ここは私が小説を転載する際のスレであります。
部外者立ち入り禁止。
八百万「はっはじめまして!八百万百と申しますわ」
上鳴「はじめまして!俺は上鳴電気!」
耳郎「はじめ…まして。ウチは耳郎響香」
八百万は照れくさいのか頬を赤らめてあたふたし、上鳴はノリが軽く歯をにっと笑いながら 耳郎は頬をかきながらそれぞれ自己紹介している。
邪神ちゃん「今度はピュアな奴らとチャラい奴らかぁ…」
ミノス「今回は煽んなよ」
邪神ちゃんはゆりねの背後に隠れながら八百万達を見て呟き ミノスは畳の部屋に居ながら邪神ちゃんに忠告している。
ゆりね「私は花園ゆりねよ、よろしくね」
ゆりねは3人ににこりと笑みを浮かべた。
邪神ちゃん「邪神ちゃんですの!」
八百万「この方が邪神ちゃんさんですの…?」
出久「うん、この娘が邪神ちゃん!」
ゆりねの背後から飛び出し、邪神ちゃんがみんなの前に現れた。八百万は目をキラキラさせながら彼女を見つめる。
耳郎「うわ…マジでいるんだ」
上鳴「うわぁ…すっげぇかわいいじゃん!上半身女で下半身蛇って…まるでラミアじゃん!アニメとかゲームとかで見たわぁ。それげ三次元に居るなんてマジ感動だぜ!」
上鳴も八百万と同様に、邪神ちゃんの姿を見て目をキラキラさせていてる。一方で耳郎は邪神ちゃんを見て 悪魔が本当にいる事を知れば目を丸めて驚いている。
邪神ちゃん「それほどでもありますの〜」
ゆりね「調子に乗らない」
2人が目を輝かせてくれた事に邪神ちゃんは嬉しいのか 自慢げに腰に手を当てている。それを見てゆりねは耳元にドス黒い声で言う。
ミノス「ハロー」
メデューサ「こんにちは」
メデューサとミノスが一緒に外に出て挨拶しに来た。
上鳴「うわ!何か他のかわいい女の子2人も出てきた。この娘ら全員悪魔かよ!すっげぇ感激だぜ!」
邪神ちゃん「かわいいだなんて…」
邪神ちゃんは頬を赤らめ、そして照れたように両手を頬に当てている。
そして出久達4人はゆりねの部屋の中に入っていった。
上鳴「改めてお邪魔しまーっす。これ、つまらない物っす。」
テーブルに座った後、上鳴は袋から、濃厚カスタードプリン10個を手土産をテーブルの上に置いた。
邪神ちゃん「美味そうだな…気に入ったぞ、上鳴」
邪神ちゃんは自分の好きなプリンを見れば、上鳴の背中をポンと叩いた。
八百万「私からはこれを」
耳郎「ウチからはこれをどうぞ」
各々の袋から、八百万は高級ケーキを 耳郎は果物の詰め合わせを出した。
上鳴「うわ!そのケーキめっちゃ高そうなやつじゃん!流石ヤオモモ」
上鳴は八百万の出した高級ケーキを見てフルーツやデコレーションの豪華絢爛さに感心しながら述べている。
邪神ちゃん「高級…うへへぇ〜。美味しそうですの」
邪神ちゃんは上鳴の言葉からケーキが高級品だと解ると、頬を赤らめニヤニヤと涎をたらしながら見つめている。
八百万「緑谷さんのお友達ですから、これくらい当然ですわ」
八百万は褒められた事が嬉しく、相変わらずのピュアっぷりで 目をキラキラとさせている。
出久「耳郎さんは果物かぁ。中々良いね」
耳郎「ありがとう…何を選べば良いかわかんなかったからさ」
出久が耳郎の土産物を見つめながら言うと、耳郎は照れながらも少々苦笑した。
ゆりね「あら、持ってきてくれるだけありがたいからいいのよ」
ゆりねは首を左右に振りながら耳郎に言った。
メデューサ「みんな、いつもお土産持ってきてくれるよね」
邪神ちゃん「私への貢物ですの」
メデューサが八百万達のお土産を見ながらそう言うと、邪神ちゃんがふんす、と胸を張って言った。
ゆりね「ありがとうね」
出久「いえ、初めての人の家に訪ねる際 手土産は当然の事ですし」
ゆりねの言葉を聞いた出久は、顔を少し赤くして 照れるように頭の後ろを手で擦っている。
ゆりね「礼儀正しくて何よりだわ。でも友達なんだから大丈夫よ」
邪神ちゃん「いいや、貢物を持ってくるべきですの」
ゆりね「あんた、出久くんの前くらいクズなことを言わないでくれるかしら?」
邪神ちゃん「…はい…」
邪神ちゃんは腕を組んで偉そうにゆりねに物を言うが、ゆりねに睨み付けられた際、怯えて鎮まった。
上鳴「あ、そういやゆりねさん!先日切島が渡した牛肉の感想聞いて欲しいって頼まれたんですけど、どうでしたか?」
出かける前に切島から頼まれた用事を思いだし、ゆりねの近くに来て牛肉の感想を聞いている。
ミノス「あれ、すっげぇーうまかったぜ!」
ゆりね「ミノスの言う通りよ。」
上鳴の質問にどういう訳かミノスが回答し、ゆりねはそのまま彼女の答えたままに頷いた。
上鳴「じゃあ切島に伝えておきます!すっげぇ喜びそうですし。後、2人には面と向かって自己紹介してなかったな。俺は上鳴電気!以後、お見知り置きを」
親指を立てながらミノスとゆりねに返事しつつ、メデューサとミノスに自己紹介をちゃんとしてなかったのを思い出すと、立ち上がって自己紹介した。
八百万「こほん・・・改めまして、八百万百と申しますわ」
耳郎「ウチは耳郎響香。よろしく」
八百万は咳払いして礼儀正しく、耳郎はボーイッシュに自己紹介した。
邪神ちゃん「こいつがミノス、そしてこれがメデューサ…私のATMですの」
邪神ちゃんが2人の紹介をしつつ、メデューサを紹介する際に彼女をにやり、とした目で見た。
メデューサ「邪神ちゃんひどいよ〜」
メデューサはそんな邪神ちゃんに苦笑いした。
上鳴「ATM?銀行やコンビニにある金を預けたり引き出したりする為の機械金か?……意味がわかんねぇ」
上鳴は邪神ちゃんの言ってる事が理解出来ずに首を傾けている。
ゆりね「上鳴くん、あまり気にしないで」
呆れを超えてため息が出ないゆりねは、上鳴にぼそっと言った。
上鳴「え?は、はい」
八百万「ミノスとメデューサってあの?」
八百万は2人の名前を聞くと、本で見た事があるものだと驚いた。
上鳴「ん?メデューサってあの見た人を石にするあの女キャラ!見た事あるぜそれ。けどミノスは聞いたことねぇな。ヤオモモ何か知ってるか?」
上鳴はメデューサが何なのかは漫画などを見て知っていたが、ミノスは聞いた事が無いらしく、即反応した八百万を見て 何か知ってるのかと思い 彼女に聞いてみる。
八百万「ええ…ミノスは皆さんご存知 ギリシャ神話のミノタウロスの父親でクレタ島の王…なんですが」
ミノスについて説明し、すると本で調べたのと全然違う雰囲気のするミノスをまじまじと不思議に見つめている。
邪神ちゃん「ああ、ギリシャ神話のミノスとメデューサは関係ありませんの。ま、オリジナルってやつだな」
邪神ちゃんはミノスとメデューサの肩にそれぞれ手を置きながら八百万に言う。
ゆりね「へぇー…物知りなのね」
ゆりねは聞いていて 八百万の知識に感心しながら、本人を見つめている。
上鳴「そりゃそうっすよ。何故ならヤオモモは座学じゃクラス1位なんで」
出久「八百万さんは轟くんと同じ、うちの学校の推薦入学者なんです」
2人とも八百万についてゆりねに話している。
ゆりね「轟くんと一緒なのね」
八百万「そっそんなことないですわ」
ゆりねに感心されると、八百万は頬を赤らめながら照れている。
耳郎「お金持ち、美人、文武両道…ヤオモモはまさに完璧って感じだよね」
耳郎はフォローをするように微笑を浮かべながら述べた。
上鳴「そうそう、すっごいセレブだし。俺らがヤオモモん家に勉強教えに貰いに行った時なんか豪邸だったし。後寮部屋の内装も華美で ベッドとかもお嬢様なみにデカかったし」
出久「後飯田くんと同じ学級委員で 八百万さんは副委員長」
上鳴は耳郎のの話を繋げて話し、出久は八百万が副委員長であることをゆりねに話した。
ゆりね「へぇー…まさに才色兼備なのね」
みんなの話にゆりねは腕を組んでこくこくと頷いた。
八百万「みっみなさん…ほっ褒めすぎです…!」
いつの間にか八百万は、顔が真っ赤になっていてあたふたした。
出久「あ、話を変えます ね。ゆりねさん達は上鳴くん達の“個性”まだ見てないですよね。」
出久は“個性”を披露させてあげようと話を進めた。
上鳴「ああ、そういや緑谷や切島達も“個性”見せたんだっけ?じゃあまず俺から…俺の“個性”は『帯電』。身体に貯めてる電気を纏うというやつっす!」
上鳴は右手の掌から電気を発生させてゆりね達に見せ 説明している。
ゆりね「あなたは電気使いなのね…」
ゆりねは上鳴の“個性”を見て、厨二心がくすぐられ 頬を赤らめ目をキラキラさせながら見つめている。
八百万「では次は私が!みなさん、食べ物以外で欲しい物を言って下さい」
続いては八百万が出て、創造してもらう物を決めて貰おうとみんなに声をかける。
出久「僕は今のところあんまり…取り敢えずゆりねさん達がご要望な物などが良いんじゃないかな?」
自分の欲しい物は無いと話して、八百万にアドバイスを与えた。
ゆりね「といっても私も欲しい物は無いわ…」
出久の言葉を聞くと、不思議に思いつつ首を右に傾げる。
上鳴「んん、俺は今のところゲーム機 最新のやつ つっても素材がわかんねぇだろうから無理か」
上鳴からリクエストに最新型のゲーム機をあがったが 材質などが不明なら作り用が無いと本人は諦めている。
八百万「いいえ、ゲーム機械を作ってみますわ」
すると八百万が穏やかな笑みを浮かべて受け入れた。
ミノス「マジか!?」
邪神ちゃん「私の分もお願いしますの」
話を聞いていた邪神ちゃんは 自分も欲していた為、可愛い子ぶりながら八百万にお願いした。
上鳴「ええ!!マジホント!?じゃあこれ…クラスじゃ瀬呂が一番手にいれた最新のやつなんだけど。今の俺の小遣いじゃ買えなくてよ。取り敢えずゲーム機の写真や材料とか載ってる説明書 写メ貰ったから…はい」
上鳴は驚きながら LINEで送られた材質などが載ってる説明書の写メを 八百万に手渡して見せた。
八百万「任せて下さい!」
八百万はスマホの写真をじーっと見つめている。
数分後
八百万「はい、出来ましたわよ」
ゲーム機を2個作り、上鳴と邪神ちゃんに渡した。
上鳴「うおっ!マジでありがとう、ヤオモモ。」
邪神ちゃん「すげぇー!」〈これは使えるな〉
2人は吃驚しながらゲーム機を受け取った。
メデューサ「百ちゃんすごい!」
メデューサは八百万の“個性”に感心している。
上鳴「ちょっとやってみよう」
“個性”を使ってゲームの充電をし、瞬く間に100%にして起動した。
邪神ちゃん「あ、上鳴〜。私のも充電して欲しいですの」
上鳴「アイヨ!」
邪神ちゃんが上鳴にゲーム機を渡して 充電を頼むと上鳴が受け取って、僅か4.5秒で充電完了した。
邪神ちゃん「ありがとうですの」
上鳴「す、すげぇ!瀬呂がやってたゲームのスタート画面がまるっきり合致してる!マジでありがとうヤオモモ」
ゲームの画面などが瀬呂がやっていたのと同じだど確認すると ゲームのプレイ中で 八百万の顔を少し見てお礼を言う。
邪神ちゃん「私からもありがとな〜♪」
邪神ちゃんもゲームをプレイしてから八百万にお礼を述べる。
出久「流石は八百万さん。短時間で既製品のゲームを造り出すなんて」
悪魔A「八百万百 個性:創造 生物以外の物を造り出す。しかしそれを可能にするのは 物の材質や分子構造まで把握する彼女の知識量である」
ゆりね「生きていく中で便利ね」
ゆりねは八百万の“個性”を見て感嘆の声をもらす。
邪神ちゃん「ふんふーん、本当に便利ですの」
邪神ちゃんは寝っ転がってゲームをしている。
耳郎「じゃ、最後はウチだね。ウチの“個性”は『イヤホンジャック』と言って、盗聴とかに使えるんです。あと…上鳴」
耳郎が耳たぶにあるプラグを持って“個性”について説明してると、片方のプラグを上鳴の耳に挿して、そこから爆音を放つ。
上鳴「ドワァァァァァ……」
爆音を喰らった上鳴は、メデューサの元に頭を抱えながら転がって倒れた。
メデューサ「だ、大丈夫!?」
自分の元に転がって来た上鳴を心配しながら メデューサは声をかける。
邪神ちゃん「上鳴も大変だな…」
上鳴を見ながら、哀れそうに言った。
上鳴「おい耳郎!なんでいきなり俺にすんだよ」
上鳴は起き上がって耳郎に指をさしながら怒った。
耳郎「ん、あんたが最適だったから。ゆりねさん達に迷惑かけるわけにはいかないでしょ」
耳郎は上鳴に向かって、からかうように笑みを浮かべた。
上鳴「はぁ!最適ってふざけんなよお前…こいつは仕返しだ!」
瞳の無い吊り目で怒り、仕返しに電気を纏った右手で 耳郎のプラグを掴んだ。
耳郎「えっちょ・・・っ!!ギャアアア!!」
きゅっと目を瞑り、威力が低めの電撃を喰らい、痺れて床に倒れる。
ゆりね「はぁ・・・2人とも、そこまでよ」
ゆりねは2人の喧嘩にため息をつきながら見てると、上鳴と耳郎の間に立って仲裁に入る。
ゆりね「お互いキブアンドテイク。これでおしまい」
八百万「はい、ゆりねさんの言う通りですわ」
出久「そうだよ、上鳴くんも耳郎さんも落ち着いて・・・」
出久と八百万も、2人の仲裁に入った。
上鳴「んん・・・しかし耳郎がいきなり」
上鳴は3人の言葉に頭をガシガシとかきながらうつむいている。
メデューサ「あ、お昼だし!みんなで何か食べに行こう!」
ミノス「そうだな!」
メデューサは時計を見てお昼の時間だと気づくと、話を変えようとみんなに声をかけた。
出久「そ、そうだね。何か食べてリラックスしようよ!」
メデューサの案に乗った出久は、それを気に2人の機嫌を直そうと声をかける。
上鳴「たく、小学生じゃねえっつうの。まぁ女の子と飯行けるんならまぁ良いや。」
耳郎「ん、わかった」
2人はそれぞれ言いたいことがあるものの、渋々承知して頷き合った。
ゆりね「じゃあ、ラーメンを食べに行きましょうか」
邪神ちゃん「え?」
ゆりね「邪神ちゃんもラーメンが食べたいわよね?・・・ね?」
ゆりねはラーメンが食べたい気分でみんなにラーメンを食べようと言う中、邪神ちゃんは気分が違うのか頭に?が付く。するとゆりねは邪神ちゃんに威圧をかける。
邪神ちゃん「・・・・・・そうですの」
邪神ちゃんは青ざめながら答えた。
出久「んん、そういえば麗日さん達と行った時はカレー食べに行ったから・・・ラーメン食べてみたいかも・・・僕はラーメンでいいです。」
先日の事を思いだし、ラーメンを食べたいと答えた。
上鳴「じゃあ、俺もラーメンで」
メデューサ「うっうん・・・わっ私も〜・・・」
上鳴とメデューサは、先程のゆりねを見て青ざめており、苦笑いしつつ答えた。
八百万「私も構いませんわ」
ゆりね「じゃあぺこらも誘ってもいいかしら?」
みんなの賛成を聞くと、ゆりねは天使であるぺこらを誘おうと考え、みんなに聞く。
八百万「勿論ですがぺこらさんとは・・・?」
出久「ぺこら?・・・誰の事ですか?」
上鳴「ん、緑谷知らねぇのか?」
出久「うん、だって会ったことないし」
しかしぺこらは、出久ですらまだ会っていなかった為、彼は不思議そうに気になっている。
ゆりね「出久くん達は会ってなかったわね・・・天使の輪っかを無くした天使の子よ」
ゆりねは出久達にぺこらについて説明をし始めた。
ミノス「まぁいい子だから、仲良くしてあげてくれよな!」
ゆりねの説明にミノスはうんうんと頷く。
八百万「天使の輪っかを無くした天使・・・?」
出久「天使の輪っかを無くした天使?って天使も居るんですか!」
上鳴「天使も!?まぁ悪魔が居るんだから天使がいてもおかしくねぇか」
出久達はぺこらが天使だと知ると、色々と気になり始めている。
ゆりね「細かいことは気にしないほうがいいわよ」
ゆりねはみんなを見て肩をすくめた。
そしてみんなはラーメン屋に向かおうと外に出た。
ゆりね「じゃあ、出発しましょうか?」
八百万「では、先にそのぺこらさんという方を誘いに行きましょう」
みんはラーメン屋に向かう前に、ぺこらを誘いに向かった。
出久「ところで、ぺこらさんってどんな天使なんだろう?ミノスさんはいい子だって言ってたけど」
八百万「天使ですから、よい方だと思いますわ」
上鳴「結構かわいかったりして。メデューサやミノスみてぇに」
耳郎「まぁ、ミノス達がかわいいもんね」
出久達はぺこらに会うのがそれぞれ楽しみであり、どういう人物なのか、歩きながら話し合っていた。そして束の間に ダンボールハウスが立ち並ぶ公園に着く。
邪神ちゃん「あそこに倒れてるやつがそうですの」
邪神ちゃんは、公園でうつ伏せながら倒れているぺこらを指さした。
ぺこら「お腹が・・・空きました・・・」
ぺこらは最近パンの耳と牛乳で食生活をしていたが、どれも底を尽き 空腹で倒れていた。そして意識が飛びそうな中で 呟いていた。
八百万「大丈夫ですか!?」
出久「大丈夫!?」
出久と八百万は、心配してぺこらの元へと駆けつけた。
ぺこら「うう・・・はっ花園ゆりねの仲間達・・・!・・・あな・・・た達は?」
ぺこらは意識が無くなりそうになりつつもなんとか保ち、最初はゆりねや邪神ちゃん達を見ていたが、出久と八百万を見ると、見たことない顔だと思いつつ、2人を見つめる。
八百万「八百万百と申しますわ、ゆりねさんのお友達です。」
出久「緑谷出久!同じくゆりねさんの友達だよ。」
2人ともぺこらを見つめながら自己紹介した。
ぺこら「はっ花園ゆりねの友達!ということは魔女の仲間!ぺこらを仕留めに来たんですか?」
ぺこらを2人の言葉を聞くと、ギョロ目をしてビックリする。そして友達だという言葉に何やら勘違いをし、2人を警戒する。
上鳴「あれがぺこら。天使っつうか、小中学生の女の子にしか見えねぇけど。白衣とか纏ってねぇし」
上鳴達は少し離れた距離からぺこらを遠目で見ていた。ぺこらの容姿から普通の人間の女の子に見えるためか、上鳴は不思議そうに呟いた。
邪神ちゃん「天使は白衣なんて来てませんの」
上鳴「そうなの?本とかじゃ白衣纏ってたけど、やっぱ実際会うと違うんだな」
邪神ちゃん「あと、ガラの悪いポーチとかかるってたり、性格もあまりよくねーぞ」
上鳴「性格が良くねぇ?それ完全に天使じゃなくねぇ?」
耳郎「確かに天使が性格悪いってんなら、天使じゃないかも」
邪神ちゃんの言葉を聞いた上鳴と耳郎は、ミノスの言ってる事とかけ離れて行って、半信半疑になっていく。
ゆりね「ぺこらはいい子だから安心して」
邪神ちゃん「いたた!」
ゆりねは天使を悪く言う邪神ちゃんの頬を引っ張って、2人を安心させようとした。
上鳴「そうなんですか。そういや緑谷とヤオモモ。さっきからぺこらと何か話してるみたいっすけど」
ゆりね「あの2人に任せましょう」<私が入らなくても大丈夫・・・>
ゆりねは出久と八百万を見て、穏やかな笑みを浮かべて述べた。
耳郎「そうですね」
そして場面は、出久&八百万&ぺこらに戻る。
出久「僕達はこれから、ゆりねさん達とご飯を食べに行くんだけど、それで君を誘おうと此処へ来たんだ」
ぺこら「ご飯に・・・ですか?ですがぺこらは天使。悪魔とつるむ堕ちた人間からご飯に誘われるなど・・・」
ぺこらは出久の話を聞けば、空腹で行きたい気持ちはやまやまだが、天使としてのプライドが邪魔をし躊躇う。
八百万「私は、あなたと仲良くしたいのです。悪魔も天使も関係ありませんわ 種族などただの形です!」
八百万はぺこらを説得しようとしゃがみ込み、真摯に諭すよう話し出す。
出久「僕も八百万さんと同じ。仲良くなりたい!悪魔とか天使とか、そんなの偏見も差別もなく。邪神ちゃんにメデューサさん、ミノスさんだって僕らと友達になってくれた。だからぺこらさん、きみとも!」
出久は八百万の姿を見て、後に続くよう真摯に話し出した。
ぺこら「うっ・・・そんな真摯に言われると困ります」
ぺこらは2人の言葉が届いたのか、頬を赤らめつつさっと立ち上がった。
ぺこら「しょうがない、ぺこらは天使ですが よろしくお願いします」
ぺこらは2人に向かってお辞儀した。
八百万「ええ!こちらこそ!それはそうと、お腹が空いているんですよね?・・・これをどうぞ」
八百万は立ち上がって、倒れていたぺこらの言葉を聞いていたのか、携帯用のクッキーを取り出して差し出す。
出久「あ、僕からも。ご飯を食べる店まで少々歩くみたいだし、エネルギーの補助に」
出久はポケットから、2個のチョコレートを出して差し出した。
ぺこら「あっありがとうございます・・・」
ぺこらは2人の差し出したお菓子を受け取り、袋を開けて食べた。
ぺこら「美味しかったです、お粗末様でした」
食べ終わって手を合わせ、袋をゴミ箱に捨てに行った後、2人の元に戻った。
ぺこら「では百さん、出久さん、行きましょうか?」
2人を名前で呼び、行こうとゆりね達の元へ向かおうと2人に言う。
上鳴「にしても邪神ちゃんもメデューサもミノスも、悪魔って割には人間に優しいっすね」
邪神ちゃん「なわけねーよ!悪魔だぞ!?人間ごときに優しくするか!」
ミノス「またまた〜」
上鳴の言葉を聞いた邪神ちゃんは、頬を赤らめ、照れ隠しのためか腕を組んで口汚く返す。それを見たミノスはにこにこしている。
上鳴「素直じゃねぇんだな邪神ちゃんは、プププ・・・」
上鳴は邪神ちゃんをからかうようにジト目で口を抑えて笑う。
邪神ちゃん「うるせぇー、ドロップキックするぞ!?」
頬を赤らめながら上鳴に喰ってかかる。
メデューサ「も〜、邪神ちゃんったら」
メデューサは紙袋を被っていて解らないが、苦笑いをしている。
上鳴「ドロップキック?・・・良いだろう!丁度前新技編み出したから、受けて立とうじゃねぇか!」
上鳴は邪神ちゃんに怯えることなく堂々として掌を出しながら返した。
ゆりね「2人とも、外よ」
ゆりねは目を少し釣り上げて、2人に注意する。
邪神ちゃん「・・・はい・・・」
上鳴「冗談なんで」
邪神ちゃんはゆりねを見て怯えながら返事をして鎮まり、上鳴は本気じゃ無かったのか邪神ちゃんとは対照的に恐がる事なく普通に返事をした。
邪神ちゃん「え・・・ゆりねにビビってねぇー・・・」
邪神ちゃんは上鳴を見て目を丸くし、小声で呟いた。
八百万「お待たせしました。では行きましょう!ぺこらさん方」
八百万達が、ぺこらを連れてゆりね達の元に戻ってきた。
ミノス「じゃ、しゅっぱーつ!」
みんなはラーメン屋に向かい、再び歩き出した。
上鳴「へぇ〜、近くで見ると中々かわいいじゃん。はじめまして、俺は上鳴電気!よろしくな」
耳郎「はじめまして、ウチは耳郎響香。よろしくね、ぺこら」
歩きながら、上鳴と耳郎がぺこらに挨拶と自己紹介した。
ぺこら「ええと、上鳴さんと響香さんですか。よろしくお願いします」
ぺこらはもじもじしながら2人に挨拶を返した。
ペルセポネ2世「邪神ちゃん・・・何処にいるの?きっとお昼だから、この辺りに居るよね?・・・」
神保町の街中、邪神ちゃんを探して徘徊しているペルセポネ2世。飲食店の立ち並ぶ中で、今日も探してるが見つからないまま歩いている。
そして、ゆりね達が良く行くラーメン屋。「創世紀」に到着した。
ゆりね「ここよ」
出久「創世紀?・・・どんなラーメンが食べれるんだろう」
八百万「きっと美味しいと思いますわ」
八百万は店を見て、目をキラキラさせながらワクワクしている。
耳郎<・・・かわいい・・・>
耳郎は八百万を見て少し安らいでいる。
邪神ちゃん「性格わりぃー天使いるぞ」
出久「え?」
八百万「天使なのに性格が悪い・・・ですか?」
2人は邪神ちゃんの発言を聞き、不思議そうに首を傾けている。
ぺこら「ぺこらの部下です。・・・性格が悪いというより、出世に目が眩んでるというべきでしょうか」
出久「ぺこらさんに部下なんていたんだ」
上鳴「まぁとりあえず入りましょうぜ!」
ゆりね「そうね。みんな、入るわよ」
みんなはゆりねの後に続いて、店内に入っていった。
ぽぽろん「いらっしゃいませー!」
店内に入った先で、接客して近づいてきた少女の名は、邪神ちゃんが散々口にしていた天使である、ぽぽろん!彼女はこのラーメン屋で現在は居候しながらアイドル活動をしている。彼女は天使級の満面の笑みを浮かべながら出久達と対面する。
ぽぽろん「げっ!じゃがいも!ぺこら様まで!?」
ぽぽろんは邪神ちゃんとぺこらを見て目を丸めて驚き、ボロが出かける。
八百万「今ぺこら様って・・・あなたがぺこらさんの部下でしたか。私はぺこらさんのお友達の、八百万百と申しますわ」
八百万はぽぽろんに向かって自己紹介を3人よりも早くやり出し、ぽぽろんに負けず劣らずの満面の笑みを浮かべる。
ぽぽろん「天使(あまつか)のえるといいます。アイドルやってまーす。」<友達ってあのぺこら様の!?>
ぽぽろんは八百万にすぐに顔を作って挨拶を返す。内心ぺこらの友達だと聞くと驚いている。
出久「のえるさん?・・・さっきのじゃがいもって誰?・・・あ、僕は緑谷出久です!」
ぽぽろんが一度、素に戻りそうになった瞬間に一瞬たじろぐも、自己紹介する。
上鳴「へぇ〜、かわいい娘じゃねぇか!俺は上鳴電気」
耳郎「ウチは耳郎響香」
上鳴はかわいらしい容姿から邪神ちゃんの発言を気に留めないままチャラく、耳郎は上鳴を見て片方のプラグを弄り、そして自分の紹介が来て、ボーイッシュに紹介した。
ぽぽろん「うん、よろしくね、百ちゃんに、出久くん、上鳴くん、そして響香ちゃん。ぺこら様がお世話になってます」
ぺこら「ぽぽろん…」
ぽぽろんは表裏を感じさせない満面の笑みを浮かべながらそれぞれ4人を見ている。
ぽぽろん「じゃがいもはその子のあだ名なの。ほら、じゃがいもって美味しいしかわいらしいじゃない?」
ぽぽろんは出久の疑問にあたふたせず対処し 邪神ちゃんに指をさしながら教える。
邪神ちゃん「ウソつけ!」
邪神ちゃんは睨み付けてツッコむ。
出久「え?邪神ちゃんのこと?…どういう由来で?」
ぽぽろん「じゃあぺこら様のお友達って事で、サービスするね!取り敢えずご案内!」
話を進めようと、ぽぽろんはみんなに声をかけてカウンター席を案内した。
右から順に↓
ぺこら→八百万→上鳴→耳郎→出久→ゆりね→邪神ちゃん→メデューサ→ミノスの順で座っている。
メデューサ「何を食べようかな?」
八百万「ぽぽろんさん、とてもいい方ですわね」
八百万は、ぽぽろんの猫を被ってる姿を本当の姿だと信じ込んで彼女を見つめている。
上鳴「ぽぽろん?・・・あの娘のえるっつってなかったか?」
八百万「え?でも邪神ちゃんさんやぺこらさんは、あの方をぽぽろんさんと呼んでいらっしゃってましたわよ?」
八百万は2人が本名で呼んでいたのを聞いていたのか、上鳴の発言を不思議そうに目を丸めている。
上鳴「ええ!!い、いつ呼んでたんだ?」
八百万と同じくらいにに目を丸めながら吃驚し、キョロキョロと邪神ちゃんとぺこらにそれぞれ聞いた。
邪神ちゃん「さっきから言ってますの」
邪神ちゃんは目を細めて返答をした。
ぺこら「あ、でも今はのえるの方で呼んでくれた方が彼女は喜ぶと思います」
上鳴「ふーん、わかった・・・本名がぽぽろんかぁ」
ゆりね「大将、こんにちは」
仁志田敏行「ああ、ゆりねちゃんこんにちは。今日は友達を連れて来たのかい?」
ゆりね「はい、みんないい子達でしょう?」
ゆりねはお店の大将と話していて、彼の問いに首を右に傾けて出久達について話している。
仁志田敏行「ああ、うちののえると仲良くしてくれるなんてな。特にそこの緑色の髪で、そばかすのお兄ちゃんに ポニーテールのお姉ちゃん!君達2人、のえるに積極的に話しかけてくれたな。どうもありがとよ。」
大将は出久と八百万に笑みを浮かべてお礼を言う。
出久「いえいえ、そんな大したことじゃ」
八百万「ええ!もう私達はお友達ですの!」
出久「え?友達なのかな?」
出久は八百万の言葉に少し疑問を抱いている。
出久は頬を赤らめながら照れて、八百万はプリプリと目をキラキラさせながら返事をした。
ぽぽろん「嬉しいな」<いつ友達になったんだよ。しかもなるわけないから>
ぽぽろんは嬉しそうな笑みを表で浮かべるも、心の中では疎ましく思う発言をしている。
ゆりね「そういえばみんな、注文は何にする?」
上鳴「じゃあ俺、チャーシューメンのチャーシュー大盛りのチャーハンセットお願いしやす」
出久「僕はラーメンと餃子セットを」
ゆりね「じゃあ私達は出久くんを入れて、ラーメンと餃子セット6人分」
八百万「私は上鳴さんと同じで」
耳郎「ウチも」
みんなそれぞれ大将に注文し、彼はそれぞれ作る準備を始めた。
千葉茂&尾崎比呂「のえるちゃ〜〜ん」
ぽぽろん「いらっしゃいませ〜。いつも来てくれてありがとう」
ぽぽろんのファンであるオタク2人が来店してきて、ぽぽろんはいつもの様に笑みを浮かべている。
ミノス「あの娘すごい人気だな」
上鳴「そういやアイドルやってるっつってたけど、ホントかな?にしてもぽぽろんのあのポーチ。確かに邪神ちゃんが言ってた通りガラがわりぃなぁ」
上鳴はぽぽろんを少し怪しく見えて、ガラの悪いポーチを見ればそんな事を言っている。
耳郎「んん・・・確かにガラの悪いポーチだけど、でもあんまりそんな感じには見えないし。何か珍しいね、あんたが女を怪しく思うなんてな」
耳郎は今回の上鳴が一味違うと感じて首を傾けて聞く。
上鳴「いやぁ前に峰田が言ってた。女は悪魔みたいな本性隠し持ってるんだって」
耳郎「へぇ、峰田が」
2人は色々と話しながらぽぽろんの事を詮索したがるように話し合っている。
ぽぽろん<あーあ、聞こえてるんだよ。うるせぇ〜・・・さっさと帰ってくれないかな?>
ぽぽろんは2人の言葉を聞いて鬱陶しくなり、心の中で色々愚痴っている。
仁志田敏行「へい!お待ち!?」
上鳴、八百万、耳郎か注文したチャーシューメンの炒飯セット3人分。ラーメンと餃子6人分と、注文したのが全員来た。
ぺこら「あの、取り合えずお腹が空いたので食べましょう」
ぺこらはお腹が空いてたまらないのか、上鳴と耳郎に言い聞かせる。
上鳴「ん?あ、すっげぇ美味そう!?」
八百万「本当に美味しそうですわ」
出久「うん!」
出久達はラーメンをそれぞれ見つめている。
ぽぽろん「みんなで美味しく食べてね」
ゆりね「じゃあ食べましょう」
みんな「いただきます!」
みんなはそれぞれ食べ始め、八百万は一目散に食べ始めた。
ぺこら「こっこれは美味しい!」
上鳴「うめぇぇ!チャーシューメンうめぇぇ」
出久「うん、のえるさんやぺこらさんの言う通り、すごい美味しい」
ゆりね「やっぱり大将のラーメンは最高ね」
邪神ちゃん「まぁイケますの」
みんな美味しそうにラーメンをそれぞれ食べている。
ぽぽろん「大将の料理は一番だからね」
上鳴「ああ、この炒飯もかなり美味い
」
出久「餃子も美味しい。大将の店にまた来ようかな?」
上鳴は炒飯を、出久は餃子を食べている。そんな中で出久は この店を気に入ったのかそう呟く。
八百万「また行きたいですわね」
邪神ちゃん「まぁ連れてってやりますの」
ぽぽろん<来なくていいから>
ぽぽろんは他客の接客をしながら会話を盗み聞きしている。
上鳴「大将!?替え玉一杯いいっすか?」
八百万「私もお願い致しますわ」
仁志田敏行「あいよ!」
出久「轟くんや麗日さん達も来たら喜ぶかな?」
耳郎「喜ぶと思う」
ゆりね「ええ、そうね・・・」
耳郎とゆりねは出久の呟きを聞いて静かに返した。
仁志田敏行「へい!替え玉お待ち!」
上鳴「あざっす」
八百万「ありがとうございますわ・・・やっぱり美味しいですわね」
ぺこら「美味しそうに食べますね」
ぺこらはもぐもぐ食べる八百万と上鳴に唖然としている。
ミノス「まぁ人間ってこれくらいが育ち盛りだからな。ぺこらちゃんも食べた方が良いぞ」
ぺこら「は、はい」
ミノスはぺこらが普段空腹なのを心配して、彼女に食べるよう促すと、ぺこらは頷いて食べ始めた。
出久「ごちそうさま。すっごい美味しかった」
上鳴「腹一杯!大満足だぜ!?ごちそうさま」
ぽぽろん「でしょでしょ〜」<ああ、やっと帰ってくれる>
みんな完食して、お腹を擦ったりして満足そうにしている。
八百万「また食べたいお味でした」
耳郎「うん」
メデューサ「ごちそうさま〜」
そしてみんなは会計に向かい、合計2,380円とかなり安かった。
出久「あれだけ食べたのに!?」
ぽぽろん「ぺこら様がお世話になったとして、私からのサービス!?」
仁志田敏行「それとゆりねちゃんが友達を連れてきたサービスとしてな」
2人がサービスで安くしていたのであった。ぽぽろんは腹黒い一面もなく誠実な気持ちで感謝し、人差し指を立ててウィンクしてる。
ゆりね「大将もあなたもありがとう」
出久「ありがとうございます」
上鳴「またいつか来ますねぇ」
八百万「ごちそうさまでした」
耳郎「また来るっす!」
みんなはそれぞれ店を出ながら手を振って挨拶した。
ぽぽろん「じゃあね〜、また来てね〜。」
ぽぽろんは黒い部分を出すことなく、笑顔で手を振った。
邪神ちゃん「結局あいつ、ボロ出さなかったな」
邪神ちゃんは帰る中で、舌打ちしながら悔しそうに呟いた。
そしてぺこらも連れて、ゆりねの自宅に戻った。
ぺこら「魔女の家に来るのは、天使としてのプライドが許せませんが 百さん達が一緒なら・・・」
八百万「まぁ!嬉しいですわ!」
ぺこらは八百万の隣でぶつぶつと独り言を言っている。それを聞いた八百万は嬉しそうににこにこと微笑む。
上鳴「ヤオモモ、すっかりぺこらと仲良しだな!」
耳郎「なんか2人を見てると、癒されるし和むわ〜」
上鳴と耳郎は、八百万とぺこらを見て愛らしく思い話し合っている。
上鳴「だよな〜。ところでヤオモモは 天使と悪魔、どっちが好み?」
上鳴は八百万に近づいて、ちょっと質問をしてみる。
八百万「上鳴さん、天使にも悪魔にも優劣はありませんわ。どちらもお互いいいところがあるのです。私は何方も好きですわ」
八百万は真面目な故に、上鳴に対して注意をしながら自分がどちらも好きなのを答える。
上鳴「え?何かいけねぇ事言っちまった?・・・何かすいませんでした」
上鳴は注意されれば悪い事をしたと反省しつつ謝る。
八百万「はっ!私こそ言い過ぎました・・・」
八百万はカッとなってしまったと頬を赤らめて謝る。
ぺこら<百さんな人間なのにとても心が綺麗というか・・・>
出久「僕がゆりねさん達と友達だって認識出来たのは、ミノスさんのおかげでもあるし」
ミノス「本当のことを言ったまでだっての・・・友達になってるもなってないもないだろ?」
出久の言葉にミノスは嬉しそうににこりと笑みを崩さず、彼の背中をポンポンと叩く。
出久「ははは、麗日さんや切島くんも、ミノスさんにまた会いたいって言ってたし」
ミノス「おっ!そう言ってくれて嬉しい!」
出久「よっぽどミノスさんが好きになったって人がいるって事だし。後、メデューサさんも」
メデューサ「え・・・私を・・・」
メデューサは出久の言葉を聞くと、驚いて目をパチパチさせる。
邪神ちゃん「ATMとミノスが好かれてるぅ〜?ありえませんの」
邪神ちゃんは話をさっきから聞いてると、嫉妬しているのか不機嫌そうにしている。
出久「うん。轟くんも悪魔の風格が無いって言ってた程だし。麗日さんも悪魔とは思えないって、帰り道言ってたよ」
出久は轟達を連れてきた帰りの事を教えている。
メデューサ「本当に?嬉しいな・・・」
メデューサは嬉しそうににこにこと微笑む。
邪神ちゃん「・・・・・・・・・散歩に行ってきますの」
邪神ちゃんははぶてて外に出ようと玄関に向かう。
上鳴「確かに悪魔って割りには、メデューサもミノスも風格が全然無くて逆に、天使かって思うくらいいい娘だし。悪魔って心が汚ねぇ存在かと思ってたけど、実際会うと違うんだなーって」
八百万「ですわね・・・」
ミノス「そう言ってくれて嬉しい」
メデューサ「そんな事無いよ?私は人間が好きだから、尊敬してるの」
上鳴の言葉を聞いたミノスはにこにこと笑い、メデューサは両手で胸を触りながら、嬉しそうに話す。
出久「みんな友達になれて嬉しいって言ってた。かっちゃんを除いては」
メデューサ「ふふ、そう言ってもらえて嬉しいな・・・」
メデューサは頬を赤くし、嬉しそうに笑っていると、ガチャッとドアが閉まる音がした。それは邪神ちゃんが外出したのだ。
メデューサ「あ、邪神ちゃん・・・私もついていくよ」
メデューサは紙袋を被り始め、邪神ちゃんを追いかけようと慌てて向かった。
耳郎「随分悪魔達と親しいんだね、緑谷は。」
出久「あはは、でも今日初めて会った天使のぺこらさんとも仲良くしたいし、困った時は力になってあげたい」
ぺこら「そっそうですか・・・」
出久の言葉を聞いたぺこらは、頬が赤く染まり!少しそっぽを向く。
ミノス「出久くんもその友達も、本当にみんないいやつだよな」
ゆりね「そうね、本当にいい子達だわ」
ミノスは相変わらずの笑みを崩さず、ゆりねはうんうんと頷いている。
出久「あ、そんなたいそうな物じゃろただ助けてあげたいって思うだけで」
出久は顔を赤くし、照れながら頭の後ろを擦っている。
ゆりね「ふふ、そう言えること自体が優しいのよ」
ゆりねは出久を見て微笑を浮かべ、感嘆の声を漏らす。
出久「そういえば思ったんだけど、ぽぽろんさんは邪神ちゃんのこと、じゃがいもって呼んでたけど・・・どんな由来で付けたんだろう?」
少しぽぽろんと邪神ちゃんについて気になる所があるのか、そう呟く。
ぺこら「あ、2人が出会った時にぽぽろんが、花園ゆりねの使い魔が持ってたカレーを落として・・・まぁぽぽろんがなんでじゃがいもって呼んでるのかはぺこらは知りませんが・・・」
ぺこらは彼の呟きを聞いていて、経緯について教えるが 詳しくは解らないので教える事が出来ずに申し訳なさそうに思う。
ミノス「邪神ちゃんがじゃがいも・・・か・・・あはは、おもしれぇー」
話を聞いていたかミノスは面白そうに笑っている。
出久「あー、それだから邪神ちゃんは、ぽぽろんさんの事を悪く言っていたのかな?カレーを落とされた恨みで」
上鳴「食べ物の恨みは恐ろしいっつうし。まぁ解らなくはねぇな」
耳郎「真面目に何がどうなってるんだか・・・」
2人とは違って、耳郎はどういう流れかわかっていないらしい。
宅配便「お届け物でーす!」
ゆりね「あら?何かしら・・・行ってくるわね。はーい!」
ゆりねは、外にいる宅配便の声を聞くと 玄関に向かう。
出久「にしても今日は、天使と友達になろうと奮起する八百万さんが大活躍だったね」
上鳴&耳郎「ヤオモモが?」
2人共、八百万をじーっと見つめる。
八百万「そっそんな!緑谷さんこそ!」
八百万は頬を赤く染め、手をブンブンと左右に振る。
出久「ううん、先にぺこらさんを説得しようと話しかけたのは八百万さんだった。僕は一瞬言うか迷ってたから、でも八百万さんが先に言ったから 僕も話せる勇気が出てきた。だから」
八百万「そ、そうですか・・・」
出久の言葉を聞き、八百万は右手を口に当てた。
ぺこら「ぺこら的には、2人の言葉が嬉しかった・・・です。本当に・・・感謝してます」
ぺこらは出久と八百万の袖をちょこんと触りながら、軽く笑みを浮かべて言った。
ゆりね「ふふ、仲良く話してるわね」
ゆりねが受け取った荷物の袋を持ちながらみんなの元に戻ってきた。
耳郎「え・・・なんすか・・・それ・・・」
耳郎は荷物の形状から、何なのか気になってゆりねに問う。
ゆりね「これ・・・・・・?邪神ちゃんお仕置き用のドリルよ」
ゆりねはゲスイ笑みを浮かべて、袋を取り外してドリルを見せた。
耳郎「え?邪神ちゃんお仕置き用・・・・・・って?」
ミノス「こうして見ると、ぺこらちゃんは2人の妹みたいだな」
出久&八百万「え?」
ミノスの言葉に2人は頬を赤らめて不思議がる。
ぺこら「ぺこらがですか・・・?ぺこらはどちらかというと姉では・・・?」
ぺこらは容姿から見てとは思わず、不思議そうにしている。
ミノス「まぁあたしからしてもぺこらちゃんは、妹みたいな感じだからさ」
ミノスはにこりとしながら、ぺこらの頭を撫でる。
上鳴「ぺこら、悪魔のみんなから愛されてんな。まぁミノスも悪魔って割にはいい娘だし」
ぺこら「ぺこらはみんなから愛されるような天使ではありません。その逆です、天使が人間を愛さないといけないのです・・・」
ぺこらは頬を赤く染めつつ、天使として真面目に考えた事を言う。そしてドアがガチャ!と開いた。
邪神ちゃん「ただいまですの、あーメデューサの金でしたUFOキャッチャーは楽しかったですの」
邪神ちゃんとメデューサが満足そうに帰ってきた。
ゆりね「・・・・・・あんたまたメデューサに・・・・・・」
ゆりねは言葉を聞き逃さずに、邪神ちゃんの方を向き、睨み付ける。
メデューサ「ひっ!」
紙袋を外したメデューサは、ゆりねを見て青ざめる。
ゆりね「あんた、ハブられていじけて改心するって思ったけど・・・クズはクズのままね・・・早速このドリル、試させて貰おうかしら?・・・」
邪神ちゃん「え?・・・」
ゆりねはSな笑みを浮かべつつ、ドリルのスイッチを押す。その音を聞いた邪神ちゃんは顔が青ざめ、メデューサは出久達の元に逃げる。
出久「ゆりねさん?」
ゆりねはドリルを邪神ちゃんの肉に突き刺し、そのままドリルを回転させながら、邪神ちゃんの肉をえぐり出していく
邪神ちゃん「ぎゃーーー!いたーい!」
邪神ちゃんはその激痛にもがき苦しんでいる。
八百万「ゆりねさん、何を!?」
耳郎「え・・・」
八百万と耳郎は、目の前で繰り広げられているお仕置きにびっくりし、怯えている。
上鳴「ひぇーー!!止めなくていいのか?あのままじゃ邪神ちゃんが!!」
出久「でも、邪神ちゃんはあの後再生するから不死身なんだ!ホントだから」
上鳴は出久に問いかけるも、邪神ちゃんはあれで死なないと、怯えつつも教えている。
上鳴「マジか?あれで死なないのか?」
ゆりね「フフフフフフフフッ」
耳郎「なんか・・・見てはいけないものを見てる気がする・・・」
ゲスイ笑みを浮かべて嘲けに笑うゆりねを見て、耳郎は目を反らす。
ミノス「・・・あー・・・いつものことだからな・・・」
ミノスは良く目にしてる為か、怯えずに苦笑いしている。
そして夕方、帰る時間帯となった。
出久「お邪魔しました。今日も楽しかったです」
上鳴「また今度来ますね」
出久達は外に居ながら、別れの挨拶をしている。
ゆりね「またきてね・・・それと、ぺこらの事よろしくね」
ゆりねはぺこらの送りを、八百万と耳郎に任せ、微笑を浮かべながら2人に言う。
八百万「ええ!ヒーローになりますもの、ですからしっかりお守り致しますわ」
八百万はぺこらをちらっと見ながら微笑む。
耳郎「任せて下さい!」
ぺこら「よろしくお願いします」
ぺこらはもじもじしながら2人を見つめる。
出久「僕ら2人は先に駅に向かってるね」
メデューサ「またきてね〜」
ミノス「じゃ、またなー!」
メデューサは微笑を浮かべて、ミノスは手を振りながらみんなを見送った。
出久&八百万&上鳴&耳郎「さようならー!」
4人もぺこらを連れて、ゆりね達に手を振りながらアパートを後にし、八百万と耳郎はぺこらを連れて公園に向かい、出久と上鳴は先に駅へと向かった。
八百万達を連れてきた2日後、今回は常闇と障子を連れてきた。
常闇「神保町・・・此処に来るまで、周囲の者は我々を注視していたな」
障子「まぁ俺達は外見上、人外の容姿をしてるからな。無理もないだろう」
常闇と障子は、神保町の駅からゆりねのアパート付近までの道のりで、通行人から見られて不思議がられていた事を話し合っていた。常闇は黒い鳥のような風貌、障子は長身にして顔にマスク、腕にそれぞれ2本の触手がある。彼が述べたように 人外の容姿である。
そして会話中に、3人はアパートのゆりねの部屋の玄関前に着いた。
常闇「緑谷や他の皆が話していた、ゆりねさんのアパートに着いた」
障子「緑谷が助けた人物、興味あるしな。だが悪魔という超越的な物が 存在するのであろうか?」
常闇「女性と悪魔、そしてその仲間。興味津々であるな」
出久「うん、みんないい人達だから。常闇くんも障子くんも仲良くなれると思うよ」
出久はインターホンを押して、2人に笑みを浮かべた。
ゆりね「いらっしゃい」
出久「こんにちは、ゆりねさん」
常闇&障子「こんにちは」
ゆりね「さ、中に入って」
今回は、外で色々と話すよりも 中で紹介しあった方が良いと考えたのか、中に入るよう勧める。
出久&常闇&障子「お邪魔します」
3人共ゆりねに勧められた通りに中に入っていく。
ゆりね「・・・随分変わった子ね・・・」
ゆりねは常闇と障子を見て、彼らの容姿を不思議そうに垣間見し、部屋に向かう。
ミノス「ハロー!」
メデューサ「こんにちは」
メデューサとミノスは、テーブルに座っていて出久達に挨拶する。
出久「こんにちはミノスさん、メデューサさん」
出久達はテーブルにそれぞれ座った。
邪神ちゃん「じゃ、お土産渡せよな!・・・っていたたた!」
ゆりね「気にしないで」
邪神ちゃんは常闇と障子を不思議がるも、それよりご執心である手土産が待ち遠しく、痺れを切りして偉そうに言うと、ゆりねが邪神ちゃんの頬を引っ張り、怖いくらいの満面の笑みを浮かべる。
出久&常闇&障子「・・・・・・・・・」
3人共、ゆりねと邪神ちゃんを見て 無言で引き気味になっている。
障子「俺からはこれを・・・つまらないものです」
常闇「俺からも、お気に召してくれれば幸いです・・・」
2人共袋からそれぞれお土産を出し、障子は出身である福岡名物 あまおう、明太子の袋を出し、常闇はインターン時で購入した 博多豚骨ラーメン、佐賀牛、あまおう。自身の出身である静岡名物 桜えびのかき揚げ、お茶の葉、とそれぞれテーブルに出して披露した。
ゆりね「おー!」
ゆりねは頬を赤らめて、お土産を見つめる。
出久「こんなに沢山!すごいや2人共!」
ゆりね「まぁ、ありがとう」
邪神ちゃん「うまそうですの」
ゆりねと邪神ちゃんは、お土産をじーっと見つめる。
メデューサ「いちごとラーメンの季節だもんね」
寒い季節にはぴったりの物だと思って、メデューサは外を見ながら感嘆の声を漏らす。
障子「気に入って貰えて良かった。・・・・・・そういえば自己紹介がまだでしたね。改めまして、障子目蔵です。」
障子はゆりね達がお土産を気に入ってる様に見ると安堵し、自己紹介がまだなのを思い出すと 礼儀正しく行う。
ゆりね「改めまして、私は花園ゆりね。右から順に邪神ちゃん、メデューサ、ミノス・・・よ」
メデューサ「よろしくね」
ゆりねが3人を紹介すると、メデューサは天使の様にほのぼのとした笑みを浮かべた。
障子「よろしくな・・・メデューサは随分かわいらしいな。」
メデューサ「かわいらしい・・・?」
障子の言葉に照れたメデューサは、頬を赤らめ首を傾げる。
邪神ちゃん「こいつの何処がかわいらしいだよ!」
邪神ちゃんは嫉妬したのか、頬を膨らませてメデューサを少し睨む。
障子「かわいらしいと 緑谷、上鳴、蛙吹、そして八百万が言っていたぞ」
障子は出久達からメデューサのかわいさを聞いてて、自分も実際見て彼女がかわいく思い、誠心誠意で述べている。
メデューサ「えへへ、そっそんなこと・・・」
メデューサは更に頬を赤らめる。
ゆりね「あら?本当の事じゃない」
謙遜しているメデューサをゆりねは、まじまじと見つめる。
障子「俺からの話は以上。次はお前の番だな」
常闇の紹介に進めようと、話を切らさせて 常闇に小声で言う。
常闇「ああ・・・我が名は常闇踏陰。以後、お見知りおきを」
常闇は腕組みし、クールに自己紹介をする。
ゆりね「・・・・・・珍しい」
ゆりねは常闇の鳥の風貌に、彼を初見の時から興味津々であり、まじまじと見つめている。
邪神ちゃん「頭が鳥で?体は人間?」
ミノス「悪魔・・・じゃないよな・・・」
邪神ちゃんとミノスは常闇を見てて、本当に人間なのか物凄く不思議に思っている。
常闇「ふっ、俺の風貌がそんなに珍しいか。確かに神保町を歩く中、人々は俺に不思議に思う目線を向けていた。・・・無理もなかろう」
常闇は2人の言葉に何も悪く思わず、クールに受け入れている。
ミノス「ふーん・・・人間なんだな・・・」
邪神ちゃん「まぁいいですの」
邪神ちゃんとミノスは常闇を見つめて目を細める。
出久「じゃあ2人の“個性”をゆりねさん達に」
出久はそろそろ“個性”を披露しても良い頃だと思い、話を進める。
障子「そうだな。まずは俺から行きましょう・・・俺の“個性”は複製腕。」
障子は“個性”を披露しようと、自身の左右二本ずつの触手を広げる。そして右上の触手に口が出来る。
障子(複製口)「この様に俺は触手の先端に、口などの体の部位を複製する事ができます!また、目や耳 手なども複製可能。目なら視力、耳なら聴力、手なら握力が本体の数倍強力になっています。」
残りの3本の触手に、手、耳、目を複製して説明を続ける。
ゆりね「あら、色々と便利そうね。声が四方八方から聞けたり、物事を色々な視点から見れそうだわ・・・」
邪神ちゃん これも使い方によっては、ゆりねを殺せる・・・
障子の複製腕を見たゆりねは、“個性”についての使用法を色々と想像しており、邪神ちゃんは相変わらずに“個性”でゆりねを殺そうと考えている。
障子「はい!目や耳を複製をすれば、強力な索敵や監視が可能です」
ゆりね「やっぱり・・・すごいわ」
“個性”を解除すれば、ゆりねの言っていた事が合っており、答えてあけるとゆりねは、微笑を浮かべた。
障子「俺の“個性”の説明は終わります†
邪神ちゃん「で、そこの鳥頭のお前はどんなやつですの・・・?」
障子が説明を終えると、次は常闇の番。邪神ちゃん達は先程から、顔が人外である常闇の“個性”が深々と興味津々であり、物凄く期待しながら彼を見つめる中、邪神ちゃんが顔を前に出して問いかける。
常闇「俺の番だな。俺のこの身には、影の様なモンスターが宿っている。そのモンスター・・・“個性”の名は・・・」
常闇は立ち上がり、腕組みをしながら“個性”について話す。目を瞑り、そして体の前身から鋭い目の様な光が浮かぶ。そこから影の様に黒く、大きな生き物が、ゆりね達の前に姿を表す。
常闇「・・・・・・黒影(ダークシャドウ)!!!・・・。」
常闇が、己の身体から出てきた生物の名を言った。
邪神ちゃん「え・・・お前マジで人間か・・・?」
ミノス「まぁみんなすげーしな・・・」
ゆりね「それって、使い魔みたいなものかしら!」
邪神ちゃんは、今までのと違うように思う常闇の“個性”に驚いて目を丸めていて、ゆりねは今まで轟、上鳴の“個性”に続き、常闇のダークシャドウに頬を赤くし、目をキラキラとさせ、かつてない程にウキウキとして厨二心がくすぐられている。
常闇「うむ。俺はこの黒影(ダークシャドウ)を伸縮自在に操り従う。魔物などを従者(ずさ)とする魔導士の如く。」
常闇はダークシャドウを誇張に説明し、ダークシャドウは多少肥大し 猛々しく見せている。
ゆりね「あなたとは気が合いそうだわ・・・。」
ゆりねは目の輝きが消える事無く、ダークシャドウを見て更に輝く。
出久「やっぱり常闇くんの黒影(ダークシャドウ)はいつ見てもカッコイイや」
メデューサ「うん、かっこいいね!」
出久と同様、メデューサもダークシャドウを見れば 手を合わせて同感している。
出久「メデューサさんも気に入った?」
メデューサ「うん、常闇くんのすごい力。なんだか桁違いというかやっぱりすごいなーって・・・」
出久の問いにクスリ、と左手を口に当てて笑って答える。
ミノス「まぁみんなすげぇしな」
邪神ちゃん どれもゆりねを殺せる“個性”ですの・・・
ミノスはにこにこと笑って、みんなの“個性”について述べ、邪神ちゃんは今までの“個性”を気に入ってながら、ゲスイ事を考え続けている。
ゆりね「やっぱり凄いわ。轟くんや上鳴くんに続いて、あなたの“個性”を気に入ったわ」
常闇「ほほお、それは恐縮。及び面白い」
ダークシャドウをしまうと常闇は、目を輝かせながらゆりねの言葉にクールな笑みを浮かべる。
ゆりね「やっぱりあなたの“個性”が一番良いと思うわ・・・」
ゆりねは相変わらず輝きが失せることなく、常闇を見つめている。
常闇「もったいなきお言葉を・・・ありがたき幸せ・・・」
ゆりね「ふふふ、かしこまらなくて良いのよ」
賛美するゆりねに常闇はお辞儀をし、お礼を言い、ゆりねは首を傾げて、とても優しそうな笑みを浮かべる。
障子「常闇はすっかり、ゆりねさんに気に入られているな」
邪神ちゃん「まぁ、ゆりね達は自分の世界に入っているから放っておきますの。個性”・・・に関しては私も認めて差し上げますの」
邪神ちゃんは2人を見てため息をつき、最後に偉そうな口でありながら 自分なりに常闇の“個性”に賛美の言葉を放つ。
そしてこの後、ゆりねは見たがっていり映画の時間。ミノスはこれからバイト。などでそれぞれ外出する事となり、帰る時間が早くなっている。
出久&常闇&障子「お邪魔しました」
ゆりね「今日は短い間だったけど、楽しかったわ」
邪神ちゃん「まぁ私も中々でしたの」
みんな外で、お互いの別れの挨拶をしている。
障子「また来たときに会いましょう」
常闇「また次の機に・・・」
常闇と障子の2人は、クールでゆりね達に別れの挨拶をしている。
ゆりね「またきてね」
ミノス「じゃあなー!」
ゆりね達は3人に手を振って見送った。
時は出久、常闇、障子がゆりねのアパートを去った後。3人は暇を持て余していた。
出久「ねぇ、いつも帰る時間までかなりあるけど、2人共どうする?」
障子「そうだな。今日の雄英は休日だし、やる事はほとんどない」
常闇「特に責務も無く、今日の終わりまでほぼ暇(いづま)である」
出久「僕もまだ悩んでいて・・・」
3人は神田すずらん通りで、帰るかまだ東京にいるのかと、話し合っている。
障子「今思い付いた提案なのだが、秋葉原に行くのはどうだ?」
出久「秋葉原?」
障子「ここ神保町からは徒歩約20分歩き、御茶ノ水駅付近を経由した先に秋葉原があると聞いた。そこで色々な物を見歩いてみるのはどうかと・・・」
障子はスマホを見せて、今自分達の居る場所から秋葉原までのマップを表示する。
出久「アキバかぁ。良いかも!行ってみよう」
常闇「俺も久々にアキバに行きたくなった。中学時の友や家族と行った事もあってな」
2人共、障子の提案に賛成の様である。
障子「そうか、では歩いて行ってみるか」
出久「うん」
常闇「ああ・・・」
3人は秋葉原に向かい、歩き始めた。
ペルセポネ2世「んん、秋葉原・・・人多いなぁ。でも、邪神ちゃんは見つからない・・・何処に居るの?邪神ちゃん・・・」
彼女は秋葉原に居て、何時ものように邪神ちゃんを探して徘徊している。
出久「着いた。秋葉原に!」
障子「人多いな・・・やはり世界最大級のオタクの街と呼ばれるだけある」
常闇「・・・娯楽の聖地・・・」
そして秋葉原に着いた出久達は、沢山の人混み、電気屋、ゲーセンやガシャポンなどの娯楽施設。多種多様な店を見回している。
出久「みんな行きたい所バラバラかな?僕は電気屋に寄りたいんだけど」
障子「俺はちょっとガシャポンショップに行きたい」
常闇「俺はアニメ、ゲームなどのショップを色々と観覧をしたい」
出久「やっぱりバラバラかぁ。じゃあ集合場所を決めて別行動にしよう。それで言いかな?」
障子「構わない」
常闇「異議無し」
出久の意見に賛成した常闇と障子。3人は集合場所をそれぞれ話し合っていた。
出久「じゃあ秋葉原駅の昭和通り口前に3時で」
常闇「決定だな」
出久「それじゃあまた」
障子「ああ」
常闇「御意」
3人は待ち合わせを決めた後、それぞれ分離した。
出久side
出久「やはりアキバには、一つのビルに多種の店が立ち並んでいる。取り合えず店内に入ってみよう」
障子side
障子「ここが秋葉原ガシャポン会館・・・やはりガシャポンがずらりと並んでるな」
悪魔A「秋葉原ガチャポン会館は駅の電気街口から徒歩7分程先にある。地下鉄のとある駅からだだとすぐ着く路もあるぞ!」
常闇side
常闇「んー、やはりアキバは アニメや漫画など、他の店舗よりも交錯しているなあるな」
桂大五郎「え?何あれ・・・?顔が鳥?いや、被り物かなあ・・・?」
女子A「ん?あれ何だろう、コスプレ?」
女子B「コスプレじゃない?なんかカッコかわいくない?」
常闇はアニメ・ゲームなどの店舗が立ち並ぶエリアで、周りの人々から風貌などを不思議そうに見つめられている。
常闇「この店はは確か、津津浦浦に所在するが、俺が知っている店よりも大きいな。ひょっとしたらいい物があるかもな 入るとしよう」
常闇はチェーン店のショップを見つけ、存じてながらも1階〜8階まであるのに興味が湧き 入ろうと決意し足を踏み入れる。
そして時は15時(午後3時) 待ち合わせの場所。
出久「あ、障子くん」
障子「緑谷、定刻通りに着いた。ん?そういえば常闇はまだ来てないのか?」
秋葉原駅の電気街口で、出久が1分前に着いてて待機しており、そして時間通りに丁度障子が着た。しかし、常闇はまだ姿を現してなかった。
出久「その内来ると思うけど・・・」
そして15分経過。
出久「常闇くん、随分遅いなぁ。」
障子「電話してみたが、繋がらない。それにメールの既読も無い」
そして30分経過。
出久「なんで来ないのかな?」
障子「まさか何かあったのか?」
出久「そっそんな!常闇くんがまさか?」
障子「兎に角探し回ってみよう。秋葉原のあたりを二手に別れて」
出久「うん!僕はあっちを探してみる」
障子「なら俺はあっちを」
出久と障子は、常闇を捜索しようとそれぞれ向かった。
そして常闇のスマホは、どこぞの施設内のテーブルに置かれていた。
???「取り敢えず、トリリンの連れに電話するわね。今日はトリリンに出会えた記念日・・・パーティーしないと」
そこには目元は隠れ、何やら満面の笑みを浮かべている女性が居た。彼女は自身のスマホから、電話をかけようとしている。
そして、待ち合わせの時間から45分。
出久「どう、見つかった?」
障子「いや、全く!何処に居るんだ!・・・常闇」
2人は常闇を探すも見つからないでいた。
ピーー!!!〈着信音〉
出久「ん?電話!」
障子「まさか常闇か?」
出久「いや違う、しかも知らない番号から?」
出久はスマホを見て、見知らぬ電話番号に驚いている。
障子「そうか、では一体誰から・・・取り敢えず出た方が良いのでは?」
出久「う、うん・・・もしもし、どちら様ですか?」
出久は電話に応答し、かけてきた相手が誰なのか問いた。
???「もしもし?トリr・・・こほん、常闇くんのお友達ですか?」
出久「え?常闇くん!?・・・そ、そうですが」
???「此方は万歳橋警察署の橘芽衣と申します」
出久「警察!?」
芽衣「彼は現在署に居ます。宜しければ署までお越しください」
ピッ!〈電話の切る音〉
出久「あっ、あの!・・・切れちゃった」
出久は彼女からの電話を聞いて驚きを隠せずあたふたしてる。
障子「どうした緑谷?」
出久「常闇くんが警察に居るって」
障子「なんだって!?一体何故?」
出久「わからない。どうして常闇くんが?」
障子「警察って、さっきの電話は警察署から、一体何処のだ?」
出久「万歳橋警察署・・・だって」
障子「万歳橋警察署?確かアキバ付近にあるな。兎に角其処に向かおう!」
出久「うん!」
2人は駆け足で万歳橋警察署へと向かった。
そして万歳橋警察署に着いた2人は、取り調べ室で待機している。
芽衣「あ、きたきた。」
ガチャっとドアを開けて来た、黒髪のボブカットに黄色い瞳の婦警。彼女こそ万歳橋警察署の橘芽衣!
芽衣「あなた達が、常闇くんのお友達?」
出久「は、はい・・・緑谷出久です」
障子「同じく、障子目蔵です」
芽衣「改めまして、私は万歳橋警察署のスーパーコップ・・・橘芽衣であります」
芽衣は両腕を組んで、目をキリリとしながら名を名乗る。
障子「そうですか」
出久「ベガ立ち・・・」
2人は芽衣の誇張した自己紹介に少々引いている。
芽衣「さ、入ってきて」
芽衣のかけ声で常闇が入ってきて、出久達は椅子に座った。
障子「それで、常闇が一体何の罪を犯したのですか?」
出久「常闇くんが悪いことをするとは思えないんですけど、常闇くん、一体どうして警察に?」
出久はあたふたしながら常闇に尋ねる
常闇「俺は何も罪を犯した覚えは無いが。突然この婦警に声をかけられ、それで何の因果か此処に連行されてしまった」
常闇は冷静ながら出久の質問に答えた。
芽衣 そう、あれは先程のことだった・・・お仕事でパトロールをしている途中、私はあるものを見てしまったのだ。そこの空気だけ輝いているように見えた。私は何事だ・・・と思いそこを見つめる、すると・・・鳥のような風貌をした少年が立っていたのだ。そしてその姿はカッコよく、そしてまたなんとも愛らしく___ 。そう彼は・・・彼は)
芽衣は回想に入りながら、常闇と出会った経緯を思い出す
芽衣「・・・彼は盗みました・・・」
出久&障子「え!?」
常闇「?」
芽衣の真剣に発した言葉に、出久達2人は唾を飲み込んだ。
芽衣「・・・私のハートを(X4)・・・」
芽衣は目を開けると頬を赤らめ、手を組んでキラキラと目を輝かせ、常闇を見つめ始め述べた。
出久&常闇&障子「は・・・・・・?」
3人共、芽衣の言葉に唖然とする。
芽衣「鳥のような風貌・・・そして、かっこよさとかわいさを兼ね備えたこのフォルム・・・とっても素敵!あーん!トリリーン!」
芽衣は理性を抑えてたものの遂に尽き、常闇に抱きつく。
常闇「ん!・・・そんな理由で捕まえたら、職権濫用ではないですか?」
出久「何か、変な展開になっちゃってる?」
障子「トリリン・・・?」
常闇は訳の解らない事で逮捕された事に少々怒りつつ、芽衣のぶっ飛んだ性格に不思議に思い、出久と障子は状況に目を丸めている。
芽衣「もー!トリリンさいこーう!あ、写真撮らなきゃ!・・・はいピース」
芽衣は常闇を抱きしめたまま、片手でポッケからスマホを取りだし、雰囲気お構い無しに常闇の片手を持ってピースを作らせて連写している。
常闇「・・・・・・」
常闇は無表情ながら雰囲気に着いていけず、話を聞いてない彼女に呆れ絶句している。
芽衣「もー!本当にトリリン、かわいーっ」
芽衣は抱きしめる力を強くし、常闇に頬をベタ付かせ、スリスリとする。
芽衣「それで2人共、本題なのだけど」
出久&障子「本題?」
芽衣「トリリンを、家に連れて帰っていいかしら?」
芽衣は常闇を抱きしめながら、2人に自分本位なお願いをする。
出久「いや、ダメに決まってますよ!」
障子「何を勝手なことを!」
2人は当然彼女のお願いを断った。そもそも無理な話である。
芽衣「そっそんな・・・!酷い!私とトリリンを引き裂くつもりなのね」
芽衣はいいえと言われると、常闇を放して涙目になって言う。
出久「いや、僕らに言われたって・・・」
出久は面喰らって眉と口角を下げる。
芽衣「・・・トリリンが私のものにならないなら・・・」
芽衣は常闇の方を向き、スカートを上げて収納している剣を取りだし、剣先を彼に向けて構える。
出久&障子「けっ、剣!?」
常闇「ん・・・」
芽衣「トリリンは私のものよーーーー!大人しくお縄につきなさーい!」
芽衣は高らかに宣言した後、剣先を向けたまま垂直に剣を投げ飛ばした。もはやツッコミ所ありまくりである。
常闇「ふっ!」
しかし常闇は怯む事無く、軽々と紙一重で避けて、壁に剣が刺さる。
芽衣「いやーん!流石トリリン かっこよかった!」
芽衣はあの剣を飛ばした後か、それとも始めから持っていたのか スマホでムービーを撮ってたようで、録画した映像を見ながらるんるんとしている。
出久&障子「はぁ・・・・・・」
出久と障子は流れに着いていけないのか、目を丸めながら傍観している。
芽衣「本当に素敵ずきる」
芽衣は常闇に近づいて、ギューっと抱きしめる。
常闇「何だ・・・この人?」
常闇の表情は変わらないが、芽衣に抱き締められたまま彼女を不思議に思っている。
出久「何か・・・可笑しな状況になっちゃってる」
障子「全くだ」
出久達も状況に着いていけず、ジト目になって芽衣と常闇を見ている。
芽衣「ん?あ、5時だわ!帰らないと!」
芽衣のスマホのアラームが鳴り、現在17:00。終業の時間帯と気付くと、常闇を放してドアに駆けていく。
芽衣「じゃあね、トリリン。また会いましょう」
去り際に芽衣は常闇に向けてピースをしながらウインクをして、ドアを閉めた。
常闇「何だったんだ?」
障子「お前がかわいいだなんて、特異な変態だなあの女」
出久「あんな女の人も居るんだな・・・」
出久達は芽衣を不思議に思って話していた。そして3人は万歳橋警察署を去り、帰っていった。
障子と常闇を連れてきたその後日も時々出久は、残りの7人を何日かにそれぞれ2、3人に分けて連れてきていた。そのストーリーを割愛して 話をさせていただきます。
お茶子「ねぇ、ミノスちゃんの家ってどんな所なんやろう?」
出久「僕達を招待したいってメールで送られたみたいだけど」
切島「そういや、あいつの家知らなかったな。行った事もねぇし場所も聞いた事もねぇし」
蛙吹「興味深いわ、ミノスちゃんのお家」
出久、お茶子、切島、蛙吹の4人はミノスから家の招待メールが送られ それぞれ話し合っていた。
出久「ミノスさんは悪魔だから地獄に住んでいるよね?」
お茶子「て事は、地獄に行く・・・それじゃあ私達死ななきゃならないの!?」
ミノスの家に行く経路を想像し、お茶子は目を丸めてビックリする。
切島「まぁまぁ落ち着けよ麗日」
蛙吹「人のお家に行くのに、死ぬ必要なんてないと思うわ」
出久「だ、だよね・・・もしかしたら邪神ちゃんの様に、誰かの家に居候しているとか?」
出久な苦笑しつつ、ミノスが邪神ちゃん同様に人間界の何処かに居候していると考える。
蛙吹「後日にミノスちゃんのメールから、集合場所を教えられるのを待ちましょう」
切島「そうだな!」
出久&お茶子「うん」
蛙吹「もう遅いから寝ましょう」
出久&お茶子&切島&蛙吹「おやすみ〜」
4人はそれぞれ自室に戻って就寝した。
翌朝、4人にミノスからのメールが届いて 集合場所は神保町駅付近の「書泉グランデ」と伝えられた。
そしてその日の翌日、4人は神保町に着いた。
出久「さて、此処から書泉グランデまで歩いて行く事になるね」
切島「マジで行くの楽しみだな」
蛙吹「取り敢えず行きましょう」
蛙吹の一言で 出久達は書泉グランデに向かって歩いて行った。
ミノス「ハロー!みんな来てくれてありがとな」
お茶子「ミノスちゃん!会いたかったん」
出久「こんにちは、ミノスさん!それでミノスさんのお家には連れてってくれるの?」
ミノス「当たり前だろ!それだから呼んだんじゃん。着いてきてくれ」
切島「オウ!」
蛙吹「ケロ!」
出久&お茶子「うん」
ミノス達は書泉グランデを離れて、ミノスの家に向かった。
ミノス「さーて、着いたぞ!」
出久「え?・・・此処って」
お茶子「ゆりねさんの住んでいるアパートやん」
ミノス「実はあたしが住んでるのは、ゆりねちゃんのアパートなんだ!」
出久&切島「ええっ__!?」
ミノスの発言に、出久達は目を丸めて驚く。
そして先に行こうと、アパートの階段をかけ上がっていく。
ミノス「で、ここがあたしの部屋!・・・ゆりねちゃんの隣何だぜ!?」
お茶子「ゆりねさんの!?」
蛙吹「意外だわ。てっきり魔界に住んでるのかと」
ミノス「そんな細かいことは気にすんなって、まぁあたしも魔界に居たけど、何回か遊びに来る内に人間界が好きになってさ。引っ越して来たんだ!」
ミノスは不思議に思うお茶子達に、自分がどうやって人間界に住み着いたかの経緯を語り出した。
切島「引っ越して来たのか?でもまぁ邪神ちゃんが人間界に住んでるらしいから、不思議じゃねぇのかもな。つうかすげぇじゃん!人間界に住むなんて。しかもゆりねさんと同じアパートだなんてよ」
切島はあまり深く考えず、人間界に住み着いた経緯を聞くと漢気が擽られ、少し熱中している。
ミノス「おっ!そんなにすごいか?まぁみんな、兎に角入ってくれ!」
ミノスはドアを開けて、みんなを部屋へと招き入れた。
出久&切島&お茶子&蛙吹「お邪魔しま〜す」
4人は玄関から上がっていく。ミノスの部屋はゆりねと同じ間取りだった。
出久「んー・・・やっぱり当然ゆりねさんの部屋とほとんど同じ間取りかぁ」
お茶子「でも多少の違いがあるね」
ミノス「まっ、邪神ちゃんにも言われたしなぁ」
切島「あ、そういや忘れるとこだったぜ!これ、手土産だ」
切島は袋の中からお土産の煎餅を渡した。
ミノス「おっ!あたしにまでお土産くれんの?」
出久「あ、僕からも」
お茶子「私はこれ」
蛙吹「私からはこれよ」
切島に続いて出久はどら焼き、お茶子はお餅、蛙吹はメロンゼリーが山程入った袋を渡した。
ミノス「ありがとう、みんな!すっごい嬉しい」
ミノスは4人からの手土産が嬉しく、にこりと笑みを浮かべて礼を言った。
お茶子「喜んでくれてよかった〜」
ミノス「じゃ、今お茶作るよ」
ミノスは台所に向かって行く。
ミノス「お待たせ〜!」
ミノスは出来立てのお茶を4人分お盆に載せて持ってきた。
出久「ありがとう」
切島「サンキュー」
お茶子「ありがとう」
蛙吹「ケロ、ありがとね」
4人はそれぞれ、ミノスに礼を言った後 お茶を一口ずつ飲んだ。
ミノス「何かお菓子とか出した方が良いな。とはいえ無いしな。切島くんがくれたせんべいと、出久くんがくれたどら焼き。出して良いかな?」
出久「全然良いよ」
切島「俺も」
ミノスの質問に、2人は承諾した。
ミノス「じゃ、早速開封するぜ!」
ミノスは持ち前の馬鹿力で、袋を一瞬にして開封し その衝撃もあって煎餅が何枚か飛び出した。どら焼きは箱入りであった為、普通に手を使って空ける。そして袋に入ってるどら焼きが30個。それもミノスは一瞬で開封。煎餅が16枚、どら焼きが12枚とそれぞれ別の皿にのせられた。
ミノス「じゃあ早速いただくかぁ」
ミノスはまず煎餅からかじり始めた。
ミノス「うん、美味い!」
切島「だろ。一般で販売してるやつじゃねぇからな!俺の知ってる煎餅屋のやつ」
切島はミノスの感想の言葉が嬉しくて、多少自慢気に自身の買った煎餅について語る。
お茶子「へぇ〜、普通のおせんべいとどう違うの?」
切島「まぁ詳しい事はわかんねぇけど。スーパーとかで売ってるのとは違って専門店だからな。味とか違うんだと思う」
蛙吹「確かに多少の違いはあるかもだけど。私も食べてみるわ」
蛙吹は煎餅を一枚手に取ってかじりつく。
蛙吹「ケロ〜・・・確かに美味しいわ」
出久「じゃあ僕も一つ」
お茶子「私も」
出久とお茶子もそれぞれ一枚取った。
出久「うん、これは美味しいね」
お茶子「ホント。結構イケるね」
切島「まぁみんなが気に入ってくれてんなら何よりだぜ!」
切島はにっと口角をあげて、自分も食べようと思って煎餅をかじる。
ミノス「じゃあ、次は出久くんのどら焼きだな」
ミノスはそう言ってどら焼きを取り、一口食べた。
ミノス「これも美味いな。生地もあんこもすっごい甘いし」
どら焼きの甘さに満足そうに顔を綻ばせる。
出久「喜んでくれて良かったよ」
胸を撫で下ろして、出久自身もどら焼きを食べる。
お茶子「じゃあ私も食べよっと」
切島「俺も」
蛙吹「ケロ」
3人もそれぞれ出久に続いてどら焼きを食べ始めて、それぞれ美味しいと感想を述べた。
切島「そういやミノス!俺が初めてゆりねさん家に訪れた時に手土産で渡した和牛の感想、結構気に入ってくれたんだって?」
切島は上鳴から伝言されていたものの、少々気になったのかミノスに訪ねる。
ミノス「ああ、すき焼きにしてみんなで食べたんだけど。すっげぇ美味かった!ありがとう、切島くん」
切島「やっぱりすき焼きにして食ったか。気に入ってくれてすげぇ嬉しいぜ!」
ミノスに満面の笑みでお礼を言われた切島は照れながら親指を立てた。
ミノス「じゃあ甘いもの食べたし、ちょっと運動して良いか?」
ミノスは運動をしようと、部屋にあるダンベルを持ち出して来た。
出久「あっ!そのダンベルカッコいいね」
ミノス「そうか!?」
出久「良かったら僕も運動に付き合って良いかな?」
出久は体作りの一環として、ミノスの運動に付き合いたいと思い、彼女に頼む。
ミノス「え?良いよ。一緒にやろうぜ!」
出久「ありがとう、ミノスさん」
ミノス「そんじゃあまずはダンベルでトレーニングからだ!もう2本あるから、出久はこれを使ってくれ」
出久「うん」
ミノスは出久にダンベルを2本渡した。
お茶子「デクくん気合い入っとるんね〜」
切島「俺らも何か運動するか?」
蛙吹「でも、今は緑谷ちゃんが」
ミノスは出久とトレーニングをしてる中、3人の話を耳にし、ダンベルを持ってる両腕の動きを止めた。
ミノス「出久くん、ちょっと中断するね。・・・みんなも一緒にやろうぜ!」
お茶子「え?良いの!?」
切島「心遣い良いなぁおい!」
蛙吹「じゃあお言葉に甘えて」
ミノス「でもダンベルは無いから交代交代でな」
ミノスは出久の様子を見ながら、後50回で交代するよう彼に言い渡した。
出久「はい、麗日さん」
50回となり、出久はお茶子にダンベルを渡す。
お茶子「ありがとう・・・って、結構重い!?」
ミノス「切島くん」
切島「サンキュ!?」
ミノスは切島にダンベルを渡して、それぞれトレーニングを始めた。そしてまた蛙吹にも渡った。
そして時が過ぎて、ダンベル以外にも腕立て伏せなどもやった。
ミノス「あ!そろそろあたし、牛乳配りに行かなきゃ!?」
ミノスは時計が目に入り、牛乳配達に行かなければならない事に気づいた。
出久「ん?ミノスさん、牛乳配達してるの?」
ミノス「ああ、あたし牛乳配達とか、工事現場でアルバイトしてるんだ。運動にもなるし、お金が貯められて一朝一夕だろ!」
ミノスは間違えながらも、自分の仕事を楽しそうに話した。
出久「一石二鳥・・・だけど」
切島「そうか、じゃあ俺らもう帰る頃か」
お茶子「もっと居たかったけど、しょうがないね」
蛙吹「また来ても良いかしら?」
ミノス「うん、勿論さ!」
ミノスは嬉しそうに微笑んだ。そして5人は外に出だ。
ミノス「じゃあみんな、バイバーイ!?」
ミノスはリュックを背負い、みんなに手を振って別れをした後、走って去って行った。
出久&切島&お茶子&蛙吹「さようなら〜」
出久達もミノスに手を振った後、駅に向かい 歩いて帰って行った。