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3:慧義◆HQ:2017/01/03(火) 21:44 蝉が煩い夏の日。
私、愛はぼんやりと外を眺めていた。
「愛!どうしたの!」
私の親友、柚が明るく話しかけてくる。
「私で良かったら、話聞くよ?」
流石、私の親友だわ。待っていた言葉を言ってくれる。
「ねぇ。担任ってウザイよね。」
私は独り言を言うように呟いた。
「なんだ。そんなことか。勿論、ウザイよ。」
「だよね。ねぇ、担任をこのクラスから追い出さない?」
「は?」
私は思ったことを口に出した。
担任。あんな奴なんてこの教室に要らない。
さっさと出ていけばいい。
そのあとは柚とも会話が続かず、ただ二人、ぼんやりと外を見つめていた。
私、愛は面倒くさがりながらも掃除を終えた。
次は朝の会というまたまた面倒くさいものだ。
「ふわ〜ぁ……」
私は大きな欠伸をして、机に倒れこむ。
「おーい。そこの寝てる奴!起きろよー」
担任の声が聞こえる。
私はあまりにもムカついたが、一言冷静に言うだけにした。
「そんな寝癖ついてて寝坊で学校に来るの遅れた人に言われても。」
私が一言冷静に言い放つと、
「ぎゃははは。」
笑い声が聞こえてくる。
この声はクラス1のお調子者、源太だ。
「こらー!源太!笑うんじゃないっ!」
担任のうるさい声を聞いて、私はまた欠伸をした。
「キーンコーンカーンコーン……」
チャイムの音が響きわたる。
担任は慌てて、朝の会を進める。
「ほら!保健委員!健康チェックして!」
「はーい。」
保健委員は、私の彼氏の聡と柚の彼氏の准だ。
次々に出席番号を呼んでチェックする。
「あれ?」
聡がぼそっと呟いたこの一言、私も担任も聞き逃さなかったようだ。
「どうした?」
担任が聡と准に問いかける。
「出席番号20番の西口由佳さんがいません。」
しっかりした受け答え。
「おーい。みんな注目。西口は学校に来てたか?」
「見てないっす。」
柚がヤンキー風の言い方で言い放った。
「連絡来てないなぁ。職員室へ降りるんで、読書しとけ!」
そう担任が言った途端、みんなの目が輝き出した。