小説こーしん!
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そして、放課後になった。
帰りのホームルームが終わり、急いで荷物をまとめた私は、文芸部に寄った。
今日も秀明だから、ちょっとでも急がないと、余裕がない。
「失礼します、立花です。」
ノックをして入り、鞄を置いて、パソコンを取りに行った。
パソコンを開いて、どこまで進んでいるのか確認。
砂原を題材にして作っている小説。
『コンビニ仮面は知っている』で、勢いで告ってしまった。
内藤副部長に小説に使えるか聞いたら、自分次第と言われたので、書いているんだ。
今は、砂原に初めて会った『卵ハンバーグは知っている』であった事を書いている。
若武に、事件まとめとけって言われてるから、ちょうど良いかも。
卵ハンバーグで起きた事件は、若武が牛肉100%ハンバーグを食べて、アレルギーを起こした事から始まった。___
__「だけどさ、献立表には、『牛肉100%ハンバーグ』って書いてあったんだぜ。だから食ったんだもん」_
そこで集中力が切れた。まだ1行しか書いてないのに、しくしくしく。
私の集中力を切らした犯人?は、片山悠飛だ。
「悠飛!野球部の練習は?」
「休んだ。それより、また砂原君の話書いてんの」
「悠飛には関係ないでしょ。もうっ。」
そういいながら悠飛を睨むと、やれやれといったような顔をした。
その顔を無視し、時計を見た。
うっやばい、秀明遅れるっ!
「すみません!塾なんで帰りますっ!」
「あ、立花さん!」
突然、内藤副部長に呼び止められた。
「何でしょう」
「今度から、自分のノートパソコン持って来てくれない?」
「ふぇ!?」
変な声を出してしまった。
「いやあのね、理事長がパソコンのお金がこの部すごいかかるから、自分のにしてくれって言ったの。だから、ね?」
「は、はい。親に言って見ます」
部室を出、早歩きで昇降口へ。
うっうわやばい、完全に遅刻するっ!!