そんなワケで、“オトナ限定・リレー小説”スレを立ててみた♪
【特記事項】
@序盤部では一人称形式をとらず、主人公にも名前をつけない。
A同時投稿などによって次走者が重複した場合には、その次の者が
任意で選択し、以下はそれに従う。
B主人公や物語の重要な設定を行う権利は「素数」順位の書き手が有する。
Cハードボイルド、推理モノ、恋愛モノ、人情モノ、なんでも可。
************************【開幕】************************************
男はその夜、ひどく荒んだ気分で深夜の繁華街を徘徊していた。
彼の痩身を包む黒いスーツはかなりくたびれた安物であったし、踵の減った
皮靴も決して上等とは言えない代物である。そして彼の横顔の翳りとなっているのは
何日も放置された無精ヒゲだけでは無いらしい。
午前零時を回った頃、したたか酔った彼が辿りついた駅裏の雑居ビル――
そこには数十軒の小さな飲食店がひしめき、内部は迷宮さながらの構造であったが、
古ぼけたエレベーターを何度か昇降した後、彼がふと足を停めたのは‥
遠い昔につきあっていた女性と同じ名前を店名に掲げたスナックの扉の前であった。