前に書いた作品は実は、間違えて投稿してしまいました。((?
感想とアドバイスを良ければください。…てか、ください(笑)
>>2 登場人物
>>3 ストーリー
5.初恋
___次の日、私は何度も何度もため息をつく。
昨日のことを思い出してしまう。
(私…本当に杉野君のことを好きになっちゃったんだ…)
普通、漫画や小説では友達とかに相談しているけど、私には無理。『趣味悪い』とか言われそうで怖いのだ。
私は重い気持ちを抱えて、学校へ向かった。
___学校に着くと、彼は私より早く来ている。
「おはよ〜、ほしのん!」
「おはよう、星乃」
麻里ちゃんと柚佳ちゃんがにっこり笑って挨拶をしてくる。私も二人の真似をして挨拶をする。
「ふぅ…」
私はランドセルを置いて、小さく息をした。すると、肩をトントンされ、された方を向くと、頬杖でにっこり笑っている杉野君だった。
「おはよ、木原」
「お、おはようございます…」
私は緊張のあまりに敬語になってしまった。杉野君は笑っているし恥ずかしい!
___算数の授業中。
私は黒板とにらめっこをしている。今日、5年生の復習のテストだったが、6年生の勉強もする。線対称と点対称の学習。
私が真剣に黒板を見ていると、横から人指し指で肩をつつかれる。
「あのさ、俺教科書忘れてきたんだ…見してくれる?」
「う、うん!」
杉野君の様子を見た私は離れている席をくっつけて、一緒に教科書を見る。
「ごめん。サンキュ」
杉野君はにかっと笑う。
まただ…
また、君の笑顔を見ると、心が痛む。やっぱりこれは恋なんだね。初恋だ。
___授業が終わり、席を離した。
「木原さん、本当にありがとね!」
杉野君は顔の前で両手を合わせて、私にお礼を言う。
「う、ううん!お役にたてたなら良いの!」
私は両手を横に振った。
ほんとにね、彼の役にたてただけで嬉しいから。
ごめんなさい!杉野の台詞で、
木原さんではなく、木原でした!さん付けじゃないです!
6.席替え
次の日。
「今日は、待ちに待った席替えだー!!!」
柚佳ちゃんと麻里ちゃんと一緒に登校をしていると、麻里ちゃんが元気よく叫ぶ。
「麻里、うるさい」
柚佳ちゃんは冷静に言う。
や、やっぱり、柚佳ちゃんって大人っぽくてしっかりしているな…
「えへへ…でも、席替えって一ヶ月に1回しかないのに、今回は一ヶ月も経ってないのに、席替えだよ?こんなのないよ〜!!」
麻里ちゃんは息継ぎをする暇もないような勢いで話す。
正直、何を言っているのかわからなかった。
でも、席替えか…杉野君と離れちゃうな…
__学校に到着すると、みんなざわついていた。やっぱり席替えのことかな…
「おはよう、木原」
「おはよう。今日席替えだね〜」
私は杉野君に挨拶を返すと、席替えの話題を出す。
「だね〜…」
あ、あれ?席替えなのに、反応が暗いような…
「なんでそんなに暗いの?嬉しくないの?」
私は首をかしげて聞く。
「だって、俺ずっとこの席が良かったんだよ」
杉野君は、頬をポリポリとかく。
そ、それって、もしかして…
「俺、後ろの席が一番好きだからさ〜」
で、ですよね…
でも、私も後ろの席とか結構好き。落ち着く感じだから…
神様、どうか杉野君とまた隣の席になりたいですっ!
「皆さん、おはようございます」
先生が挨拶をすると、教卓に箱を置く。
「今から席替えをします」
すると、周囲から嬉しそうな声が教室中に響く。
「では、くじを引いたら、黒板に書いてある場所へ移動してください」
みんなは、次々と教卓に並び、くじを引いていく。
私も引いて、そのくじを開く。
「11番…」
11番の席は窓側の三列目。私は机を持って移動する。
移動すると、そこには…
「宜しくね。木原さん」
「よ、よろしくね」
私が望んでいた彼ではなかった。
「木原さん、俺のことわかるかな?」
「ご、ごめんなさい…まだ、クラスの人の名前覚えてなくて…」
クラスの人の名前まだ覚えてないって可笑しいよね…めんどくさい人って思われてるかも…
「ううん、大丈夫だよ。俺は青山悠樹。宜しくね」
私はこくりとうなずく。
青山君か…なんか、杉野君と同じオーラが出てる感じがする…見た目は少しクールな感じだけど、性格は明るいんだね…
7.好きな人
学校が終わると、いつも通り麻里ちゃん、柚佳ちゃんと一緒に帰る。
「今日の席替え嫌だった!!」
「麻里、あいつと隣だもんね」
「あいつ?」
『あいつ』と言う言葉に思わず首をかしげる。
ヤバい、全っ然わからない!
「あ、えっとね筒島雄太って言う奴なんだけどね」
筒島君!確か、学級委員の人だっけ…その人がどうしたんだろ…
「あの筒島ね、結構厳しくて嫌になっちゃう!住む世界が違うって言うか〜…」
麻里ちゃんは息継ぎをする暇もないように言い続ける。
まぁ、麻里ちゃんは元気な感じだけど、筒島君は完璧少年って感じだからね…
「確か、ほしのんは青山だよね?」
「うん」
青山君…別に好きって訳じゃないけど、カッコいい感じの男の子。
「あいつさ、モテるからお勧めよ〜♪」
麻里ちゃんはニヒヒと笑う。
青山君ってモテるんだ…でも、私は好きになれないな…
「そ、そう言えば、柚佳ちゃんは杉野君と隣だったよね!」
「うん…」
あ、あれ?少し切ない感じの顔をしてる…私、悪いこと言っちゃった!?
「ご、ごめんね。私なんか悪いこと言っちゃった?」
「え!?ううん、そういうことじゃないよ!」
柚佳ちゃんはハッとして、両手を横に振る。
「……あのさ」
私は柚佳ちゃんの声に振り向く。
「みんなって好きな人いるの?」
「え!?」
柚佳ちゃんからの意外な質問に思わず、声を出してしまう。
す、好きな人か…友達だし言った方良いのかな…?
「私はいないよ〜!ほしのんは?」
「わ、私もいないよ!」
麻里ちゃんにつられて、つい『いない』って言ってしまった。
嘘、ついちゃった…
「そっか…私好きな人いるの…」
「え、誰!?」
柚佳ちゃんは恥ずかし気に言う。柚佳ちゃんの言葉を聞くと、麻里ちゃんは気になり、聞き出そうとする。
私も気になる!友達の恋を応援したいし!
「えっとね…誰にも言わないでね?」
私と麻里ちゃんは大きくうなずく。
「……杉野」
その時、私は心が痛んだ。
柚佳ちゃんの好きな人は杉野君、私と同じなんだって…
8.応援しなきゃ…
翌日、私はなかなか眠りにつけなかった。
私の頭が柚佳ちゃんのことをよぎってしまう。
『……杉野』
あぁ、もう!!なんで考えちゃうの…?私は関係無いもん…
「おはよ、星乃」
私はその声にビクッとする。顔を見なくてもわかる。柚佳ちゃんだ。
「お、おはよ。麻里ちゃんとは一緒じゃないの?」
「今日はね、寝坊したらしいよ」
麻里ちゃぁぁん!こういうとき限って寝坊しないでよぉぉ!!!
昨日のこと思い出すし、気まずいよ…
「あのさ…」
私は柚佳ちゃんの小さな声に相手の方を向く。
「本当に杉野のこと応援してくれるの?」
き、きた…この質問きたか…
い、言わなきゃ…!『私も杉野君のこと好きだから応援できない』って。
__それなのに…
「もちろん!だって友達だもん!」
「本当に?ありがとう!」
柚佳ちゃんはふんわりした笑顔で言う。
あーあ、言っちゃった…もう後戻しに出来ない。
私って本当に馬鹿だ。
気まずい空気になりながら教室へ入る。
教室はざわざわといつも通り。
す、杉野君は何処にいるんだろ…ってえ!?わ、私の席に座っているの!?
「どうしたの、星乃。中入ろ?」
柚佳ちゃんから声をかけられた瞬間私はハッとする。
杉野君に集中し過ぎて立ち止まってた…
私は教室の中へと入っていく。
「お、おはよ…」
私は小さな声で二人に挨拶をする。
すると、杉野君が振り向く。
「あ、木原さんおはよ!ごめんね、席に座ってたわ〜ごめん」
杉野君は椅子から立ち上がると、顔の前に両手を合わせて謝る。
「ううん、二人仲良いよね」
「だろ?俺達兄弟みたいだよな!」
「いや、兄弟じゃねぇよ」
杉野君は青山君の肩を掴み、ニカッと白い歯を出す。そこに、青山君のツッコミを出す。
まぁ、なんだかんだで良い人だなって思う。
「ふぅ〜…やっと座れた…」
私はポソッと呟く。
「ごめんね、俺達が話してたから…」
「いえ、全然!隣の席に座って仲が良い人と話したい気持ちは私にもわかりますので!」
って、なんで私敬語になってるの!?しかも、青山君にまで笑われてるし…穴があったら今すぐでも入りたいよ〜!
「な、なんで笑うの〜!!」
私は頬膨らませて相手に向かって怒る。
「だって、敬語だったし、顔が可愛かったから」
え?今、青山君なんて…
私のこと『カワイイ』?全然意味わかんない…
そう考えてるうちに高い音色のチャイムが響く。
私はランドセルがまだ机の上にあったのに気づき、ロッカーへしまいに行く。
すると、柚佳ちゃんと杉野君が仲良さそうに喋っている姿が写る。
まるで、漫画にある美男美女の絵のようだった。
柚佳ちゃん…杉野君とお似合いだね…
そう辛く思う私がいた。
9.大好きな人
「今日ね、杉野とたくさん喋れた!」
「良かったね!」
下校中、柚佳ちゃんは杉野の話題をたくさん話す。麻里ちゃんは嬉しそうに言うけど、私は沈黙。
「星乃?」
「え、何?」
「大丈夫?最近ボーッとしてるし、さっきもずっと黙ってるし…」
い、言えない…!柚佳ちゃんと杉野君とのことでいっぱいって言えるわけがない!
「いや〜、最近寝不足で〜」
私は目を擦りながら嘘をつく。
「なんだ、そういうこと?ちゃんと寝ないと駄目だよ〜!」
「麻里もね…」
柚佳ちゃんは麻里ちゃんにツッコミを入れる。
あぁ、また嘘ついちゃった…
「でねでね、杉野が__」
嫌だよ…聞きたくない。
でも、聞かないと…
私は耳を塞ぎたい気持ちを抑えて、柚佳ちゃんの話を聞く。