久々に小説を書いてみる

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1:イゼルス◆/s:2018/03/08(木) 21:56

親愛なる友人ましろ氏にテーマをもらい、5年ぶりに何か書いてみようと思い立ちました
リハビリ作なので下手くそですがあたたかく見守っていて欲しいです
テーマは《異世界転生》
着地点を見失いそう……

2:イゼルス◆/s:2018/03/08(木) 22:24

ふと顔を上げると、そこには満天の星空があって。
彼女と額を寄せ合って笑ったのを思い出した。
大好きだ、そう口の中で呟く。
あの日の記憶は、今も色褪せてはいない。

ーーー

マナーモードにしていたスマホが震え、机の上で小刻みに音を立てる。
「誰だよ……兄貴か?」
本の中の世界から現実に引き戻され、少々気分が悪い。
見れば非通知の着信だ。
心当たりはない。
「もしもし」
不機嫌な声で応答する。
だが、
「マスミくん……だよね?」
電話口の向こうから聞こえてきたノイズ混じりの、しかし確かに聞き覚えのある声に、苛立った気分はすべて吹き飛んだ。

3:イゼルス◆/s:2018/03/08(木) 22:40

「マリーなのか?!なあ!」
スマホを掴む手が震える。
もう二度と聞けないと思っていた声。
可憐で、だけどしっかりと意志のこもっている声。
大好きな、世界で一番大切な人の声だ。
「わたしだよ、マリーだよ」
くすくすと声を押し殺して笑うのが聞こえる。
はにかむように、控えめで可愛らしい笑い方をする彼女の表情が脳裏に浮かぶ。
俺は今、再びマリーと話をしているのだ。
でも、どうして?
彼女は、この世界の住人ではない。
「どうやって話をしているんだ?!今どこにいるんだ?!」
思わず声を荒らげてしまう。
「ちょっと……ね。あなたとどうしても話がしたかったの」
何があったんだよ、と重ねて質問しようとしたそのとき、彼女は言った。
「わたし、もうすぐ死にます」

4:イゼルス◆/s:2018/03/10(土) 09:09

「もう時間がないの。じゃあね」

「どういうことだよ!何があったんだ!」

わけもわからず必死に叫ぶ。
しかし無情にも、電話口の向こうから聞こえてくるのはツーツーという電子音だけだった。
部屋が静かになり、さっきの衝撃で未だばくばくしている心臓の音だけが脳裏に直接響く。
落ち着け、冷静になれ。
あのときはどうやって彼女と出会った?
記憶を振り絞れ。
彼女の周りの環境は?
このことを思い出そうとするたびに頭が割れるように痛む。
しかし今だけはそうも言ってはいられない。
何度も、何度も自問を繰り返す。

「ゔっ……ゔああ」

立っていることすら難しくなり、ベッドに身体を投げ出す。
意識を保っていられるのが不思議なくらいだ。

視界が生理的な涙によって覆われ、朦朧としてきた思考の中で、一片の記憶が蘇ってきた。

5:イゼルス◆/s:2018/03/10(土) 16:23

五年前、中学一年生の夏休み。
じいちゃんの家の裏手にある森を探検して見つけた古い木造の倉庫。
その一番奥にある、怪しい輝きを放つ直径2mほどの大きな鏡……
思わず手を伸ばすと、たちまちのうちに引き込まれた。
それは鏡の裏側。
どこまで行っても、真っ暗な世界。
俺はただひたすらにまっすぐ歩いていく。
どれほど歩いただろうか。
足が疲れてきた。
そろそろ止まりたい、しかし立ち止まろうとしても足は動き続ける。
まるで見えない力に背中を押されているようで。
怖い。
怖い。
誰か。

「誰か、助けて……」

ーー小さく声にした瞬間、手首に冷たいものが巻きつけられた。


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