pixivで私が書いている小説です。
葉っぱにも掲載することにしました!
感想書いてくれたらうれしいです
突き抜けるような青空を見上げ、これから先のことを考える。
眩しい朝日が私を照らす。
風に木々が揺れ、静かな音色を奏でていた。
まるで、私を慰めるかのように。
少しだけ、希望が見えてきたような気がした。
私が今まで、信じてきたものは――――――何だったんだろう。
いつの間にか、人をも恐れるようになっていて。
悲しみ、失望、落胆、嫉妬、妬み、嫌悪、苦しみ――――――………
思いつくのは、マイナスの感情ばかり。
どれも、もう味わいたくなかった。
忘れていたはずの「トラウマ」が蘇る。
負の感情ばかりにとらわれていて。
気づけば、一人ひっそりと箱の中にこもるようになった。
気持ちも、思いも、自分自身さえも、すべて中に閉じ込めて。
敵も味方もいない、そんな箱の中から。
それは、私の心。
封じ続けてきた、「本当の私」………
それは、時々、目を覚ます。
なにもかも全てがそれに繋がっていて。
もう、私はその箱を開けようとしなかった。
――――――――違う。
その箱を開ける勇気すら―――――私にはなかったのだ。
現実の世界に意識を引き戻す。
遠くから、小さな足音が聞こえてきた。
それは、だんだんと近づいてくる。
私は、反射的に身構えた。
現れたのは、同い年くらいの少女だった。
白いワンピースを身に纏い、風に髪を靡かせている。
微笑みを浮かべながら、私を眺めている。
ただそれだけで、私は安心感に包まれた。
そして、再び幾度目かの涙を流した。
悲しみの冷たい涙じゃなく――――――喜びと希望に満ちた、温かい涙を。
>>8
頑張ります
とても面白いです。頑張って下さい。
12:美香:2018/08/25(土) 12:01 白いワンピースの少女に、名前を問う。
私はようやく、顔を上げた。
少女の僅かに愁いを帯びた表情に、懐かしい面影を感じ………
そして、次の瞬間――――――――私は、逃げた。
林の中を、走って、走って、走り続ける。
私が逃げたのは、あの少女の顔が、梨子にそっくりだったから。
忘れかけていた記憶の断片が、蘇り、繋がって。
思い出したくもない「トラウマ」が目覚め始めた。
完全に思い出すその前に、私は、少女の前から―――――走り去った。
いつの間にか、林を抜け、小さな野原に辿り機いていた。
見上げれば、人間の世界と変わらない、果てしない青空。
それが余計に辛く、苦しく、痛かった。
突然、あの「男」が現れた。
相変わらずの、不気味な笑顔を浮かべながら。
「ねえ……人間界に戻る方法、教えてよ」
睨みながら、私はそう呟く。
男は、口の端を持ち上げ、薄笑いを浮かべた。
「………いいでしょう。ただし………」
男は手を高々と、青空に突き上げ、指を鳴らした。
パチン………乾いた音が、広い野原にこだまする。
現れたのは、黒いスーツを身にまとった男たちだった。
人間だろうか。薄気味悪さに、私は激しい憎悪を覚えた。
二十人…いや、三十人は確実にいる。
「…で、何をすれば言いわけ?」
私は男に問いかける。
「あなた一人で、この男たちを全て倒したら、教えて差し上げます」
卑怯というほか、言葉が見つからなかった。
「最低、ね…」
顔をしかめ、吐き出すように、男に告げる。
男は何も言わず、黙って私を眺めていた。
「分かった。受けて立つ」
私は、躊躇しなかった。そんな理由など、存在しなかったから。
受けて立つ――――――そう言い放った瞬間に、男たちが飛び掛かってきた。
運動神経と体力だけは自信があった。
男たちの攻撃を―――――避ける、避ける、避ける。
迫りくる男たちの顔に、次々と回し蹴りを食らわせる。
あっという間に、十人もの男が倒れていった。
次の瞬間、背中に視線を感じた。
殺気といったほうが正しいのかもしれない。
慌てて振り向いても、もう遅かった。
一人の男が、私の腰に後ろ蹴りをした。
腰に激しい痛みが走って突き抜ける。
痛みに歯を食いしばりながら、その男の顔面を殴る。
男は、悶えながら、苦しみながら、声をあげる。
そして、十分が経ち、二十分が経過した。
残るは―――――――――あと十人。
ずっと動き回っているせいで、少しずつ、体力が消耗してきた。
足も、腕も、思ように動かない。
まるで、泥の中で動いているようで。
「―――はあ、はあ………」
息切れがする。ほとばしる汗が目に染みた。
その汗を手で拭い、長い溜息をつく。
立ちどまった瞬間、頭上から私の頭をめがけて男が降ってきた。
「――う………っ……………」
男に蹴りを食らい、地面に倒れ込む。
いつの間にか腕や足は、傷だらけになっている。
私はもう、動くことさえできなくなっていた。
意識が朦朧とする中、十人もの男が、倒れた私に迫りくる。
私は最後の力を振り絞り、立ち上がる。
ここで、負けたくない。負けるわけには、いかなかった。
膝蹴りをし、五人の男たちが次々と倒れる。
完全に体力を使い切った私は、力なく地面に座り込んだ。
あと、五人。終わりは見えてきたのに………
もう、死を覚悟するしかなかった。