アルフィーネ 

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1:美香:2018/08/21(火) 17:36

pixivで私が書いている小説です。
葉っぱにも掲載することにしました!
感想書いてくれたらうれしいです

9:美香:2018/08/23(木) 17:58

突き抜けるような青空を見上げ、これから先のことを考える。

眩しい朝日が私を照らす。

風に木々が揺れ、静かな音色を奏でていた。

まるで、私を慰めるかのように。

少しだけ、希望が見えてきたような気がした。


私が今まで、信じてきたものは――――――何だったんだろう。

いつの間にか、人をも恐れるようになっていて。

悲しみ、失望、落胆、嫉妬、妬み、嫌悪、苦しみ――――――………

思いつくのは、マイナスの感情ばかり。

どれも、もう味わいたくなかった。

忘れていたはずの「トラウマ」が蘇る。

負の感情ばかりにとらわれていて。

気づけば、一人ひっそりと箱の中にこもるようになった。

気持ちも、思いも、自分自身さえも、すべて中に閉じ込めて。

敵も味方もいない、そんな箱の中から。

それは、私の心。

封じ続けてきた、「本当の私」………

それは、時々、目を覚ます。

なにもかも全てがそれに繋がっていて。

もう、私はその箱を開けようとしなかった。


――――――――違う。


その箱を開ける勇気すら―――――私にはなかったのだ。


現実の世界に意識を引き戻す。

遠くから、小さな足音が聞こえてきた。

それは、だんだんと近づいてくる。

私は、反射的に身構えた。


現れたのは、同い年くらいの少女だった。

白いワンピースを身に纏い、風に髪を靡かせている。

微笑みを浮かべながら、私を眺めている。

ただそれだけで、私は安心感に包まれた。


そして、再び幾度目かの涙を流した。


悲しみの冷たい涙じゃなく――――――喜びと希望に満ちた、温かい涙を。

10:美香:2018/08/23(木) 18:00

>>8
頑張ります

11:ステラ:2018/08/23(木) 20:35

とても面白いです。頑張って下さい。

12:美香:2018/08/25(土) 12:01

白いワンピースの少女に、名前を問う。

私はようやく、顔を上げた。

少女の僅かに愁いを帯びた表情に、懐かしい面影を感じ………

そして、次の瞬間――――――――私は、逃げた。


林の中を、走って、走って、走り続ける。

私が逃げたのは、あの少女の顔が、梨子にそっくりだったから。

忘れかけていた記憶の断片が、蘇り、繋がって。

思い出したくもない「トラウマ」が目覚め始めた。

完全に思い出すその前に、私は、少女の前から―――――走り去った。


いつの間にか、林を抜け、小さな野原に辿り機いていた。

見上げれば、人間の世界と変わらない、果てしない青空。

それが余計に辛く、苦しく、痛かった。


突然、あの「男」が現れた。

相変わらずの、不気味な笑顔を浮かべながら。

「ねえ……人間界に戻る方法、教えてよ」

睨みながら、私はそう呟く。

男は、口の端を持ち上げ、薄笑いを浮かべた。

「………いいでしょう。ただし………」

男は手を高々と、青空に突き上げ、指を鳴らした。

パチン………乾いた音が、広い野原にこだまする。


現れたのは、黒いスーツを身にまとった男たちだった。

人間だろうか。薄気味悪さに、私は激しい憎悪を覚えた。

二十人…いや、三十人は確実にいる。

「…で、何をすれば言いわけ?」

私は男に問いかける。


「あなた一人で、この男たちを全て倒したら、教えて差し上げます」

卑怯というほか、言葉が見つからなかった。

「最低、ね…」

顔をしかめ、吐き出すように、男に告げる。

男は何も言わず、黙って私を眺めていた。


「分かった。受けて立つ」


私は、躊躇しなかった。そんな理由など、存在しなかったから。

13:ソレイユ:2018/08/25(土) 16:37

受けて立つ――――――そう言い放った瞬間に、男たちが飛び掛かってきた。

運動神経と体力だけは自信があった。

男たちの攻撃を―――――避ける、避ける、避ける。

迫りくる男たちの顔に、次々と回し蹴りを食らわせる。

あっという間に、十人もの男が倒れていった。


次の瞬間、背中に視線を感じた。

殺気といったほうが正しいのかもしれない。

慌てて振り向いても、もう遅かった。

一人の男が、私の腰に後ろ蹴りをした。

腰に激しい痛みが走って突き抜ける。

痛みに歯を食いしばりながら、その男の顔面を殴る。

男は、悶えながら、苦しみながら、声をあげる。


そして、十分が経ち、二十分が経過した。

残るは―――――――――あと十人。

ずっと動き回っているせいで、少しずつ、体力が消耗してきた。

足も、腕も、思ように動かない。

まるで、泥の中で動いているようで。

「―――はあ、はあ………」

息切れがする。ほとばしる汗が目に染みた。

その汗を手で拭い、長い溜息をつく。

立ちどまった瞬間、頭上から私の頭をめがけて男が降ってきた。

「――う………っ……………」

男に蹴りを食らい、地面に倒れ込む。

いつの間にか腕や足は、傷だらけになっている。

私はもう、動くことさえできなくなっていた。


意識が朦朧とする中、十人もの男が、倒れた私に迫りくる。

私は最後の力を振り絞り、立ち上がる。

ここで、負けたくない。負けるわけには、いかなかった。

膝蹴りをし、五人の男たちが次々と倒れる。

完全に体力を使い切った私は、力なく地面に座り込んだ。

あと、五人。終わりは見えてきたのに………


もう、死を覚悟するしかなかった。


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