スレタイどおり!
私と薫のコラボ小説です!
荒らしなどの迷惑行為は禁止。
コメントくれたら嬉しいです!
>>2-3までレス禁!
時*初 キャラ紹介
城里 夏音 (主人公)
・明るく優しい
・土方さんに言い寄られてるのがお悩み
・小6
土方 歳三
・言わずとも知れた新撰組副長
・ツンデレ
・ドS
・夏音が好き
*作品紹介(時*初)
・私、夏音。
・普通の女の子。
・お母さんの発明で、幕末にタイムスリップしちゃって・・・。
・私と新撰組のハチャメチャラブ(?)ストーリー。
解フル☆キャラ紹介
浄坂桃奈(主人公)
・通称トウナ
・明るくて常に前向き
・解決事務所で人の相談にのっている
真路美桜
・通称ミオウ
・頭が良く、少し考えが後ろ向き
・トウナの相棒(?)
ららこ みく(ララさん)
相馬ソウマ
ヒンメル(猫)
・事務所の裏方担当
・かなり個性的
作品紹介(解フル☆)
・トウナ、ミオウが普通ではない事務所で人の悩み相談に乗り、解決の手助けをする(1話参照)
・笑える(?)話が多い…と思われる
1,買い物で二人きり!? (夏音side)
はぁ・・・。
私────城里夏音は深いため息を吐いた。
なぜかって?
そんなの簡単。
その答えは・・・。
「土方さんって、何であんな壁ドンを・・・」
隣で歩いてる、土方さん。
ついこの間、私はタイムスリップした幕末で、壁ドンされたのだ。
「はぁ・・・」
私がため息を吐いてる間も、土方さんは飄々としている。
なんかムカつく・・・。
でもね、帰りたくても帰れない。
買い物中だもん・・・。
「土方さん・・はやく帰り」
「あれは何だ?」
言いかけた言葉は、土方さんの言葉にかき消された。
指差している先には、このあたりにあったのか、不思議な見覚えのない道・・・。
「行ってみましょう!」
スーパーへの近道かも。
私は、喜び勇んで土方さんと不思議な道へと歩いていった。
2.特別な相談者?(トウナside)
「「特別な相談者?」」
わたし――浄坂桃奈とミオウ――真路美桜は、声をハモらせてララさんへ言った。
今回事務所に来るのは、特別な相談者らしい。
「そ、特別。なんとなんと!幕末からタイムスリップしてきた、土方歳三に会えるんだぜ!」
ソウマの興奮した声に、首を傾げるわたし。
ひじかた……としぞう?
誰?……とミオウに視線を向けると、説明してくれた。
さすが、トップ校のトップだ。
「土方歳三。幕末の…新撰組って知ってる?その新撰組の副長よ。美形でモテたとか、鬼の副長って呼ばれてたとか。興味深い人ね」
へえ……そんなお方が、タイムスリップしていて、この事務所に来ると!
……この普通じゃない事務所に対し、白眼をむきたい。
「ま、いいじゃない。夏音ちゃんっていう同い年の女の子も一緒よ」
なら良いかもしれない!
仲良くなりたいし!!
「で、どう特別なんですか?その……夏音さんと土方さんは」
「ふふっ、それはね……」
「おう、それはな……」
………勿体つけないで早く教えてください。
「普段は裏方の私達も、その二人に会うのよ‼」
「…………。」
何だ、そっちか……。心の声が、ミオウとハモった……気がした。
ま、まあ、会えることのない偉人に会えるんだもん!
そりゃあ特別だよね〜‼
それに、この事務所事態が奇異な存在だしっ⁉
珍しく興奮しているララさんが見れるんだもん!
特別だ!すごいね〜!
………という事にしておいた。
3,不思議な事務所 (夏音side)
道を歩いていくと、ちょっとずつ暗くなっていき、私はちょっと怖くなってきた。
「ヤバい・・・沖田さん〜」
私、暗いところは好きじゃない。
土方さんはニヤリと笑っただけ。
ドSめぇ〜!
「事務所・・・?」
私は、その建物を見て、思わずつぶやいた。
なんとなく・・・そう、なんとなく、私は入らないといけない気がしてきて。
「不思議な事務所・・・」
私は、フラッと事務所に入ってしまった。
「夏音、買い物は!?」
土方さんの怒鳴り声すら耳に入らなかった。
4.謎なテンション(トウナside)
「いや〜久しぶりだな。裏方以外、表に出て仕事するなんてよ」
「土方歳三……人間の偉人ってどんな人なのか気になるわ…!」
あのねぇ。
わたしがこんなことを言う日が来るとは思ってもいなかったけど…。
ララさん!人間の偉人って、おかしいでしょ!
偉人って人だからね⁉
ああ、めちゃくちゃ当たり前だ……。
偉い人って書いて偉人だもん。
人以外、何があるのか(いるのか)知りたい。
ってか、ララさんだって、普通に見た目は人間だからね!(本当は木の精だよ)
普通の人間と同じように買い物とか行ってるって、自分で言ってたし‼
……いや、木の精だなんて、気のせいだったのか?
ああ……わたし、キャラクター崩壊してるなぁ……。
ねぇ、ミオウ?
……ミオウ??
「土方さん…あの美形を、生で見れるなんて……」
………ダメだこれ。
珍しくわたしが常識人っぽくなってるよ!
なにこのキャラクター崩壊っぷり。
みんな、テンションおかしいよ〜
もしも〜し⁉
まぁ、いいや。
楽しんだ者勝ちだよね。
前向きに!この波に乗ってみよー‼
夏音ちゃんって子とも、仲良くなりたいし!
その時。
カランカラン、と、ドアに取り付けたベルが音をたてた。
5,自己紹介 (夏音side)
「うわぁ・・・」
事務所に入って、第一声はこれ。
雰囲気にのまれる。
私は、ニコニコ笑っている人たちを見た。
「あのっ、私、城里・・・」
言い掛けると、土方さんが飛び込んできた。
「アホ!知らん奴に名乗るな!」
ええっ?
でも・・・。
私は、土方さんに諭すように、
「なんか、自己紹介しなきゃって思うの。だから、止めないで」
それから、にっこり笑いかけて、
「改めまして。初めまして、私、城里夏音です」
自己紹介した。
そして、私は土方さんをつつく。
「自己紹介して」
やむなく、土方さんもボソッと、
「土方歳三だ。よろしく」
自己紹介する。
でも、耳が真っ赤だから、照れてるのが丸わかり。
私は、クスッと笑ってしまった。
6.単なる変人(トウナside)
夏音ちゃんと土方さんが入って来たとき、事務所メンバーの興奮度はMAX。
感激しすぎて声が出ない、って感じだ。
………なんだろう。ここまで来ると、わたしだけ仲間外れ感があるんだけど。
わたしも、土方さんや新撰組に関して詳しかったら、あんな風に興奮するのかな?
………なんて思いながら、御丁寧に自己紹介してくれた二人に向き直る。
「はじめましてだね!わたしはトウナ。浄坂桃奈だよ!こっちの人たちは、人間の偉人……じゃなくって、歴史上の人物である土方さんに会えておかしくなってるから、放っておいてね」
ああ、これをいつもミオウがやってるのか。
1人だけ冷静な常識人って感じがして、これはこれで良いかも。
「このサイドテールの目がハートになってる人がミオウで、そこの髪ボサボサ男子がソウマ。あっちがララさんで、黒猫がヒンメル!」
一方的にペラペラ喋りまくって、息を付く。
うーん……。
「ごめんね、変な人たちで。本当に…単なる変人の集まりだから。気にしないで。えっと……しばらくしたら皆の興奮も収まるだろうから、ちょっと待っててくれる?本当はここ、悩みを相談してもらって解決の手助けをする所なんだけど……」
とにかく話す。話せば理解してくれる……はず。
えっと、えっと……。
「土方さん、もし良ければこの人たちと少し話してくれます?あ、別に無視してくれてもいいですよ……夏音ちゃんは、猫大丈夫?ヒンメルって猫がいるからもしよければ遊んでて……わたし、お茶入れてくるから‼」
とにかく言うことを言ったわたしは、ロボットのように機械的に立ち上がり、お茶を入れに向かった。
本当に……「すいま千円、二千円」って感じだ。
ごめんね、夏音ちゃんに土方さん……。
そして、事務所メンバー!!
あなた達、普段わたしをバカ扱いしてるけど、今はあなた達の方がヤバい人だからね!
7,猫モテ土方さん (夏音side)
トウナさんかぁ・・・。
かわいい名前・・・。
もしかして、私の名前よりセンスあるんじゃない?
「ソウマくんに・・・ミオウさん・・・ララさん・・・ヒンメルちゃん!」
よし、覚えた!
私は、ヒンメルちゃんに近付く。
かわいい・・・。
「ヒンメルちゃん〜」
きてほしくて、近付く。
しかし、ヒンメルちゃんは私の前をプイッと通り過ぎ。
「にゃん!」
土方さんの膝に飛び込んだ。
ガーン!
土方さん・・・猫にすらモテちゃうの・・・。
「ね、猫・・・」
驚く土方さん。
まったく、いいご身分だこと。
猫モテ土方さんめ。
私は、肩をすくめた。
8.相談…の前に遊んじゃおう!(トウナside)
キッチンでアイスティーを淹れて、夏音ちゃんの所に戻る。
にしても、夏音ちゃんって名前が可愛いよね〜!
わたしなんて、「ももな」って読み間違われるんだから、まったく!
「紅茶淹れたよ!冷たいけど、大丈夫?あ、シロップとミルク使って……」
言いながら、自分の紅茶にシロップを投入。
「夏音ちゃんは、ヒンメルと遊べて……」
ない。
って、ヒンメル、土方さんのとこにいるじゃん!
ヒンメルも土方さんの凄さがわかるのか!?
………うーん。
性別も年齢も不詳の猫さえも虜にするなんて。
みんなが言うのとは別の意味で、土方さん、凄すぎ。
そして、完全に他の事務所員を無視しているわたしは、夏音ちゃんに事務所の説明。
「さっきも言ったけど、ここは悩みを相談してもらって、その解決の手助けをする場所。……なんだけど、見ての通りの状態だから……」
本当に、「すいま千円、二千円」だよ。
ん?でも、この状態は……仲良くなれるチャンスかも⁉
「ねえ、夏音ちゃん、土方さん。相談の前に、ちょっと遊ばない?今だけではあるけど、二人と仲良くなりたいし!」
いつもと違う事務所も……悪くないよね!
夏音ちゃんと土方さん、二人の返事を待った。
9,遊ぼう! (夏音side)
トウナちゃんのキラキラした瞳。
もちろん、私はうきうき。
「うん!遊ぼう!」
どう遊ぼう・・・?
私は、妄想の世界に入り浸る。
「夏音・・・バ夏音!」
突如、隣から“暴言”が聞こえてきた。
バ夏音・・・?
「それは・・・俺も遊べというのか・・・?」
恐る恐る土方さんが聞く。
私は、にっこり笑いかける。
「もちろんです!・・・あ、もしかして」
私は、ニヤリと笑う。
「遊んでくれないんですか?こぉんなに可愛い女の子たちを傷付けるの・・・?」
実際、事務所の女の子たちはかなりと言うより、結構可愛い。
土方さんは、頬をピクピクさせながら、
「わかった・・・」
と、しぶしぶうなずいてくれた。
私は、ニコッとトウナちゃんに微笑みかけた。
10.何して遊ぶ?
「わーっ、ありがとう‼この変人たちも喜ぶよ!」
「愛想」のいい夏音ちゃんとは、気が「合いそ」うだよ!
わたしも笑顔で返事をする。
この、キャラ崩壊しまくりのララさんとミオウが、可愛い女の子なのかはともかくとして……。
まあ、ミオウも普段はクールな美少女って感じだし(今は違うけど)ララさんも普段は綺麗なお姉さんだし…。(今は違うよ)
「じゃあ、遊ぼうか!何がいい?」
わたしは立ち上がって、棚をガサゴソとあさる。
「おおっ!」
「おい、何見つけたんだ?」
いつの間にか隣に来ていたソウマに手元を覗かれる。
……ちなみにソウマは、いつも物事を面白がってるから、そこまで変ではない。
「わたしの愛す、アイスクリームが……!」
「アハハッ。土方さん、夏音さん。新しいアイスが、あったらしいッスよ〜」
むむ……なかなかやるなぁ、ソウマ。
って、こっちだけで盛り上がってちゃダメじゃん!
「定番のトランプとかどうかな。かるたもあったよ。あ、シンプルにかくれんぼとかは?この事務所結構広くて……」
わたしが思い付く遊びを挙げていくと、すぐさまチェックが入る。
「おい、事務所は極秘機関だからな。変なことするなよ」
……今日はララさんからではなく、ソウマから。
後でララさんに怒られそうだから、という声が聞こえたのはわたしだけだろうか。
「というか、お客さんである夏音ちゃんか土方さんに決めてもらうのが無難じゃない⁉……ってことで二人とも、やりたいことある?」
さあさあ、どんな遊びでもかかって来いっ!
11,シンプルに鬼ごっこ? (夏音side)
どんな遊びにしようかな・・・。
私は、必死にない頭を振り絞る。
よし、この際、“頼れる大人”に聞いてみよう。
「ねぇえ、土方さん♪」
思いっきり甘ったるい声を出す。
我ながら悪寒が走った。
「土方さんは、なんの遊びにしたいですか?」
思いつかなかった、という事情は省いて。
土方さんは考え込むように頭を抱える。
ありゃ?
頭が回る人なのに。
ってか、美形が頭抱えるの反則だよね?
「きれい・・・」
ミオウさんとララさんの口から、そんな声が聞こえたような。
聞き間違いかな?
「よし」
あっ、思いついた?
土方さんが、私の耳元に口を寄せる。
「・・・鬼ごっこ」
途端に私は、吹き出した。
だってさ・・・鬼の副長が鬼ごっこしたいって!
爆笑必至。
「アハハ・・・えーっと、シンプルに鬼ごっこでいいかな?」
私は爆笑で口元をゆるませながら、聞いた。
12.鬼は……
「鬼ごっこ!しよう!」
いいね〜!
シンプルイズベスト!
「鬼、誰にする?」
わたし、鬼嫌いじゃないんだよな〜♪
なんて考えてると、人の心の中を読めるソウマがあっさり、
「お前、駄目な。ソッコーで捕まる」
が、ガーン……。
ま、足が速いって褒め言葉になるよね!
………ね⁉
「あ、ミオウとララさんも!やるよね?」
「「やるやる!」」
土方さんがいるから!
……わたしには聞こえたよ〜!
二人とも〜!おーい!
……まぁいいや、放っておこう。
で、鬼は…
「あ、ミオウも駄目な。誰も捕まらずに終わる」
…………。
ソウマ〜!言っちゃいけない事実もあるんだよ?
って言うか、
「ダメ出しするならソウマが鬼やりなよ!」
「……おう」
と言うことで、鬼はソウマに。
「あ、あそこの部屋入ったら庭だから。そこ行こう」
………普通じゃなさすぎ、この事務所。
部屋に入ったら庭とか、意味不明だし。
と言うことで、ゾロゾロと一行は部屋の中……庭へ。
土方さんは、ヒンメルをだっこしてくれてる。
……ヒンメル〜!女子二人(わたしを除く)の視線に気付こうか……。
それにしても、楽しくなりそうだな!
13,スタート
鬼ごっこ!
私は、正直足に自信がない。
50メートル走の結果は、悲惨すぎて、封印されてる。
「捕まっちゃうかも・・・」
でも楽しみ。
にしても。
「ヒンメルちゃん、土方さんに懐きすぎじゃない?」
聞けば、土方さんも困惑してるように、首を傾げる。
「俺も思う」
妙に猫モテしてる・・・。
イケメンのフェロモンがわかるのかな?
土方さんのヒンメルちゃんを見てる目は、とっても優しい。
少なくとも、私を「バ夏音」って言うときよりはね!
「鬼ごっこ、そろそろスタートするのかな?」
私は、めっちゃワクワクして、待った。
14.先輩VS後輩
「10秒数えたら捕まえにいくぞ〜」
ソウマの声に、わたしは笑いが止まらない。
いや〜、だって…。
絶対楽しいはずじゃん!
「10〜9〜」
カウントが始まって、ダッシュ!
ミオウは遊具(ここ、校庭なみに広いの!)の影に隠れているし、ララさんは……少し離れたところでクスクス笑っている。
………ソウマ、絶対ララさんは狙わないよね。
というか、狙うと怖そう。
土方さんも、年上だし…何かあったら斬られそうで怖い。
「0、行くぞ〜!」
来る!わたしはソウマが誰を狙うか、様子を見る。
……ちょっと、ヒンメル。
土方さんの腕の中で寝ないであげて。
猫が寝込んだ!
……なんつって。
「え⁉ソウマ、土方さん狙うの⁉」
ソウマが土方さんの方へ走っていくのを見て、驚き。
足の速さはともかくとして、その度胸には恐れ入る。
……と、思ったら。
ヒンメルが、土方さんの腕から抜け出した!
驚く一同。
………てか、さっきまで寝てたよね。
「待ってくださいよ、センパイ!」
ソウマはヒンメルの賢さに感服して、センパイと呼んでいる…らしい。
追いかけるのは、後輩。逃げるのは、先輩。
しばらく、自分達が逃げる立場であることも忘れて、観戦(?)してしまった…。
15,楽しい時間
ヒンメルちゃん・・・逃げ足はやいね・・・。
私は、ヒンメルちゃんに逃げられて少し悲しそうな(?)の土方さんを見て、吹き出す。
「さぁさ、逃げましょ!」
私は、とりあえず土方さんの腕をとり、ミオウさんのいる遊具の影に隠れる。
ミオウさんの顔が、赤くなったような・・・。
「さすが色男!」
私は、ニヤリと笑って、冷やかす。
土方さんに睨まれる。
ヤバ・・・いろんな意味で“鬼ごっこ”が始まってるよ・・・。
「ひぃぃぃ!」
私は、慌てて遊具の影を飛び出す。
一部始終を見ていたらしい、トウナちゃんに笑いかけられ、私は少し恥ずかしくなった。
でも、スゴい楽しい時間・・・。
「最高・・・!」
この時間が続けば良いな・・・なんて。
16.猫の弱点
それから、鬼が変わるたびに、ヒンメルを捕まえようとしているみたいだけど……。
誰も捕まえられない。
わたしはというと…鬼にすらなっていない。
みんな、捕まえてくれないんだよね〜。
「待ってくださいってば、センパイ!」
何度も鬼になっては、ヒンメルを追いかける、ソウマ。
最終的にヒンメルは、木のてっぺんまで登っちゃった。
「凄い…猫って感じ」
疲れたのか、大の字になっているソウマを見て、夏音ちゃんと笑い合っていると……。
「あれ、下りれなくなっているんじゃない?」
ミオウが肩をつついてきた。
「あ…本当だ」
猫って、登るはいいけど下りれなくなることがあるって聞いたことあるけど……。
どうしたらいいんだろう!?
助けに行かないと!
でも、あんなに高い所まで登れるのかな…。
不安で顔を見合わせる。
どうしよう………
17,ヒンメルちゃん救出
私は、あわてずににっこり笑う。
トウナちゃんたちが、不思議そうに私をみる。
「いいこと思いついた!」
それもすごくいいこと。
それはね・・・。
「この中で背の高い人にヒンメルちゃんを救出してもらいましょうよ!」
当然。
みんなの視線が背の高い人、つまり、土方さんに集中する。
「はぁっ!?」
土方さんが怒鳴る。
仕方ないよね〜?
「第一、女の子を登らせますか?第二に、後輩を登らせますか?ここは、大人で“イケメン”な土方さんに助けてもらった方が良いでしょ!」
それに、ヒンメルちゃんに懐かれてたじゃないか。
それを指摘すれば、仕方なくという風に、土方さんはうなずいた。
「安心して!骨折したら、斎藤さんに手当てしてもらうから!」
「医者じゃないのかよ!」
盛大なツッコミが入った。
私は、「どうどう」と土方さんの背中を叩いて落ち着かせる。
18.あざといヒンメル(トウナside)
夏音ちゃんと土方さんのやり取りに、ついつい笑ってしまう。
うん、めちゃくちゃ和むよ!
斎藤さんって方も、新撰組の人かな?
他のメンバーもいたら、もっと楽しそう!
……なんて考えてるうちに、土方さんは木を登っていく。
さすがだね!無駄な動きがないし、凄くスムーズな足運びだ。
「さすが…土方さん、カッコいい♡」
ミオウの目がハートになっている。
まぁ…ミオウは女子校に通ってるしね。
こんなに美形でカッコいい大人がいたら、そりゃあときめくだろう。
「ニャーッ」
土方さんに優しく助けられて、ヒンメルは無事に地面に下り立った。
「ありがとうございます!土方さん!」
わたしがお礼を言っていると、
「あら、どうしたの?みんな」
ララさんの声が。
……そういえば、いなかったよね。
「ヒンメルが木に登って、下りられなくなっちゃって。土方さんに助けてもらったんです」
するとミオウの説明に、首を傾げたララさん。
「ヒンメルが下りれなくなった?ヒンメル、木登りは大の得意なのよ。自力で下りられないなんて、あり得ないわ」
は………?
ポカンとする一同。
ヒンメル、もしかして…
「土方さんに助けてもらいたいからって…ヒンメル、ずる賢い!うぅ…」
はいはい、ミオウ。
キャラクター崩壊しすぎだよ〜!
……ヒンメルって、意外とあざといのね。
19,天然色男
ララさんから衝撃の事実発覚!
私は、もう爆笑。
「・・・あざとい猫だな」
とか言いながら、土方さんはヒンメルちゃんを優しいいたわる(?)ような目で見ていた。
「にゃおーん」
ほら、ヒンメルちゃん、めっちゃ懐いてるし。
何なんだろうね。
イケメンのフェロモンって。
「と言うか、ミオウさんにもサービスくらいしてあげてくださいよ」
私は、土方さんに意見する。
土方さんは、黙ってミオウさんに近付き。
「何をしてほしい・・・?」
不思議そうに聞く。
うぬぬ!
この天然(?)色男は〜っ!
私は、呆れて肩をすくめる。
20.何して遊ぶ?part2
うわ〜!
夏音ちゃんと土方さんの言葉に、ミオウは真っ赤!
なんだろう…大人の色気を感じるよ‼土方さん。
ミオウ〜せっかくだから、何かやってもらいなよ〜!
ドキドキしながら見守っていると、ミオウが、顔から火が出ているんじゃないかというほど真っ赤な顔で言った。
「じゃ、じゃあ……。疲れたし、みんなでお茶にしませんか?それか、室内に戻って遊ぶとか……。ほっ、ほらほら、昨日、トウナがみたらし団子を見たらしいので……」
クスッ。一同はいろんな意味で笑いを噛み殺.す。
(たしかにみたらし団子、見付けたけどね)
それに…ミオウ〜!
そんな事言って、またヒンメルに嫉妬するんでしょ〜!
「まあ、良いんじゃない?棚に、トウナが愛す、アイスクリームもあったみたいだし」
ララさん……真面目な顔で言うから、余計に笑えます。
「室内で遊ぶなら、やっぱりだじゃれ対決でしょ!」
わたし、ソウマとよくやるんだよね〜!
だじゃれを言いまくって、先に笑った方が負けなの!
「「却下‼」」
ララさんとミオウから、辛辣な一言……。
「じゃ、じゃあ…また、夏音ちゃんと土方さんに決めてもらう?」
なんだか、ごめんね……。
21,提案
みたらし団子かぁ。
私、めっちゃ好き!
室内での遊び・・・かぁ?
何だろう?
「なにが良いと思います?」
教えてくれるよね。
ところが、土方さんは冷たく言い放つ。
「考えろ」
うぅ・・・。
私は、思い切って提案する。
「かくれんぼはどうかな・・・」
さっき、トウナちゃんが言ってたような気がするし。
22.まずはティータイム!
かくれんぼかぁ〜
事務所って不思議な所だし、広いし面白そうだよね!
ただ、さっきソウマが何か言ってた気が……。
だんだんまともになってきたララさんに訊いてみる。
「事務所の中でかくれんぼ、良いですか?」
何か言われるかな…って思ったけど、答えはあっさり。
「あら、良いわよ。面白そうじゃない。土方さんもいるし…」
はいー!最後の一言、聞いちゃったぞ‼
「ただし、入ってはいけないところもあるからね」
「は〜い!」
みんなで口を揃えて返事をした。
「じゃあ、室内入って、まずは団子とアイス食べようよ!」
と言うことで、まずは部屋でティータイムに。
23,土方さんの想い出の女性(ひと)
お団子・・・!
私は、目の色を変えて、お団子を見つめる。
そして一口、頬張る。
「んま〜い!」
ふわふわと言うか、モチモチ!
口の中で溶けたりして!
「ふわぁ・・・幸せ」
まったりとつぶやき、土方さんを見ると。
なぜだか、懐かしそうに見ていた。
「どうしたんですか〜?想い出の女性(ひと)でもいるんですか?」
からかうように言うと。
土方さんはうなずいた。
「お琴・・・俺の元婚約者だ」
へぇ、元婚約者・・・。
・・・元婚約者ぁっ!?
私たちは、唖然として土方さんを見てしまった。
24.アイス争奪戦!(トウナside)
ひ、土方さん…婚約者いるの⁉
って、『元』って言ってたか。
さすが美男子!(男子じゃないかもだけど)
に・し・て・も。
「このお団子、美味しい〜」
噛む度に、団子本来の甘みとみたらしの旨味が増していって。
それが合わさり、噛むごとに美味しさが倍増!
もちっとしてて柔らかく、口の中で溶けるような食感がさいこー!
夏音ちゃんも喜んでくれて、嬉しい!
ミオウは…
「土方さんの、婚約者……」
なんて、死んだ目をしている。
なんなんだか……。
「あ、(わたしの愛す)アイスもあるよ!……って!これ!」
「なんだよトーナ」
めんどくさそうに返信をするソウマに、アイスのカップを突き付ける。
「これ!ハー◯ンダッツだよ!美味しいやつ!」
「うおぉぉぉ!マジか!」
「うん!1つしかないけど」
わたしが、その一言を言った瞬間……その場の温度が下がった…気がした。
「やってやろうじゃねぇか…」
「わたしだって!」
そして、謎のバトル勃発。
夏音ちゃんも、ハーゲン◯ッツ食べたいよね⁉ね!?
「なら……」
わたしは良いことを思い付いて、口を開く。
「参加しないララさんかミオウに鬼になってもらって、かくれんぼしよう。最後まで見付からなかった人が、◯ーゲンダッツ食べれる」
「おう!負けねーぜ?」
ということで、ハーゲンダッ◯をかけたかくれんぼが始まる…。
25,かくれんぼ!
あのハーゲンダッ◯!
私、今、家にいる居候がいないとき、内緒で食べてた。
今は、家計が火の車で食べれてない。
火の車の理由。
単にみんなが大食いなの!
プラス、電気代とか足してけば・・・火の車になるよ!
「絶対、勝つんだから!」
私は、思いきり息巻く。
アレだけは譲れないもん!
「ねっ、土方さん!」
私は、土方さんを振り仰ぐ。
ところが、土方さんは黙っていた。
「どうしたんですか〜、お琴さんでも見つけたんですか〜」
私は、からかい半分で聞く。
土方さんは、至極真面目な顔で、
「ミオウとやらがお琴に似ているような・・・」
前世とか?
私は、ニコニコ笑った。
だとしたら、スゴい縁だね。
「絶対、かくれんぼで優勝するぞぉ〜」
私は、ちょっと身構えて、再び息巻いた。
26.やっぱり譲れない!
お琴さんって人に似ている…と言われたミオウが、真っ赤っ赤。
見てるこっちが恥ずかしいよ〜!
「ミオウ、鬼、頼める?ハーゲンダ◯ツをかけた勝負!」
顔を両手で押さえながら、こくこく頷くミオウ。
じゃあ…始まる…けど…。
「……なんかさ。家計が苦しくて食べれないなんて…譲りたくなっちゃうよね…」
わたしの言葉に、ソウマは頷く。
「あぁ。だがな…」
「やっぱり譲れない!/譲れねぇ!」
ハモった。
でも…やっぱり、ハ◯ゲンダッツは譲れないんだよ〜!!
「じゃ、向こうの部屋使って。事務所は入っちゃいけない所もあるから…あの部屋以外は、ダメだからね」
ララさんの言葉に、わたしたちは揃って返事。
そして、
「にゃ〜ん」
相変わらず、ヒンメルは土方さんの腕の中。
「ミュ〜ン」
甘えたように泣いて、丸くなって寝ちゃった。
「ヒンメルは…ハーゲ◯ダッツ食べないよね…」
自分に言い聞かせて、みんなに同意を求める。
さっき、鬼ごっこ参加してたからね…。
1番あなどっちゃいけない相手かも⁉
これコラボなのに、解フルはキャラ崩壊しているから笑える。
やっぱり土方さんはモテ過ぎだね!
いつか私とも,コラボして下さい。