【寒空はキミのウソを笑ってた】

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1:空ラビ◆mU:2015/10/02(金) 19:29 ID:xlg

 ねぇ、大人になったら…

あのとき、まだ小さな手と手を握りあって、小さな約束をしたこと。小さなことだけど、私には大きな約束だったんだ。ねぇ、なのにキミの思い出の中に私はもういないんだよね…
やっと、キミの事忘れられたから…

本当は…あのときの約束、覚えてたんだよ。忘れられるわけないだろ?でも、ごめんな。あんな方法でしか、お前を守れない。まだ、思い出にできていないんだよ…
まだ、キミの事忘れられないんだ…

 10年の時を経て、また恋をする

「だったらさ、忘れてよ…。私のこと なんか。そして、また。 
 はじめましてをしよう?」
下田 未来 mirai simoda

「忘れられねーんだよ。10年も待っ てたんだ。あの日のこと、謝らせてくれないか…」
 結城 陸夜 rikuya yuuki

複雑に絡まりあう運命の糸。
止まってしまった歯車。
バラバラに砕かれたパズルのピース。

すべてがあの日に戻れば、キミがあの時、何を思ってウソをついたのか。
1つひとつ、謎が解けていく…

【寒空はキミのウソを笑ってた】
  

16:空ラビ◆mU:2015/10/10(土) 16:41 ID:xlg

>>15

うわっふ、わっふ、ななじゃん!

うまいだなんて……(´∀`*)照
頑張れるだけ頑張らせていただきます(笑)
読んでくれてありがとーね♪

17:空ラビ◆mU:2015/10/10(土) 17:18 ID:xlg

(またまた途中でした、ごめんなさい!)

ズキズキとする頭を少し撫でるようにおさえ、笑顔で私はいう。
「はい、下田未来です。陸君のお見舞いに来ました。」
イケメンさんの目を見ていった私、やっぱり…と呟いて、イケメンさんは喜びながらも、少し不思議そうに
「やっぱり、未来ちゃんだったんだ。久しぶりだね……って、そういえば覚えてなかったか。俺は、陸夜の3コ上の兄、雅夜(まさや)です。
どうぞ、陸夜の為に来てくれてありがとう。さ、入って」
雅夜さんは、少し寂しそうに笑って、本当の初対面のように話してくれた。どんどん痛む頭、あれ、あれ……
思わずしゃがみこむ、私に背を向けて玄関を開けようとしていた雅夜さんは急いで振り返って私に駆け寄る。
「どうしたの、未来ちゃん!?走りすぎて疲れた…?とにかく、家に入ろう…」
慌てて、私の顔をのぞきこみ、すごく心配したように家を指差しそういった。
「待って、………ちょっと待って」
私が絞り出すように声を出し、必死にそう告げると
「……分かったよ」
何かを察したように、雅夜さんは頷いた。あと、もう少しで……
…………………あっ、…
………………っ!!!
「雅君…雅君なんだね…?思いだしたよ、ごめんね。忘れちゃってた…」
何故か忘れていたはずの1ピースを思いだした。そうだ、たしかお兄ちゃんみたいだなって思ってて…
「まさか、俺のこと…思い出したのか…。でも、陸夜の事は思い出せてないんだろ?もしかしたら、この家がヒントになるのかもしれないよ。今度こそ、陸夜に会ってやってよ。」
すごく、嬉しそうに笑う雅君。でも、少し悲しそうにも笑う。ごめんね、雅君も陸君も、皆を傷つけてる…
だからこそ、思い出したい。
陸君のいる家に入って、靴を脱ぐ。
何となく陸君の香りがする。
「あれ、陸夜の靴なんで出してあるんだろ。あー、あれだな。風邪なのに買い物行こうとして、結局無理だったパターンだよね。」
そういって、笑って陸君の靴を靴箱に入れた。陸君のバーカ。風邪の時に出ようとするんじゃないよ。まったく。
もっとひどくなっちゃうじゃんね…
「じゃ、陸夜の部屋まで案内するよ。」
「うん、ありがとう。」
私はこの時知らなかったんだ。まさか、陸君が家の前の私達の会話を聞いていたなんて。
そして…
「ゲホッ、な、んで。兄貴の方を先に思い出してんだよ…、早くお、れの事、ゴホッ、思い出せバカ…約束も忘れてんだろ…?」
そう苦しそうに天井にむかって呟いていたことを。

18:空ラビ◆mU:2015/10/10(土) 19:19 ID:xlg

~陸夜~

No,9 『』

未来にメールを送ってから何十分かがたち、家のチャイムがなった。兄貴が返事をする声が2階である俺の部屋まで聞こえる。
「そ…ろそろか、未来がくるの」
自分でいって、少しだけ頬を緩ませる。……ダメだ、普通の俺でいないと。

あれからかれこれ、5分はたった。
何か、あった…?
兄貴と未来に”何か”あったんじゃないか…
昔の俺みたいに…
そんな考えが頭をめぐる。
「ゴホッゲホッ、行くか…」
フラつきながらも、ゆっくりと壁をつたって歩く。髪は少し寝癖ついてるけど、まぁいいよな。
ゆっくりゆっくり歩いて、ようやく玄関付近につく。……話してる?
少し話し声が聞こえた気がした。
気になって、靴を出し静かに玄関を開いて顔をのぞいてみる。
………そこには、しゃがんでいる二人。兄貴が未来をのぞきこんでいる形で……すごく、 近いじゃねーかよ…
そして、次に未来の話した言葉は、驚くべきものだった。
「雅君…雅君なんだね…?思い出したよ、ごめんね。忘れちゃってた…」

……!?
音をたてないように、ゆっくりとドアを閉め急いで靴を脱ぎ散らし、階段をかけ上がって俺の部屋へ急ぐ。
「ハァ…ハァ、ゴホッ、ハァ…」

未来が、兄貴の事、思い出した…?
喜ばしい事だけど、黒い感情が俺を襲う。この感情の名前は…嫉妬。
この感情を知った途端、俺が最低な人間に思えてくる。何考えてんだよ。俺の大切な兄貴の事を、未来が思い出しただけだろ?兄貴は良いやつなのに…

呼吸を整えてから、天井を見て呟いた言葉は、お前に届かないのに…。


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