紺碧戦記

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1:水色◆Ec/.87s:2022/08/07(日) 16:45

架空戦記系自創作をまとめる為に立てました。
閲覧可、乱入厳禁です。
時系列は適当。

2:水色◆Ec/.87s:2022/08/07(日) 20:56

世界に名だたる────とは逆立ちしても言えないような王国、ホワイト王国。百年前までは逆立ちしなくても世界に名だたる王国ではあったが。
だが、現在はどうか。······隣国から継続的に攻められ、まさに亡国としてその名を残そうとしている。
軍隊は腐敗が甚だしく、正常な将も次々と死に、戦えば必ず負けると言ってもいい有様であった。

······そのような国なのだから、王もきっと無能なのだろうと決めつけるのは早計である。女王、しかも22歳という若さのリタ11世は、この状況を脱却すべく書類に埋もれながら思案していた。
「······」
この書類に埋もれているという状態こそ、国の『人材不足』という切迫した問題をよく表していた。だが現状文官は必要ない。大切なのは、次攻め込まれたら一巻の終わりという絶望的状況に対処できる英雄だった。
リタは自らが英雄だとは思っていない。三人の兄が尽く流行病で死んだ末に巡ってきた王位なのである。────いくら父は凡庸だったが、そう言っても王として学ぶべきところはあっただろう。このように王位が廻ってくるとは思ってもみなかったので、父の観察を怠っていたのだ。
予想が出来なかった、で片付けるのは簡単だ。······しかし、実際に起こっている事はそれで片付かない。
職務の一部を夫にして忠実な摂政に預け、彼女は寂れた王宮の外に出る。

リタは護衛を連れなかった。流石に王宮を警護する護衛達は無能ではない。彼女は、護衛の目をすり抜けて外に出るのを得意としていたのだ。
外に出て真っ先に訓練場へと向かう。これは毎回リタがとる行動であった。
途端に、道端に座り込んで酒を飲んでいる兵士が目に映る。······まさかその兵も、目の前を通り過ぎた苦い顔の女性が女王だとは思っていなかっただろう。無礼ではあるが、咎められなかったリタであった。

訓練場の内部へと入っていこうとすると、兵士に止められた。
「待て、何者か?今はミゼール将軍の隊が訓練を行っている。将軍の許可無しでの立ち入りは禁じられている」
「ミゼール将軍が?」
今まで苦々しかったリタの表情はその名前を聞いた途端に明るくなった。どうやらミゼールは辛うじて残っている優秀な将軍らしい。
「······分かった。職権濫用になるから引き下がることにするよ。将軍によろしく」
「······は?」
目の前の女性の言動に驚きを隠せない兵士達であった。······と、次第に彼らの表情が変わっていく。
「あ、あなた様は······もしかして、」


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