忘れられない思いを抱きながら1日は去っていく
(荒らしなど禁止、暇つぶし用)
修学旅行が終わってから一ヶ月_
夏休みがやってきた
「 皆!パジャマは持ってきたかー! 」
いつも通りハイテンションに話す理恵
「 …… 」
「 私服は持ってきたかー! 」
「 …… 」
「 遊び道具は持ってきたかー!」
「 …… 」
「 宿題は持ってきたかー! 」
「 はーい 」
理恵ちゃん以外全員息ぴったりだね!?
「 私宿題持ってきてないんですけど… 」
「 平沢バカか? 」
「 ねえ、あのさ……何で上条いんの? 」
「「 サッカー部仲間! 」」
颯汰と司は腕を組みピースし、満面の笑みで言う
「 ども…、あともう一人来るよ 」
「 もう一人…? 」
「 って誰だ? 」
いやなんか梓ちゃんとか華澄ちゃんも…神田達もなんか地味に息ぴったりだね!?
「 おはようございます! 」
白いボストンバッグを持ち湊の後ろから現れたのは天羽ひなただ
「 いや……え、ええ!? 」
「 上条どういう事だ!? 」
「 いや、なんかさー前日に話したら行きたいって 」
「 なんか急にすみません… 」
「 大丈夫だよ。ひなたちゃんよろしくね 」
優しく微笑む梓
「 (なんか俺何も言ってないな…) 」←by冬馬の心の声
「 ねえ、どこに泊まるの? 」
「 ふっふっふ…実はね実はね……私のお母さんの友達が有名なホテルで働いててさ…それでお母さんがその友達にお泊りの事話したら特別に許可してくれたの! 」
「 話ぶっ飛びすぎじゃないか!? 」
いや本当にぶっ飛び過ぎでしょ…ホテルとか…
「 まあまあ、行こいこ! 」
「 俺らの旅が始まるんだ! 」
菊地はどうした、とんでもなく頭がおかしいのは分かったけど
「 あはは、楽しみですね〜 」
「 天羽ひなただっけ…後輩なのにしっかりしてるな。理恵よりしっかりしてるんじゃないか? 」
「 えっ、そんなぁ〜。私なんてしっかりしてないですよ 」
「 てか華澄ひーどーいー… 」
「 なあ、電車そろそろ来る時間… 」
「 は?神田の事だしそんなの嘘… 」
理恵は時刻表をチラッと見た
「 本当だったな 」
華澄は真顔で時刻表を見ながら言う
「「 ……急げよ!! 」」
冬馬と颯汰は驚きのあまり大声で叫んでしまった
これ本当大丈夫なの……?色々気になる事が多過ぎて…。
「 ついたー!さあ、皆お待ちかねのホテルだよー! 」
でかっ……正直ちょっと心配だったけど大丈夫そうで良かった…
「 すげー!早く中に入ろうぜ! 」
「 颯汰は子供かよ… 」
相変わらず皆のツッコミをする華澄
そして少し緊張しながらも皆ホテルの中に入っていった。
「 あ、理恵ちゃん!久しぶりね! 」
「 久しぶりです〜! 」
「 他のみんなもよろしくね。では…早速お部屋を案内しますね 」
「 (わぁ、急に仕事モードに切り替えてるんですけど…) 」
「 (理恵の心の声が何となく伝わってくるんだが…) 」
皆は案内に従いながらついて行く
「 ここがお部屋です 」
「 じゃあ入ろう入ろう! 」
ノリノリで楽しそうに部屋に入ろうとする颯汰の肩をがしっと掴む理恵
「 あんたらは隣だって 」
「 なんだよ!めんどくせー… 」
「 隣の部屋に行くぐらい面倒じゃねーだろ 」
「 有美ちゃん怖い怖い… 」
苦笑いしながら梓は言う
「 まあいーじゃん? 」
ドアノブを握り、ドアを開けた
そこには大きなベッドがちょうど人数分に置いてあった
「 きゃっふー!ベッドふかふか〜! 」
早速ベッドに思いっきりダイブする理恵
「 はぁ、相変わらずだな… 」
「 でもお泊りですしいいじゃないですか〜 」
「 まあわそこはひなたの言う通りだな… 」
「 (お泊りと言えば上条先輩!夏休みと言えば上条先輩!上条先輩との夏休みなんて二度と来ないチャンス!出来ることなら上条先輩の寝顔と寝巻きも見たい…この目で!) 」
「 えっと…ひなたちゃん?なんか顔が凄いことになってたけど… 」
「 あ、降旗先輩…何でもないです〜…… 」
「 これやっぱ大丈夫なのかな… 」
天羽ひなたがいる…そうなれば私が今気になってる事はただ一つ…上条との関わりだけ……にしても大丈夫かな?理恵ちゃんがいるだけでも相当大変な事になりそう…な予感…でもないな
「 ねえ…じゃーん! 」
颯汰は先端がペンで色を塗られている割り箸を自分のリュックから取り出した。
「 どうせ王様ゲームだろ 」
「 男同士の王様ゲームってなんか気持ち悪くない? 」
「 司酷い!! 」
「 何故いつもこうなるんだ……
面白そうだしいいじゃないか、な? 」
「 さっすが!鈴村わかってるー! 」
嫌な予感しかない…俺的には鈴村が王様になって欲しいな
_2分後
「 せーのっ 」
四人は割り箸を取る
「 あっ、俺王様だー! 」
菊地が王様……!?
「 うわ、最悪 」
「 面白いの期待してるぞー 」
鈴村がなんか乗り気だ!?
「 じゃあー…2番が女子の方にあれをやる! 」
「 僕2番じゃない 」
「 俺も。」
冬馬と湊は自分がとった割り箸を見て言う
おい待て…じゃあ…
司は恐る恐る割り箸を見た
嘘だ…嘘だ…女子に!?女子の部屋に行くのか?!
あれってなんだよ?あれか?…知らないが。
「 なあ、あれってなんだよ…? 」
「 えーあれだよ! 」
颯汰は司の耳元でこそこそと例のあれを言った、颯汰の事なのでまともな事ではないのは確実だろう
いやいやいや本当に嫌なんだが…。
「 それでさー、私美術室に残ってたんだよー? 」
「 あれ、そうだったの?ごめんね、理恵 」
「 まー、いいけどねー 」
「 そういえば美術部は文化祭の有志で何かやるのか? 」
「 ううん、美術部は文化祭のポスターとかを作るだけなんだ。 」
「 ならさー、文化祭でバンドとかやってみない? 」
「 バンド?楽しそうだね!」
「 バンド…悪くないかもな。確か音楽室にちょうどドラムとかギターもあったような… 」
「 あ、そうだ有美ちゃんもバンドやろうよ! 」
「 …え 」
「 バンドですか〜、素敵ですね! 」
皆は部活の話や、文化祭の話で盛り上がっていた。
そんな時急に司がドアをバンっと開けた
「 こんにちは、レディの皆さん! 」
「 司、どうした? 」
う……っ、直球的にそう言われると傷付くな…。
「 チッチッチッ…俺はツカサだ 」
「 ねえ、神田。それ変わりないと思うんだけど 」
冷たい目線で有美は司をじっと見た
入間…こっち見ないでくれよ…すげー辛い…
「 ……チョコレート!ケーキ!チョコレートケーキ! 」
司はリズム良く、ポーズを取り極めつけは何とも言えないドヤ顔をする
「 …………。 」
「 誰かなんか言ってくれよ! 」
「 てかさ、それ何? 」
「 いや、一発ギャグ…のつもり 」
「 しょうもないくらいにしょうもないね 」
真顔できっぱりと伝える有美
「 あれー?やたら静かだね?滑った? 」
部屋にきた颯汰はにやにやと面白そうに述べる
「 にやにやすんな! 」
あー、本当恥ずかしい…。王様ゲームってなんでこんなに地獄なんだ!?