」
美弥が視線を動かすと、ジャングルジムのてっぺんに上っている少女の姿が目に入った。
「智花……か。絶対捕まえられないよ」
そうつぶやきながら、美弥は智花のいる方に向かって走り出す。
智花は余裕の表情で少し美弥を待ってから少しずつスピードを出す。
あっという間に智花と美弥の距離が開いた。
そこで、チャイムが鳴る。
智花は足を止めて振り返った。
「はぁ……、智花、ほんっとに足速いよねー」
息を整えながら美弥が言う。
その言葉に夕奈と花織が頷いた。
「まぁ、智花を捕まえられないのは仕方ないよ。だって、智花は男女混合でも、学年で一番足が速いんだから」
「一日でいいから運動神経交換したいよ」
その言葉通り、小学6年生の橘智花は運動神経がとても良い女の子だった。
特に足はとても速く、50メートルを7秒台で走る快足の持ち主だ。


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