【寒空はキミのウソを笑ってた】

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1:空ラビ◆mU:2015/10/02(金) 19:29 ID:xlg

 ねぇ、大人になったら…

あのとき、まだ小さな手と手を握りあって、小さな約束をしたこと。小さなことだけど、私には大きな約束だったんだ。ねぇ、なのにキミの思い出の中に私はもういないんだよね…
やっと、キミの事忘れられたから…

本当は…あのときの約束、覚えてたんだよ。忘れられるわけないだろ?でも、ごめんな。あんな方法でしか、お前を守れない。まだ、思い出にできていないんだよ…
まだ、キミの事忘れられないんだ…

 10年の時を経て、また恋をする

「だったらさ、忘れてよ…。私のこと なんか。そして、また。 
 はじめましてをしよう?」
下田 未来 mirai simoda

「忘れられねーんだよ。10年も待っ てたんだ。あの日のこと、謝らせてくれないか…」
 結城 陸夜 rikuya yuuki

複雑に絡まりあう運命の糸。
止まってしまった歯車。
バラバラに砕かれたパズルのピース。

すべてがあの日に戻れば、キミがあの時、何を思ってウソをついたのか。
1つひとつ、謎が解けていく…

【寒空はキミのウソを笑ってた】
  

2:空ラビ◆mU:2015/10/03(土) 17:39 ID:xlg

No,0 『始まりの予感』

中学3年の春。進級したはずだけれど、特には変わりない毎日を過ごす私は、下田未来。
平凡で、キラキラな人達とは別世界。暗く生きているわけでもないどこにでもいる普通女子。身長は低めの155cmで低めだったり、髪の毛が地毛で明るい茶色なのがコンプレックスだったりもする。
普通じゃないのはなんだろう?
大切な幼馴染みがいて、優しい家族もいて、勉強はちょっぴり苦手だけど、運動は自信があったりして。
普通で平凡な毎日を過ごすのが当たり前で、それが何気ない幸せで。

その時の私は、まだ知らなかったの。これから、運命を変える人と出会うなんて。その人が…

私の記憶の空白にいる、あなただったなんて…
      

3:空ラビ◆mU:2015/10/03(土) 18:37 ID:xlg

No,1 『時が止まったようで』

「みぃ、こんな短時間でよく迷子にな れたね?」
今日は進級でクラス替えの日。中学3年生になったから、すっごく大人になって身長も伸びた気分!だったんだけど…
「えへへ、ごめんね、空ちゃん。着いていってたはずだったんだけど…」
私の幼馴染みで頼れる親友の、
北条 空音 (ほうじょう そらね)ちゃんは、絶賛私に飽きれ中です…
「来年は高校生なのよ?いつまで小学生気分なの?いや、みぃは一応中学生だったっけ…、それならもっとダメじゃないの!」
少し呆れ顔で、怒りながら言う空ちゃん。確かに、身長も頭脳だって小学生なんだけれどね…
「今度は迷子にならないから…ね?
 そ、そうだ!教室行かないと先生に
怒られちゃうな〜?」
話をそらそうと必死に訴える。私が悪いんだけどね?…空ちゃんと仲良くお話したいし…
「…もう。目が泳ぎすぎだって。仕方ないなぁ。じゃあ、教室行こっか。3-5って、春人の隣のクラスじゃないの。」
少し呆れて、そして笑顔になって、名簿を見ながらいう雪ちゃん。め…女神に見えるぅ…。
春人とは、進藤 春人(しんどう はると)のこと。
私は春君ってよんでるの。雪ちゃんと、春君。2人は大切な幼馴染みなんだ。
「そうなんだ〜!これからも、いっぱい3人でお話出来るね!幼馴染み3人で!」
そう、笑顔で私は言った。だって嬉しいんだから!大好きな2人と一緒にいられるんだもん。
「…そうね。3人で、話、せるわね。幼馴染み3人で。嬉しいよね。」
……雪ちゃん、少し顔が雲って見えたのは何で?“3人“の単語を言う度に、苦しそうに笑うのはどうしてなの?
「うん…、そうだね。席に着こっか…
また、後でね!」
その理由が聞けないのは…何故か、酷い頭痛がしてきたから。どうしたのかなぁ…。
頭をおさえながら、席につく。雪ちゃんもそんな私に気づいたようで、
“だいじょうぶ?”と口パクで心配そうにいった。
”だいじょうぶだよ”そう口パクで私もいった時、丁度先生が扉から入ってきた。
去年と同じ先生で、なんだか新鮮ではないけれど、落ち着くなぁ…
まだ、頭を押さえながらだけど、HRをちゃんと聞く事が出来た。
先生の話が終わって30秒後、少し痛みの収まった頭に、もっと酷い痛みが襲うことになる。
「と、いうことで。やっぱり、ずっと同じメンバーじゃつまらないだろ?だからってわけでもないけど…いいぞー!結城、入ってこーい!」
ガラッ…
そして入って来た男子は、すごくカッコイイ人だった。でも、それ以上に頭痛が激しくなっていく…
「…はじめまして。結城 陸夜です。 色々あって、この場所を離れていましたが、今回戻ってくることになりました。そのときの知り合いはもういないだろうけ…ど…」
そう結城君が言った瞬間目が合った。

なんでかな…、目がそらせないのは。
時が止まったように、私達の間にゆっくりと時間が流れる。
「結城、どうした?緊張で固まったかー?」
そんな茶化すような先生の声で、教室中が爆笑の渦に包まれる。その声で、結城君も我に戻って、
「え、あ。よろしくおねがいします」
少し挙動不審になりながら、挨拶を済ませていた。
この時の私は、頭痛と早くなる鼓動の意味を探していて、知らなかったんだ。
雪ちゃんが、悲しい表情を浮かべて
「陸夜…、なんで帰ってきたの?もうこれ以上、みぃを傷つけないでよ…?」
そう、呟いていたことを。

4:空ラビ◆mU:2015/10/04(日) 08:19 ID:xlg

No,2 『変わらないはずなのに』

結城君が転校してきて、1ヵ月が経った。たまに挨拶くらいはするけれど、ただのクラスメイトの関係。
結城君は、女子からも男子からも人気であっという間に、学年の中心グループとも仲良しになっている。
勉強も運動もなんでも出来るし…すごいなぁ。
あの謎の頭痛も段々しなくなってきて、結城君とは本当に別世界になってきた5月のこと。
「じゃ、お前ら帰っていいぞー」
という、担任の声を合図に部活に皆行き始める。いつも思うんだけど、帰る人ってあんまりいないよね…
ちなみに私は美術部に入っている。雪ちゃんが絵を書くのが好きで、私も頑張りたいなって、ただそれだけだけどね。
「みぃ、そういえば今日は九条先生出張で部活なかったよね?」
部室に向かおうと準備していた私に、慌てたように雪ちゃんが言った。確かに、昨日言われたかも…
「そうだったね!じゃあ、今日は暇になっちゃうなぁ…」
どうしよう。暇だからお勉強なんて選択肢、私用意しようともしてないんだよねぇ。……私ダメじゃん。
なんて、頭の中で悶々と自問自答を繰り返していた私に、雪ちゃんが女神のお言葉を一言。
「だからさ、今日3人でショッピングモール行かない?私と、みぃと、春人と3人で」
雪ちゃんが笑顔で私に言う。最近あんまり話せてないじゃん?と付け足して。
「いいね!うん、いこういこう!時間が惜しいよ、急いで春君呼びにいって、駆け足いきましょうっ!」
そして元気になる私を、単純ではなく素直と呼んでほしいな。

あれから急いで、春君を呼びに行き、バスに乗ってショッピングモールに着いた。
春君には、「急いで!」としか伝えておらず、「え?何があるの?」といいながらも、しっかりと着いてきてくれたのには感謝します。ありがとう。
「よし!まずは、パフェ食べよう!」
大きい声で、私がモールの中の店であるカフェを指差して宣言する。甘いもの食べたいんだよねぇ…
「もう、みぃったら。私はいいけど、春人は甘いもの苦手でしょ?ねぇ、春人はいいの?」
雪ちゃんが春君の方を見て首をかしげて聞いている。そうだった、春君は甘いの無理だったんだった!
「ごめん、春君!甘いのは無しでいいから…ねぇ、春君。怒っちゃったの?」
慌てながら謝るけれど、一方を見つめたまま動かない。温厚な春君を怒らせちゃった!?
「ね…ねぇ、春人。みぃも謝ってるし、許した…ら……、なんで…」
雪ちゃんも、春君と同じ方向を見て固まってしまった。何がどうなってるの?メデューサでもいるの?
「あ、あのさ、本当にごめんね?どっ、土下座かな?ねぇ「…許さないよ。」
私の言葉を遮り春君がそういう。やっぱりすごく怒ってるんじゃん!?
あわあわなりはじめた時、春君と雪ちゃんの言葉で私は混乱することになる。
「許さない…陸夜。なんで帰ってきたんだよ。」
「もう、みぃには近づけさせない。これ以上、苦しめないでよ…」
2人が見ていた方向には、こちらを見つめる結城君がいた。何を言っているの、2人は。
変わらないはずの日常がかわり始める、それの合図のように、私に再び頭痛が襲い始めたんだ…

5: らいむ ◆4E:2015/10/04(日) 10:40 ID:WNs



とても面白いですね!(*´∀` *)
続き楽しみにしています!


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