私が生きる意味って…なに?

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1:苺ましまろ*◆LM せせせせ:2016/02/26(金) 19:53 ID:W6s

いじめや鬱病をテーマにした小説を書こうと思います。
今回はただの好奇心で書く物ではありません。たくさんの人にいじめや鬱病の辛さを分かって貰いたいから書きます。
荒らしは断固お断りです。

いじめをしてる人、いじめに加担している人、いじめを見てみぬふりをしてる人、いじめられている人に読んで貰いたいです。

2:苺ましまろ*◆LM せせせせ:2016/02/26(金) 19:58 ID:W6s

第1話 人間不信

1,ゲーム


私は葉月小学校に通う小学五年生。名前は尾崎はすみ。
成績は中の下、運動は中の上。顔もスタイルも平均値。どこにでもいそうなただの小学生。

今週も憂鬱な学校生活が始まるのか…。そう考えるだけで体も気持ちも重くなる。

3:苺ましまろ*◆LM せせせせ:2016/02/26(金) 20:07 ID:W6s

今日も緩やかな坂道を上っていく。
緩やかとは言え、夏場は汗がしたたり落ち、冬は震える足を踏ん張っていくからかなり辛い。
今は春だからいいものの、梅雨が明けたら地獄の日々が始まってしまう。

「おはよう、はすみ!」
「あ、ゆきなちゃん、おはよう」
朝からテンション高いなあ。
彼女は森川ゆきなちゃん。一年生からずっと同じクラスの友達。優しくて元気で、クラスのムードメーカー的存在。
暗くて空気を読めない私とはまるで正反対だ。
「まだクラスの子たちとコミュニケーション取れてないな〜…
まあ、私がいるから安心しなさい!」
「……うん、ありがとう」
ゆきなちゃんのテンションに正直着いていけないが、独りで下を向いているよりはマシだ。

でも……。
ゆきなちゃんはクラスの人気者。他の友達もたくさんいる。だから、私はいつかゆきなちゃんが誰かに取られてしまいそうで怖いのだ。
そしたら私は独りぼっち。救いも何も無くなってしまう。

「大丈夫、私がクラスに溶け込めるように協力するから!元気出せよ〜」
背中をバシバシと叩かれる。正直かなり痛いが、元気が湧いてくる。

「うん、ありがとう…」
私たちは校門を潜り抜けた。

4:苺ましまろ*◆LM せせせせ:2016/02/26(金) 21:01 ID:W6s

教室に入ると、既に数人の女生徒が談笑していた。
私たちが教室に入るなり、彼女たちの会話が途切れ、速足でこちらに寄ってくる。
もちろん、彼女たちの目的はゆきなちゃんだ。
「おはよう、ゆきな!」
「宿題やったー?」
「昨日のドラマ見た?」
一斉にゆきなちゃんを取り囲んで、私になんて見向きもしてくれない。まあ、もう馴れてきたけどね、こんな扱い。
私は邪魔者だ、早くかばんを置いてトイレにでも行こうか。
女生徒たちの横をすり抜けて教室に入ろうとすると、突然ゆきなちゃんに腕をつかまれた。
「あれ、なんで行っちゃうの?」
「え、いや、あの……」
私は戸惑いを隠しきれず、しどろもどろになってしまう。ああ、どうしよう。絶対変に思われてる…。

5:苺ましまろ*◆LM せせせせ:2016/02/27(土) 06:54 ID:W6s

「あれ、尾崎さん居たんだー?」
「全然気が付かなかったよ〜」
「だって暗いし無口だし存在してるかすら分からないじゃん」
女生徒たちはクスクス笑いながらそんな台詞を放った。
「こーら、そんな言い方ないでしょ?はすみだって気にしてるんだから!
ねえ、はす……み…………?」

私は震える手を握り締めて、廊下に逃げた。
なんで、なんで!?
私の気にしてること、なんでそんな風に笑うの?意味が分からない!
ゆきなちゃんは庇ってくれた。でも、でも……。あいつらにゆきなちゃんを取られたらどうしよう…。

絶対に、絶対に許せない……。
私の辛さを味わわせてやるんだ…。

6:苺ましまろ*◆LM せせせせ:2016/02/27(土) 07:02 ID:W6s

休み時間、私はトイレの一番奥の個室に駆け込んだ。
「どうして…私のこと分かってくれないの?私のことを分かってくれない人なんていらない……皆、酷い目に逢えばいいんだ……」
私の中はたちまち復讐の気持ちでいっぱいになった。どうしてもあいつらを痛めつけてやりたい。そうしないと気が済まない。

「………いじめ」
私は口から零れたその言葉を、もう一度繰り返した。
「……そうだ、あいつらの誰か一人をいじめてやればいいんだ。そうしたら三人はバラバラになって皆独りぼっちになる……!」
我ながらいい考えだ。
いじめはよくない。だけどあいつらが言ったことも言葉の暴力だ。私が傷付いたのが何よりの証拠だ。

「……絶対に、反省するまで痛めつけてやる…」

私は個室から出て、大きな鏡の前に立った。鏡に映った私の顔は醜く歪んでいた。

「こんなにわくわくするゲーム、初めてだよ……」
私はトイレから出て、クスクスと笑った。

7:苺ましまろ*◆LM せせせせ:2016/02/27(土) 07:12 ID:W6s

2,狂い始めた歯車


「ごめんね、はすみ…。」
教室に戻った私を待っていたのは、両手を合わせたゆきなちゃんだった。
「朝、あの子たちが酷いこと言って…
私から注意しておいたから、もう大丈夫だよ!」
ゆきなちゃんは優しいよね。こうやって私のことをよく分かってくれて。
分かろうともしない奴とは大違いだ。

「うん、もう気にしてないよ?」
私は笑顔を醜く歪んだ顔にくっ付けた。
「そっか!良かった!」
「それよりゆきなちゃん……
あの三人の名前、教えてくれない?」
クラスメイトの名前なんて覚えてない。覚える必要ないと思ってたから。
「うーんと、あのポニーテールの子が岩井あいな、ショートカットの子が上原まゆみ、三編みの子が渡辺るり。」
ゆきなちゃんはスラスラと名前が出てくるようで、すぐにそう答えた。
「……ありがとう」
私は嫉妬に唇を噛み締めながら呟いた。爪が手のひらに食い込む。

私は廊下に出て、クスクス笑った。
「………決めた」
私は大きな声が出そうなのを堪えながら呟いた。

「………ターゲットは、渡辺るりにする……」

8:苺ましまろ*◆LM せせせせ:2016/02/27(土) 07:21 ID:W6s

渡辺るり。長い三編みと眼鏡が特徴の女の子。
成績はいい方、運動はダメダメ。
真面目で学級委員で、地味だけど話上手。
他の二人に比べると、顔はそんなに良くはない。背も小さい。
別にこれといった意味はないが、こいつが一番調子に乗っていそうだったから。

「……私が直接いじめたら、きっとゆきなちゃんに嫌われちゃう…
それにゆきなちゃんに気が付かれないようにしなくちゃ……きっとゆきなちゃんなら助けるよ……」
私はぶつぶつと呟きながら廊下を歩いた。
「ぃいった!」
「っ!?」
その時、私は前を見なかったせいか、誰かとぶつかってしまった。
「あ、あの、すみませ、……」
「ちょっと、気を付けてよね?
って、うっわヤバ………」
私がぶつかった彼女は、紛れもない渡辺るりだった。
彼女の視線の先には、割れた眼鏡があった。どうやらぶつかった衝撃で落ちてしまったようだ。

「どうしよ〜…お母さんに怒られちゃう…」
「あの、どうしよ……」
内心ざまあみろとか思ってるけど、そんなのは表に出さない。
「ちょっとどうしてくれるのよ?
私の大切な眼鏡……弁償しなさいよね?」
彼女は強い口調で私に迫った。

9:苺ましまろ*◆LM せせせせ:2016/02/27(土) 07:29 ID:W6s

「え、あの………えと……」
私は混乱した素振りを見せた。
「はあ……私ね、ずっとあんたが邪魔だったのよ」
彼女の口から衝撃の一言が漏れた。
「いっつもいっつもゆきなにくっついて、私たちの前では急に静かになって。おかげで私たちが何かしただとか変な噂が流れてるのよ?」
彼女は私を責め立てる。
ふふ、何それ。何も自覚ないの?私のことを自覚もなしに傷付けて、知らない間にいじめられることになったのも知らずに偉そうだな。
「……い」
「は?何か言っ……」
「痛…い……」
「え?」
私はしゃがみこんで、眼鏡の破片を手に取り、腕の上に滑らせた。激痛が走るが、心の傷よりは全然痛くない。
「な、何して…」
私は戸惑う彼女を見上げてにやりと笑った。

「や、やめて、渡辺さん!!」
私は叫んだ。
「どうしたの!?」
「一体何事なの!?」
ゆきなちゃんと担任が駆け寄ってくる。状況がつかめないのか、そのまま立ち止まってしまう。
「っ!!はすみどうしたの、その腕の傷!」
ゆきなちゃんは気が付いたのか、私の腕を取り、大きな傷を見る。血が腕を伝って滴り落ちる。

10:苺ましまろ*◆LM せせせせ:2016/02/27(土) 07:33 ID:W6s

「渡辺さん、何かしたの?」
先生も立ち尽くす渡辺を見つめる。
「私は何も…」
「私がよそ見してたらぶつかって、何度も謝ったのに……渡辺さんが怒って眼鏡の破片で私を切ったんです…」
私は泣きながらそう言った。もちろんこれも演技だ。ただ、かなり痛いのは事実。
「本当なの?渡辺さん」
「るり……何でそんなこと」
二人は哀れむような目で渡辺を見つめる。
「私は…私は何もしてない!尾崎が自分でやったの!」
「でも尾崎さんは貴女がやったって…」
「信じて下さい!私は何もしてません!」
「にわかには信じがたいわ。後で二人は職員室に来なさい」

その時、三時間目の始まりを告げるチャイムが鳴った。

11:あやや◆dA:2016/02/27(土) 09:17 ID:eyU

うわぁ!どうなるの!?
あ、勝手に来てごめんね〜
小説、読んでるよ〜♪

12:かき氷:2016/02/27(土) 13:42 ID:eRI

私も見るー!
ってか見てたけど笑笑
続き楽しみだなー!

13:苺ましまろ*◆LM せせせせ:2016/02/28(日) 10:16 ID:W6s

>>11-12わあああありがとうございます!
なんか色々グダグだですが……*
これからもがんばりますm(_ _)m

14:苺ましまろ*◆LM せせせせ:2016/02/28(日) 10:22 ID:W6s

昼休み、私と渡辺は別々に職員室に向かった。
私は東側の階段を下りた。
「待って、はすみ!」
「ゆきなちゃん……追い掛けてきたの?」
どうやらゆきなちゃんはずっと私の後を追ってきていたようだ。全く気が付かなかった。
「どうしたの?」
「私も行く…!本当のことを知りたいの。だって、るりはわざとあんなことする子じゃないもの。私はるりのこと信じてるもの!」
ゆきなちゃんはそう言うと私の手を引いて階段を下りていく。
このまま立ち止まっていたら転んでしまうから、私も足を早めた。
「ねえ、はすみは…本当に何もしてないの?」
ゆきなちゃんは眉を八の字にして立ち止まった。
…何それ、何それ。何それ!
「……何それ、私のことは信じられないの?」
「え?」
「渡辺さんのことは信じてるのに、私のことは信じてないんだ…」
演技じゃない。これはかなり傷付いた。やっぱり、こんなことしても自分も相手も傷付くだけなんだ…。

15:苺ましまろ*◆LM せせせせ:2016/02/28(日) 10:26 ID:W6s

どうして今まで気が付かなかったんだろう。
私みたいな独りぼっちが友達がたくさんいる渡辺さんをいじめたって、誰も協力してくれるはずがないのに。
逆に私がもっと嫌われてしまうかも知れないのに。
私って本当にバカだ。
「……はすみ?」
ゆきなちゃんもきっと私を嫌ってしまうよ。だってこんなに弱くて卑怯なんだもん。
「ゆきなちゃん、私……」
謝る。ちゃんと正直に言うんだ。
「私、渡辺さんたちがゆきなちゃんと仲良くしてて、それに嫉妬して……」
私はちゃんと全部話した。ずっと不安だったこと、本当はみんなと仲良くなりたかったこと。
「……そんな…はすみが?」
「……ごめんね、ごめん……」
許してもらえるわけない。いくらゆきなちゃんでも、こんなの絶対に許せないよ。

16:苺ましまろ*◆LM せせせせ:2016/02/28(日) 10:32 ID:W6s

私は黙りこくるゆきなちゃんの顔を除き込んだ。
「あの、ゆきなちゃ……」
「信じてたのに……」
「え?」
「信じてたのに!!」
ゆきなちゃんは声を枯らして叫んだ。廊下に甲高い声が響く。
「私、はすみのことも、るりのことも信じてたんだよ!?
きっと破片が跳ねてはすみが怪我して、るりがやったって勘違いしてただけだって思って、……二人とも悪くないって信じてた。
なのに……はすみは自分でやって、るりを悪者にしていじめようとしてたなんて……」
ゆきなちゃんは綺麗な黒い瞳に涙を浮かべながら叫び続ける。
「はすみは……私の好きなはすみは、こんな子じゃない!」
ゆきなちゃんは最後にそう言い放って、階段をかけ上がっていった。

階段に残された私は、ただ呆然と立ち尽くすことしか出来なかった。
「……ちゃった」
嫌われちゃった。口からそんな言葉がこぼれる。
嫌われただけじゃない。私は渡辺さんも、ゆきなちゃんも傷付けたのだ。

「………何してるの、私」

17:苺ましまろ*◆LM せせせせ:2016/02/28(日) 10:39 ID:W6s

3,心情


胸が酷く痛んだ。まるで包丁でめった刺しされているみたいに、ズキズキと痛む。
「ごめんなさい……ごめんなさい……」
涙と共に、後悔の感情がこぼれ出す。
私は一時の感情で、二人の人間を傷付けてしまったんだ。
自分が一番されたくないことを、大切なクラスメイトにしてしまったんだ。

私は何をしているんだろう。こんなことしたかったんじゃない。
「……もう、消えたいよ」
涙が止まらない。顎を伝って涙が傷口に落ち、血が滲む。
「ゆきなちゃんも、渡辺さんも、こんなに痛かったんだね…」
自分で傷付けるより、何十倍も痛いよね。信じてた人がこんなことしてて、何百倍?痛いよね。
私なんて、消えても誰も悲しまないよね。みんな喜ぶよね、こんな人間の恥みたいな私なんて。

18:苺ましまろ*◆LM せせせせ:2016/02/28(日) 10:46 ID:W6s

そうだ、職員室に行かなくちゃ。
先生も渡辺さんも待ってるのに、また迷惑かけちゃう……。
ふらふらと歩き出す。階段をゆっくり降りる。
その時だった。
傷口が手すりの金具に当たり、めりめりと裂けていき、金具が裂けた傷口にめり込んだ。
真っ赤な血と肉が丸見えになる。
「ひっ……ぃぁあ"あ"あ"あ"ああ"あああ"!」
あまりの痛みに私はその場に倒れた。しかしここは……階段だ。
そのまま斜めに体が傾いて、頭から落ちていく。
凄まじい音と共に私は階段の角や壁に体を打ち付けられ、骨が折れる音や脳が揺れる音が聞こえてくる。
猛烈な吐き気と骨が折れた違和感、そして体中から込み上げる痛みが私を襲う。
「……かはっ」
目の前に広がる血と割れた歯を見つめる。
私はそのまま意識を失った。

19:かき氷:2016/02/28(日) 10:58 ID:1R2

続き楽しみにしてるね!

20:かき氷:2016/02/28(日) 11:02 ID:1R2

てゆうか想像するだけで怖い・・(´;ω;`)
私もいじめられてたけど、ここまではひどくなかったし・・

21:苺ましまろ*◆LM せせせせ:2016/02/28(日) 11:35 ID:W6s

目が覚めると、目の前は真っ暗だった。
目を開けようにも開けられず、代わりに目に激痛が走った。
「…った」
腕も、首も、足も、身体中どこも動かせない。
「な…ん……で……」
声を出すのも精一杯だ。掠れたその声は、とても自分のものとは思えなかった。

22:苺ましまろ*◆LM せせせせ:2016/02/28(日) 11:36 ID:W6s

>>19-20
実はまだいじめは始まってないんですよね〜…*いじめ怖いですよね…
私も階段から落ちたことありますが実際もこんな感じでしたよ〜**

23:苺ましまろ*◆LM せせせせ:2016/02/28(日) 11:44 ID:W6s

4,いじめ


私は医師からの説明を聞き、やっと状況がつかめた。
私はあのとき階段から落ちて、騒ぎに気が付いた教師たちが救急車を呼んでくれたようだ。
目も左目は潰れていて、右目もかなり危ないようだ。
頭を強く打っていて、生死の境をさ迷い、骨も数ヵ所折れ、原形をとどめていなかった。
「………何……これ……」
鏡に映る自分の変わり果てた姿……まるでこの世の者ではないような姿に、私は酷く怯えた。
足は外側に折れ曲がり、くびは固定されてて見えないが、きっともう動かせないのだろう。右目でなんとか見えるが、左目は開けることすら出来なかった。
歯も数本折れていて、喋ることも難しい。

24:苺ましまろ*◆LM せせせせ:2016/02/28(日) 11:53 ID:W6s

私は深くため息を吐き、目を閉じた。


翌日、ゆきなちゃんと渡辺さんが来た。もしかしてお見舞い?とか思ってたけど、そんな都合いいわけがない。
「はすみ、具合はどう?」
いつもより愛想が悪いゆきなちゃんに少し怯える。渡辺さんはバカにするような目で私を見ている。
「……あんまり」
私は小さくそう答えた。
目を合わせにくい。こんな姿になって、みんなに気味悪がられるに決まってる。
「ふーん。
私さ、はすみのこと、今でも信じてるよ。こんな姿になっても、ずっと大好きな友達だって思ってるよ。」
ゆきなちゃんははっきりした声で言う。……でも、今は何も考えたくない。きっとゆきなちゃんは心の中では私のことを嫌っているよ。私はもう誰も信じられない。
「でもね、はすみはまだ、るりに謝ってない。怪我をして大変だろうけど、これはすぐにでも謝らなくちゃいけないよ?
ねえ、はす…」
「……うるさいな」
私の口からは思ってもいない言葉が出てきた。
「うるさいうるさいうるさい…!
私は渡辺さんに酷いことして、怪我して、ゆきなちゃんに嫌われて、自分なんて何の価値もないって思いしって、なのに……。
なのにこれ以上、何をしろっていうのよ!?」
私はもういっぱいいっぱいなの…。
もう許して、早く楽になりたいから……。

25:かき氷:2016/02/28(日) 15:36 ID:eRI

小説書くのうまいねー…
なんか溶けこめるってゆーか…

26:あやや◆dA:2016/02/28(日) 16:08 ID:eyU

こ…怖い…(・д・)

27:苺ましまろ*◆LM せせせせ:2016/02/28(日) 16:44 ID:W6s

>>25-26やっぱり自分で経験してるからかな……
それにしても表現エグいし話の展開早いしかなりおかしくなってる…(´^_^`)

28:あやや◆dA:2016/02/28(日) 16:49 ID:eyU

経験したの!?
苦しかっただろうね…(泣)

29:苺ましまろ*◆LM せせせせ:2016/02/28(日) 16:51 ID:W6s

私は息を荒げて、こぼれる涙を必死に抑えようと試みたが、……ダメだった。
「……ごめん」
ゆきなちゃんは申し訳なさそうに下を向いた。
ゆきなちゃんも渡辺さんも何も悪くないんだ。悪いのは全部私なんだ。こうなったのも、全部自業自得なんだ…。
本当のことを指摘されたのを嫌がらせと勝手に勘違いして、勝手に嫉妬して、勝手に傷付いて、本当に馬鹿みたいだ。
こんな人間にも、ちゃんと感情があるってことが憎らしい。
そうだ。感情なんて最初から無ければよかったんだ。そうすれば、一時の感情なんかであんなことしなくて済んだし、悲しまなくて傷付かなくてもよかったんだ……。
「はすみ、顔色悪いよ?先生呼んでこようか…?」
ゆきなちゃんの声が耳に届く。でも、何を言ったのかがよく分からない。
「……何か言った?」
「はすみ、大丈夫なの?なんか、はすみ…壊れてるみたいで……」
今度は「壊れてる」だけ聞こえた。そうだ、きっと私は心身共に壊れてきているんだ…。

30:苺ましまろ*◆LM せせせせ:2016/02/28(日) 20:29 ID:W6s

昔テレビで見たことある。精神病を患って、少しずつ引きこもるようになって、やがて誰とも口を利かなくなり、人間不信になってしまう病気。
いじめが原因とか、大事な人を亡くしたとか、悲しくて辛いことがある人に多く見られる様だ。
私は?私は逆だ。人を傷付けようとした。
本当に愚かだ。哀れだ。
「はすみ…お願い、学校に戻ってきて」
「……学校」
学校。もうあんなところ、行きたくない。どうせ化け物扱いされるだけだ。
「はすみはみんなのこと嫌いなの?違うよね?大好きだよね…?」
「…話したこともないし、存在すら知られてないもん。…そんな人たちのこと、好きなわけないでしょ」
私はわざとゆきなちゃんたちに背を向け、涙を隠した。
「………そんな……」
ゆきなちゃんは絶望したように声を震わせた。

31:苺ましまろ*◆LM せせせせ:2016/02/28(日) 20:36 ID:W6s

私にはもう、何もない。希望も光も、何も残ってない。
唯一の希望だったゆきなちゃんも、自分から遠ざけてしまったんだ。
「…ゆきな、もういいじゃん、帰ろ………」
さっきから黙っていた渡辺さんがそう言う。
「もういいよ、尾崎さんもショックで疲れてるだろうし……」
私なんかに気を使わなくていいのに。だって私だよ?こんな…こんな何の価値もない私に……。
「じゃあね、尾崎さん。
また来るから…」
「……またね、はすみ……無理しないで…」
二人はそう残すと、カーテンを閉めて出ていった。
また来るのか…逆にそれが、私にとっては負担だ。気を使わせて、自分がそんな程度の人間だって思い知らされる。そんなの、アイスピックで胸を抉られてるようなものだ。
「……もう嫌、私なんて……」

早く、消えて無くなればいいのに。

32:苺ましまろ*◆LM せせせせ:2016/02/29(月) 07:26 ID:W6s

次の日も、その次の日も、ゆきなちゃんと渡辺さんはやって来た。
県内で一番大きいこの総合病院は、学校から一時間もかかるところにある。毎日来てよく疲れないなあ…。
「はすみ、調子は…どう?」
「………」
私は今日も何も言わずに、閉めきった窓を凝視する。
「ねえ、何とか言ってよ…
言葉、喋れなくなっちゃうよ……?」

私なんかを心配して、ゆきなちゃんって本当に……おせっかいだな。私なんかの心配しても、なんの特にもならないのに。
「……また来るね、」
ゆきなちゃんと渡辺さんはカーテンを閉めた。

そんな日々が、約3ヶ月も続いた。
私は大分回復してきて、学校に行くことも認められた。……私は行きたくないんだけどね。
「よく頑張ったわね。大丈夫、学校のみんなには事情を説明してあるから。」
……そんなの意味ないって。先生は知らないだろうけど、きっとあの頃の私みたいなことを考えている子はたくさん居るんだよ。

世の中はそんなに甘くない。社会の百万分の一も大変じゃない学校でも、そんなことがあるんだよ。

33:苺ましまろ*◆LM せせせせ:2016/02/29(月) 16:39 ID:W6s

なんて、私が言って言い訳ない。私に選択する権利なんてない。
自分を追い詰めて追い詰めて、限界まで追い詰めたら、崖でつま先立ちするみたいに楽な気持ちになりたい。今までよく頑張ったねって、そのまま落ちていきたい。
「……はい」

明日から、学校生活が再び始まるんだ。……でも、今まで通りの生活になるなんて、…そんな訳なかった。

34:苺ましまろ*◆LM せせせせ:2016/02/29(月) 16:48 ID:W6s

一睡も出来ないまま、私はカウンセリングの先生に車イスを押されながら校門をくぐった。足の歪みが目立たないように、膝の上には長めのタオルケットをかけている。タイヤに巻き込まれないようにゆっくり進む。
「…はすみ、おはよう…」
ゆきなちゃんの声。聞き慣れた声なのに、どこか懐かしく感じた。
「ああ、おはよう、ゆきなちゃん……」
私が挨拶を返したことで安心したのだろうか、ゆきなちゃんはガーベラみたいな笑顔になって私の横を歩く。
私が挨拶をしただけでも喜んでくれる人がいるんだ…。
「ねえ、はすみ!また一緒に給食食べようよ!今日はね、はすみと私が大好きなベーグルなんだよ!」
ゆきなちゃんは私を元に戻したいのか、声のトーンを上げて喋る。
「………そうなんだ」
私はもう差し歯だから、かたいものは食べられない。学校のベーグルは何故かかなり固いから…。
「私、はすみのこと守るから。
みんながはすみのことを障害者扱いしても、私は今までみたいに仲良くするから…!」

障害者…?私に、障害を持った人達の辛さなんてわからない。
そんなに甘くないんだよ、本当の障害は……。


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