探偵チームKZ事件ノート14

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957:愛美:2017/03/05(日) 17:31 ID:HdA

>>938


「え、でも、それ 上杉君に迷惑なんじゃ……」


立花らしい、遠慮がちな返答が返ってきた。

迷惑なわけがない。
否定しようとするが、いい言葉が見つからない。



「……別に、息抜きも必要だろ」



結局俺は ツン、と横を向いて、可愛くない言葉を吐いただけだった。
黒木とか、他の奴ならもっと上手く言えたんだろうが。



「う、上杉君がいいんなら、行きたいな……」



頬を赤らめて言ってくる立花は、とてつもなく愛おしい。

……
可憐な体を引き寄せて そっと包んでやりたい。
今すぐにでも、この胸の中の想いをぶちまけたいと思った。


そしたら、お前はどんな反応をするだろう……


確かめてみたくて口を開きかける。
しかし、理性によってその口は 閉じられた。


今は、立花にとって KZが一番なんだ。
その気持ちに付け入る隙なんて微塵もない。

だから、この想いには蓋をする。
それが、KZ内での暗黙の了解。


……
「んじゃ、決まりな。明日18:00に、お前の家に迎えに行くから」

「え、家まで来なくっていいよ。自分で行けるから」



慌てて首を振ってくる。


夜道、危ねぇから言ってんだろうが
……こいつ、絶対自覚ねぇよな。


「別に……俺が行くっつてんだからいいだろ。
それとも、迷惑なのか?」


「う、ううん。全然。
むしろ、嬉しいっていうか……」


「!」



立花の一言で、心拍数が一気に上がる。

多分立花は、深く意味は考えてないだろう。
でも、俺は顔はどんどん熱くなっていく。

落ち着け……
いつも通り接するんだ……



「そんじゃ、明日迎えに行くから」



それだけ伝えて、俺は足早にその場を去った。

《続》


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