雨上がり、夕闇に咲く 

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1: 雨 ◆Wywv.:2017/09/04(月) 17:52




カメラに写した君の後ろ姿と、水溜りに映った僕の影。
      ふたり、名前もつけられないような、( >>2-4 )


 

2: 雨 ◆Wywv.:2017/09/04(月) 17:54




  →? ストーカーと少女、ひとつ屋根の下にて。
 曖昧で奇妙な関係の中、ゆるりと過ぎていく日常の話。


  / 非募集スレ。

  ○ ロルは形式長さ問わず。
    相手の苦手ロルは回避しつつ、な感じで。

  ○ シリアスなのかほのぼのなのかわからない。
    多分、その合間を行くような感じ。


 

3: 雨 ◆Wywv.:2017/09/04(月) 17:55




 「 なんでこう、思った通りに行かないんだろうね 」

  鳴海 諒(なるみ あき、)/ ♂、20y

 ストーカーであることを差し引けばどこにでもいるような普通の人。面倒見もよく気配りも出来、優しいお兄さんのような雰囲気を纏う。しかし感情の起伏が少ないため実態がいまいちよくわからない。自分について語りたがらず人のこともあんまり聞こうとしない。が、内に秘めた想いは強いのかも。世の中のほとんどのことに興味がなさそう。それ故か、大抵のことはなんでも許せる。良くいえば寛容。さらりと嘘をつくことは多々。面倒くさいことは自主的に行わないが、必要に迫られた場合のみやる。基本的に都合のいいことしかしない。それでも不運なのか不器用なのか、良い結果はついてこない。多分苦労人気質。

 最近染め直したばっかりの暗めのブラウンの髪は、程よい長さが保たれている。前髪は伸びっぱなしのため右に流し気味。これといった手入れはしていないにも関わらず寝癖はひとつもない。ぼんやりとした強い意思のなさそうな瞳は黒、やや切れ長であり、どこか鋭さも感じられる。表情は基本的には変わりなし。嘘っぽい笑みをたまに浮かべるのみで、心から笑ったことなんて少年時代以降一度もないそうな。服装はシャツにパーカーにジーンズとか。四季は一切関係なし。身長は170cm台後半。

 一人称は俺、二人称は君。人をあまり名前で呼ばない。キッチンとトイレ、あとは和室とリビングっぽい部屋があるだけのアパートにてひとりぐらし。自宅近くの大学に通う三年生。法学部。学校に行く以外は特にすることがないため家でごろごろしてたりお散歩してたり。友人関係が希薄。なににも興味を持てずに生きてるだけみたいな毎日を過ごしてるときに現れたのが家出少女ちゃん。なんとなく雰囲気に惹かれただけで、外見が好みだとか恋心があったりとかはないそうな。ただなんとなく見てるだけで、自分から接触しようとか考えたこともない。


 

4:   ◆Lv.E:2017/09/05(火) 04:18



  「 やりたいようにできるのが、一番いいんだけどさ 」

 名前 / 泡深 莉緒 ( あわみ りお )

 性別 / 女の子。
 年齢 / 12歳、小学6年生。誕生日は5月そこら。

 性格 / あまり目立つようなこともなく、みんなの中心に立つようなこともない集団の端っこにいるような子。友達がいないわけでもなく、感情が薄いわけでもなく一見ちょっとしっかり真面目な普通の子だが人との線引きはしっかりしているようで人に深入りせず依存することもない、どこか諦めたような、悟っているような大人っぽさを感じさせる不思議な雰囲気を持っているため、ほんの少し浮いているようにも見えたり。また気づいているのに気づいていないふりが得意なようで、それを隠し通すためなら嘘も吐く。素直な言葉をはっきりとぶつけられるが、人に頼ることはできず「助けて」の一言が言えず抱え込んでしまう。ルールに忠実で面白く無い子のように見えたりするが時々!?ってなるような思い切った行動をするので行動力と度胸は結構持ち合わせてる。 勉強はそこそこ。運動もまあまあ。

 容姿 / 傷んだ様子もなく、大切にされている印象の地毛はさらりとした色素の薄い胡桃色。成長したら一層の事思い切ってカラフルに赤や金に染めようと考えている。目の上すれすれでくるん、と内側にカールした毛先の揃えられた前髪と耳にかける仕草が目立つ、肩にギリギリつかない程度の、これまた綺麗に毛先がぴしっと揃った髪の毛はうまいこと内側にカールしていて。色々感情の詰まっているような程よく釣った目。瞳は紺色。目の下にホクロが斜めにふたつ。あまり大きく開かない薄い唇。服装はユニ○ロやG○、しま○らなんかでささっと買ってきたようなものが多め。最近だと赤と白のボーダーの半袖にクリーム色のショートパンツ、黒い膝下までのスパッツなんか。家出した時もその服装だった。身長は151糎。まだ伸びしろはある。 ちなみにランドセルは赤。

 備考 / 一人称は私。二人称は君とかあなたとか、くん、ちゃん、さん以外にも呼び捨てとかしてみたり。家出をしたのは親に将来を決められたこと。彼女には自分なりのやりたいことがあったけど否定をされ色々考えた結果家出。計画的なものだったので10000円程度のお金と服をもう1日分とか水とかは一応持ってた。性格柄ストーカーさんにストーカーされてたのは実はちょっと気づいてた。なので養ってくれるかもしれないとダメ元で訪問。お家を知ってたのは…なぜでしょうかね。計画してた割に学校のこととかはあまり考えてなかったり。軽度の自傷癖 ( 爪や指の皮、口内の肉を噛む、瘡蓋を剥がす のみ ) が有。自覚しているし尚コンプレックスなので指摘はしないでほしい。また重度の高所恐怖症のためかなり高い坂は怖くて降りられなかったり、ベランダも二階が限界。 至って健康で好き嫌いはほとんどしないがイカはアレルギーがあるので食べられない。



5: 泡深 莉緒 ◆Lv.E:2017/09/05(火) 04:49


 ( / スレ立てお疲れ様です…!家出少女ちゃん訪問前から初回を書かせていただきましたが絡みにくければほいほいと書き直しますので~)



 ( ショーケースのガラスに映った自分と目が合えば、どこか恥ずかしくなって微笑む。几帳面に組まれたタイルの溝を踏まないように歩いた。線を踏んでしまうと、意味のない悔しさで胸がいっぱいになった。縞々の横断歩道を無事渡りきろうとすると、歩道との溝の水溜りから雨水が跳ねて足元をじわりと靴下まで濡らす。じめじめとしていて、やけに気味が悪い。雨が上がりに畳んだ傘からはまだ水滴が落ちていて、彼女が歩いた道を続くように痕をつけた。雨上がりの虹も見えていなかったし、まだ灰色の雲がかかってる。もう時期また降り出すろう。そうなる前に早く目的地に行かなくちゃ。と歩を進めた。雨上がりの世界は少し綺麗に映るが、別に遊びに行くわけでもなく、絶賛家出中だった。さっき、ぼんやりと家を出て。特に当てもなくふらふらする中、なんとなく頼れそうな心当たりがぽつりと。面識がある人物でもなく、とりあえず衣食住を頂けて、欲を言うなら自分を元の世界から隔離してくれればそれでいい。もしかしたら一人の人間を更にの犯罪者にしてしまうのではないかと若干の不安はあるが、そこの所はきっとうまくやってくれる気がする。何かあったら何食わぬ顔で家に帰ればいい、きっと帰れないけど。実は知っていた目的地に立つと、2、3回とノックをして。もしかしたらこの時間はいないかもしれないな、なんてもやもやとした不安を寄せながら一言。 )

    
      もしもーし、




6: 鳴海 諒 ◆Wywv.:2017/09/21(木) 18:06




( / 初回投下ありがとうございます、返信遅くなってしまい申し訳ないです〜!すごく絡みやすい初回なので無問題です……! )


( 先程まで降っていた雨は、いつの間にか止んでいたようだ。薄暗い雲の切れ目から、ほんの少しだけ晴れ間が覗いている。色とりどりの花ように咲き乱れていた傘たちも姿を消していた。自分ひとりだけがまだ傘をさしていることに気が付いて、水滴が飛び散らないよう気を配りながらそっと閉じる。建物の間から見える景色は酷く濁っていて、街全体が薄暗いなにかに覆われているようにも見えた。この分だと、雨はまた降ってきそうだ。傘はさしたままでもよかったのではないだろうか。傘を開くというような同じ動作を何度も繰り返すのは、最もとは言わないまでも苦手なことだ。人生もそれと似たものだと思う。毎日毎日同じことの繰り返し、いっそやめたくなってくる。だから、諦めたような振りをして変化を期待してしまっているのだ。あの子を尾けている理由も、きっとそれだ。空ばかり見上げていたら、足元の水溜りに気が付かず、片足を突っ込んでしまった。こういう変化は、いらない。顔をしかめては、水溜りの原因である雲を恨めしげに睨む。雨が再び降り出す前に、帰ってしまおう。水に濡れて少し重くなった足で、いつもの道を歩いていく。錆び付いたアパートの外階段を上りきった先には、いつもと違う光景が待っていた。自分を知るはずのない少女が、何故か、間違いなく自分の家部屋の前に立っているのだ。戸惑いは隠したまま、優しいお兄さんの仮面を被って、少女の顔を覗き込んだ。 )

俺の家に、なにか用かな


 >>5 莉緒


 

7: 泡深 莉緒 ◆Lv.E:2017/09/26(火) 18:19





 (/ いえいえ…!置きレスですし大丈夫ですよー!じめじめと返させていただきます )

    おにーさん、こんにちは


  ( じめじめとした空気の中聞こえた声に振り返った。優しさを帯びた笑みをしているが、普段はこんな顔をする人物ではないのだろうと察した。元々自分がそんな素直な子供でもないことには気づいてはいたが、今回ばかりは自分の疑り深さに呆れた。わざとらしげのある淡い甘えを含んだ会釈をして目を合わせた。目の前にいるのがストーカーである、とわかってはいたが、不思議と怖くはなかった。それが何故なのかは頭の中でぼんやりと回ってはっきりとしなかった。いつまでも目を合わせるのも抵抗があり、じんわりと濡れた靴に目を落とした。傘からは水が滴っていて、足は重たかった。髪の毛もじんわりと濡れていたし、太ももは冷たく赤くなっていた。傘の持ち手をぎゅっと強く握り締めたせいでほんの少しの間手に黄色い余韻が残っている。所々数段濃く染まったショートパンツの裾を握りしめて、相手の真似っこでもしたかったのか、もしくはそれが本来の話し方であったのか、どこかひんやりとした深い笑みを浮かべてから挑発でもするかのようにてを後ろに組んで年に似合わぬ軽い言葉を零し、冷たさの残る髪の毛を耳にかけて。 )

    おにーさん、わたしのこと知ってるでしょ

         >>6 すとーかーのおにーさん



8: 鳴海 諒 ◆Wywv.:2017/10/11(水) 18:22




( / ではこちらも湿気がすごい感じで返させていただきます…! )


( 相手の目の前にいるのは自分ひとりであるのに、その口から発せられた言葉が自身に向けられたものであると認識するのには時間がかかった。気がついたときには、挨拶を返すタイミングを完全に失っていた。唇だけが半開きになって、それを誤魔化すために曖昧に笑ってみる。後ろ姿ばかり眺めていた少女を目の前に捉えるのは新鮮で、思わず目を逸らしてしまう。きっと相手もそうしたのだろう、次にそちらを見たとき、再び視線が交わることは無かった。年相応の幼さを感じさせない自然な動作をなんとなく目で追っていると、相手の言葉を危うく聞き逃しそうになる。頭の中でその言葉を反復すると、思わず目を見開いてしまう。この少女は、すべて知っているのだ。根拠があるわけでもないのに、先ほどから感じていた疑念は確信へと変わっていった。濡れた足の冷たさが回ってきたのか、それとも相手の放つ独特の冷たさ故か、背筋がぞくりと凍えるような感覚があり、思わずぶるりと震えてしまう。半ば諦めたような気持ちで、しかし直接的な答えはしまいと言葉を濁す。クリアできないとわかっているようなゲームをやらされているような気分だ。逃れるように外を見ると、雨がまた降り始めていた。まるで、訪れた変化を祝福するように。こんな変化ならいらない、と投げやりに思う。だったら、どんな変化なら受け入れられるのだろう。 )

どうだろう。 まあ、どこかで会ってるかもしれないね。ほら、世間ってのは割と狭いから


 >>7 莉緒


 

9: 泡深 莉緒 ◆Lv.E:2017/11/05(日) 17:41




 …そっか、そうかもしれないね

 ( ごくんと相手の言葉を飲み込んでから、つ、と小さく息を吐いてみる。靴で包まれたつま先は地面に当たるなり良さげな音を奏でて、雨はぱらぱら鳴った。むぅ、このひと、なんかそれっぽいことを言ってきた。だって確かに商店街の精肉店と八百屋の店主さんは同姓同名だし、世間は案外狭いのだろう。ぐりぐりと足首を回して、優しそうな声で言うけれど、目立って合わせないし、言葉の方向は斜め下を向いていて、強かに言い捨てたようにも取れる。硬い地面には、痛くも痒くもないんだろうけど。「 でも 」なんて反論はしなかった。すこし大人びた行動をしたつもりなのに、どうせ拙い言葉しか出ないのに反論したって、そしたらなんだか惨めになりそうな気がして。鞄を持ち直してゆら、と濁った瞳を揺らしながら20とか、30糎ほど上にある相手の顔を見上げる。カメラのピントを合わせるみたいに顔はほとんど動かさないで、もしかしたら見えない瞳の内側を覗こうとしながら、どこかぎこちない笑みを浮かべて、またなにか遠い先のことを見つめるように。雨宿りみたいに言うけれども、雨って今降ってる雨じゃないくて、事のことかというか、家でのことというか、家出の理由というか。とりあえず、匿って欲しいって。 )


 おにーさん。わたし、おにーさんに会いたくて来たの。お願いがあって。わたし、もうここ以外行くところなくて。ねえ、おにーさん。おにーさんがわたしと会ったことあるだとか、無いだとか関係無いから、どれくらいまでかは知らないけど、雨がやむまで、泊めてくれないかなって。


     >>8 おにーさん


   

10: 鳴海 諒 ◆Wywv.:2017/12/06(水) 18:44




( 所在なさげに勢いを増す雨に目をやって、ああこのままじゃ風邪をひくかもしれないな、なんてぼんやり考える。関心のない振りは得意だ。どうでもいいような顔をして、なにも聞かなかったことにしていればいいだけだ。けれど。相手の言葉をきちんと吸い込んで、噛み砕くようにして、頭で考える。雨宿りなんて抽象的な表現で、相手の事情を図り知ることなんてできない。かちあった視線で問いただしても、きっと答えてはくれないはずだ。それを知る必要なんて、ないから。ただ、相手が自分を必要としているという事実だけ。承諾する根拠なんて、それだけなのかもしれない。彼女に対する同情や罪悪感なんてまるで感じないで、それだけ。少し言葉を探して、けれどそれは形にならないまま、小さく顎だけ引いて。扉の鍵を開ける音が軽やかに響き、それからすぐに雨音の中に消えた。扉を開き、靴を脱ぐ。なにも言わなくたって、相手はそれをイエスと受け取るはずだ。ボロくなった天井を見上げては、含めるように言葉を漏らして。自分はいつからこんな柔軟性のある人間になったのだ、と呆れたが、それは他の感情と混ざって滲んで、原型を無くしてしまった。 )

雨漏りしない保証があるわけじゃないけど、


 >>9 莉緒


 

11:  泡深 莉緒  ◆Lv.E:2017/12/27(水) 19:41




  うーん、それはやだなあ

 ( 勝手に閉じて行く彼の家のドアを手で押さえると、少しの力がかかって止まった。まだ踏み込まないで、壁に手をついて覗き込むようにだけして、すこし冗談めかして言って。入っていった後ろ姿を眺めて、ああ、よかったと安堵の息が漏れる。まだ中に踏み込まなかったのは、やっぱりこの人は自分のストーカーだってわかっていたからだと思った。ドアから見た世界だけから推測するに、ストーカーの家だと言ってもあまりにも平々凡々としているように感じる。もっとなんか、写真がばーって貼られてたりとか、そういうイメージなのだけれど。気づけば玄関に踏み込んで、足だけ使って器用に靴を脱いでいた。スニーカーはぐっしょりで、水を含んでいつもより色が濃くなっていた。靴下になって玄関に立って、スニーカーを乾かすのはここでいいのか、濡れた靴下で踏み込んでいいのかと気にした。でも、私がこの家にとって新人であることは確かだった。ストーカーという事以外で、この人の事は何も知らない。まあ、ストーカーだからあっちは知ってるんだろうけどなあ。この靴の事と、お兄さんについてもう少し聞かないと、この先には踏み入れないと思って、ぐっしょりの靴下を脱いで裸足になると、床の冷たさに震えながら丸めた靴下とスニーカーを持って問うた。もう私はこの家の人になるんだから、と思ってあくまで気さくに。でもやっぱり嫁入りでもするわけじゃないのにこんな話し方をするのは、大事なものを見落としてる気がして口の中がしょっぱくなる。でもにっこりと笑って見せた。 )

  ねえ、お兄さん。靴と靴下がびちゃびちゃだよ、どうすればいい。あぁ、お兄さんじゃなくて、私お兄さんをお名前で読んでみたい。お兄さん、なんて名前なの。知ってるんだろうけど、私は泡深莉緒って言うの。


    >>10 名前を知らないお兄さん



12: ◆E2:2019/06/23(日) 23:03



 ↑


13: 鳴海 諒 ◆Kye.:2019/06/29(土) 18:32




( /詰め込んだら長くなっちゃったのと トリップが消失してしまったので変えたよっていうのと、そんな感じです おひさしぶりだ〜 )


そう、知ってるよ、なんでも。君も、知ってるんだろうけど。−あ、靴はそこに置いておいて、いいから

( 踏み込んだ部屋の中は暗くて、じわりと濡れた靴下が床に足跡を付けてしまって、雨は扉から吹き込んでくる。靴下を脱ぐと、足が冷たい。後ろからかかるあの子の言葉も、話し方のせいかぽんぽんと弾むように軽いけれど、どこか湿っぽい。この子は自身のストーカーの男の部屋にもいとも簡単に、それこそぽんぽんと弾んで成り行きに任せるように入っていってしまうのだろうか、そう思ったけれど、扉の前で立ち止まる姿を見て、安堵を覚えた。息を吐く。彼女は成り行きなんかじゃなくて、相応の覚悟を持ってここに来たんだろうな、と彼女のこれまでに思いを馳せてみたけれど、小学生がストーカーの家を訪ねなければならなくなる事情なんて、流されるまま生きてきた自分には、想像に難かった。それでも彼女は湿っているようにも思える微笑みを浮かべて、また弾むように話すものだから、ストーカー失格といえばそうだけれど、この子のことはよく解らない。でも、彼女はきっと、なにもかも解っている。有り得ないけれど、そんな気がしたから、もう笑って誤魔化す気にもなれなかった。この子が知りたいのは名前だけじゃないとなんとなく感じたから、自己紹介は後回しにしてこの靴下をどうにかしようと、靴下を握る。その拍子に水が少し、漏れ出てしまう。果たして、靴下はどこに干すべきか。当たり前のことすら思いつかない、雨でぐしょぐしょになった頭で廊下を見る。風呂場の電気が、つけっぱなしになっていた。そうだ、靴下は、風呂場に。自分のものと、彼女のもの。靴下がふたつ並べて干されているのは、なんだか今までとはかみ合わないような、奇妙な気がした。彼女の元へ戻って、向かい合う。ポケットから出した学生証を名刺のように差し出して、口を開く。自己紹介の仕方なんて忘れてしまったから、それはもう、ぎこちなく。 )

お兄さんは、鳴海諒っていうんだ。なんて呼んでくれても構わないけれど。君にとってはただのストーカーかもしれないけど、一応、大学生だ。趣味は、散歩とか、かな。ほかに、質問は?


 >>11 莉緒


 

14: 泡深 莉緒 ◆E2:2019/07/20(土) 21:08



 おにーさん、友達とかいないんでしょ
 ( さっきまでさしていた傘を玄関に立てかける。壁に手を添えて、ぐらぐらと揺れる橋を渡るように彼の部屋に一歩踏み入れると、そこはまるで外とは切り離された、全く違う別の世界であるような気がした。少し色あせた壁も、規則的な木目の床も、彼の暗い髪色に綺麗に馴染んで綺麗に見えた。彼の部屋からは趣味や交友関係の広さを感じさせるようなものはほとんどなくて、生活感はまるでない。どこか不安に思いながら、そのことが返って自分を安心させているような気もする。差し出された学生証と部屋を交互に見渡して、彼の名前を口の中で転がした。今のところ、わたしと彼の関係はとてつもなく奇妙だ。風呂場に干された靴下が、そのちぐはぐさを象徴しているように見える。リュックにいくつか入っているはずの変えの靴下を探そうとするが、うまく見つからなくて顔を上げる。リュックを隅っこに置くと、うっすらと口角を上げて話しかけて。リュックの小さなポケットから花の刺繍が入ったハンカチを取り出すと、自分の髪や腕などを拭いて。ぺたりと床に座って落ち着くと、雨に濡れたせいで寒気がして、いくつかくしゃみを連発して。 )

 ( / トリップの件、わたしもで申し訳ないのですが、運営様の配慮でこのトリップでないと書き込めない感じになっているので酉を返させていただきますね 少し間が空いてしまいましたが、この也をまたできてめちゃめちゃ嬉しいです〜( ; ; ) )

   >>13 友達のいなそうなおにーさん



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