こんにちは依紗です。
猫の小説を書いてみます。
感想はご自由にどうぞ。
そんな感じです。
【登場生物】
・私
・ニンゲンモドキ
・ニンゲン
あんまり決めてません。
思いついたら話の間で書きます。
よろしくおねがいします。
【1時限目 〜ニンゲンモドキ〜】
私は迷っていた。
街角で鳴く同族。そこらの三毛猫と変わらぬ生い立ちにして、
200近くの冬を越えて来た私。
その私が、生まれて初めてニンゲンごときに狼狽(ろうばい)していた。
ニンゲン、か弱いものである。
何故(なぜ)かなど考えたくもないが、
暑さ寒さから、あるいは外敵の鋭いキバから守ってくれていた毛皮を、自ら脱ぎ捨て、
我が物顔でこの世を練り歩く勘違いも甚だしい気狂いである。
別段、美味なわけでもないので狩りはせぬが、
少しでも危害を加えるようなら嬲り殺してくれようかと考えていたところだ。
そうして今この状況に立ち返るに、はて、私の前には確かにニンゲンがいる。
危害を加えられたかといえば2、3回殴られたので加えられたのであろう。
なにより私の散歩道のド真ん中に横たわるなど至極失礼であり、
八つ裂きにされてもいたしかたない愚行である。が、
「だぅ〜ぅーぁー」
はてさて、これはニンゲンであろうか。
貧相な手足。縦長の顔。頭部に申し訳なく生える毛。
なるほど、たしかにニンゲンのように見える。
「あー? あー……あぅ!」
しかし、それにしては幾分(いくぶん)か小さい。
私の知るニンゲンはこんな小型ではなかった。
さらに言えば話している言語が違うようである。
あーあーと何やら高い音域の言葉を繰り返し発している。
低いドスの効いた他の個体とはその点で一線を画しているともいえるが、私が考えるに、このニンゲンは我々の崇高なる猫語を解そうとしていると見た。
なんと。下っ端の猫より跳躍力の無い劣等種のそれに鳴き声を真似られるとは……。
ひどく腹立たしいが、同時に興味深くもある。
やっと彼らも自らの傲慢さを恥じるだけの知性を身に着けたのかと思うとどこか感慨深い。
「ぁ……ぁ?」
どれ、1つお手本に鳴いてやろうか。
「ぐぁぁ〜ぉお……」
「…………ぁ?」
駄目だ。「こみゅにけーしょん」というものを理解していない。所詮サルのようだ。