帳が降りる
そこに集うは魑魅魍魎
百鬼が蔓延る夜の街
快楽道中最奥にて
『閻魔』が座してお待ちである
>>78
「……えっと、ああ……そうか、閻魔様か……失礼したな、よろしく」
(敬称をつけただけで口調は変わらない葬月だった。)
「ここで便利屋やってもいいですか、って聞いてたところだよ」
(だいぶ省略しているが、その他にも碧月が状況を説明する。
葬月は一も二もなく「いいなそれ」と言った)
『…なかええんやな、まぁ店出すのはええやろ、許可します、店も僕が見繕ったる、なんか欲しかったら…みーくんお守りに一体貸したるから、この子にいうてや』
(そういうと、ペラリと札を1枚差し出す)
『ところで、住むところはどないするんや、店に住居構えてもよし、うちの百鬼邸きてもかまへんよ』
「「「……ありがとう」ございます」」
(十数秒の相談の末碧月が代表して)
「んー、店に住居構えますね。そっちの方が迷惑かけないので……」
『おー、ええよ、わかった、月一でも週一でもなんでもええけど、みーくん伝いで報告してな、僕がここをまとめるんは休暇の間だけやから』
(そう言うと、どこから取り出したのか、閻魔帳と書かれた神がまとめられた手帳と呼ぶには大きすぎるそれを手に、告げる)
『ついでにこれを君らの【労働】とします、善行かさねれば重ねる分だけ、現世で起こした罪を軽くしたる、死ぬ前にチャラにして裁定の時には1発天国行きになれるよォ頑張りや』
「了解です」
(そして
……三人の表情が真に真面目なものになる。
ほとんど正当防衛だったとはいえ、犯した罪は一人で背負うには大き過ぎる。
……だから、三人で頑張れ、と誰かから言われているような――そんな感じがした。)
(三人揃って頷く。どれほどかかるかわからないが、こんな自分たちでも人の役に立てる。
天国は半ばオプションだった。)
『…………』
(そんな彼らの様子を見て、ペラリと閻魔帳を捲る)
(彼らは生者、今後次第で逝きさきは簡単に変動する)
(贔屓などはしない、ただ、石を積み続ける子供を見るよりかは)
『まぁ、店が出来るまではうちに来や、焦ようなもんとちゃうし、部屋なら用意したるわ』
「「本当にありがとうございます……」」
「…………どうも」
(閻魔から一瞬だけ祈るような雰囲気を感じた気がした葬月はやや返事が遅れた。
だが、その事はおくびにも出さずに記憶から抹消した。
そして質問するのは想月である)
「……百鬼邸……って、何部屋あるんですか……?」
『…』
(なんへや、という言葉に体を一瞬固め、その後、百鬼邸へと振り返る)
『……………何部屋』
(だったか、忘れてしまった、最後に部屋に誰かを迎え入れたのなんて覚えていないし)
『…多分、100くらいちゃうの』
(自信なさげにそう言う、だって作った時の記憶なんて曖昧だし)
>>80
( 死んでるのに気づいていないという言葉にきょとんと首を傾げるも猫という単語を聞き、少し飽き飽きしていた表情がぱぁっとかがやき、ぎゅっと顔を近づけて )
「 死んだとかどうでもいいンだけど、お兄さん猫どこに居るか知ってるのか!?…あはっ、ついてるなぁ!!なァなァ、どこにいるんダ? 」
『、興味無いんか、…まぁええわ、猫だけ見たいんやったら街に猫又が経営しとるねこかふぇ言うんがあるよ、戯れたいんやったらいってき、凶暴な客さえ入ってなかったら猫まだ食われとらんやろ』
(なんだか不穏なことを吐きつつ、街へ指を指す)
「 あははっ、そうか、本当に死んだのか!殺される原因はいっぱい作ってるからなァ…ン〜、自分から死んだ可能性もあるけど、まっ、天才が自分から死ぬのは面白くないしまた可哀想って言われるから多分しないと思うけどナっ!滑稽に死んでくれたなら一番っ! 」
( 道行く他の妖たちをじぃーっと見つめながら先ほどの口ぶりから本当に死んでいるんだろうなぁと思いながら告げて。自分なんかどうでもいいというより自分よりも興味深いものの事考えた方が何倍も面白いしなんて。そっと自分の手のひらを握ったり開いたりしながら少しむすっとした表情を浮かべ )
「 …別にそういうわけじゃないんだけどなァ……なんとなくさっきまで追ってた猫探したいだけだし 」
『はぁ?可哀想も何もあるかいな、みんな死ぬんやみんな一緒やろが』
(なんや可哀想て、と心底分からないという顔をする、そも人間と閻魔の価値観など違うに決まっている訳だが)
『…猫と戯れるんとちゃうくて探しに来たんかいな、…やけどただの野良猫なぞほとんどおらんやろ、猫又になりかけとかやったらおるかもしれへんけど……みーくん』
(そこまで言うと、パンパンと手を叩く、するとまた小鬼が)
「みー!」
『ねこ、猫やと、探せるか?』
(ひゃく。
多分そんなに部屋がある建物は――仕事柄葬月くらいだろう、見たことがある者は。
三人して顔を見合わせて)
「……最悪一部屋でいいですが……二部屋、ありますか?」
(男女別室は基本。
それに想月の体のこともあるので、そんなことを言ってみた。)
『あぁ、ええよ、あまりくさっとるからな、一応使いが掃除しとるから汚くはないやろうが…まぁ、見てからやな』
(了承し、おのれの百鬼邸を眺める)
『まぁちぃとだけ待っといてくれ、使いに【令】だすから』
(そういうと、懐から人型のような紙を取り出す、閻魔がふぅと息を吹きかけると、それはふわりと浮き、百鬼邸の中へと)
>>92
「 知らなーい、周りが勝手にいってるだけだし興味なーい、わざわざそんなつまらない感情抱くより猫を愛でる時間のほうが有意義だしナ 」
( 肩を竦めながらため息をつきながら相変わらず周りの景色を見て。その行為にも飽き始めたのかふわぁっとあくびを一つ漏らして。彼が手をたたいて現れた小鬼を見れば先ほどまでの態度から一変表情を輝かせて、じぃっと見つめ )
「、、、み!」
『…なんや、珍しいんか』
(呼び出した小鬼に目を輝かせる彼女をみて、懐から5枚の札を取り出す)
(それを空中に放ると、一定の場所で札が止まり)
ポンっ
(と、音を鳴らして、札があった場所から、顔を布で隠した、犬、鹿、馬、羊、猪のような動物が現れる)
>>94
(……正直掃除は自分達でやるつもりだったのだが。
まぁ自分達より遥かに熟練していそうなのでとくに何も言わなかった。
それよりも、今の紙……)
「……便利そうだな、それ」
(葬月がぽつり。)
『あ〜?…気になるんやったら使い方教えたるで、便利やろうしな』
(札をまた懐から出して見せつつそう告げる)
「「大王様」」
(様々な声が重なった物が背後から聞こえる)
「お部屋の」「準備が」「出来ました」
(振り返ればそこには全く同じ服装をした人間のような見た目の使いが少しのみ誰もなく百鬼邸の入口から通りを挟むようにずらりとならび、立っていた)
『おん、ありがとう、この子らがお客さんや、丁重にな』
「「承知致しました」」
「じゃ、今度お願いする……」
(閻魔の使いがずらり。
それに気を取られて返事は弱い。
……一瞬昔見た行列を思い出して急に
流石の葬月でも縮こまる)
『……、なぁ』
「はっ」「なんで」「ございましょう」
『ちんまくなったって』
「「承知致しました」」
(閻魔がそう言うと、しゅるしゅると、使いのもの達は葬月らと同じ程度の身長に縮んでゆく)
『……これで怖ない?』
(そうして、3人に声をかける)
(……なんか違う
が、確かに怖さという感情は抱かなくなったような気がして)
「……多分。あんまり慣れてないんだよなこういうの」
(慣れかなぁ、と葬月)
『ほぉん、そういうもんか』
「大王様」
『あー、うん、よろしゅう』
「さぁさ」「皆様」「皆様」「どうぞこちらへ」「ようこそ」
「「ようこそ、百鬼邸ヘ」」
(するりと、2列に並ぶ使いたちが、百鬼邸側の腕を上げ歓迎する)
「「「よろしく」お願いします」!」
(頭を下げて
やや気恥ずかしさがあったが、そういう時こそ礼儀である。)
「ええ、ええ」「良い子達だ」「生者とはこれ珍しい」「お部屋へ」「ご案内しましょうぞ」
(途切れ途切れに違うものが言葉を紡ぎつつ、百鬼邸の中へと誘う)
「お気をつけください」「お気をつけください」
「茨木童子様がお眠りです」「粗相のないように」「気づかれぬように」
(いい子と言われた経験がないので少し照れる。
……で、碧月の心のメモ『やばい』、茨木童子。
丁度使いの者達がいろいろ言うのを聞いて葬月も真顔になって従う。
ここで戦闘になって迷惑はかけたくない)
「大王様」「これにて我らは」「失礼致します」
『うん、その子らのことよろしゅうな、茨木が起きたら、すぐ僕に知らせて』
「「承知致しました」」
(そういうと、1番百鬼邸に近かったものが屋敷の扉を開ける)
(奥まで続く絢爛豪華な和を全身で感じさせるような、吉原のように暗い紅い雰囲気が漂う)
「こちらへ」「こちらへ」
(音を鳴らすことも無く屋敷へ使いたちが上がってゆく)
「……ひろーい」
(鳥肌が立った。
いや、まぁ。
当然のことながら潜伏していたところのあばら屋よりも百倍豪華だった。
全員「本当にいいのだろうか」という思考に一瞬動きが止まる)
(……そして戻ってくる。
くるくると辺りを見回す)
「お部屋はこちらにございます」「なるべく童子様方とは」「離れているお部屋にて」「こちらへ」「こちらへ」
(するすると、列に寸分の乱れもなく階段を昇ってゆく)
(遅れまいと、そろそろとついてゆく。
音はなるべく立てず。
想月がつまづきそうになったので碧月が背負う。
さらに慎重に進むうちに使いの先頭に追い付く)
「着きましてにございます」「着きましてにございます」
「ここ二部屋にございます」「ごようがありますれば」「お呼びください」「お呼びください」
(着いた部屋は広く、窓から見下ろせば快楽道中が全て見おろせるような場所、必要であろう家具は全て取り揃えられており、男女で別れ、2人部屋と一人部屋、というところ以外に違いは見受けられない)
(身の丈七尺はあろうかという大男が地に伏すと同時、周囲の見物人達から大歓声が上がる、誰も少年が勝つなど有り得ないと思っていたようだ)
「オレの勝ちだな、さぁ約束通り金寄越せ」
(大男に勝利した深紅の髪の少年が金を催促する)
「ほらよ」
(大男は口惜しそうに銭の入った袋を投げる、少年は投げられた袋を掴みとると人混みを掻き分け大通りの方へと歩きだし)
「…はは、ええねぇ、ええねぇ、面白いことやっとるやんけ」
(そんな少年の近くから、声)
「……そないな金持って、なにすんのぉ?坊主」
(紅い、大きな盃を持って、酒を飲んでいる鬼が問掛ける)
「まだ決まってねぇよ」
(自身も半鬼故、鬼に臆することなく問いにぶっきらぼうに返し)
「ほぉん、やったらただの勝負で賭け事しとっただけなん?あは、茨木みたいやわァ」
(けらけらと笑っている、飲む酒の量は止まらない)
「賭け事? 勝負を挑まれたから返り討ちにした、で、銭袋(こいつ)を手に入れた、それだけだ」
(やはり口調はぶっきらぼうなまま、銭袋を手に入れた経緯を簡潔に述べ)
>>111
「「ありがとう」」「ございます!」
(真似。
やはり子供だった……が、それは多少興奮していたからで。)
「……りょーかい。俺はこっちの部屋だな……あ、案内どうもありがとう」
(早速窓に近づきながら振り返って一言、葬月。
碧月と想月は早速部屋をどう使うか相談していた。)
「あや、なぁんや、そいつから仕掛けたんかいな、あは、仕掛けたんに負けるとは、だめやなぁ」
(けらけらと笑う)
「それにしても、強いんやねぇ、坊主」
>>117
「ええ」「ええ」「なにかありましたら」「お呼びを」「お呼びを」
(そう、使いが言った時)
バゴンッッッ
(と、巨大な破壊音が下の階から鳴り響いた)
「……起きられた」「起きられた」「大王様をお呼びせよ」「お客人殿」「どうかしたには降りられませぬよう」
「……………人間」
「茨木童子様」「お静まりくださいませ」「お静まりくださいませ」
「…人間の匂いだ、なァ、人間の匂いだ」
(巨体、酒呑を少し超えた大きさの、山吹色が目立つ鬼)
「なァ!閻魔ァ!」
『……………おきてもうたんか、茨木』
「人間の匂いだ!人間の匂いだぞ!テメェ、ここに人間を招きこんだのか!」
『ここは僕の屋敷です、どうしようが僕の勝手やろが、あと、食ったら承知しません』
(茨木から、一方的な睨み合いが続く)
「チッ、人間なんて飯以外に何があるってんだ、この『茨木童子』がいる場所に人間なんざ呼び込んでんじゃねぇぞ」
『これも【業務】のいっかんです、我慢しぃや』
「糞が…!」
>>120
(――――)
「碧月」「なに」「間違っても見に行こうなんて思うなよ?」
「いや無理だよ!こわい!」
(葬月が案外真面目な調子で碧月に言う。
能力から完全に封じ込めるのは不可能だからだ。……が、すごい速度の返答から心配はないだろう。
……彼がなんとなく天井を見た時、木材に古傷が刻まれているのを発見してしまった。
……これは、厄介なことになりそうな気がする)
「だいたい酒呑がい『酒呑は既に知っとります、うだうだ言うんはお前だけやぞ』チッ!」
(酒呑童子の了承を得ている、ということに、何も言えなくなってくる)
(血管を浮き出させ、いかにも怒っている顔をしたまま、ふと、上を見上げ、そして─人間たちを見つけた)
「、チィッ」
(……ぞわり、と鳥肌が立つ。
碧月は祈ろうとしている想月を止める羽目になった。
竜巻とか起こされたら洒落にならない。)
「……見られてる見られてる」
(当然こちらからは見えない、が葬月の能力により天井に傷をつけた者の様子はわかる。
閻魔が止めに入っているようだが――となるが、どうなるかわからない以上動けない)
『茨木』
「…あァ?」
『脅すんちゃうぞ』
「何言ってやがる、鬼がどうして餓鬼共に優しくせにゃ」
『【僕】の客や』
(一言)
(一言だけ、放つ)
(その一言にどれだけの重さがあるかなど、言うまでもなく)
「…チッ!糞が!」
(その一言を真正面から受けた茨木は、機嫌が悪そうに外へと出ていった)
(バタンッと扉が閉まる)
『…すまんな、大丈夫かぁ?』
(そして、少し声をいつもより出して、上の階にいる人間たちに声をかける)
(殺気が消えた。)
(全員肩の力を抜く)
「ふー……」
「だ、大丈夫です……ありがとうございます」
(碧月は二重の意味でため息をついて、想月は聴こえてきた声に返答する。
震えていたが危機が去ったので程なく戻るだろう。
葬月は窓から、出ていく茨木童子を一瞬だけ眺める。
そして同じように息を吐いた)
『いつかはかえってくるやろうが、まぁもう大丈夫やろ、アイツあんまり人間好きとちゃうから、くわれへんようきぃつけてな』
(3人の声を聞き、忠告を投げておく)
>>128
「……はーい」
(やはり死とは怖いものである。
閻魔の忠告を胸に刻んでおいて各々あってないような荷物の整理をする)
「……落ち着いたら三人で快楽道中見て回るか」
(碧月の能力を借りることになるが――と葬月。
窓から見る景色はなかなかよかった。)
『……ほんじゃ、あの子らの身の回りの世話、頼むで』
「「承知致しました」」
(使いに【令】をだし、おのれはまた快楽道中と死者である彼女がいる場所へ)
(一方)
「酒呑!!!!」
「お、きたきた」
「お前!なんで人間なんぞ受けいれてんだ!!」
「あらぁ、ばれてもたん?」
(ドスドスと音を鳴らしながら酒呑童子がいる店へときた茨木童子、ご機嫌ななめ)
>>118
「まぁそれなりにな、そういうアンタも結構強いんじゃねぇか?」
(強さを認められるのはやはり嬉しいらしく、満更でもなさそうに頬を緩ませながら言って)
「儂はなぁ…強いやろけど加減できひんから、ここでは儂の戦闘はご禁制や、この街物理的にえぐれてまう」
(やれやれと言うように首を振る)
「あーでもこの子も強いで?儂の相方、まぁこいつもご禁制なんやけどな」
茨木「…酒呑、誰だこいつ、見ねぇ顔だ」
「わーしらと同じ鬼さんやってぇ」
(ニコニコと笑う酒呑と、同類であるということで機嫌が落ち着いてきた茨木)
>>96
( 様々な動物たちが現れたのを見て、少し驚いたように目を見開き満面の笑みを浮かべて。そのまま拍手をしてぐいっと近づき、子供のように目を輝かせてぴょんぴょん跳ねながら )
「 お兄さん凄いナっ!!なァさっきのどうやってやったんダ!?もう一回もう一回っ!! 」
『……』
(ぐい、と近づいてきた彼女を見て、目を瞑り、パンパンと手を叩く)
(ポンポンっと、叩く度に懐から札が飛び出し、顔を隠した動物たちが増えてゆく)
( その様子をじぃっと見るが、仕掛けなどは分からずうぐっと唸りながら顎に手を当てて、そのまま何かを小さく呟くも少し悔しそうな表情を浮かべて )
「 …、それどうやってるんダ?、全然わからない、うう〜っ!!、こんなの初めてだから悔しい 」
『これは本物とちゃうからなぁ、そうあるように見せとるだけや』
(説明が下手なのかよくわかりにくいことを言う)
『さっきの僕の使いもこれ、まあちゃんと考える位はできるやろけど、本物ではないからまぁ、玩具やな』
(手を叩くのをそろそろやめる)
「 ふーん、そうなんダナ!納得はしたけど……ああでも、ううん、ふつーに悔しいっ!!…ああでも世界はこんなもんって思い込んだ自分の驕りだナっ! 」
( その説明を聞き納得した様子で頷いて先ほどの動物たちを見るも、見破れなかったことなどが悔しかったのか少し不貞腐れた表情を浮かべあーあとため息をつき )
『手品みたいなもんや、天才なんやろ、練習したらいつかできるわ』
(そういうと、ボンッと、動物の形をとっていたそれが形を崩し、それらに着いていた札を回収する)
「 ん〜、やりたいけど見てるほうが楽しそうダナ…私って何でもできるからナっ! 」
( 練習したら出来るようになるという言葉を聞いて少し顔をしかめた後あっけらかんとした態度でつげ、練習…かぁ、なんてぼんやり考えながらふぁっとあくびをして )
『ほぉん、まぁ100年200年くらい練習したらちったぁ出来ると思うけど…まぁええわ、…それにしてもほんま、死んだっちゅうんに元気やねぇ』
(そういうと百鬼邸の入口の段に座り、頬杖を着く)
「 実感ないし、生きてようが死んでようがどうでもいいしナ〜……きょーみない〜 」
( 100年という言葉に更にうえっと物凄く嫌そうな顔をしつつ、その言葉を聞ききょとんと首を傾げながらあははと笑いながら告げ。だんだん会話にも飽きてきたのかつまらなそうに髪の毛を指に巻き付けてはほどいてを繰り返し )
『…やけどなぁ、死者やったら、僕には関係あんねん』
(話を聞きつつ、そうぽつりと呟く)
『君、これからどないするん、死んどって、その上この街に迷い込んどる、…ほっといたらなんにもせずにそのうち消えるで?』
(ここは死者の国黄泉ではないのだから)
「 ン〜、……私は猫と月があればいいんだけどナ 」
( その言葉を聞き、これからどうするのか聞かれて少し困ったように考え込み。別に生きてようが死んでようが一人なのは変わらないし、どーしたもんかな。家族もいないから別に未練は……ああでも一人だけいるな。血はつながってないけど……、嫌なこと思い出したなァ…、まぁいいや、 )
「 決めたっ!お兄さんが決めてっ!!これ以上考えるのはめんどくさいし、なんか嫌なこと思い出しそうになったから考えることを放棄するっ!! 」
『それ、ほんまに決めたって言うんか…?』
(急な投げやりな言葉に少し呆れたように言葉を返し…)
『…消えるのは嫌なんやな?…せやったらまぁ、僕の許可があれば、僕が黄泉に休暇が終わって帰るまでは、存在固定をしてあげます、帰るまでな、休暇が終わったら一緒に黄泉行くで、死者やし、裁定をせなあかんからね、黄泉では許可がなくとも存在は出来る、…どない?』
(そう言って首を傾げる)
「 別にそれでいいゾ!、決めてって言ったのは私だしナ…、うん、問題ないんじゃないかな 」
( 特に深く考えず頷き。自分のことなのにどこか他人事のように感じつつもまぁさっき自分が言ったことだしいいよねなんて頭のすみで考えつつ、手のひらを閉じたり開いたりして )
『他人事やなぁ…まぁええわ、それじゃ』
「閻魔大王様」
(二人の会話の中にひとつ、別の人間の声が入る)
「……死者ですか、…祓いましょうか?」
『いや、ええよ、この子は僕が許可を出した子や、祓わんといて』
「…はぁ」
(そこに立っていたのは、刀を腰に2本携えた端正な顔立ちをした青年)
「 他人事って言われてもなァ…自分のことなんてどーでもいいし、悩んだところで死んでることには変わりはなさそうだしナ 」
( そう告げた後、入ってきた人を見て喋るのをやめ景色をぼーっと眺めつつ、二人の様子を見ながら欠伸をこぼして、閻魔という言葉を聞き死者だったら関係あると先ほど言ってた言葉を思い出し納得し。青年をじっと数秒見るものもその後退屈そうに視線を逸らして。 )
(そんな様子の彼女を横目にちらりと見るとこちらも興味がないのか、閻魔に話しかける)
「今夜の周回に参りました、…酒呑は」
『何回言うても君には合わせません、妙なことした妖怪共はみーくんがまとめてくれとるよ』
「わかりました、…それにしても、本当に死者を黄泉送りにはしないでよろしいのですか、呼ばれましたら、いつでも」
『駄目です』
(死者を残しておく閻魔に疑問を唱え、鬼切の刀身を出しゆるくかまえようとするところをとめられる)
「…ですが、地縛霊なぞになれば意味は無いでしょう、首を落とした方がよろしいかと」
(心底不思議そうに首を傾げる)
( つまらない人、そう感じたのかぐっとのびをしながら二人の話し合いを退屈そうに眺めて、せめて何か退屈をつぶせるものないかなぁと思いながら道行く妖たちを見つめつつ足をぶらぶらとさせてまたあくびをこぼし。自分の話なのか知らないけど続く会話を聞きながらぼそりと小さく呟き )
「 ……あきた 」
「……暇そうですね、ご自分のことにも興味が無いようですが」
(先からの会話は聞こえているだろうに、つまらなそうに呟く彼女を見て、告げる)
「 興味ないし〜、別にどーでも良くないか?…生きてようが死んでようが変わらないしナ 」
( 話を振られてもなお路地を見つめながら答え、小さくため息をつき )
「…?では、なんのために生きていたので?生きるも死ぬも同じであれば、それは存在しないのと同義では?」
(心底分からないというように首を傾げ)
『頼くん、やめなさい、興味無いことぐらいよくあるやろ、天才くん』
「おや、お褒めいただきありがとうございます、…まぁ、それもそうですね」
「 ふぅん…じゃあ聞くけど、青年、お前はなんの為に生きてるんダ? 」
( そう言ってびしっと人差し指を差しようやく視線を青年に向け、酷く詰まらなそうな表情を浮かべながらこてんと首をかしげる。まぁ人の考えなんてわからないし、理解もできないしどうでもいいやと思いつつ、天才と呼ばれた彼がどう答えるのか純粋に興味を示し )
(その問いかけに、彼は)
「弟たちの人生の為ですが」
(そう、なんの迷いもなく、ストンと答えた)
「そのために僕は生きていますとも、…というか、そこまで歳も変わらないでしょう、青年と呼ぶのはやめなさい」
「 要するに家族って事だナ、ぜーんぜん理解できないけどっ!あはは!! 」
( 弟という言葉を聞き、先ほど一瞬思い出した存在を思い出し表情を消すも、すぐさまあっけらかんとした表情を浮かべふっと笑みをこぼして。青年と呼ぶなと言われれば不思議そうに首をかしげて。名前を覚える気はないし何て思いながら )
「 ……?いやでもお前が青年である事実に変わりはないだろ? 」
「カテゴリーで呼ばれるのはどうかと、私には先祖から受け継いだ名前がありますので」
(胸に手を当てて告げる)
「名前には、意味があるものですよ」
「 対して意味はないと思うけどナ…ただの呼称だろ 」
( 心底面倒くさいといった表情を浮かべつつ、ふいっと先ほどまで向けていた視線を逸らしてあくびを一つ。猫いないかなとあたりを見渡しながらまた足をぶらぶらと動かし )
「 まァいいや、覚えておくかわからないけど……青年名前は? 」
「聞くなら覚えなさい、…礼を尽くすのであれば名を聞くより先に名乗ってもらいたいものですが…まぁ常識が通じそうにありませんし、いいです…」
(呆れたようにため息をひとつ落とす)
「私は『源ノ 頼』、呼ぶのであれば頼と呼んでくださいね、家名は好いておりませんので」
「 へぇ、随分と立派な名前だナ 」
( 前何かの文献でみた名前とにた名前だなと思いながら、相変わらず視線はそらしたままありきたりな感想を述べて。礼儀ねぇ……今日は何かと思い出す日だなと頭に浮かんだ人物を忘れるようにため息をつき。 )
「 覚えてたらそう呼ぶ〜 」
「それはまぁ、立派な先祖様より授かりました名なので」
『立派さんは立派さんやけど、僕、いつか酒呑が読みに行った時に頼光さんとはちあったらどないなるかおそろしゅうてこまるわ』
「それは源ノ家が潰えた時の話でしょう、まぁ、私が酒呑を殺しますので関係ありませんが」
『やめなさい』
(『頼光』『酒呑』、様々なキーワードを出しながら話す)
「…それで、あなたの名前は?」
(話をしながら、そう、彼女に聞き返す)
( 二人の会話を聞きながらぼんやりと路地を見つめつつ、『頼光』という言葉を聞き、前読んだ本を思い出して一人で納得して。ぼんやりとしていると名前を聞かれて少しうんざりとした表情を浮かべ )
「 さっきのお兄さんも青年も同じ事聞くんだナ、名前なんてただの呼称なのに、つまんな〜い 」
「 ほたる、思い入れもなーにもないから好きに呼んでいいゾ 」
「あなたも僕に名前を聞いたでしょう、つまらないのはあなたですよ」
(さらっとそういい、閻魔に向き直る)
「この死者はこれからどうするので?」
『とりあえずは僕が保護します、たまに遊んだってね』
「………」
『嫌そうな顔せんの、同い年くらいやろ君ら、お友達にでもなり』
「…死者と生者が、ですか」
「 お前がなんかごちちゃごちゃ言うから聞いただけじゃん 」
( べっと舌を出してそう告げ。二人の会話を半分聞いている足元に先ほど追いかけていた猫が現れて。嬉しそうに表情をほころばせるとそっと猫の毛並みを撫でて。死んでも触れるんだなんて事を思いつつ、『友達』という言葉を聞くと不思議そうに首を傾げて、視線は猫に移したまま素朴な疑問を問いかけ )
「 友達って必要なの…?、青年だって嫌そうにしてるし 」
「口が悪い」
(はしたない、と呟く)
「…まぁよいでしょう、…女性の扱いも、そろそろ学ばなければなりませんし」
(そういって、彼女の前に手を差し出す)
「友人関係です、よろしくお願いしますね」
(そう、薄く笑って)
『必要かどうかは関わってから決めなさい、あと、その猫追っかけとったんか…頼くん』
「!…あぁ、あれですか」
(閻魔に声をかけられ、なんのことかを察すると)
「…『式』」
(口の前に指を2本立て、そう唱える、すると彼の足元から、閻魔が以前作りだしたような顔布をつけた2匹の猫が現れる)
「 17年生きてきたけど、人間関係のありがたみを感じたことなんてないゾ…ああ、でも学校に通わせてもらったことは感謝だナ、学校も学校で学べること以外は面倒だったけどナ 」
( 差し出された手を無視しつつ、関わってから決めろと言われて今までの周りの人間を思い出しうんざりとした表情を浮かべながら、猫を撫でながら呟き。ごろごろと喉を鳴らす猫を見て幸せに微笑みながら。青年が猫を出したのを横目で見たあと、足元にいる猫にまた視線を移して )
「 青年、それはさっきそこのお兄さんが見せてくれたからやるなら違うやつがいい 」
「…わがまま、…栞さんのようですね…」
(無視された状態に親近感を覚え、小さくつぶやく)
「……どんなものが見たいんですかねぇ、あなたの好みを知りませんので」
(パチンと指を鳴らすと、猫たちは消える)
「………可愛らしいものなんて、あまり覚えていませんし」
( そう言われて少し困ったように眉を下げて。好きなもののうち一つは手元にいるし、もう一つは空に浮かんでいるからいいんだし。さて、どうしたものかなとぐっと小さく伸びをすると、膝に乗っていた猫は逃げてしまい残念そうにため息をつき。困っているのかわからないけど、これ以上迷惑かけるのもなと思い、息を少しはいた後ようやく視線を戻して、差し出された手を取って )
「 青年、無理しなくていいゾ…、『仲良く』すればいいんだろ 」
「!、はい、それではよろしくお願いしますね、『絆桜さん』」
(そういうと、人のいい笑みを浮かべ、握手をする)
「 ……よろしく、青年 」
( うさんくさいと思いながらもそれを口に出さずに、はぁと息をつきむすっとした表情のまま握り返した後手を話。そのままふいっと視線を逸らし。どうせこの人も…、なんて思いため息をつき。今日は嫌なことばっかり思い出すなとそのままぼんやりと路地の風景を眺め )
「…あなたは、人間関係に近い話題が出ると、嫌な顔をしますね」
(人のいい笑みを浮かべ、手を握ったまま、目を細め、告げる)
「……」
(えみは崩さない)
「 生憎、嫌な思い出しかないからナ…どうでもいいけど 」
( 離してくれない手を見て嫌そうにしながら、更にため息を一つ。いつになったら離してくれるんだろうなと思いながら興味なさげにまた視線を路地へ戻し。余計なことを考えるより景色を見てるほうが有意義そう思ったのかそのまま何も喋らず路地を眺め )
『よしよし、仲良くなったな』
(パンパンと手を叩きながら、声をかける)
「閻魔様」
『ん、とりあえずはなしたり、嫌そうな顔しとるから、わざとやろ』
「おや、ばれましたか」
(閻魔にいわれるとパッと直ぐに手を離す)
『まぁ、ほたるが黄泉にいくまでは、二人とも仲良うしとり、…頼くんは許嫁が嫉妬せえ変くらいにな』
「…はは、しおちゃんは私に嫉妬なんかしませんよ」
( 手を離された瞬間握られてた手を嫌そうに払い。仲良くしろという言葉を聞き嘘でショと小さく零し、聞こえないように舌打ちをして。まァ今後会わなきゃいいだけと言い聞かせて。目を閉じ、ため息をついた後、誰にも聞こえないような声で呟き )
「 …死んでも人間と関わるなんてナ 」
( まぁどうでもいいや、猫はいるし月は見えないわけじゃない。面白いことも探せばあるだろうし )
「……こんなに人に嫌われたのは初めでです、まぁ、猫被らなかった僕も悪いんですが」
『いやぁ、猫かぶっとったらもっと嫌われとったと思うであれは』
「………」
(ぐぱぐぱと、手を握った方の手のひらを見つめながら開いたり閉じたりを繰り返す)
「………死者と手を繋ぐ、なんて」
>>132
「あー、見たところアンタら、純血の鬼だもんな、オレみたいな混ざり者とは格が違う訳だ」
(戦いはご禁制との言葉を受けて、二人の鬼を上から下までくまなく見て納得したように言って、しかしそれでもオレは負けないと言外に匂わせるような不敵な笑みを見せ)
>>176
「………あ?」
「あーちゃうちゃう、茨木にその辺の話題はだめや、怒ってまう」
(ビキ、と額に血管が浮きでる茨木の首根っこを掴んでとめながらつづける)
「儂は純血やけど、このこはちゃうんよ、まぁ同じ混ざりもん同士、なかよぉしとき」
>>175
( そんな二人を横目に、ポケットに手を突っ込むと少しひんやりとした何かが当たり、何か分からずに出してみればロケットペンダントで。こんなの持ってたっけと思いながらカチッと開いた後はっと息を呑みそのまま閉じてそのまましまい。ぼんやりと空を眺めながら先ほどみた物や嫌な事を全部吐き出すように息を吐き、手を開いたり閉じたりしている青年を見てふと疑問に思ったことを訪ねて )
「 青年、お前確か弟いるんだよナ?……弟のこと煩わしく感じる時ってあるのか? 」
「……は、」
(その質問に、初めて、頼は動揺を見せる)
「…あるわけ、ないでしょう、…私の、弟が、…やっと、まともに呼吸ができる、居場所なのに」
(途切れ途切れに、目を見開きながらたどたどしく答える)
(僕の、生きる意味)
( 今まで饒舌だった彼が言い淀んでいるのをじっと不思議そうに見つめ。彼の目線は泳ぎ瞳孔は開いている、恐らく心拍もあがっている…どうしてそこまで動揺するほど執着しているのか分からずぎゅっと眉をひそめて。ああぁ、でもきっとわからなくても分からなきゃいけない。そのまま顎に手を当て少し考え込む様子をみせて。先ほど彼に生きる意味を聞いた時のことを思い出し、自分には分からないけどきっと彼にとっては大事なことなのかもしれない )
「 …ごめん、青年、悪いことを聞いたナ 」