忘れられない思いを抱きながら1日は去っていく
(荒らしなど禁止、暇つぶし用)
3話
夕方頃の出来事_
「 おーい!上条帰るぞー………
上条ー? 」
司が校門の前でぽつんと立っている、しかし何の返事もない。司は湊を探そうと校庭や誰もいない三年の教室等を探し回る
湊とひなたside
格技場の裏でひなたと湊が一緒に話している
「 あの、上条先輩…今日も部活お疲れ様でした! 」
「 ありがとう。でも吹奏楽部ってサッカー部よりも部活終わる時間早いよね?どうしてここに? 」
無表情で感謝を伝えるが不思議そうに首を傾げ、ひなたを見つめる
「 いやー、ちょっと先生に頼まれ事があって…。そしたらたまたま上条先輩がいたので! 」
「 ふーん…で、どうして格技場の裏? 」
「 え、いやその!格技場の裏って話しやすくないですか!?落ち着きますし! 」
(どうしよう!上条先輩に見つめられてる!わざわざ早退って理由で部活サボって教室でずっと待機してた甲斐があったかも!)
「 え、何その理由。まあいっか。それじゃ帰るね、あいつ待たせてるだろうし 」
湊は校門の方に向かっていく。
「 えっ!?あ、あ……上条先輩!さよなら〜… 」
特に何の感謝も言われなかった為少しショックを受けたのか悲しそうな表情を見せる
「 …あれ?神田がいない? 」
何処にいるのかと思いながらきょろきょろと探す
「 あれ… 神田いない? 」
「 あっ、上条ー?お前どこいってたんだよ?探しちゃったじゃねーか 」
「 ああ、ちょっとね 」
少し笑いつつ目をそらしながら言う
「 そうか…、じゃあ帰ろうぜ 」
「 ?うん 」
(さっき上条と一緒にいたのって2年の天羽ひなただよな?二人で何話してたんだ…?)
「 はぁ、明日はいよいよ修学旅行…体育祭とかテスト乗り越えた先が修学旅行……。辛…… 」
誰もいない廊下を一人静かに歩いている
そんな時、有美の目の前から可愛らしい少女が現れた。その少女は嬉しそうに目の前にあった階段を降りていった
(今の誰だろう…可愛かったな。)
有美はぽつんと立ち止まり少女の事を思い出すが、しばらくした後また歩き始め、階段を降りていく
有美は下駄箱に向かう。その時近くから誰かの声が聞こえた。
(だれの声…?)
有美は誰の声なのか気になった為こっそりと探してみる、その有美の近くにはひなたと湊がいた、有美は急いで隠れる
(あれは…さっきの可愛い子…と上条湊?)
「 あっ、上条先輩!部活お疲れ様です!…と急に呼び出してすみません! 」
(呼び出し?え…呼び出しって…)
「 ありがと、別に大丈夫だよ 」
「 あの…明日から修学旅行…なんですよね。楽しんできてください! 」
「 うん。あ、良かったらお土産とか買ってこようか? 」
湊は頭を軽く触りながら述べる
「 えっ、いいんですか!?じゃ、じゃあ…ストラップとか欲しいです!可愛いのとか… 」
「 ああ、分かった。あったら買うよ 」
「 わぁ…!ありがとうございます!では! 」
ひなたは頬を少し赤く染め、嬉しそうに微笑む。その後また走って行き別の教室へ向かっていった
「 え、何だったんだ… 」
湊はぽかーんとした表情をする
(よく考えたらあの子…3年にはいなかったよね?上条湊と仲良いのかな?にしてもお土産羨まし〜…)
有美は心の中で羨ましそうにし、また歩き始める
(上条湊…こんな近くで見たの二年生の時以来かも)
そんな時有美と湊の目が合う
「 …… 」
しかし有美は恥ずかしかったのかすぐ目をそらす
湊は特に気にしていなかったが有美がすぐ目をそらした為そっと後ろから話しかけてみる
「 ……… 」
「 な、えっと…久しぶりだな 」
「 うわぁっ!? 」
有美はびくっとし、大きな声で驚く
「 あ、ごめん。つかお前結構ビビりなんだな 」
「 違うし…、だって二年の時そんな話した事無かったからさ…。急に話しかけてくるとは思わなかったんだよ… 」
有美はまじまじと目をそらしながら言う
「 あ、そういう事か。 」
「 …そういえばお前一人なの?いつもサッカー部の人達と一緒に帰ってるじゃん 」
「 ああ…、ちょっと二年生の天羽ひなたって奴と話してたから。他の奴らは先に帰った 」
「 へー… 」
(さっきの人が天羽ひなただったんだ…)
「 あ…なんかごめんな。じゃ 」
湊は走っていく、有美は走る湊の後ろ姿を見送っていた
(上条湊から話しかけてくるなんて珍し。天羽ひなたは………まぁ、いいや)
有美も湊の後を続いて行くかのように走って帰っていった
ついに来た修学旅行…本当なんで体育祭とテストやったらすぐに修学旅行なわけ?まあいいや…。
「 はぁ、修学旅行めんどー… 」
「 いーじゃんいーじゃん!私も修学旅行嫌だけど! 」
途中まで笑顔だった香奈の表情は途端に嫌そうな表情になる
「 …そろそろ宿に着くね。 」
「 あーうん!部屋ってクラス別なんだよねー…あんまり話せないだろうけど…ま、お互い修学旅行頑張ろ! 」
「 そうだね、頑張ろ。…じゃあ、また 」
有美は香奈に向かって寂しそうに右手を振る
「 …ここが部屋…女子だけだからいいけどさ……やっぱ嫌だな 」
不機嫌そうに小声で呟く。
有美は不機嫌そうにしたままドアを開ける
「 あ、有美ちゃん 」
「 え……あ…。うん
(降旗梓…だっけ、話すの初めてだから…どうしよ…) 」
「 ……… 」
梓は無言でじーっと有美を見つめる
「 有美ちゃん、よろしくね! 」
ふふっと微笑む梓
「 あ……うん…よろしくね… 」
有美も梓の様に笑おうとしたが上手く笑えずに下を見ながら話してしまう
そんな時、急にガチャっとドアの開く音がした
「 あれ、二人しかいないの? 」
「 うん、今有美ちゃん来たの。他の人は多分隣の部屋で遊んでるよ 」
「 そうか…と、有美。よろしく 」
「 うん… 」
有美はもじもじと下を見る
「 あ、有美ちゃん。ちょっと廊下に来てもらっていいかな? 」
あははと申し訳なさそうに笑う梓
「 …? 」
それに有美はこくこくと頷く
「 んじゃ、華澄ちょっと廊下で話してくるね 」
「 ん?……ああ 」
梓はドアを開けて有美と一緒に廊下へ行く
〜廊下〜
「 急にごめんね。話したいことがあって… 」
「 …大丈夫だよ 」
「 ありがとう。あのさ…有美ちゃんって…… 」
「 …? 」
「 湊の事好きなんでしょ? 」
「 ……!
どうして知ってるの? 」
さっきまでもじもじと不機嫌そうにしていた有美の顔は一気に赤くなる
「 あ、ごめん…、ふふ 」
梓はくすくすと笑う
「 うう…梓ちゃんに気付かれてた……。というか笑わないでよ… 」
「 ごめんね、ちょっと意外で… 」
「 ……。でも梓ちゃんって元々上条と付き合ってたんでしょ? 」
「 まあ…そうだね。今はもう別れてるけど 」
「 こんな事聞くのもあれだけど…どうして別れたの? 」
「 ちょっとね…湊的に辛かったのかなって、その時他の人から影で色々言われてたんだよ。私と湊の事…湊に辛い思いをさせたくなかったから…だから別れた 」
悲しそうにその時の事を思い出しながら語る
「 そうだったんだ… 」
「 そ、だからさ有美ちゃんが湊の事好きって聞いた時ちょっと驚いたの。でも…湊がまたあの時みたいに楽しそうに笑ってくれたら嬉しいなって思ったの。辛い思いとか忘れるぐらいに…。そうそう!湊って結構不器用で、何か言われると地味に傷付くタイプでね…あはは 」
「 上条の事詳しいんだね、なんて… 」
「 一応湊の元カノだからね! 」
「 (梓ちゃんが上条湊と付き合ってたのは知ってたけど…優しいな…)」
「 それでね、有美ちゃんには頑張って欲しいの。また湊が笑ってくれたらなって…。もうここは有美ちゃんに頑張ってもらうしかない!ってそう思った 」
「 私は…上条の事が好き。それに梓ちゃんのその気持ちも無駄にしたくないって思ったよ。だから…その…頑張るしかないかな…。」
「 ……!有美ちゃんありがとう!目指すは両思いだね! 」
「 え……う、うん… 」
有美は照れくさそうにする
「 それと最後にもう一つ言いたいことがあるの 」
「 何…? 」
「 二年生の天羽ひなたって子も…湊の事が好きだって…聞いたんだ 」
「 ……っ… 」
照れくさそうにしていたが急にはっとした表情で無表情になる
有美の頭に浮かんだのはこの間のひなたと湊の会話だった
>>6に台詞追加する
ひなた
「 上条先輩!良かったら一緒にお話でもしませんか? 」
「 えへへ…楽器は得意なんです! 」
華澄
「 図書委員長として!図書室の雰囲気を壊す奴は許さない! 」
「 それは大変だったな、お疲れ 」
あらやだ、hoge忘れてた。めっちゃやだ
私は上条湊の事が好き_…
二年の時からずっと…ずっと好きだった。いつも気だるげで…でもそのさりげない優しさが好きで…授業中とか休み時間に寝ちゃう所も…全部好きだった。一年の時なんて名前ちょっと聞いた事があったくらいで別に何とも思わなかった…なのに…別のクラスになったのに……別のクラスになったら諦めようって決めてたのに…諦められない。…好きで仕方ないよ…
「 梓ちゃんとも約束しちゃったしな…仕方ないよね…。 」
梓との会話が終わった後、有美は1人で枕を抱きながら湊の事を思い出していた
「 天羽ひなたもやっぱり上条湊の事が好きだったんだよね…はぁ。でも私天羽ひなたの事何も知らないし…。 」
その瞬間ドアが物凄い勢いで開く
「 えっ? 」
有美は目を丸くして驚いた
「 有美、一人で何か悩んでたのか? 」
「 あ、華澄ちゃん…別に悩んでないよ…?(ドア急に開いた割には普通だな…) 」
「 もー、嘘はダメだよ?修学旅行何だからさー! 」
「 あ、梓ちゃん!?(しかも何か他の女子も来てるんだけど…!?)」
「 有美ちゃん!梓から聞いたよ!上条の事好きなんだってー? 」
「 え…え……?梓ちゃん……! 」
驚きを隠せない有美を見て梓はにやにやとする
「 まーまー、修学旅行だしね?恋バナでもしちゃおー!有美ちゃーんっ! 」
「 え…えぇぇ…… 」
「 あ、ちなみに私は平沢理恵!理恵って呼んでー! 」
「 り、理恵…ちゃん…… 」
「 かっわいいなぁー!上条の事いっぱい話そうね〜! 」
「 え…えぇぇ……!? 」
有美の顔がトマトのように赤くなる
「 有美ちゃん顔めっちゃ赤い!やば! 」
理恵は面白そうに言う
「 あはは、有美ちゃん面白いね! 」
「 そうだな、本当に顔真っ赤…ぷぷっ 」
顔が真っ赤な有美を見て笑う梓と華澄だった
キャラ追加
「 まじめっちゃイケイケじゃん! 」
「 あー、パリピってやつ? 」
平沢理恵(ひらざわ りえ)
ポジティブ馬鹿。明るい性格で常に態度が軽い。運動部イメージが強いが実は美術部。可愛い物なら全部好き、可愛い物を愛し可愛い物に愛された者(こら)
菊地 颯汰(きくち そうた)
「 本当流石だわ〜、面白すぎ! 」
「 誰もうざいとは言ってないんだけどな、イラつくとは言ったけど 」
サッカー部所属で有美のクラスメイト。有美の事をいじっている(結構酷いレベルで)明るく振舞っているがたまに予想外の発言をしたりと読めないタイプ、神田とはいつも行動している仲
司side
あー、ねみぃ…。もう朝かよ
そういえば二日目は班のみんなで観光だったな…
「 神田起きたー? 」
ひょこっと顔を司の前に出す颯汰
「 …うわっ!? 」
「 ちょっ、神田ビビりすぎだろ 」
「 神田面白ーw 」と笑いながら言う
「 あ、司起きた? 」
颯汰の近くにいた冬馬は司に「 おはよう 」と言う
「 あー今起きた…。 」
「 つーか、神田ーもう朝ご飯食べる時間だよ?早く着替えろよー!w 」
「 ちょ、まじかよ…。完全に寝坊じゃん 」
「 うん、枕ぶん投げて起こそうかと思ったけど流石に可哀想だと思ったからそのままにしておいた! 」
颯汰は隣に置いてあった枕をひょいと取りながら語る
「 いや起こせよ。それにもっとマシな起こし方あっただろ… 」
「 司ー早く準備しな、もう二分で僕達のクラスもご飯の時間になるから 」
「 あーもう!颯汰と話してたからか… 」
「 まあまあ、そんな怒るなって。とりあえず俺と冬馬はもう下行ってくるわー、じゃ行こうぜ。冬馬 」
「 司も早く来いよ 」
颯汰は手を振りながら部屋を出ていく
冬馬も颯汰が部屋を出たあとにすぐ出ていった
「 やべえ…もう一分しかないじゃん…。早く着替えよ 」
司はバッグから服を取り出し急いで着替える
班のメンバーか…確か颯汰と冬馬と…春宮に…降旗…入間か…まあこれなら大丈夫だよな。早く下行ってご飯食べないと
司は何か思い残りがあるかのような表情で部屋を出て行った
「 京都だー! 」
「 綺麗なところだな…! 」
2人で子供のようにはしゃぐ颯汰と冬馬
「「 ……… 」」
有美と司は二人揃って颯汰と冬馬を冷たい目で見つめる
「 ねえ、待って!?何でそんなに冷たいの?入間と神田はもっとはしゃごうよ? 」
「 んな事するか、ここで馬鹿のようにはしゃいだら他の人にも迷惑だろ 」
有美は鋭い目付きで颯汰に言う
「 えー… 」
「 まあまあ、有美ちゃんせっかくの修学旅行何だしそれぐらいいいじゃん… 」
「 あはは 」と苦笑いしながら梓は有美に声をかける
「 それにさ!神田は絶対朝寝坊した事を気にしてるんだろ! 」
「 うるせえ… 」
「 え、神田寝坊したの? 」
「 入間もそんな事聞くな 」
「 早く観光するぞ、時間が無くなる 」
華澄は地図を持ちながら有美達をじっと見る
「 ……、そうだね。早く行こ。それで私は寝たい 」
「 寝ちゃダメじゃないかな?有美ちゃん… 」
つか私普通に他の男子と話しちゃったよ…なるべく話さないようにしたい…。私鈴村以外とは話したくないんだよね…
「 入間?どうしたんだ? 」
「 ううん、何でもない 」
「 ……何かあったら言えよ? 」
冬馬は腕を組みながら優しい笑みで言った
入間大丈夫か?修学旅行に来てまで無理はして欲しくないな…。
「 お寺凄かったね。 」
凄かったというが、いまいち楽しそうな表情をしていない有美
「 う、うん?有美ちゃん変な事聞くけど、本当に凄いって思ってた…?」
「 おーい、皆!今からここで休憩するぞー!えっと…今25分だから…50分まで休憩だ、50分になったらまたここに集まる事、いいな? 」
「 はーい、華澄 ちゃん! 」
「 ……私ジュース買ってくる 」
だるそうに目をそらしながら皆に伝える
「 休憩って言ってもやること無いよね! 」
「 菊地はいつも暇人だな 」
「 神田だって暇人じゃん! 」
司の発言にムカッとしたのか反抗する颯汰
「 喧嘩はすんなよ? 」
「 司はそういう事言うな、颯汰もイライラしても反抗はするなよ 」
「 …はーい 」
子供のように返事する颯汰とぷいっとする司
「 (司は相変わらずだな…) 」
〜有美side〜
「 ジュース何買おうかな 」
自動販売機を見上げながらどんなジュースがあるのかと探している
「 あ、このジュース……このジュースは…!この間上条が飲んでいたジュース…! 」
途端に顔が赤くなりつつ、にやにやし始める有美
このジュース買おう…
早速ジュースを買い、1口飲む
……これが上条湊の飲んでいたジュース……しかも美味しい…。ああ…あはは…後10万本買えるかも……
「 あれ、入間? 」
「 あ、鈴村… 」
「 奇遇だな、僕もここでジュース買いに来たんだよ 」
「 へ、へえ… 」
「 どうかしたのか? 」
「 いや、別に……。 」
どうしよ…どう話せばいいんだ……。修学旅行だからって緊張し過ぎ、私…
hoge忘れてた
番外?みたいなの
真夏の太陽が今日も皆を明るく照らしている
そんな太陽とは真逆な小学生のお話
「 はーい、それでは今から先週の国語のテストの返却をしまーす! 」
1人の若い女教師は手をぱんと叩く
「 ねえ、先生ー!そのテスト100点の人いたー? 」
「 んー…そうね、今回のテストは結構難しい方だったからねぇ…と言いたい所何だけれど満点の人が一人だけいたのよ! 」
「 うおお!満点俺かな? 」
「 はぁ?俺だろー! 」
男子生徒はテストの事でわいわいと話し出す
「 有美〜…テスト返し緊張するね 」
こそこそと前にいる有美に話しかける香奈
「 うん、そうだね 」
「 ほら、皆静かに! 」
_…
「 はい、では天海さん! 」
テストをさっと渡す
「 何点だ…う……62点……。 」
あ、次私だ…
「 次、入間さん! 」
「 はい 」
有美は赤いペンで100点と書かれたテスト用紙を無表情で見る
「 入間さん!100点おめでとう! 」
教師は嬉しそうにぱちぱちと拍手をしながら言う
「 有美ちゃんまた100点なんだ!すごいね! 」
「 ちぇー、俺の満点チャンスは消えたかー… 」
「 入間すげーな! 」
「 有美ちゃんおめでとう! 」
クラスの皆も笑顔で拍手し出す
「 …… 」
〜放課後〜
「 有美すごいね〜…100点ばっかり 」
「 そうかな、普通に80、90点台の時もあるけど 」
「 いやいや!それでもじゅーぶん凄いよ!香奈なんて62点だよ!?62! 」
顔をずいっと近づける
「 近すぎ… 」
「 むぅ、あ!私こっちだから、じゃあね! 」
香奈は家がある方向に指を指す
「 じゃあね 」
〜1週間後〜
「 …… 」
有美は赤いペンで100点と書かれたテスト用紙を見る
「 入間さん、100点おめでとう 」
教師も特に嬉しそうな様子は無くただ普通に有美を見つめている
「 えー、また入間100点かよ 」
「 有美ちゃんずっと100点だよね…… 」
「 あいつずるしてんじゃね? 」
有美の目の前にいた男子は大きな声で述べた
「 ………っ!そんな訳ねーだろ!ずるしてまで満点なんて取りたくねーよ! 」
「 うわ、あいつ怒ったぞ… 」
「 怖い…… 」
「 入間さん!怒らないの! 」
教師は有美に叱る
「 ……。 」
どうして?悪いのはあんな事言い出した男子だよね?
本当の事言っただけじゃん、それの何が悪いの?
次の日…
有美は教室のドアをガラッと開ける
「 うわっ、入間だ! 」
「 お前らあいつに近づくじゃねーぞ… 」
「 あんなのに近づきたくないわ… 」
ドアの近くにいた男子3人は引いた表情でこそこそと話す、更に女子達も気まずい表情で有美を見た
何で?こそこそと…こそこそと……意味が分からないよ。
満点の何が悪いの?
_…そうだ、馬鹿のふりすればいいんだ
分かってても馬鹿みたいに、そうだ
有美は今までの事を思い出している
なのに…どうして?馬鹿のふりしてるのに
陰口が増えるばかり。どうすればいい訳?
でもいいや、馬鹿のふりして生きていけば本当の馬鹿になる。もう満点なんて取らない、私は何を言われようが自分のやりたい事だけをやる、そうすればいいんだ…
番外?の続きは今度やる
「 なあ、あそこのベンチに座らないか? 」
冬馬は左側にあったベンチに指を指す
「 いいけど… 」
有美はゆっくりとベンチに座り落ち着く
「 …入間、お前何かあったのか? 」
「 何かって?私は別に何ともないけど… 」
「 修学旅行…いや修学旅行始まる前から何か辛い思いをしてたんだろ? 」
「 ……別に…。 」
本当は心のどこかで辛い思いをしている有美だが下を見ながらぼそっと呟く。
「 本当の事言えばいいのに…。ま、でもこれだけは言わせてくれ。入間はずっと前から学校で辛い思いをしていて学校に行く事も嫌だったんだろ?…だけどよ、そんなにちょくちょく気にして嫌だって思い込んでたら余計辛くなるだけだ。だからさ、嫌なことがあったら俺に何でも相談していいんだぞ?…それに、先生には話しづらい事なんだろ? 」
冬馬はにっと明るい笑顔を見せる
「 ……ありがとう…。鈴村って優しいね 」
有美はぱぁっと表情が少し明るくなる
「 おう!入間と漫画とかの話するの楽しいしな!ってやばいな、もう42分だ!急いで戻るぞ! 」
「 ほ、本当だ。急がないと 」
2人は走りながらさっきの集合場所に戻って行った、その時の二人の表情はどこか嬉しそうだった_
「 でははじめよー!記念すべき第100回女子会でーす! 」
枕を二つ持ち、ぶんぶんと高速で振り回している
「 理恵、お前何がしたいんだ 」
「 華澄ひどいな〜、第100回だよ?100回! 」
「 100回もした覚えないな…あはは 」
梓は自分の布団の所に置いてあった枕をぎゅっと抱いていた
「 ノリが悪いな〜… 」
「 まあでも100もしてないしね 」
「 有美ちゃん…… 」
理恵は鋭い目つきでぎろっと見る
「 何…? 」
有美はぽけっとした表情で首を傾げる
「 上条湊 」
「 な、何?急に…… 」
えっ…と困惑気味になり、戸惑い始めてきた
「 上条の事いつから好きだったの? 」
むふふとにやにやとしながら顔を近づけてくる
「 それ私も気になってた 」
梓も真顔で顔を少し近づけてくるが興味津々に言う
「 え…急に…何?というか真顔やめよう? 」
ぎくっとした表情で後ずさりする
(やれやれ…こういう話になると皆テンション上がるのな)
「 そ・れ・よ・り!いつから好きだったの?! 」
「 うん、教えて。有美ちゃん! 」
二人はもっと近づく
「 え…えと…2年の時の体育祭よりも前…だったかな 」
「 そんなに!? 」
理恵は目を丸くし瞳をキラキラさせる
「 はぁ…全く。もう…もうすぐ寝る時間だぞ。 」
「「 えー!もっと話してたい… 」」
「 なんでこの二人こんなにテンション高いの… 」
「 それは私も思った。駄々こねる幼稚園みたいだ… 」
「 うん…? 」
心の中で華澄の発言に ん?となりながら頷く
「 ………とにかく!寝るぞ 」
華澄はむっとした表情で部屋の電気を消す
「 おやすみ… 」
有美は枕を抱き目を閉じる
「 え、ちょっと!華澄ひどー! 」
「 布団どこだろう… 」
真っ暗な部屋の中慌てながら自分の布団を探す
「 もう、どこ?真っ暗だしめっちゃ怖いんですけど…ってわっ! 」
「 うわぁ!? 」
理恵は梓とぶつかりばたりと思いっきり倒れてしまった
「 いたた… 」
「 (はあ、2人ともぶつかったのか…) 」
ガラッ…
襖が急に開く
「 ん? 」
「 い、今の音何? 」
「 え、ちょ…不気味すぎ… 」
二人はぶるぶると震えながら怯え始める
(次に続きます)
「 まじで今の何だったの… 」
「 怖いね… 」
さっきの音は何だったのだろうか
あまりにも不気味すぎる。2人とももう寝ているのに不自然だ
「 怖い…ね、ねえ華澄ちゃん、有美ちゃん起きて… 」
梓はその場でおそるおそる2人を起こそうと声をかける
「 ん…何? 」
あ、有美ちゃん起きた…!
ぐっすりと寝ていたところ誰かに呼ばれた気がしたので目をぱちりと開けた
「 ねえ、有美ちゃん大変!この部屋に幽霊がいる… 」
「 え、え? 」
急に幽霊がいると言われても困るな…確かにいそうだけど。
ガサ…
「 うわっ!?また物音!? 」
さっきの様にまた物音が聞こえた。一体何なんだろう、これじゃ落ち着くことも出来ない、まず怖さで寝ることすら出来ない
「 うるさいぞ…」
華澄は体をゆっくり起こし、起きている人達に注意する
「 ねえ華澄〜…!さっきから変な物音がするの!絶対幽霊いるよ〜! 」
理恵は泣きそうになりながら言った
「 何を言ってるのかさっぱりなんだが… 」
「 幽霊!幽霊がいるの。だから怖すぎて寝れないんだよ… だからっ!電気… 」
「 はぁ…仕方ないな。電気つけるぞ 」
華澄はやれやれと思いながら仕方なく電気をつけた
「 うわ、まぶし… 」
あまりの眩しさに有美は目を瞑ったが理恵と梓は目をぱちぱちとしながら嬉しそうにしていた
「 ありがとう!華澄ー! 」
「 ありがとう…! 」
「 大きな声出すな、隣部屋の方はもう寝てるんだぞ 」
「 はーい…… 」
「 そういえば…なんで襖が開いてるんだ?閉めたはずなんだが… 」
華澄は不思議そうに開いた襖を見ている
華澄も流石に可笑しいと思ったのか3人に質問する
「 誰か襖開けたか? 」
「 私開けてない 」
有美は目を閉じたまま言う
「 私も開けてない! 」
「 私も… 」
「 これ、本当に幽霊だったりする…可能性もあるな 」
「 うわぁーん!どうしよう!寝れないよ〜 」
理恵は遂に泣きはじめる、あんな状況の中むしろよく耐えられたな、と思った
「 なら楽しいことすれば?楽しいことすれば忘れると思うんだけど 」
有美はまた目を開け、体を起こし3人をちらっと見る
「 なるほど!有美ちゃん頭いいね 」
「 梓ちゃん…これ頭いいとは言えないような… 」
「 楽しいこと…楽しいことってなんだ? 」
「 枕投げっ! 」
理恵は怖さで1人泣いていたが華澄の発言で一瞬で泣きやんだ。さっきのは何だったのかと思うくらい明るい笑顔を見せる
「 枕…投げ? 」
(続きます)
またhoge忘れた
「 え… 」
「 わー!枕投げ! 」
理恵は両手に枕を持ち、満面の笑みで梓と華澄の方に思いっきり投げる
「 うわっ、やったな〜! 」
梓は顔にぽふんと当たった枕を取り、理恵に向かってひゅんと投げる
「 やれやれだな…このっ! 」
華澄も枕をものすごい勢いで投げた
「 うわぁ!?華澄こわっ… 」
あまりの早さに急にビクッとしたのか目を丸くし驚きを隠せない様な表情になった
「 あ、あのな…その表情なんだ 」
「 華澄ちゃん…化け物? 」
「 いやどうしてそうなる!? 」
あれでも普通だったんだけどな…そんなに凄かったのかな…?
「 ……はぁ。 」
有美はその場でひっそりと体育座りしながら3人を冷たい目で見ていた
「 有美ちゃんもやらない? 」
「 ……いや、あのさ…理恵ちゃん 」
「 ん?何ー? 」
「 理恵ちゃんって寝る部屋ここじゃなくて隣の部屋だよね?大丈夫? 」
「 あ…っ。 」
「 忘れてたのか… 」
まあ私も忘れてたから人の事言えないが…
「 それに明日もう帰るんだよ? 」
「 う…っ 」
理恵はぎくっと気まずい表情になり、言葉が出なくなる
「 そ、そうだね…。寝よっか 」
「 理恵ちゃんもここの部屋で寝れば?今部屋出たら多分廊下に先生いるだろうし 」
「 じゃ、じゃあ…寝るか 」
華澄も楽しそうに遊んでいたにも関わらずさっきの枕投げを無かったことのようにしまた電気を消した
「 え、ちょ待ってよ!?私畳の上で寝るの?! 」
理恵は慌てながら言った。しかしもうその時には可哀想な事に有美は寝ていた
3時間後_
う…起きちゃった。
有美は目を擦り、時計を見る
時計の針は午前1時43分をさしていた。
あれ…何かいる?
うっすらしていて白くて細い誰かの足が有美の目に入る
え?待って。夜中の1時だよね?皆寝てるはず…
て事は…っ
有美は何かに気付いたのか急いで目を閉じて再び眠りについた
暑いな…。
修学旅行三日目。最終日だ
司は颯汰から借りたうちわでぐうたらしている
「 司、もうそろそろバス来るってよ 」
「 あ、そうか…今準備する 」
5分後_
「 ねえ、2人とも…。流石に来るの早すぎたんじゃ? 」
有美は何やらバスについて話していた
「 大丈夫だよ、もうバス来てるし。それに早めに来た方がいいでしょ 」
「 その通りだ。 」
華澄は梓の発言に頷きながら同意する
「 え、皆来るの早くね? 」
颯汰は三人を見てえっと驚きながら上記を言う
「 早めのがいいだろう? 」
「 そういえば2人は? 」
「 2人なら今来るよ 」
「 遅れてごめん! 」
冬馬は手を大きく振り、急いで走りながら4人の所に行く
「 遅れてごめん…っ 」
何でだ…なんかフラフラするし…目の前がぼやけてる……どうして…だ?
司はふらふらと辛そうに歩く。
有美はそれに気付いたのか真っ先に司に近付いた
そして司は倒れそうになる
「 ちょっと…神田大丈夫? 」
有美は何とか倒れそうになった司を支えた
「 司大丈夫か!? 」
「 バスに入る時間だ。有美…確かバス席は司の隣だったよな? 」
「 うん…私が見とくよ。神田、私の肩に掴んで 」
司は目を細くし、ゆっくりと有美の右肩を掴んだ
有美はそのまま遅めに歩きバスの中に入る
俺…何してんだ。後で入間に謝らないと
司は席に座りすぐ目を閉じた
「 そういえば司って飲み物持ってるの? 」
「 んー…飲み物買ってるところは見てないかな…」
颯汰は席でくつろぎながら言った
「 なら私飲み物買ってくるよ、すぐ戻って来るから 」
有美はリュックから財布を取り出し、走ってバスを出ていく
下げんの忘れてた
_…あれ、バスか…あ、そうだ俺…座ったらすぐに寝ちゃったんだっけ…。でも何で人がいないんだ…?
司は目をぱちりと開け、周りをきょろきょろと見渡すが人がいないことに気付く。窓を見れば知らない場所だったので余計混乱してしまった
「 あ、起きた? 」
隣にいた有美は司が起きた事に気付き、すぐ声をかける。
「 うわっ、お前いたのか。なぁ、他の奴らは? 」
「 皆座禅体験行ったよ。私は残ったけど 」
有美は目的地に着くまでずっと本を読んでいたのかその本をぱたんと閉じ、無言でそっと窓を見た
「 神田が急に体調崩したからさ…。心配で残ったんだよ 」
い…入間が俺のために…?どうすればいいんだ……俺…女子と2人きりとかすげー気まずい…
「 なんかごめんな。色々と 」
「 別にいいよ。なんかあったら大変だし… 」
有美は外の景色を見たままそっと呟いた
「 俺はもう平気だし…座禅の方行っていいんじゃないか?」
「 いや、バスの運転手さんも外の方行っちゃったから 」
「 マジかよ… 」
にしても皆戻ってくるまで2人だけか…大丈夫かな…。
一気にシーン…となり気まずそうな雰囲気に変わる
「 暇だな… 」
司はリュックに手を突っ込み、ガサガサと漁り始めた。リュックを漁ったら買った覚えのない飲み物があったのでん?となる
「 あ、それ買ったの。他の人が飲み物無いとかなんか言ってたから 」
少し適当そうに司が寝ていた時の出来事を説明した
「 じゃあ俺の財布… 」
やべえよ…財布の金無いんじゃ……。
「 あるよ 」
「 …え 」
「 私の金で買ったんだよ、流石に人の財布はダメかと思って 」
え…!?こいつなんか優しいな…。 普段あんまり話さないしまず、入間めちゃくちゃ口悪いし…。
司は有美の話を聞いて呆然とする
さっさと終わらないかなー…
さっきの雰囲気とは一変してシーンとなり、何故か黙り込む2人
「 な、なあ皆帰ってくるまで暇だし話さないか…? 」
「 …いいよ 」
どうしよ…自分から言っといて話す内容決めてねえ…
「 そういえば天羽ひなたって知ってるか? 」
「 ん?ああ…あの可愛いって言われてる二年の? 」
「 そうそう 」
神田…急にどうしたこいつ…
「 なんかその天羽ひなたって奴と上条が最近仲良いんだよな 」
……やっぱり。天羽ひなたも好きなんだよ…ね、なんか……複雑。
「 へえ…私もなんか良く話してるとこ見る…かな 」
「 だよな、しかもいつの間にかLINEまで交換してたっぽくてな… 」
「 へー…意外… 」
有美は足元を見ながら素っ気なく返事する
…天羽ひなたが上条湊の事を好きになったきっかけ……
天羽が上条とよく話すように理由って…
何?
そんな時、バスのドアがガチャっと開き人が一斉に入ってきた
追加設定?載せとく
有美→あまり笑わない(苦笑いとかはたまにする)けど湊を見ると大体異常な変態になる()主人公とヒロインみたいなポジション、嫌いな人にも結局優しくしちゃう所がある
ひなた→天然でおっとりしてるけど芯が強い。勉強はできるけど運動は苦手、同じく湊を見ると変になる。夏でも長袖のカーディガンを着ている。多分ヒロインポジション
司→たまに出てない時あるけどもう一人の主人公、湊や梓、華澄、理恵、颯汰、冬馬とは同じ小学校。ひなたも同じ小学校。修学旅行をきっかけに有美と少しだけ仲良くなる
湊→2人にモテてる()寝るのが好きなところや、絵を描く事が好きなど、地味に有美と共通点があるけど得意教科と苦手教科が真逆(有美は国語や英語が得意、湊は数学、理科が得意。有美は数学、理科が苦手。湊は国語、英語が苦手で逆)
理恵→派手な見た目して実は…というギャップはなく、そのまんまハイテンション。たまにきついことを言う、勉強は苦手らしいが成績は普通、運動は無理。
だから何で上がるんだ…
「 たっだいまー! 」
あ、理恵ちゃんだ…。いつも以上にテンション高いし…
「 足がぁぁ……痺れ…た… 」
「 梓大丈夫か? 」
梓ちゃんは…大丈夫かな…?
「 あ、有美ちゃん!神田とのお留守番おつかれー! 」
理恵はいつものように有美にぎゅっと抱きついてきた
いやだから言い方…というか苦しい…
何かの視線を感じた。司が見ていたのだ
有美は不思議そうに司をちらっと見た
「 まだ他にも行くところがあるからな。 」
「 次のとこまでどれくらい? 」
颯汰は何も理解してなさそうに地図を見ながらいう
「 確か2時間ぐらいじゃなかったか? 」
「 ながっ! 」
颯汰は嫌そうな表情をする
実はバス等の乗り物を乗ると酔ってしまうらしい
「 もう酔い止めないんだけど… 」
「 はぁ…私のあげるから吐くな 」
華澄はリュックから酔い止めの入った薬を渡した
「 春宮ぁぁ〜…ありがとう〜… 」
急に幼稚園児のようにおいおいと泣き始める
それを見て思わず華澄は引いた
「 幼稚園児か!? 」
「 あ、隣のバス出発した 」
「 ちょ、俺まだ酔い止め飲んでない! 」
「 菊地ざまあ… 」
司はぼそっと呟きながら颯汰を見た
いやどっちもどっち…。確かに吐かれたら困るけど…
何であんな小さい声でやけにブラックなこと言うんだ…
「 ふあー…眠いなぁ。そういえば今日は3年が修学旅行から帰ってくる日だった… 」
「 ひーなたーっ!部活無いんでしょ?一緒に帰らないーっ? 」
教室から勢いよく出てきたひなたの友達
上条先輩……久しぶりに…あそこに行ってみようかな…。
「 おーい、ひなた? 」
目の前でぼーっとしているひなたにふらふらと手を振る
「 …あっ。ごめんね、どうかしたの? 」
「 だからさ…一緒に帰らない? 」
「 ごめんね。今日はちょっと用事があるから… 」
「 そっかー…じゃあ、また今度ね! 」
…どうしよう、嘘ついちゃった。…もうこうなったら行くしかないね。うん!うんうんうん!行くしかない!ははは…
「 ははっ!ははは! 」
つい笑ってしまうひなたを周りは冷たい目線で見ていた
「 あの、天羽さん? 」
たまたま通りかかったひなたのクラスの担任はきょとんとした顔でひなたを見ながら言った
「 えっ、あっ!す、すみません… 」
ううやっちゃった…とにかく行ってみるだけ…
うわあぁ…本当に来ちゃったよ……大丈夫かな?大丈夫…なのかな?
ひなたは小学校の周りをうろちょろと歩くが他の人から見ればただの怪しい人にしか見えない
「 あら?天羽さんよね? 」
「 うう…って……あれ竹田先生!お久しぶりです! 」
竹田先生…ほんっとに久しぶりだなぁ……。やっぱり変わってない…あの優しい雰囲気が大好きなんだよね
「 久しぶりね!それは…制服?学校帰り? 」
「 あ、はい。ちょっと気になっちゃって… 」
「 あら、そう…中学はどう?好きな人とかいるの? 」
先生は柔らかい微笑みで問いかける
「 え…あはは…い、いるんですよね… 」
「 あら、そう!素敵じゃない!で、どんな子? 」
「 とにかくかっこいい先輩です!優しくて頼りがいがあって!それでちょっと気が抜けている所も可愛いんです! 」
咄嗟に湊の好きな所を語り始める。
ってああぁ!どうしよう……先生絶対引いてる…引いてるよね…。うわーん!やっちゃったよぉ〜!
「 ふふ…大好きなのね。年上なんて素敵じゃない! 」
「 えへへ…ありがとうございます…。 」
「 あら、仕事の方やらないと…。天羽さん、少しだったけど久しぶりに話せて楽しかったわ。またいつでも来てね 」
「 はい、今日はありがとうございました。 」
先生はにこやかに手を振り、戻って行った。ひなたも寂しげに手を振り、また学校を見た
素敵…かぁ。素敵な人だから忘れたくない。大事な人だから…何があっても…私は…好きなんだって。
「 帰ったらまた暇だ… 」
「 ん…?天羽か? 」
「 あれ…え!? 」
まさか…というか誰もこんな事予想してないよっ!?
上条先輩とばったり会うなんて……。どうすればいいの…私…うう……
「 うわーん!修学旅行終わっちゃったよぉー! 」
理恵ちゃんは何をしているの…
やけに嘘泣き上手いな…本当に泣いてんのかと思った
「 泣くなよ理恵… 」
「 だって…だって…… 」
理恵が何か言おうとした瞬間有美、梓、華澄達は急に無言になりシーンと静かになる
「 なんか言ってよー!? 」
「 早く本題言え。 」
「 修学旅行!終わっちゃったんだよ!?さよならしちゃんだよ? 」
「 あの…理恵ちゃん、確かにさよならはするけどまた学校で会えるよ…? 」
「 でも〜!すぐ夏休み入っちゃうじゃん! 」
そういえば…そうだった…あと一ヶ月くらいなんだ、夏休み……。時間って早いな…
「 なら夏休み中にお泊まりとかすればいいじゃないか 」
え、華澄ちゃんがどうしたの?
お泊りって…え。
「 ……華澄…? 」
「 華澄……それ、めっちゃナイス! 」
理恵は右手でぐっとガッツポーズをする
「 …… 」
お泊りかあ、私はその隙にさっと帰っ……
「 有美ちゃんもお泊りしよー! 」
「 え…えぇ……。私まで? 」
「 までじゃないよ!行かないと勿体ないよ!罰金100円だよ! 」
「 えっと…罰金はいらないと思うんだ…理恵… 」
「 だから行こ! 」
私が皆とお泊り……うっ…私なんかがいいのかな…。
でも皆と話すの楽しかったし…、ここは思い切って…
「 じゃ、じゃあ…行ってみる 」
「 やったー!じゃあどうせならさー 」
「 …? 」
「 神田達も誘う? 」
こんなの…思い切って……じゃないよ!
理恵ちゃんどうしたの?!ええ……!?
またか…
もう上がったままでいいや
初めまして☆ももにゃんヨロシク〜
36: まち針 hoge:2017/07/17(月) 16:48
>>35
はじめまして
よく分かりませんがよろしくお願いします
それとももにゃんとは?
修学旅行が終わってから一ヶ月_
夏休みがやってきた
「 皆!パジャマは持ってきたかー! 」
いつも通りハイテンションに話す理恵
「 …… 」
「 私服は持ってきたかー! 」
「 …… 」
「 遊び道具は持ってきたかー!」
「 …… 」
「 宿題は持ってきたかー! 」
「 はーい 」
理恵ちゃん以外全員息ぴったりだね!?
「 私宿題持ってきてないんですけど… 」
「 平沢バカか? 」
「 ねえ、あのさ……何で上条いんの? 」
「「 サッカー部仲間! 」」
颯汰と司は腕を組みピースし、満面の笑みで言う
「 ども…、あともう一人来るよ 」
「 もう一人…? 」
「 って誰だ? 」
いやなんか梓ちゃんとか華澄ちゃんも…神田達もなんか地味に息ぴったりだね!?
「 おはようございます! 」
白いボストンバッグを持ち湊の後ろから現れたのは天羽ひなただ
「 いや……え、ええ!? 」
「 上条どういう事だ!? 」
「 いや、なんかさー前日に話したら行きたいって 」
「 なんか急にすみません… 」
「 大丈夫だよ。ひなたちゃんよろしくね 」
優しく微笑む梓
「 (なんか俺何も言ってないな…) 」←by冬馬の心の声
「 ねえ、どこに泊まるの? 」
「 ふっふっふ…実はね実はね……私のお母さんの友達が有名なホテルで働いててさ…それでお母さんがその友達にお泊りの事話したら特別に許可してくれたの! 」
「 話ぶっ飛びすぎじゃないか!? 」
いや本当にぶっ飛び過ぎでしょ…ホテルとか…
「 まあまあ、行こいこ! 」
「 俺らの旅が始まるんだ! 」
菊地はどうした、とんでもなく頭がおかしいのは分かったけど
「 あはは、楽しみですね〜 」
「 天羽ひなただっけ…後輩なのにしっかりしてるな。理恵よりしっかりしてるんじゃないか? 」
「 えっ、そんなぁ〜。私なんてしっかりしてないですよ 」
「 てか華澄ひーどーいー… 」
「 なあ、電車そろそろ来る時間… 」
「 は?神田の事だしそんなの嘘… 」
理恵は時刻表をチラッと見た
「 本当だったな 」
華澄は真顔で時刻表を見ながら言う
「「 ……急げよ!! 」」
冬馬と颯汰は驚きのあまり大声で叫んでしまった
これ本当大丈夫なの……?色々気になる事が多過ぎて…。
「 ついたー!さあ、皆お待ちかねのホテルだよー! 」
でかっ……正直ちょっと心配だったけど大丈夫そうで良かった…
「 すげー!早く中に入ろうぜ! 」
「 颯汰は子供かよ… 」
相変わらず皆のツッコミをする華澄
そして少し緊張しながらも皆ホテルの中に入っていった。
「 あ、理恵ちゃん!久しぶりね! 」
「 久しぶりです〜! 」
「 他のみんなもよろしくね。では…早速お部屋を案内しますね 」
「 (わぁ、急に仕事モードに切り替えてるんですけど…) 」
「 (理恵の心の声が何となく伝わってくるんだが…) 」
皆は案内に従いながらついて行く
「 ここがお部屋です 」
「 じゃあ入ろう入ろう! 」
ノリノリで楽しそうに部屋に入ろうとする颯汰の肩をがしっと掴む理恵
「 あんたらは隣だって 」
「 なんだよ!めんどくせー… 」
「 隣の部屋に行くぐらい面倒じゃねーだろ 」
「 有美ちゃん怖い怖い… 」
苦笑いしながら梓は言う
「 まあいーじゃん? 」
ドアノブを握り、ドアを開けた
そこには大きなベッドがちょうど人数分に置いてあった
「 きゃっふー!ベッドふかふか〜! 」
早速ベッドに思いっきりダイブする理恵
「 はぁ、相変わらずだな… 」
「 でもお泊りですしいいじゃないですか〜 」
「 まあわそこはひなたの言う通りだな… 」
「 (お泊りと言えば上条先輩!夏休みと言えば上条先輩!上条先輩との夏休みなんて二度と来ないチャンス!出来ることなら上条先輩の寝顔と寝巻きも見たい…この目で!) 」
「 えっと…ひなたちゃん?なんか顔が凄いことになってたけど… 」
「 あ、降旗先輩…何でもないです〜…… 」
「 これやっぱ大丈夫なのかな… 」
天羽ひなたがいる…そうなれば私が今気になってる事はただ一つ…上条との関わりだけ……にしても大丈夫かな?理恵ちゃんがいるだけでも相当大変な事になりそう…な予感…でもないな
「 ねえ…じゃーん! 」
颯汰は先端がペンで色を塗られている割り箸を自分のリュックから取り出した。
「 どうせ王様ゲームだろ 」
「 男同士の王様ゲームってなんか気持ち悪くない? 」
「 司酷い!! 」
「 何故いつもこうなるんだ……
面白そうだしいいじゃないか、な? 」
「 さっすが!鈴村わかってるー! 」
嫌な予感しかない…俺的には鈴村が王様になって欲しいな
_2分後
「 せーのっ 」
四人は割り箸を取る
「 あっ、俺王様だー! 」
菊地が王様……!?
「 うわ、最悪 」
「 面白いの期待してるぞー 」
鈴村がなんか乗り気だ!?
「 じゃあー…2番が女子の方にあれをやる! 」
「 僕2番じゃない 」
「 俺も。」
冬馬と湊は自分がとった割り箸を見て言う
おい待て…じゃあ…
司は恐る恐る割り箸を見た
嘘だ…嘘だ…女子に!?女子の部屋に行くのか?!
あれってなんだよ?あれか?…知らないが。
「 なあ、あれってなんだよ…? 」
「 えーあれだよ! 」
颯汰は司の耳元でこそこそと例のあれを言った、颯汰の事なのでまともな事ではないのは確実だろう
いやいやいや本当に嫌なんだが…。
「 それでさー、私美術室に残ってたんだよー? 」
「 あれ、そうだったの?ごめんね、理恵 」
「 まー、いいけどねー 」
「 そういえば美術部は文化祭の有志で何かやるのか? 」
「 ううん、美術部は文化祭のポスターとかを作るだけなんだ。 」
「 ならさー、文化祭でバンドとかやってみない? 」
「 バンド?楽しそうだね!」
「 バンド…悪くないかもな。確か音楽室にちょうどドラムとかギターもあったような… 」
「 あ、そうだ有美ちゃんもバンドやろうよ! 」
「 …え 」
「 バンドですか〜、素敵ですね! 」
皆は部活の話や、文化祭の話で盛り上がっていた。
そんな時急に司がドアをバンっと開けた
「 こんにちは、レディの皆さん! 」
「 司、どうした? 」
う……っ、直球的にそう言われると傷付くな…。
「 チッチッチッ…俺はツカサだ 」
「 ねえ、神田。それ変わりないと思うんだけど 」
冷たい目線で有美は司をじっと見た
入間…こっち見ないでくれよ…すげー辛い…
「 ……チョコレート!ケーキ!チョコレートケーキ! 」
司はリズム良く、ポーズを取り極めつけは何とも言えないドヤ顔をする
「 …………。 」
「 誰かなんか言ってくれよ! 」
「 てかさ、それ何? 」
「 いや、一発ギャグ…のつもり 」
「 しょうもないくらいにしょうもないね 」
真顔できっぱりと伝える有美
「 あれー?やたら静かだね?滑った? 」
部屋にきた颯汰はにやにやと面白そうに述べる
「 にやにやすんな! 」
あー、本当恥ずかしい…。王様ゲームってなんでこんなに地獄なんだ!?