モテすぎて困るっ!−4カクカンケイ?−

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1:風月◆uM:2017/08/29(火) 11:31


 マイペースに小説を書いていきます。
 素人なので誤字があったり、話の内容がおかしかったりと
 読みにくいかもしれませんが、どうぞ温かい目で読んでくれたら
 嬉しいです<(_ _)>
 コメント・アドバイスもぜひどうぞ。返信はその日のうちには無理かも
 しれませんが、必ず返します。
 長文失礼しました。

 -このお話は恋愛小説です。-

>>2
登場人物紹介(明日に書きます。)
あらすじ(簡単な)

>>3
本編 1.モテすぎて困るっ!

 
 

43:   .輝夜.゜kaguya゜◆cM:2017/09/10(日) 11:22

>>42 アーヤさん

そう思ってくれるなんて嬉しいです!
期待に応えられるよう、これからも頑張ります(*>v<*)9ォ-‼

44:   .輝夜.゜kaguya゜◆cM:2017/09/10(日) 11:25

小説書けなくてすいません<(_ _)>
忙しく、小説板に来れませんでした...。
これからはなるべく、1日1回、小説を書きますので、
これからも何卒この小説を宜しくお願いします。

45: アーヤ◆TQ:2017/09/10(日) 11:34

私も平日はあんまり小説を書くの難しいけど、なるべく少しずつ書いているから一人じゃあ無いよ忙しいもんね。

私も毎日書ける様に頑張りますお互いに頑張ろうね

46:   .輝夜.゜kaguya゜◆cM:2017/09/10(日) 11:50

6.相談

文ちゃんに言えないまま、あっという間に放課後になってしまいました…

文ちゃんは週7で放課後、塾に通ってるから早く言わないと
文ちゃんが帰っちゃう…!

その時、文ちゃんが校門から出てくるのが見えた。

「あっ!文ちゃーーん‼」

文ちゃんは私に気付いてこっちに駆け寄ってきた。

「恋、どうしたの?」

「あのね、私昨日、絆くんに告白された!でもっ恋とかよく分からないから
保留にしたの!」

驚くのかなって思ったけど、文ちゃんは何も言わなかった。

「えっと、文ちゃん?」

文ちゃんは、微かにほほ笑んでいた。

「ううん。なんでもない!で、それについて悩んでるの?」

真剣な顔の文ちゃん。

「うん…。本当に保留でよかったのかな…って。。。
絆くん、一瞬悲しい顔してた。。本当にこれでよかったのかなって…。
彼氏がいる文ちゃんなら、(詳しくは登場人物のところをチェック‼)この気持ち、分かるかと思って…」

すると文ちゃんは、思いがけない言葉を発した。

「恋の気持ち、私分からないや。」

「えっ…?!」

「というか、皆恋の気持ち分からないと思う。」

「どうして?文ちゃんも、皆も分からないの?!この気持ち…」

「…私は、”恋じゃないから、恋の気持ちが分からない”の。」

「…えっ…?」

「恋だって、私の気持ち、分からないでしょ?」

「うん。文ちゃんに、塾のテストで点数悪かったって言われても、
私は塾行ってないから文ちゃんの気持ち、分からないかも…。」

「それと一緒。私は恋と同じ経験したことないし、恋がどう思ってるかなんて私もだけど、誰だって分からないのよ。恋の気持ちは恋の気持ち。
私の気持ちは私の気持ち。」

「うん。。」

「恋は、告白を保留にしたんでしょ?それは恋の気持ち次第で決まること。
恋についてよく分からなかったから、河原 絆さんを傷つけたくなくて保留にしたんでしょ?」

「うん。」

「恋は自分の選択を選んだ。それでいいのよ。恋は恋。だから、今の恋は
自分の気持ちを信じて行けばいいんじゃないかな。」

「文ちゃんっ…ありがとう!」

「ううん。親友が困ってるとき、ほおっておいたら友達失格でしょ?」

そう言って文ちゃんは笑った。

私も微笑んだ。

「あっ!私もう行かなきゃ!塾のこと忘れてた。恋、じゃあね!」

文ちゃんは早足で家へと向かっていった。

「文ちゃん!!相談乗ってくれてありがとーーー〜!!」

大声でそう叫ぶと、文ちゃんは一旦とまってこちらを向いた。

「恋!頑張れ!!」

そう叫んだ。

文ちゃんは私の一番の親友。私に大切なことを教えてくれた…。

ありがとう!文ちゃん!

47:   .輝夜.゜kaguya゜◆cM:2017/09/10(日) 11:52

>>45 アーヤさん

平日は難しいですよね><

アーヤさんの小説も見てます!

お互い頑張りましょう(*>v<*)9

48: アーヤ◆TQ:2017/09/10(日) 12:13

そうなんです,文ちゃんと恋ちゃんの仲が羨ましく思った

49:   .輝夜.゜kaguya゜◆cM:2017/09/10(日) 12:16

>>48
恋は、明るくポジティブな可愛い系。
文は、頭脳明晰で頼りになるクール系。
お互い性格は全然違うけれど、仲のいい親友です…♬

50: アーヤ◆TQ:2017/09/11(月) 21:30

続き気になるよ。

他の男性三人と絆が,どう動いていくか見てみたい

51:   .輝夜.゜kaguya゜◆cM:2017/09/12(火) 18:31

>>50 アーヤさん

続きは明日になっちゃう;
でもあと2人イケメン男子出てくるからお楽しみに♪
新キャラも出てくるかも!

52: アーヤ◆TQ:2017/09/12(火) 19:13

楽しみにしてます

53: .輝夜.゜kaguya゜◆nY:2017/09/20(水) 19:06

7.恋がついに恋を…!?

キーンコーンカーンコーン・・・

5時限目の授業が終わったのを告げるチャイムが校舎に鳴り響く。

5時限目の授業は数学。意味不明で、文ちゃんに教えてもらいながらやったんだぁ…。

そういえば次の授業、体育‼しかもバスケって先生が言ってた!
やったぁ〜スポーツ・運動前半は無理だけどバスケは大好き。
バスケの試合をまじかで見たことだってあるんだ〜♪

バスケのことで頭がいっぱいになっていたその時、頭上から声がした。

「恋。バスケの授業に遅れるよ。それに…早く用意しないと体育担当の厚真(あつま)先生に叱られるのと、
体育館20周だよ〜?」

文ちゃん‼

文ちゃんは脅したかのように言うと、教室を足早に出て行った。

バスケの授業に遅れて説教受けるのだけは嫌ーーっ‼

私はふぅ、と息をつくともうこれ以上出せないくらいの猛スピードで走り、教室を出ていった。


体育の授業でバスケの準備中。

体育担当の厚真先生は、20代後半くらいのイケメン先生で、バスケとか野球の習い事を子供の時からしてたみたい。
それで全国大会で優勝したほどの実力の持ち主だって、文ちゃんが言ってた。
だけどそれはそれはもう熱血で。生徒からけむたがれちゃうくらいなの。
でも、厚真先生に告白する人も1ヶ月に4人はいるって、またまた文ちゃんからの情報。
まぁ…イケメンなのは間違いないからね。

すると、周りから女子の歓声が…
あれっ。いつの間に試合始まってる!またボーっとしてたのかなぁ。
ん、でも皆どうしたんだろう?

その時、隣のクラスのある1人の女の子が、「千速くーん!」と黄色い声をあげた。

千速君…?あっ青木 千速君のこと・・・?
千速君っていうのは、厚真先生に負けないくらいの熱血さん。部活は確か…陸上部。
足が速いのはもちろん、スポーツなら全部出来ちゃうスポーツの天才。
だからモテモテ。((これは私が入手した情報✩

でも本当にすごい…
すばやく相手をかわし、バスケボールをタンタンと一定のリズムでバウンドさせている。
千速君はバスケボールを軽やかな動きでゴールに入れた。
瞬間、皆から歓声があがった。さっきに増して多くの声がする。

見入ってしまった。思わず…
すごい!すごいよ…。

「…千速君…か。。。」

私はぼそりと呟いた。
なんだろう。無意識に彼の名前を呟いていた。

脚が勝手に動く。向かった先は千速君のところだった。

目の前に千速君がいる。キレイな黒目がちの目で私を見つめている。

「千速く・・・」

言いかけたその時。

「恋。」

千速君が私の名前を呼び捨てで…
千速君は若干微笑み、言った。

「俺、青木千速。恋、俺のこと覚えとけよ。忘れるな。」

!!!

…今までで一番ドキドキした。

些細な言葉が私を幸せの魔法にかけた。

「じゃ」

青木君は短く言い、さっていった。


これって・・・

胸がドキドキして、

でも苦しくて。


・・・私・・・

これが恋なんだ。

54: アーヤ◆TQ:2017/09/20(水) 19:25

えっ!?
絆じゃあなくて千速なの!!
ちょっと絆にして欲しかったよ……

55: アーヤ◆TQ:2017/09/20(水) 19:25

でも待ち遠しかったですね更新。

56:  るい。  ◆ESlA hoge:2017/09/20(水) 19:28


>>54

他人の小説にそういう個人的な意見は出さない方がいいと思いますよ、、
あくまでも主さんのオリジナル小説ですからね

乱入失礼しました

   

57: 輝夜  (;`・ω・)つdice3:2017/09/20(水) 21:44

いや、まだ分かりませんよ🎵
きずながまた…、ま、あとはお楽しみに!

58: アーヤ◆TQ:2017/09/20(水) 21:48

絆頑張って応援しているよ

59: .輝夜.゜kaguya゜◆nY:2017/09/21(木) 18:20

>>54 アーヤさん
でも絆と恋が両想いになってずっと幸せに…って話になったらハプニングもなく、
小説としてつまらないと思います^^;(それに話がそこで終わっちゃう…)
私は読んで下さっている方にドキドキハラハラしてもらいたいので、あえてライバルやハプニングがある
話にしたんです。
それに、アーヤさんは絆が推しメン?でもほかの方は千速が推しメンかもですし。
>>56さんが言ったように、あくまで私のオリジナル小説です。
個人的な意見を言われると少し傷つきますので。。。お控えください(~_~;)

ですがこれからも小説をドキドキハラハラしながら読んで下さいね!

60: アーヤ◆TQ:2017/09/21(木) 18:22

解りました、続き楽しみにしてます

61: .輝夜.゜kaguya゜◆nY:2017/09/21(木) 18:23

>>58 アーヤさん

おぅ!って・・・千速ってあの青木 千速?!わっ強敵ライバル・・・
でも頑張るから”俺を応援”してくれよなっ!(by絆

絆は自己中だな…自分で「俺を応援してくれよな」ってふつー言わないだろ。。(-_-;)(by千速

絆君、千速君、喧嘩はしないでねー〜っ(~_~;)(by恋

62: .輝夜.゜kaguya゜◆nY:2017/09/21(木) 18:24

>>60 アーヤさん

分かってくれればそれでいいです!
はい!今から続き更新するので楽しみにしてください!

63: .輝夜.゜kaguya゜◆nY:2017/09/21(木) 19:04

6.恋してる気持ち.

体育の授業の時_私は夢の中にいる気分だった…。

千速君が私の名前を呼び捨てで呼んでくれた。

私の心は千速君色に染められていた……

*

放課後…

「ええっ?バスケ部に入る?それ本気?」

?マークでいっぱいの文ちゃん。
そう、私はバスケ部に入ることを決意したのだ‼

なぜかって…。それはもちろん、千速君がいるから…//
でも、バスケが好きっていうのも理由の1つだよっっ!

文ちゃんはふぅ、と一息つくと一言言った。

「ま、それは恋の勝手か!じゃぁ先生に言ってきなよ。」

よかった!

私は足早に職員室に行き、先生にそのことを言った。

「それは恋の勝手だよ。好きにしたらどうかな?」

再びよかったぁ!

「じゃぁ、バスケ部の見学に行こうか。」

先生は椅子から立ち上がると私に手招きをし、体育館の方へ歩いて行った。
慌てて私は先生の後を追う。

バスケ部…

「ここがバスケ部。女子バスと男子バスがあって…明日は女子バスのキャプテンに挨拶をしてね!」

先生がコートを指をさしながら私に分かりやすいようにバスケ部について説明してくれた。

「あっ!」

先生が短く言う。
目線の先には、、千速君!!
今シュートを決めたようで、ガッツポーズしている。

「千速君・・・」

そうつぶやいたと同時に、千速君がこちらに気づき、小走りでやってきた。

「恋。もしかしてバスケ部に入るのか?」

「えっと、、、はい!明日からよろしくお願いします…っ」

「敬語はやめろよ。」

千速君はいきなり怖い目つきになった。

私はどうしていいのかわからず、うつむき、黙り込んでしまった。

すると、千速君はククッと笑い、言った。

「どんな顔してんだよ。敬語だと堅苦しいだろ。それに…俺ら友達だ。」

友・・・達・・・。

千速君が私を友達と言ってくれた。。嬉しい。。

「友達…」

そう言いかけたその時。

「千速。タオル!」

「夢花!ありがとな。」

誰?夢花って…

「あ、こいつ、俺らの男子バスのマネージャー。昨日からマネやりはじめた新人だけどな、
気さくで人思いなんだよ。だよな?夢花。」

えっ・・・

「私、城野 夢花。よろしくね!恋ちゃんっていうの?千速から聞いたよ〜。あと…もう!千速、お世辞言わないでくれる?w」

「お世辞じゃないって!ww」

何これ_

夢花さんは、カールがかった黒髪を頭の上の方でポニーテールしていて、ツヤツヤ。
薄い唇がうすピンク色で可愛い。まつ毛も長く、笑うたびにえくぼができる。
ピンク色のスカートからのびるキシャで細く色白の脚。。

・・・

胸が苦しい。。

痛い…

今何が起こってるの…

それすら分からない。

これが恋なんだ。

苦しみを味わう、それが恋___

64: アーヤ◆TQ:2017/09/21(木) 19:56

絆も良いけれど千速の方も良いね、もっと詳しく二人の事知りたい小説頑張って下さい

65:匿名 hoge:2017/09/21(木) 21:15

>>63

キシャってどういう意味?
華奢( きゃしゃ )の間違いじゃないの?

あと小説に「 w 」とか「 / 」は使わないからそういうのも控えたほうがいいんじゃ

66: 輝夜  ( -.-)ノ ・゚゚・。dice1:2017/09/21(木) 21:46

ごめんなさい…
気を付けます…。

67: .輝夜.゜kaguya゜◆nY:2017/09/22(金) 18:07

>>65
キシャは打ち間違えです。正しくは華奢。
「w」、「/」もこれから気を付けます。
小説の基本的なことが分からないのに小説今まで書いてたなんておかしいですよね^^;
教えて下さりありがとうございます。

68: .輝夜.゜kaguya゜◆nY:2017/09/22(金) 18:46

7.苦しみを消してくれたのは.

私は、もう居たたまれなくて体育館を飛び出してしまった。
千速君が話を振ってきてくれたのに、無視してしまった。

怒ってるかな。それとも軽べつの目で見てるかな。
不安になったけれど、恋の苦しみが不安をあっという間に消した。

心が恋の苦しみの闇につつまれた。

「はぁ。。はぁ」
行き場所も決めず、ひたすら体育館から離れた。
息が切れて苦しい。だけど今はそんなことどうでもよかった。

涙が溢れ、周りの景色がよく見えない。
ぽろぽろと大粒の涙が頬をつたって床へ落ちる。
まるで雨が地面に打ち付けるように。

だんだん夢花さんが憎たらしく感じた。
なんで千速君と仲良くするの_?
自分が”悪い子”になってる気がして慌てて頬を軽くたたく。

「うぅ…わぁっ…っっ」

私は廊下のど真ん中で泣きじゃくった。
人が時々と負ったのがかすかに見えた。そして、チラチラこちらを見てはコソコソと何かを話す。
だけど、恥ずかしくもなかった。
だって私の心は恋の苦しみしかなかったから。

その時_

頭上から声がした。

「恋ちゃん?!どうしたんだ?そんな泣いて…」

絆君だった。

私は絆君の問いかけには答えなかった。
言ったって、絆君に私の気持ちなんか分かるはずないもん…!

「言いたくないなら言わなくていい。傷ついたんだな…。泣くぐらいに、傷ついたんだよな…。」

「…えっ…」

私はその時始めて声を出した。
すごく驚いた。
なぜなら、絆君が私の気持ちを分かってくれたから。

「泣きたいなら泣いていい。叫びたいなら心の底から叫んでいい。我慢はしないでほしいんだ。」

すっごく優しい声。
優しい言葉。

心が次第とほぐれていき、涙も出なくなった。
絆君はやっぱり優しいなって、改めてそう思った。

「もう泣かないよ。」

私はそう言い、絆君の方を向いて笑った。

「そっか。」

絆君は、短くそう言い、微笑んだ。

土砂降りだった私のどんよりした心に日が差した気がした。
なぜなら、絆君の笑顔、太陽みたいなんだもの。

「またなんか困ったことあったら、いつでも相談乗るからな。じゃ!」

やっぱり・・・!優しすぎる・・・‼
人の気持ちを考えてくれて、1言1言がすごく心にしみる。

「うん!」

私は、コクリとうなずいた。



絆君は、歯を見せてニカッと笑うと、廊下の先の方へ歩いて行った。

頬が熱い。火照った気がしてトイレに駆け込む。
やっぱりだ…もしかして照れてるのかな…。

うっ。そういえば私、絆君と千速君、どっちも気になってるっぽいじゃん…。
気持ちが傾いてる。

あーっ。。。

どっちに気持ちが傾くんだろう。

69: アーヤ◆TQ:2017/09/22(金) 20:03

だんだん気になってきた恋する気持ちは必ずや揺れるから、恋は二人の優しさに揺れていて余計に気にはなってきた

70: .輝夜.゜kaguya゜◆nY:2017/09/23(土) 17:05

>>69 アーヤさん
恋する気持ちは揺れますよね〜
恋はどちらを選ぶのか、3人目のイケメン男子登場…等々見逃せませんッ(>v<)9

71: .輝夜.゜kaguya゜◆nY:2017/09/23(土) 18:04

8.恋の気持ち@

その日の夜。

私は、ベットに仰向けに寢っ転がると今日の出来事を頭の中で考えていた。

絆君と、千速君…どっちのが私にお似合いかな…。
って、私何考えてんだ1人で!

「そうだ!頼れる文ちゃんにラインしよう。」

スマホの電源をつけると、最初の画面に時刻が表示された。

「10時か…。文ちゃん、忙しいかなぁ。ラインするのやめよう。」

実は文ちゃん、私の住んでいるところでもトップクラスの塾に、週7で3時間も通っている。
入塾テストで落ちる人もたくさんいるらしいけど文ちゃんは、あっさり入塾テストに合格したらしい。
クラスでもトップの学力のメンバーに入っている文ちゃんにとって、ずっと学力をキープするのは、
相当プレッシャーだろうし、不安もたくさんあると思う。

そういえばこの前…

「学校帰ってからどんくらい勉強するの?」

「塾の勉強3時間+家での自主学習3時間くらい+学校の宿題30分だから、約6時間30分かな。」

「ろっ・・・6時間以上も‼そんなやっててめんどくさくなったりしないの?」

「めんどくさく?ううん、ならない。だって勉強好きだもん。将来はお母さんとお父さんの病院を継いで、医者になるのが夢なんだ。」

「医者かぁ…」



・・・そんなことがあったんだよね。
文ちゃんの家は、お母さんとお父さんでやっている病院の医者。
お医者さんなんて無理っ!って私は諦めちゃうかもだけど、文ちゃんは違う。
自分から勉強して、医者を継ぐって言ってる。
文ちゃんに感心させられたのを鮮明に覚えてるよ。

あっ。もう10時半‼
明日文ちゃんに話してみよう。
絆君と千速君が気になってるって報告して…

文ちゃんなら、「それは恋の気持ちじゃない?」って言うかな。
たぶん、そうだと思うけど…。

私は文ちゃんと絆君、千速君の顔を思い浮かべて、微笑んだ。

「皆いい人たちばっかり。こんな友達や好きな人が出来てよかった。」


そうつぶやき、私は夢の中へ入っていった_。

72: アーヤ◆TQ:2017/09/23(土) 18:59

ますます気になる3人目の人はどんなタイプかな?

73: .輝夜.゜kaguya゜◆nY:2017/09/24(日) 11:23

>>72 アーヤさん
3人目のイケメン男子も必見デスゾ(・v・)9

74: .輝夜.゜kaguya゜◆nY:2017/09/24(日) 12:12

9.恋の気持ちA

次の日。

教室に行くと、皆、朝からザワザワしてる。
いつものことだけど…。
私のクラスは騒がしいんだよねぇ…。

その中で1人、静かに分厚い本を読んでいる文ちゃんがいた。

「文ちゃん。おはよっ‼」

文ちゃんは、こちらを振り向き、微かに笑った。

「おはよう、恋。」

そうだ。
私が絆君と千速君のことが気になってるっていうのと…。

「あっ。皆、HR始まるよー。座ってー‼」

文ちゃんの一言で皆が席に一斉につく。
ていうかまたチャンス逃した!

はぁ〜…休み時間に言おう。絶対にっっ‼

*

休み時間。

「文ちゃん。私、絆君と千速君が気になってるの!」

わわわ…一気に言っちゃった…。
反応は…。

文ちゃんの方を見ると、目を丸くしてる。

やっぱり一気に言ったのが悪かったかなぁ…。
どうしよう!この雰囲気…っ。
なんて脳内で色々考えてたら、文ちゃんが口を開いた。

「恋、よかったじゃん。」

いきなりそう言われて、意味が分からなくなった。

「えっ?えと…」

ふっと文ちゃんが笑う。

「恋、昔から言ってたよね〜「恋がしたい!」って。
その夢が叶ってよかったじゃん。」

あぁ、そういうこと…

「それでっ私はどっちを選べばいいのかなぁって。」

文ちゃんは、うーんとうなってから言った。

「絆さんと、千速さん…どっちの方が好きって気持ちがある?」

「う〜ん…五分五分!」

「五分五分かぁ。難しいね。」

へぇーっ文ちゃんでも難しいと思うことあるんだ。

「それは恋の気持ち次第だよ。前も行ったと思うけど。」

私が昨日予想した答えとほぼ一緒だ。

「分かった。それと、、私も私なりに頑張ってみる。」

「うん。それでいいんだよ。」

そういえば今考えると、文ちゃんに頼りっぱなしだなぁ。

時には自分で考えなきゃ!

そう思った。

ハッ。

今日図書室に本返しにいかないとだ!
もうすぐ休み時間終わるけど、昼休みは用事があるから…

よし、急いで行こう!

私は本をスクールバックから取り出して、廊下を猛スピードで走った。
本当は走っちゃダメなんだけど、、しょうがないよねっ今はっ…!あは…

図書室のすぐ手前まで来たとき、曲がり角から1人の男の子が…

そう思ったと同時にぶつかった。

「わっ!」

「・・・いたた…」

「ごめんなさい!私の不注意です。ほんとにごめんなさ…」

「大丈夫ですよ。それより、、怪我はないですか?」

「えっ…あ、、、大丈夫です…。」

その男の子は身長が高くて、髪が整ってる。
黒縁メガネの奥に、きれいな瞳。美形だった。
会ったこと無いから、たぶん先輩かな…?


「あの、名前はなんていうんですか?」

いきなりそう言われてドキッとした。

「美津野 恋 って言います。中2です。あなたは?」

「神崎 卓 です。中3で、クラスは3−1。」

マジメな子っていうのが一瞬で分かった。
真剣なまなざしでこちらを見る。

「今はごめんなさい。また会ったら、おわびしますっ!ではさようなら!」

テンパっちゃって変な言い方になる。

神崎 卓さんは、くすりと笑った。

「おわびですか。出来たらでいいですよ。ではまた。」


男の子はさって行った。

なんか…敬語でマジメ。かっこよかったも…

って、早く本返さなきゃ!

75: アーヤ◆TQ:2017/09/24(日) 13:27

うっわ、うわっ〜〜〜あ
何か真面目な人もギャップとかがありそうですね、どうなるんだって思う(*≧∀≦*)

76: .輝夜.゜kaguya゜◆nY:2017/09/25(月) 18:13

>>75 アーヤさん
3人目のイケメン、神崎 卓君にも注目して読んで下さいね✩

77: .輝夜.゜kaguya゜◆nY:2017/09/25(月) 18:50

10.神崎 卓君って??@

本を返しに行って帰ってきたら授業が始まるギリギリだった。

キーンコーンカーンコーン…

「国語の授業を始めます。では、、先生が単語を書いていくのでノートに写してくださいね。」

花園先生はそう言い、ニッコリと笑った。
あ、花園先生は国語の先生。
20代の若い先生で、美人!
栗色のカールがかったツヤツヤの髪が動くたびになびく。
目元がちょっと垂れ下がってて、おっとりした目をしてて、生徒の気持ちを一番に考える、
マジメな先生で、女子生徒から人気が高い。

そういえば、、さっきの神崎 卓さん(年上なので、「さん」呼び。)ってどういう人なんだろう。
3ー1って言ってたから、一つ年上かぁ。私から見れば先輩にあたる。

年上の先輩方とはあんまり触れ合わないし、だから少し気まずくてあまり話さない。
話すと言ったら、廊下ですれ違って挨拶するくらいだし。

う〜ん。謎が沢山‼

昼休みに、3ー1に行ってみようかなぁ。
滅多に年下の学年の人はいかないんだけど、もう1回、、神崎 卓さんに会って、長く話したいからね。


あっやば!ノートに単語書かなきゃ!

*

昼休み。

「あっという間にもう昼休み!さてと、さっそく3−1へ行こう!」

私は3年生の教室前廊下に行ける階段を上っていった。
意外とこれが大変。
3年生の教室まで行くには、14段の階段を4回上らなきゃいけないの。

着いた時にはうっすらおでこに汗かいてた。

「えっと、3−1…あった!」

「3−1」と書かれた板が教室前にぶら下がってる。
ちょうど廊下の突き当たりだった。

3−1の教室前まで行くと、私は教室の中をキョロキョロ見回してみた。
だけど、神崎 卓さんらしき人はいなかった。
廊下も見てみたけど、どこにもいない。

「あれ?早退したのかな?それとも図書室?」

私はあきらめて、階段を下りようとした。

すると腕を誰かに掴まれた。

「誰ですか…」

そう言いかけながら後ろを振り向くと、そこにいたのは神崎 卓さんだった…。

「僕のこと、探してたんですか?」

そう言い、小悪魔のような笑みを浮かべた。

78: アーヤ◆TQ:2017/09/25(月) 21:55

小悪魔タイプのイケメン!?

79: .輝夜.゜kaguya゜◆nY:2017/09/26(火) 18:02

>>78 アーヤさん
さぁ、どうでしょうか!

80: .輝夜.゜kaguya゜◆nY:2017/09/26(火) 18:53

11.神崎 卓って??A

小悪魔のような笑みを浮かべた神崎 卓さんは、私を廊下の隅まで連れて行った。

「えっ。。あの…」

「僕を探してたんですよね。何か…用ですか?」

そう言い、私を見つめた。

なんか見つめられるとドキドキする!

あ、そうそう、本題忘れてた…。

「私、神崎 卓さんのこともっと知りたいんです‼年上の方とあまり話さないのでっっ。。」

あぁ…私ったらテンパっちゃって早口になっちゃったよ…恥ずかしー!

でも神崎 卓さんは、普通の顔をして言った。

「はい、いいですよ。私も恋さんのことあまり知らないので、謎が沢山あったんですよ。」

私と同じこと思ってたんだ!嬉しいな。

*

「神崎 卓さん、特技と趣味ってなんかある?」


間違えてタメ口で話しかけてしまった…失礼な子だって思われたらどうしよう。
ここまで来たのに全部水の泡に…っ。

「さん、ってつけなくていいよ。それで特技は…地理と数学の授業で、趣味は色々なお城をめぐることと、プラモデル作り。もう時間も忘れて熱中しちゃうくらいだよ。」

えっ、普通に接してくれる…。しかもタメ口!

「分かった。じゃあ、卓君って呼ぶね。地理と数学私苦手だから尊敬する!お城めぐりもプラモデルも、卓君らしくていいね!」

「分かったよ。僕は恋ちゃんって呼ぶ。
僕らしい。。。?そうかな。尊敬するなんて、、嬉しいよ、ありがとう。」

「うん!
ホントに卓君らしいもん。」

「恋ちゃんの特技と趣味は?」

「特技は、、裁縫。自分の服も時々だけど作るよ。趣味は色々あるよ〜。」

卓君は、目を細め、微笑んだ。

「裁縫が得意だなんて、器用なんだね。自分で服も作るなんてすごいじゃん!僕こそ尊敬するよ。」

嬉しい…!褒めてくれて。

「へへ…そう?」

「うん!」

その時、頭の中にある出来事がよぎった。
ぶつかっちゃった時…

_おわびしますっ!_

_出来たらでいいよ。じゃ_


そうだ!

「卓君。ぶつかった時に、おわびするって私言ったよね。」

「あーそういえば言ったっけ。」

「うん。それで、、私おわびするね!」

「それはありがたいよ。ありがとう。」

「私の得意な裁縫で、卓君に服作る!ねっっ…?」

卓君は、満面の笑みを浮かべた。

「ありがとう!本当に!忙しいと思うけど、、。感謝する。頑張って!」

「うん!頑張る!」

よーし!今日から徹夜で作るぞー!

81: アーヤ◆TQ:2017/09/27(水) 08:16

卓って意外に普通に喋ってくれたから、一緒に話せる接し方して優しいって思えた。

82: .輝夜.゜kaguya゜◆nY:2017/09/27(水) 18:05

>>81 アーヤさん
卓君は「頭脳明晰」で「マジメ」なんですが、頭いい・賢い=つめたい、クール。と思いがちです…。でも、意外と普通に接してくれるんです(*>v<*)そして優しい。

83: アーヤ◆TQ:2017/09/27(水) 18:13

確かに頭脳明晰な感じはするって思う、賢そうでクールのところはしたけど……
冷たい感じは読んでて、まだまだ分からないけど少し気になった‼
誰も良いよ

84: .輝夜.゜kaguya゜◆nY:2017/09/27(水) 18:24

>>83 アーヤさん
最初のうちはクールですよね、卓君。
これから卓君のホントの性格が明らかになる(ハズ☚)です;

85: アーヤ◆TQ:2017/09/27(水) 18:29

えっ、なんだか裏の顔?
それとも二面性?

でもこんなキャラも好き二面性の方もね

86: .輝夜.゜kaguya゜◆nY:2017/09/28(木) 17:37

>>85 アーヤさん
どうでしょうか…っ。
私も二面性の子好きです♡

87: .輝夜.゜kaguya゜◆nY:2017/09/28(木) 17:59

サーバー障害でなかなか書き込めないので完全に落ち着くまで
小説お休みいたします。
明日はたぶんサーバー障害も元通りになって小説更新できると思いますので、楽しみにしててくれたらうれしいデス♪

88: .輝夜.゜kaguya゜◆nY:2017/09/29(金) 18:48

12.プレゼント‼

私は、徹夜でお洋服を作った。
疲れたり、眠くなることはもちろんあったけど、卓君に喜んでもらいたいもんね。

1週間後。

私は、お洋服が入った真っ白な紙袋を両手に持ち、待ち合わせ場所で卓君を待っていた。

待ち合わせ場所は、校舎裏の”秘密の場所”。
薔薇やコスモス、オリーブの木などの植物がたくさん植えてあって、オシャレなベンチもある。まるでおとぎ話の中にいるみたいなんだ。
木と木の間から差し込む光が木漏れ日のようでキレイ。

中1の頃からこの場所がお気に入りで、お花や木に囲まれながらベンチに座って本を読んだりするのが特に好き。今も時々ここに来てる。

ベンチに座っていると、卓君が来た。

「はぁ、はぁ、、はー…」

すごい息切らしてるけど、走ってきたのかな。

「走ってきたの?」

「うん。だって、恋ちゃんを待たせるわけにいかないし、俺に作ってくれた洋服も、早くもらいたくて。。」

そう言い、笑った。

嬉しい。そんな楽しみにしててくれたなんて。

私は、お洋服の入った真っ白な紙袋を卓君に差し出した。

「これ、おわびのプレゼント。」

卓君は、すばやく紙袋の中を見た。

「・・・」

でも、無言。

気に入らなかったとか?デザインが変だった?
脳内でダメ出しをしていると、卓君は眼鏡の奥のキレイな瞳を輝かせた。

「すごい…」

「…えっ」

「すごいよ。俺の好きな青と緑色だし、今からの季節にピッタリじゃん。
さすが恋ちゃん器用だな。」

褒めてもらって、すごい嬉しかった。それに、感動した。
なぜなら…
最初はマジメで冷たい子かなって思ってたのに、こんなにも普通に接してくれて、しかもこんな温かい言葉を掛けてくれた…。
冷たい子ってのは思い込みだったみたい。

「ありがとう…!青と緑色好きってラインで言ってたから、その2色は入れてみたの。」

自信気に、でもちょっと照れながら言った。

「こちらこそありがとう!嬉しいよ。」

「うんっ!」

と、卓君がさっきのオチャメな顔から真剣な顔になった。

「ど、どうしたの??」

問いかけてみても返事はなく、沈黙が続いた。

そして数秒たったくらいの時、卓君が口を開いた。

まっすぐに私を見つめる瞳は真剣だったけれど、頬はかすかに赤い。

どうして・・・?なんで?
?マークでいっぱいだった。

「あのさ、」

短く言い、卓君は続けた。

「今週の土曜、あいてる?」

「えっ。2人で?」

「うん。。まぁ…」

「いいけど…。ほかの皆は誘わないの?」

「うん。。」

1回うつむき、言った。

「2人がいい。」

「・・・たく…くん…?」

風が頬をさわり、消えていった。

木漏れ日が私たちをやさしい光で照らした。

89: アーヤ◆TQ:2017/09/30(土) 08:37

卓が今の所、気になるって思う

90: ☆輝夜゜kaguya゜彡◆bk 元*ももの冬華*だよ。みぃ、覚えてる?:2017/09/30(土) 16:58

>>89 アーヤさん
更新は明日になりますがお楽しみに!

91:  ☆輝夜゜kaguya゜彡◆52:2017/10/01(日) 10:57

>>9memo間違いです!ごめんなさいm(__)m

92: ☆輝夜゜kaguya゜ミ◆52:2017/10/03(火) 18:52

13.2人でお出かけ。

土曜日。

私は早起きして、髪を整え、服を選んでいた。

とびっきりオシャレな服を着て行くんだ!
だって・・・卓君、ジャージとか絶対着なそうだもの。
イメージから、そう思う。

集合時間は、9時半。
「8時半とかは?」って言ったら、「朝早すぎてもあれじゃない?」っていう卓君の提案。
さすがマジメ!ホントにそうなんだけど…。

あ、そうそう。服選びを続けなきゃ!

*

「よーし!この服で決まり!」

私が45分ほどかけて選んだ服…。
袖口がふわっとバルーンのようになっているベージュのトップスに紺色のプリーツスカート。
赤いベレー帽に、スニーカーでカジュアルにきめてみた。

卓君はどんな服着てくるんだろう。
どんな反応するかな?

ちょっ私、デートと勘違いしちゃってる?
はー。。最近の自分、おかしいかも…なんか…うん。。

*

集合時間10分前に待ち合わせ場所に行くと、卓君がいた。

私は挨拶より先に言った。

「卓君・・・その、服…」

「あぁ、恋ちゃんが作ってくれた服だよ。3日前くらいにも着たんだけど、気に入ってるから。」

卓君はふっと笑った。
さわやかな笑顔に、仕留められてしまった。

「ありがと・・・私の服…、着てきてくれて。」

「うん。恋ちゃんも、似合ってる。」

「えっ。ホント?」

「あぁ。いつもは制服だから私服とか分からなかったけど、私服すごい…」

と、言いかけて、顔を赤らめた。

「どうしたの?」

「すごい…か、かわいいなっ…て。。」

かわいい・・・

男の子にかわいいなんて言われるの初めて…!
ドキドキする…。

「あ、どこ行く?」

まるで照れ隠しのように卓君が顔をそむけ、言った。

「うーんと…映画、映画が見たい!」

私には前から見たい映画があったんだけど、、この機会に、卓君と見たいなぁ。。

「いいよ!久しぶりに映画、見たかったんだ。」

よかった・・・

「じゃ、この、「青春_君と過ごした日々は忘れない_」って、映画なんだけど、」

「僕も実はそれ見たかったんだ!奇遇。」

偶然なのか奇跡なのか知らないけど嬉しかった。

「奇遇だね!…じゃぁ、行こっか!」

私が言うと、卓君が私の手にふれた。

「えっ・・・」

「はぐれるかもだろっ。。!手…。」

手?
いまいちピンとこない。

私がなかなか答えないので、卓君が私の手を強く握りしめた。

「行くよ…。。」

前を向いてたけど、一瞬見えたその頬が、赤く染まっていたように見えたのは、気のせい?

はぁ…男の子と手つなぎなんて、これもまた初めて!

その後、映画を見たんだけど、感動で2人で泣いてしまった。
でもすぐ笑顔に戻った。

*

「アイスおいし〜」

「口についてるよ。はい、手拭きタオル。」

「…あっありがと…」

*

「これ恋ちゃんに似合うんじゃない?」

卓君が差し出したのは、フリルが何段にも重なったスカート。

「これ・・・・??」

「あっ。ごめん!これじゃなくてこっちだ。」

「(クスクス)そういうとこもあるんだ。卓君って。」

「べ、別に・・・」

新鮮だなぁ。
新しい発見。。

*

「そろそろ帰る?」

時刻は4時半。

「あ、、うん、、」

卓君は何故かかなしそう。

「どうした?」

顔をのぞいて問いかけると、卓君が言った。

「あのさ、僕、、恋ちゃんのこと…」

「??」

卓君が言いかけたその時。


「恋!」

!!!

「千速君?!」

「ち、千速?」

卓君は目をこれ以上丸くならないくらいに見開いて、愕然としていた。


そんな私たちを無視し、千速君が私の方へ近づいてきた。

「よっ!」

そしてニカッと白い歯を見せ笑った。


卓君はぎしぎしと歯をこすり合わせている。

沈黙が続く…。






な、何この変な空気___。。

93: アーヤ◆TQ:2017/10/03(火) 21:27

修羅場!?

94: アーヤ◆TQ:2017/10/03(火) 21:33

卓が告白先に言うの楽しみにしてます

95: ☆輝夜゜kaguya゜ミ◆52:2017/10/04(水) 18:02

>>93_>>94 アーヤさん
修羅場…、そうですね〜。
卓君が告白・・・かと思ったら…!?展開が色々やばいよ。

96: +*藍<ao>*+:2017/10/13(金) 18:59

14.恋、困る!

「・・・えっと…ち、千速…君…」

私は震えていた。
だって!すごく空気重いし気まずすぎる。

卓君は特に…
なんでか知らないけれど、歯をぎしぎしこすりあわせているし、拳を強く握りしめて、額にはうっすらと
汗が。その上千速君をキッと睨んでいる…怒ってるのかなぁ…。。。

するとさっきまで卓君を不思議そうに見つめていた千速君が私の手を握り、
すぐ隣の子供洋服店に私を連れて行った。

不思議に思い、問いかける。

「千速君…どうしたの?」

「どうしたのじゃねぇだろ。」

「えぇっ?」

いきなり千速君の顔つきが真剣になって、なんか…怖い。

「だぁかぁら!」

ため息をつくと千速君は続けて言った。

「あいつ、誰だよ。」

あいつって…卓君のこと?

「あぁ、神崎卓君。中学3年生だよ。」

「かんざき…たく…?もしかして、あいつの…」

「ん?」

千速君は問いかけに応えず、私の手を握り、店内から出て行く。

「たっ卓君!」

「・・・!恋ちゃん…!!」

「逃げんぞ。」

「にっ逃げる?卓君は悪い人じゃ…」

私の言葉を無視し、千速君と私は人込みを避けながらぐんぐん前へ進んでいく。
後ろを振り向いてみたら、卓君は私を追いかけているのか、走っている。
でも、千速君が前へ進むたび、卓君が小さくなっていった。

意味が分からない!

*

連れてこられた場所は、卓君とお出かけしたショッピングモールのすぐ近くにある公園だった。

意味が分からなくて、モヤモヤするし、卓君のことが気になる。
今頃軽蔑しているかな、私のこと…。
千速君とは久々に会うし話すけど、正直ムカムカしていた。
理由も話さずに…!

「ちょっと千速君!」

怒った口調で言う。

「どういうつもり?卓君は悪い人じゃない!
勝手に私を振り回したあげく、さっきの口調とか、意味分からないよ!」

千速君は、またもやため息をつき、そしてうつむいた。
きつく言い過ぎたかな、なんて、今頃思い始めた。


「あいつと付き合ってるんだろ?」

やっと口を開いた千速君の言葉に驚く。

「付き合ってなんか、、」

「とぼけるなよ。」

私の言葉と重なるように千速君が言ったので、私の声はあっけなくかき消された。

「とぼけてなんか…!付き合ってないよ…?」

「もー、いい。。」

私の言葉を最後まで聞かず、千速君はそっぽを向くと、公園の出入り口の方へ走って行った。

「千速く…」

手を伸ばしてみたけれど、もう遠くへ行っていて、千速君は見えなくなっていた。

その背中が、寂しく感じたのは、気のせい…?


なんか、、誤解されてる?!

どうしよう…千速君との誤解、解きたい!

でもどうすれば…っっ

あぁーっ私、今すごい困ってるよ!

97: アーヤ◆TQ:2017/10/14(土) 08:39

卓と恋の良い雰囲気で邪魔された,千速をどう感じとったのか気になるけどもっと気になるのが卓と恋と千速の関係だね。

恋は鈍くて鈍感なために二人の気持ちか分からないでいることで、卓の良い雰囲気で仲良しだったのかどうなることか気になる。
千速も恋が好きなの?

98: +*藍*+<ao>:2017/10/14(土) 17:50

>>97
これからは千速と卓と恋が主。
でも絆君も登場します(どこかで)

99: *+藍+*<ao>:2017/10/14(土) 18:20

15.恋、困る!A

「恋ちゃん!」

私がつったっていると、卓君が来た。
私を探しに来てくれたのかな、そう思うとドキドキした。

「卓君、ごめんね。いきなり…」

私が悪いから…謝らないとって思った。

「恋ちゃんのせいじゃない。自分を責めないで」

卓君はふっと笑い、なんでもなかったかのようにそう言った。
メガネの奥から見つめるキレイな瞳。
私は見つめられるだけで、卓君色に染まった気分だった。

「うん。。ありがとう、卓君。」

「うん。あの、、さ、、」

「どうしたの?」

「さっき恋ちゃんを連れて行った奴、誰…?」

「…!」

いきなりの問いかけに驚く。

「一緒のクラス?」

「えっと。。」

なんだろ。。いいずらい…。

「怒らないから、答えて?」

卓君に言われ、もごもごしながらも言う。

「あの男の子はね、青木千速君っていうの。私と同学年だけど、クラスは違う。」

「青木千速?あぁ、、、バスケ部のエースの…。」

「うん。私もバスケ部なんだけど、すごい活躍してるよ。男子バスケは全国大会も行ってて…。
強豪チームを引っ張ってるのは千速君で…」

そこまで言って息が詰まった。
なんか、余計なこと言っちゃった気がして…。
だって卓君、千速君に怒ってるっぽいし、千速君について色々言ったらもっと怒っちゃいそう。。

「…そっか。たぶん、、あいつも恋ちゃんが…なんだよ。」

「へっ?今なんて?」

「ううん。なんでも。」

「千速君のこと、怒ってる?」

「えっ」

「なんかさ、そういう感じがして。」

「別に、、怒ってはないよ。。」

「そっか。」

その瞬間、卓君が私の顔に口を寄せた。

「〜〜〜〜っっ?!」

声が声にならなかった。
だって、、これってまさかキ…

「恋ちゃん」

名前を呼ばれて少し横を向く。

「どうした…の…?」

緊張して声が震える。

「今から恋ちゃんに伝えたいことがあるんだ。」

「伝えたい、、こと…?」

卓君は私の問いかけに答えず、私の耳元の髪の毛を耳の後ろにかける。

「たっ…卓君…。。?」

そして私を自分の方へ抱き寄せる。
ちょっと、、これ、どういうこと…?

すると耳元で卓君は言った。












「好き。」














傾いた夕日が私たちを照らす。


卓君の顔をそっと見てみると、少し赤かった。

卓君にばれないように、自分の頬に手をあてる。

すごく頬が熱かった。


絆君には、抱き着かれて告白されて、、
卓君には、耳元で「好き。」だなんて…。。

千速君に誤解されてるみたいだし、卓君に告白され、ハプニング続出?


どうしよ…


「ねぇ、今の、、その、、こく、、告白…?」


「告白、だな。」

そう言われ、今の状況がやっと読み込めた。

卓君はくすっと笑った。

小悪魔みたいに、からかうように。



ドキドキして、胸が高鳴る。。







これが恋っていうの…?

100: アーヤ◆TQ:2017/10/14(土) 19:13

今後は恋と卓と千速の恋する話しか…
余計にドキドキして卓とやったkiss💏って恋にとってはファーストキス?
耳元で抱き締めながら言うの反則だよ、好きになるよ

101: +*藍*+<ao> 元輝夜!wは)):2017/10/15(日) 17:40

>>100
ファーストキスになりますね♡
卓は案外ふつうの人なら恥ずかしくてやれないドキッとする行動がさらっとできちゃう男子
なのかもです。

102: +*藍*+<ao>:2017/10/15(日) 17:40

>>100いった!200目指す

103: アーヤ◆TQ:2017/10/15(日) 17:47

>>101卓みたいに恥ずかしくないって感じない、サラッとやれる男は私案外好きなんですよね。
不意討ちにも行動と言葉にドキっとされてしまうからね

もっとサラッとしてしまう不意討ちをみたい

104: +*藍*+<ao>:2017/10/15(日) 18:14

>>103
そうなんですか!
アーヤさんのご期待に応え、不意打ち姿がこれからも続々登場します。

105: +*藍*+<ao>:2017/10/15(日) 18:39

16.ドキドキ

ドキドキして、何も言えない。

「た、、たく、、くん、、」

「どうした?」

そしておっとりとした笑みを浮かべる。

「あのっ、、1回、、離してくれる…?」

「なんで?」

不思議そうな顔をして卓君は聞く。

「なんでって、、その…は、恥ずかしいっていうか。。人も、、いるし、、目立っちゃう…」

公園には犬の散歩をしている人とかが気付いた時には結構いて、皆私たちを見てくるんだもん。

「だから、、離して…?」

「目立っていいじゃん。」

当たり前のように言ったので私は驚いた。

「え?」

「俺と恋ちゃんだけの空間なんだ。周りの人なんて、、気にしなくていい。」

何それ。。その言い方、言葉、ドキドキするよ…。

「それに、」

そして続けて言う。

「恋ちゃんの心は俺色に染まってるだろ。」

わっ…抱きしめながらそんなこと言われたら、、ホント恥ずかしい。。。
あれっ?卓君って自分のこと「俺」って言ってたっけ?前まで「僕」だったような…。

「卓君ってさ、俺って自分のことと呼んでた…?」

卓君は首を振る。

「恋ちゃんの前だけだよ。」

抱きしめられてるから、熱が伝わってくる。
さっきっからドキドキする言葉言いすぎ・・・!

「反則だよ。そんなドキドキする言葉言って。」

「反則なんかないだろ。恋にはいろんなやり方があるんだよ。その人を振り向かせるためなら、
たとえ反則したって、いいんだ。」

「でもっ…」

「駄目だった?ならもういいよ。」

卓君は私から手を離した。

「恋ちゃんが嫌って言うなら、しょうがない。」

・・・

「嫌、、なんか言ってないよ。」

「…」

「卓君にドキドキする言葉言われると、心がどこか苦しくて、でも嬉しくて、ふわふわして…」

「ならいいじゃん。帰るよ。」

そして手を差し伸べる。

私はドキッとしたけれど、自然と卓君の手に触れ、握る。

そして夕日が照らす公園の並木道を2人で歩いた。


家へ帰っても、ドキドキはおさまらなかった。

頭の中を卓君の小悪魔な笑みが浮かんだ。


そういえば、千速君、誤解してたみたいだけど、、誤解なら解きたい。。

千速君、怒ってたぽいし、、

明日、千速君に事情聞いて、ホントのこと言おう。。
今日、言えなかったから。。

106: アーヤ◆TQ:2017/10/15(日) 20:09

ドキドキ&不意討ち連発で、私までドキっとされてしまう。
卓の僕も良いけど、好きな人の前では俺なんだねギャップが凄いよ

107: +*藍*+<ao>:2017/10/16(月) 18:41

>>106
ギャップってドキッとしますよね~
コメント毎回ども!

108: +*藍*+<ao>:2017/10/16(月) 18:56

>>少しだけ小説書きます。

17.誤解

次の日

私は教室に着くなり、急いで用意をして隣のクラスへ向かった。

千速君がいないか目で探す。

その時、ちょうど千速君が教室から出てきた。

「ちっ千速君!!」

呼び止めると、くるりとこちらを向く。
真剣な顔つき…。

「なんだよ、恋。」

「昨日、千速君1人で帰っちゃったよ、ね。それ、なんでかなぁって。誤解されてる気がして。。
誤解なら解きたいし・・・」

「…あぁ。それは…」

そして口ごもる。

「ごめん。人がいてはなせねぇ。休み時間で、いい?」

「うん。。」

「休み時間、裏庭な。じゃっ」

そう言い、自分の教室に戻っていった。

と、文ちゃんがやってきた。

「恋、HR始まるよ。」

「あっ、うん。」

109: アーヤ◆TQ:2017/10/16(月) 20:25

とうとう、こっちも告白とか?
続きが気になる

110: +*藍*+<ao>:2017/10/17(火) 18:12

>>109
告白…どうでしょう?
続きは今日書く。展開がハチャメチャなので読みごたえあるかも^^

111: +*藍*+<ao>:2017/10/17(火) 18:54

今日も少しだけですが小説書きます。
「17.誤解」の続きから↙

休み時間。

私は約束通り、裏庭へ急いで向かった。

「千速君!遅れてごめんね。」

すでに千速君は来ていた。

「別に、、。あ、でさぁ…昨日は。。」

「うん。」

「恋…………………で、、」

「なんて言った?」

「…今日の部活のあと、体育館に残ってろ、な。」

ええっ。
ここに呼び出したのに結局はそれ?!
まぁ、、いいか。。

「ok。」

「ああ。ごめんな。」

112: アーヤ◆TQ:2017/10/17(火) 19:50

超気になる展開だけど、告白して欲しいけどまだして欲しくない気持ちだよ

113: +*藍*+<ao>:2017/10/18(水) 14:05

>>112
ビミョーな気持ちですね。。
これからの展開にご期待を>v<

114: +*藍*+<ao>:2017/10/18(水) 18:57

18.ボール

部活にて。

私は練習に集中できなかった。

千速君のことが気になってしょうがない。

その時。

ダムダムダム...ダンッ

床を叩きつけるボールの音で、思わず男子バスケのコートを見る。

千速君が相手を素早い動きでかわしながら、ゴールのところまで行く。
そしてジャンプし、ボールをゴールへ入れた。
ボールはかろやかな動きですっとゴールを通り抜け、床へ勢いよく落ちた。

「シュートッ!!!」

「すげぇ!」

「千速、やったなっ!っしゃぁ」

男子バスケの友達が千速君の周りへ一斉に集まる。
やがて千速君は人で囲まれ見えなくなった。

「すごい…」

ぼそっとつぶやき、頭の中でゴールを入れる瞬間の千速君を思い出す。

その姿に憧れた。私もうまくなりたい・・・!

千速君のことが気になったけど、私は練習に励んだ。

*

「部活終わります!ありがとうございましたー!」

「「ありがとうございました!」」

部活が終わり、女子部員も男子部員もわらわらと帰っていく。

体育館に残ったのは、私と千速君だけだった。

私は、千速君の方へ駆け寄る。

「あの件のことだけど。。」

「・・・俺が昨日、勝手に帰っちまったのはごめんな。」

えっ。。

「ううん。。正直驚いたけど、大丈夫!」

「うん。で。。俺、、機嫌悪かったんだ。」

「機嫌・・・??」

「だって・・・あの卓って奴と恋、付き合ってんだろ?」

その言葉をもう1度自分に言い聞かせ、驚いた。

「付き合ってないよ!お出かけに誘われたから、、卓君とは友達…」

…告白された…  っていうのは言えない!!

「そっか。誤解してたみてぇ。ごめん。」

しゅん、とうつむく。

「大丈夫…!」

「あのさぁ」

「?」

「ちょっとまってろ。」

そう言い、スクールバックからペンを取出し、自分のボールに何か書き始めた。
何してるんだろうと、気になったけれど、書き終わるのを待った。

やがて・・・

「はい。キャッチしろよ。」

何かが書かれたボールを千速君が私にポーンとパスした。

私はそのボールをキャッチする。

そして文章を見、驚いた。

_お前のこと、好きだ_

「・・・ええええええええええっ!!!」

声にだし、叫んだ声は、体育館に響き渡った。。。

115: アーヤ◆TQ:2017/10/18(水) 20:42

何この展開!!?

恋はどっちにしても返事をしないといけないってことじゃない二人にだけど?

116:小塚和彦 元・藍:2017/10/19(木) 18:05

>>115
はちゃめちゃです(笑)

117: +*藍*+<ao>:2017/10/19(木) 18:33

>>116なりきり板行ってて名前変えるの忘れてた;
私です^^;

118: +*藍*+<ao>:2017/10/19(木) 18:49

19.恋、どうする?!

「うるせー」

少し照れながら千速君は言う。

ど、、どうすればいいの…

「なぁ。」

「・・・はっはいっ?」

やばっ慌ててたから敬語になってしまった…恥ずかしい!
でも千速君は気にしていないようで。よかったぁ…

「そのボール1回かして?」

「うん…?」

「俺が今からこのボールをここから投げる。」

「でも相当の距離だよ…?というかなんのために…」

「ロングシュートが成功したら、俺と付き合え。」

「つっつつつ、付き合うぅ…っっ?!」

「いいだろ。」

いいだろ、って…まだ返事もしてないのに。
成功したら付き合うなんて、何そのパターン。

「いくぜ!」

「えっ」

ポーン…

千速君がボールを投げる。
その姿は輝いて見えた。

ドンッ…

ボールがゴールを軽やかに通り抜ける。

・・・てことは、付き合う…。。

「付き合え。成功したから」

・・・いきなり付き合うなんて…むりぃぃっ!

そうだ・・・!

「1ヶ月間、千速君と付き合ってみて、よかったら返事をして、本格的に付き合う。それでいい・・・?」

「・・・」

「嫌だ?」

「分かった。俺、本気見せてやるから。」

真剣な顔…

その時。

ドンッ・・・!

「!?」

「…恋。」

いきなり壁ドンを…!
顔が近い…見つめられるとドキドキする。。

「どうしたの。。急に・・・」

「お前のこと、振り向かせてやる。機嫌の1カ月間の間で。」

綺麗な目が私をまっすぐに見つめる。
心臓がはねあがりそう…

「うん。じゃあ、私のこと振り向かせてね?」

わざとらしく、小悪魔みたいに私は言った。

「・・・おぅ。」

119: アーヤ◆TQ:2017/10/19(木) 19:14

なんだか卓も余裕だけど、簡単に行かない様にするのが恋愛ストーリーの約束だから卓も本気の本気で行かないとね

120: +*藍*+<ao> hoge:2017/10/20(金) 18:19

>>119
ですね^^;

121: +*藍*+<ao>:2017/10/21(土) 11:16

20.主役は誰?

「皆、静かに!」

文ちゃんが皆を黙らせ、教壇へ歩いて行く。

そして教壇に着くと、皆の方を向き、微笑んだ。

「では、今から毎年恒例の行事『楠中学クラス発表会』の劇について決めます!」

その瞬間!

皆が「やったー!」とか、「恒例の行事、来たーーっ」とか、喜びの声を一斉に上げた。

私の通う楠中学校では、毎年秋に行われる『楠中学クラス発表会』っていうのがあるの。
毎年恒例の行事で、皆、この季節が来るとすごく張り切ってるんだよ。

勿論、私も。
だって、皆で劇をするんだよ。完璧に出来た時嬉しいし、皆で協力するから、団結力が一層芽生える。

去年、私のクラスでは白雪姫の劇をやったの!
去年の劇の主役の”白雪姫役”は私だったんだ。

あれこれ考え、わくわくしていると、文ちゃんがぐるりと皆を見渡す。
あぁ、静かにしなさいってことか。

皆は姿勢を正して、文ちゃんに向き直った。

「去年は、1−A組では「白雪姫」の劇をしました。1−Bでは、確か「赤ずきん」…でした。
今年も劇をしますが、なんのお話の劇がいいか、昨日宿題として考えてきたはずです。では挙手して下さい。」

「はいはいは〜い‼」

「夢川さん。」

最初に手を挙げたのは、『夢川 歌』ちゃんだった。

「歌はねぇ、シンデレラがいいと思いま〜す!」

その後、皆から賛成の声がわきあがる。

「私も、シンデレラがいいと思います。」

「俺もー!」

「うん!これでいいよね。」

またもや文ちゃんがぐるりと皆を見渡す。

「この意見に賛成の人、挙手して下さい。」

バッと皆が手を挙げる。
私もね。

「では、シンデレラに決定です!次に、主役のシンデレラ役を決めます。立候補、ありますか?」

「俺は恋ちゃんがいいと思いまーす!」

私の名前を言ったのは、絆君だった。

「えっ!?」

きょろきょろしていると、文ちゃんが私の方を向き、微笑んだ。

「僕も、恋さんがいいと思うな。」

「俺も!」

「私も〜」

「あたしも。恋ちゃん可愛いもん〜!」

次々に私の名前が教室を行き交う。

「ふぅ。。じゃあ立候補します…!」

こんなに言われて、「嫌です」なんて言ったら冷たい目で見られそうで、立候補してしまった。

「では、恋さん、教壇の方へ。」

文ちゃんに促され、私が教壇へ行く。

と。

「歌も立候補する!」

言ったのは歌ちゃんだった。

「恋ちゃんばっかりずるくなぁ〜い?」

その声にはトゲがあった。

こわ。。。い。。

122: アーヤ◆TQ:2017/10/21(土) 13:04

久々の絆が登場!!

まあ、恋も大変だと思うけど頑張れ👊😆🎵

123: +*藍*+<ao>:2017/10/22(日) 16:56

>>122
ほんと久々です、絆。
歌ちゃんと恋の展開にご期待です。

124: +*藍ぷらす兎夢*+<ao.tomu> ◆uc *君と居ると心がポカポカして、寒い日でもあったまるよ*:2017/11/05(日) 17:22


 一旦あげ☝

125: +*藍ぷらす兎夢*+<ao.tomu> ◆uc *君と居ると心がポカポカして、寒い日でもあったまるよ*:2017/11/05(日) 17:49

21.主役は恋?or歌?

夢川 歌ちゃんは、可愛い。
色白の肌にぷっくりとした頬はピンク色に色づいている。
うすい唇はツヤツヤ。
茶髪に近い髪色のミディアムヘアをカールさせて、頭の上でみつあみカチューシャにしている。
勿論、歌ちゃんはモテる!

そんな歌ちゃんと、シンデレラの劇の主役決めで対立(?)するなんてっ!!
いや、いやいやいやーーーっ!
シンデレラの主役にふさわしいのは歌ちゃん。
私に勤まるわけない。。

しかも今、歌ちゃんにトゲのある言葉を言われて…。

皆がざわつき始める。

この状況、どうすればいいの、、

「皆さん静かに!!」

文ちゃんの声で皆が一瞬にしてシーン…となる。

「立候補者が2人いるので、投票にします!!今から、この2人に主役になったらどうしたいか、を、皆さんの前でスピーチしてもらいます!それを聞き、その後紙を配りますので、そこに2人のうちの1人の名前を書き、私のもとへ持ってきてください!」

えええええっ!!??投票制っっ???

間をいれずスラスラと大きな声で文ちゃんが言った…
その直後!!
それを聞いて皆がわあああっと歓声を上げた。

「クラスの美人女子2トップ同士の戦い!?」

「俺は恋ちゃんに入れる!もう来まってるんだあ〜」

「私歌ちゃんにしよっと!」

「ええー?恋ちゃんもシンデレラにふさわしいよぉー」

「僕はどっちにしようかな…」

クラス中のあちらこちらで湧き上がる歓声に、私はアタフタした。
歌ちゃんはこちらを横目で睨み、ふふっと不気味な笑みを浮かべた。

歌ちゃんと…スピーチで…投票制…。。
文ちゃんーっなんで投票制にしたのーっ!
後で問い詰めてやるんだから!!

そんな私をスルーして、文ちゃんが言った。

「では、スピーチよろしくお願いします。」

はあああ…もう逃げ出したい!

「歌からやるねっ!」

その後、私の前を通り過ぎる時、歌ちゃんがぽつりと言った。

「歌の完璧なスピーチを、そこでつったって見ててねっ!」

「えっ。。」

またもやアタフタする。

でも、歌ちゃんのスピーチ、どんなだろう。。

「皆!クラスのアイドル、夢川 歌だよっ!」

始まり方がすごい。
「クラスのアイドル」だなんて。。
でも、ホントに歌ちゃんはクラスのアイドル的存在。
言ってることは事実なんだケド…

「歌はぁ、主役になったら、皆をドキドキさせちゃうような、切なく、甘く、、、しっとりゆったりしたゲキをお届けするよぉ!」

そうしてクルクル回った。

「歌が主役になれば、超いい劇になるよ。投票してね〜!」

そして歌ちゃんのスピーチは終了。
よく分かんなかったけど、なんとなく派手ですごかったかも。

「次、恋さん。」

文ちゃんに促され、教壇に立つ。

ううう。。。

皆の視線が集まる。

どっ

どうしよう…!!

126: アーヤ◆TQ:2017/11/05(日) 18:01

苦笑だね、頑張れ

127: +*藍ぷらす兎夢*+<ao.tomu> ◆uc *君のこと見てると胸が痛むの。君の笑顔が幸せそうで*:2017/11/08(水) 18:04


 >>126 アーヤさん*

 ^^;

128:     あお    ◆uc:2018/01/04(木) 17:54



 お久しぶりです!作者のあおです。
 小説放置しておりました(・。・;
 すいませんm(__)m
 これからは書ける限り?)書きたいと思います☺
 

129:     あお    ◆uc:2018/01/04(木) 18:20

22.恋のスピーチ..劇の主役は?

なんて言えばいいの?

でもここに来てしまった限り、やらなきゃ‼

私は教壇に立ち、前を見つめた。余計なことは考えない!よしっ

「私が主役になったら、皆を笑顔にできる劇にしたいです。私は去年、劇で主役をやりました。
 その時、セリフを間違えてしまい、私は後悔しています。皆を笑顔に出来なかった、完璧な演技ができなかった、そう思い続けていました。でも、今年の劇で、また主役になり、今度こそは完璧な演技をして、皆を笑顔にしたい。そう思います。劇を見てくれる人が、楽しめて、思わず笑みがこぼれてしまう、、そんな劇にしたいです…! おわりです」

皆から拍手がおこった。歌ちゃんを抜いて。。
でも‼ 
最後まで言えた…!怖かった、けど言えた…。
この気持ちがクラスの皆に伝わればいいな。


「恋さん、ありがとうございました。では、2人のスピーチを聞いて、どちらが主役にふさわしいか、投票で決めます。私が順番に名前を言います。主役にふさわしい人の方に挙手してください」

文ちゃんが言うと、皆はザワザワし始めた。
怖いなぁ…歌ちゃんが主役になるのかな。。そんなこと分かんないけど…。

*しばらくして

「皆さん決まりましたか?…いいようなので、、。まず、歌さんが主役にふさわしいと思う人!」

・・・

「いないのですか?」

文ちゃんが問いかけても、皆挙手しない。
えっ。歌ちゃんがふさわしいと思う人が誰一人いないなんて、歌ちゃんは…。

私が歌ちゃんの方を向くと、目が合ってしまった。
鋭い目つきで私をとらえると、ふいっとそっぽを向いた。
やばい…歌ちゃん、怒ってる…あの歌ちゃんを敵にしたら、人生、終わる…。
それにこんな皆の前で、、可哀想だしっ。

思わず私は口を開いた。

「みっ皆!歌ちゃんがふさわしいと思うって人、いないの?も、もっとよく考えたら……」

私が途中まで言いかけたとき、歌ちゃんが私の口元に手をかぶせた。

「…ん…?!歌…ちゃん?」

「余計なお世話。恋ちゃんが主役よ、完全に」

「…ほんとにそれでいいの…」

「もう何も言わないで。文ちゃん、進めて」

歌ちゃんにそう言われるまで唖然としていた文ちゃんが、はっとなった。

「あ、、こ、この結果、主役は恋さんです…!!」

皆から、拍手がおきる。
今度は歌ちゃんも、軽く拍手していた。

と...絆君が言った。

「恋ちゃん、頑張れ‼」

絆君の笑顔に、きゅん、となったのは気のせい...?

「ありがとう、絆君、皆…!」

絆君、頑張れって言う言葉、無駄にしないよ。
皆も、こんな私を選んでくれてありがとう!

>>次回 23.王子様役は? 

130:萌恵◆yc:2018/01/04(木) 19:05

いつも読んでます!すっごくドキドキするし、なりより続きが楽しみです(*ゝω・*)ノがんばれ!

131:     あお   ◆uc:2018/01/05(金) 17:30



 >>130ありがとうございます!ドキドキをもっと届けられるよう、頑張ります☺

132:     あお   ◆uc:2018/01/05(金) 18:04

23.王子様役は?

シンデレラ役決めが終わり、業間休み……

「恋!主役のシンデレラ役おめでとう!」

業間休みになって、すぐさま私の席に来た文ちゃんは、うるうると目に涙を浮かべてる。
意外と文ちゃんって涙もろいのかなぁ。

「ありがとう!文ちゃん!もうドキドキしたよ……超緊張したもん」

「え〜、でもすごいいいスピーチしてたじゃん。あれが緊張してた人のスピーチだなんて思えないよ」

「そう?」

「次の5時限目は王子様役決め……ふふ、楽しみね」

「えっ?楽しみって?何が?ねぇ文ちゃん!」

「あっもう業間終わる。じゃーね〜」

私の問いかけには答えず、すたすたと席に戻ってしまった。
文ちゃん、どういう意味なの?

*

5時限目……王子様役決め
文ちゃんが教壇に立って、言った。

「次は王子様役決めです。立候補ありますか?」

その瞬間!!
男子ほぼ全員が挙手した。絆君も。
私が教室を見渡すと、1人だけ挙手していない男子がいた。

赤沼 城(あかぬま じょう)君。
すらりと背が高くて、いつも一人で行動してる。
と、目が合ってしまった。
城君はすぐそっぽを向いた。私なんかどうでもいいみたいに。

あ、文ちゃんというと……
ふふっと微笑み、ダンボール箱をバンッと教卓に置いた。
男子は相変わらず挙手したままだったが、驚いた表情でダンボール箱を見た。

「くじ引きです!実は、業間休みに男子達が王子様役になりたいと言っていたのを聞きました。
 なので、ほぼ全員が挙手すると想定してくじ引きをつくったのです!!!」

えええっ!?さっき私と業間休みに話してて、いつくじ引きなんか作ったの!?
文ちゃん、あなたは何者ですか。

「えー、今挙手した人は、教卓前に並んで下さい。そしたらくじ引き引いてってくださいね。ひとつだけ丸の付いた紙が入ってます。それを引いた人はあとで聞くので……」

言い終わると、男子は一斉に手をダンボール箱に入れた。

「よしっっ!!」

絆君は、ばっ!と紙を引くと、血走った目で紙を見た。

「…なんだよ」

絆君はとぼとぼと席に戻って行った。
ああ、あたらなかったんだ……。誰に当たるんだろう。シンデレラ役の私もドキドキ。

全員が引き終わると、文ちゃんが男子に聞いた。

「王子様役、誰でしたか?」

文ちゃんが聞いたのに、男子は何も言わなかった。
え?どうして誰も何も言わないの?誰かしらあたってるはずなのに……。

沈黙が続いた後、ガタッと椅子から立ち上がる音がした。

皆が音がした方を振り向く。
私もそっちを振り向いた……。


立っていたのは、王子様役に立候補しなくて、くじ引きも引いてないはずの赤沼城君だった。




「王子役、俺だけど」


気のない返事をして、教室を見渡した。



一瞬、私を目でとらえた。
どうして……?



でもなんで城君が……くじを持ってるの……?

次回 24.城君との劇練習

133:     あお    ◆uc:2018/01/06(土) 11:54

24.城君との劇練習

教室に沈黙がはしる。

どういう意味?

「えっと、赤沼さんは挙手しなかったし、くじ引いてなかったと思うんですが」

文ちゃんが聞くと、城君は頭をかいて言った。

「俺くじ引いた。挙手は忘れただけ。眠かったから」

「眠かったって……」

文ちゃんは、ため息をつくとしかめっつらになった。

「眠いだなんてただの言い訳ですよね?」

「…」

城君は無言のまま席につき、机につっぷした。

と、担任の先生が言った。

「まぁいいんじゃない?赤沼さんがやらないっていうなら、ほかの人に……」

先生が言いかけたとき、城君は言った。

「俺やるけど。王子役」

ってことは王子様役は城君‼?
クールな城君とだなんて……劇の練習の時緊張するよーっ。

*

「これから劇の練習をします。劇で人物を演じる人は、私が事前に台本を作っておいたので。もう配ってありますよね?それを持って練習しに行ってください。王子様役の赤沼さんと、シンデレラ役の恋さんは、隣の空いてる教室で練習を」

文ちゃんが言うと、城君は私のもとへ来た。
何々何々…?!怖い!城君の目が‼

「行くぞ」

城君は一言言うと、先に隣の教室へ行ってしまった。

「あっ待って!」

隣の教室に行くと、城君は台本を朗読していた。

うわぁ……この空気気まずい!
なんか喋ったほうが良いのかなぁ……。

「ね、城君……」

「姫、一緒に踊りましょう」

「えっ?」

城君はくすくす笑った。
初めて見た。城君の笑顔。

「台詞言ったんだよ。本気にしてんのか」

「なっ本気になんか!!」

城君、女子をからかって‼
むっ……
私がふくれていると、城君は私の頭に手を置いた。

「んだよ、その顔。まぁ頑張ろうぜ」

……!
その笑顔にドギマギしてしまう。
からかっといて頑張ろうぜって、応援されても嬉しくないもん!

「……じゃあ最初から台詞通して言ってみよう。動きは後にして」

「おぅ」

*

「ふぁーっ。疲れた……台本が長い!外の空気でも吸ってこよっと」

私がベランダに出て、外の空気を吸っていると、城君が隣に来た。

「お前っておもしれーな」

「どっどこが!!」

私が反撃すると、城君はくすくす笑った。
そしてマジメな顔つきになって言った。

「こんなに笑ったの久しぶり。俺、いつも無表情で無口だからさ、友達もいない」

いきなり態度が変わった城君にまたドギマギしてしまう。

「そっそっか」

「お前っていつも笑顔だよな。どんな時でも」

「えっ」

「俺、そういうお前が羨ましい」

「……城君だってさっき笑ってたじゃん!」

すると、私の顎をクイッと上にあげた。
顎クイってやつ?えっ何?!

「俺が笑顔になれるのは、お前が笑ってるからだよ」

城君は私の顎から手を離した。

「……城君が笑顔だと、私も嬉しい。劇の練習も本番も頑張ろう。王子様」

私は微笑みかけた。
城君も笑う。

「おぅ、姫」

次回25.くじけそうな時でも

134:萌恵:2018/01/06(土) 12:41

文がとても凄い…。すっごくキュンキュンします\(^o^)/

135: アーヤ◆TQ:2018/01/06(土) 15:13

親キャラ登場なのかな?

136:     あお    ◆uc:2018/01/07(日) 13:25



 >>134文ちゃんはマジメでテキパキしてて、天然な恋にとって尊敬できる親友です☺
   ありがとうございますm(__)m
 >>135赤沼城君は新キャラですね☺一人を好む男子ですが、恋には心を開いたみたいです。

137:     あお    ◆uc:2018/01/07(日) 13:48

25.くじけそうな時でも

次の日……

劇の練習

「姫!待ってください!」

城君と私は劇の練習に取り組んでいた。

「12時の鐘がなってしまったんです、もう帰らなくては!さようなら、王子様」

「……あっ、姫のガラスの靴……。届けなくては」

一通り通したところで、城君が言った。

「おい、お前。表情が硬いぞ。普段は表情くるくる変わるのに。どうしたんだよ?」

私は、はっとした。
確かに、うん。自分でもわかってた。
表情がさっきからずっと硬い気がする……。
どうしてかは分からない……。なんで?

「ごめん、自分でもなんでか分からない」

「1回思いっきり笑ってみろ」

「えっ?こう?」

私が笑って見せたつもりが、城君はため息をついて私を見た。

「全然できてない!お前そんなんでこれからあと1週間の練習と、本番をやるつもりか?!」

城君の目が怖い。
どうしよ、私のせいで練習が進まない‼

「ごめんね」

謝ると、城君はしかめっつらになった。

「お前さっきから、ずっと表情硬いぞ!!
 これで一通り練習したの4回目だけど、1回目から表情硬かった。
で、謝ってばっか。謝ってるくせに何回やっても同じ結果!いい加減にしろよ‼」

「そんなこと言われても……」

「お前シンデレラ役決める時のスピーチで、皆を笑顔にできる劇がしたいって言ってたのに、こんな劇で本番皆が笑顔になると思うか?自分に甘いんだよ‼笑顔にしたいって言うのは言葉だけか?行動で示せ‼」

正論を言ってるんだろうけど、そんなこと……言われたって……。

タッ

「おいお前‼逃げてどうすんだよ……」

「どうしたらいいか分からないんだもん‼」

私は教室から出て、廊下をひたすら走った。
行先も分からないまま、ひたすらに、走った__

と、

どすっ

「恋ちゃん?!」

「絆君‼ごめんね、前見てなくて……」

「様子が変だな、どうしたの」

「……実は……城君と……」

*

「城、短気だから」

「でも、怒ってたわけじゃないと思う。正論だったと思うし」

「そのうち慣れるよ」

「そうかな。ごめんね、なんか関係ない絆君に……」

「いいよ、別に。城、短気だけど慣れれば大丈夫だよ」

「うん。頑張るね!ありがとう!」

私は絆君とさよならして、城君のいる教室に戻った。

次回 26.あきらめない‼

138:アーヤ◆PY:2018/01/08(月) 09:17

卓も出してあげて欲しいよ

139:     あお    ◆uc:2018/01/08(月) 17:02



 >>138卓はしばらく登場しなそうです^^;
   城↬千速↬卓↬絆…みたいな順番で登場するハズ...;

140:アーヤ◆PY:2018/01/08(月) 21:40

そうなのか、城も恋に片想いする感じ?

141:     あ お    ◆uc:2018/01/09(火) 17:58



 >>140城は恋愛感情ほぼないので、城にとって恋は良き女友達です^^

142:     あ お    ◆uc:2018/01/13(土) 17:33

26.あきらめない‼

私が教室のドアを開けると、城君はあぐらをかいて座っていた。

「あの…さっきは逃げて…」

言いかけた時、城君はよいしょと立つと、私に台本を差し出してきた。

「お前なら戻ってくると思ってた。今度は表情やわらかくな」

びっくりした。
さっきはあんなに言ってきたのに、今は真剣なまなざしで私を見つめている。

「うん…‼」

*

「よし‼今のよかったぜ。その調子で。俺も皆もお前に期待してるから」

よかった……
今度は出来た……!
思わず笑みがこぼれる。

「あ、そろそろ劇の練習終わりだ。教室戻るか」

「……あの!」

私は前にいた城君の制服の裾を引っ張った。

「お前…」

「私、城君が叱ってくれたおかげで、上手く出来た。さっきまで心折れてたけど、今はもう平気。
何があってもあきらめないから!城君と皆の期待は裏切らない!約束する」

私は城君の目を見ながら言った。
もう、どんな困難があってもあきらめない。それを城君は教えてくれた。

「……そんなの分かってる、言わなくても」

「えっ?」

意外な返事にびっくりした。

「お前は簡単にあきらめる奴じゃない。たとえ心が折れても、また立ち直る。それに、お前が皆の期待を裏切らないことくらい知ってる」

「城君……」

「頑張ろうな、お互い」

城君の笑顔はすごく優しかった。
でも、目つきはすごく真剣で。

「お互い頑張ろうね」

私も城君に言った。

城君はそのあとは何も言わず、教室へ戻って行った。

劇まであと5日。
演技を完璧にするのは勿論、本番は皆を笑顔にする。
絶対に……。

次回 27.本番…でなんとハプニング発生?!


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