女子なのにイケメンすぎるんだよぉー!!!
>>2
ありがとうございます!紗来も喜んでます!笑
文才があるなんて...(照)嬉しいです!これからもよろしくお願いします。
>>10様
「 東城紗来さん....。これまた随分と変わったねぇ? 」
昼休みとは思えないくらい静まった教室内に純の声が響き渡る。
ポケットに手を突っ込んだまま紗来をジッと睨み喧嘩を売っているようにも見えた。
「 ...で、用は? 」
それに負けじと紗来も睨み返す。
周りのみんなは、これから何が始まるのか興味深々だ。
もしかして...喧嘩とか、始まっちゃう感じ?...私、紗来がやられそうになったらどうすれば...。
「 俺、お願いがあってきたんだー。 」
「 何? 」
私に考える暇も与えず純が不適な笑みを浮かべながら一歩前に出る。
紗来は大して怯む様子もなく、堂々と構えたままだ。
お互い、一歩も下がる気配はない。
クラス中の視線が二人に集まった。
そして____
「 お願いします!! 」
.........。
純が首が取れそうなくらい全力で頭を下げた。
静かな空気から一変し、みんなはざわざわと騒ぎ始める。
うん、分かる。みんなの言いたいことは分かる。
あんなに睨んで今にも殴りかかりそうな勢いだった純が頭を下げたのだ。
そりゃあびっくりするだろう。
でも一番驚いているのは紗来だ。
「 え?何?何を?何が? 」
元々大きな目をさらに見開きながら戸惑っている。
戸惑う紗来に構わず、純は興奮した様子で話を進めた。
「 あなたこそ俺のボスです!番長! 」
「 だから何なの!? 」
全然噛み合わない二人の会話にくすくすと笑いが起こる。
臼井純って、こんな子だったんだ...。なんだ。意外と良い子そうじゃん。
しかし、笑う子たちに気付いた純が目の色を変える。
「 おいお前ら、何笑ってんだよ。 」
またもや教室は静まり返る。
やっぱり、臼井くんは怖かったか...。
「 臼井くん、話を戻すけど...。 」
キレる純を抑えるように紗来が話しかける。
紗来の方はまだ状況がよく分かっていないようだ。
「 はいっ! 」
純が目つきを変え背筋を伸ばし紗来の方を見る。
「 あの、ね、臼井くんが言いたいことはつまり...。 」
「 はい!!紗来さんに弟子入りさせていただきたいと! 」
で、弟子入り!?
紗来っていつから師匠になったの!?
というか、紗来から何を学ぼうとしているんだろう...。
「 あのー...、私、教えてあげられることなんてないけど...。 」
「 それでも良いんです!紗来さんの側に居させてくださいっ! 」
...これって...一歩間違えば告白ですよね...?
紗来の側にいたいって...ただ単に紗来のことが好きってこと?
「 まあ、いいでしょう!何もしてあげられないけど。...でも、敬語はやめよ? 」
紗来が苦笑いしながら純に言う。
確かに、同級生からの敬語とか今の紗来は嫌いそうだ。
「 あざっす!いいえ!俺、下っ端なんで!敬語のままでお願いします! 」
「 えー...でも、 」
「 駄目っすよ!紗来さんはボスなんですから。一目見ただけでもう俺、運命的なの感じて、 」
「 もういいって! 分かった、そのままで良いから。一旦クラス帰りな? 」
紗来の素晴らしさ的なものを語りだした純の暴走を止め、
相手が自分の教室に帰ったのを確認すると、紗来はふぅ、とため息をついた。
「 叶花ごめん。さ、ご飯食べよ! 」
紗来が自分の席に着いてそう言うと、教室は賑わいを取り戻した。
「 …誰か、やってくれる人? 」
この学年にしては珍しい沈黙に、学年主任も困ったような表情を見せる。
主任の佐藤先生の台詞を聞くのはこの30分間で何度目か。
今、学年集会で生徒会に入る人物を3人決めている。
私たちの学年では、リーダー系の仕事をしたがる生徒が他の学年に比べ、極めて少ない。
少ないというか…、はっきり言うといない。
地獄の30分間。誰が手を挙げるのか、というか、生徒会に入るやつなんて現れるのか。
そのとき、あちらこちらから、ワッと喜ぶような、安心したような声が聞こえてきた。
誰か立候補したのだろう。私も立候補した人物を探す。
!!
…独り言なんて、言ったことない。思わず、声が出てしまったこともない。
だけど、つい…。小さかったけど声が出てしまった。
「 紗来…!? 」
驚いた、びっくりした。目が落ちるかと思うくらい目を見開いた。
まさか私の親友が立候補するとは…。
彼女は今までそんなことやるようなタイプではなかった。
紗来は変わった、そんなこと分かっていたけど、やっぱり驚いた。
「 では、東城さんは前へ。 」
佐藤先生は安心したような表情をして、紗来に前に出るように促す。
「 他に、立候補は……、、 」
…これには先生もびっくりだろう。
先ほどまで、誰一人手を挙げていなかったのに、今はほとんどの生徒が挙手をしているのだから。
「 はい!私!私やりたいです! 」
「 俺!先生、俺!やる気あるから! 」
「 絶対仕事さぼりません!だからお願いします!! 」
自分を主張する声の嵐。
いやいや、みんな紗来が立候補した途端…。絶対紗来が目当てでしょ。
「 あー…、どう、どうする?東城さん、 」
先生は相当困ったのか、額をハンカチで拭きながら紗来に尋ねる。
でもね、先生…、紗来に聞いても解決しないと思います。あなたが何とかしないと…!
「 あ!そうだ、東城さんが決めよう、そうしよう。 」
おい!!
先生!生徒を使うな、自分の仕事から逃げないで!?
紗来も何を言っているかまでは分からないけど、苦笑している。
「 みなさん聞いてください。東城さんがあと2人の生徒を決めてくださるそうです。 」
だから!!
紗来が困ってるでしょ、先生!紗来の答え聞かずにみんなに言っちゃうとか、お前最低かよ。
「 えー…、え、えっと…、 」
紗来が約180名の生徒に注目されながら、みんなの顔を見渡す。
「 じゃあ、 」
みんなが緊張したような表情になる。
「 …坂野叶花、前にどうぞ? 」
え。
えー!!!
え、私…
……手挙げてないよ紗来!!
イケメンっていう言葉に弱い私は題名に惹かれて来ました(笑)
どういう話なのか想像がつかなかったけど、すごく面白い!!!
文章を書くのもお上手で、羨ましいの極みです.......。
アニメ化か映画化してほしいわ...。これからも頑張ってください!
きゃー…!!ありがとうございます!
色々と褒めて頂いて…、何からお礼すれば良いのか…!!
本当にうれしいです!はい、これからも頑張りますので、応援宜しくお願いします!
>>14
「 まじでごめん!ほんっとごめん! 」
私の親友であるイケメンさんは学校を出てからずっとこんな感じ。
怒っているわけでもない私にぺこぺこと頭を下げて謝り続けている。
「 叶花、ほんと… 」
「 もういいよ紗来。 」
「 でも 」
「 本当にいいから。 」
紗来は私が怒っていると思っているのかシュンとした様子で背中を丸めながら歩いている。
…確かに、生徒会に選ばれた時は少し腹がたったけど…
でもあの状況で私より大変だったのは紗来。だから紗来を責める気も怒る気もなかった。
「 ほら元気出して! 」
まだしょんぼりとしている紗来の背中をバシッと叩く。
紗来は一瞬でその背中を伸ばし驚いたような顔でこちらを見る。
「 痛っ!?叶花ってそんなに力強かった!? 」
「 えー、嘘だー!絶対痛くなかったでしょ! 」
「 痛いってほんとに!! 」
目を見開いたまま訴える親友の姿がおかしく、私はつい笑ってしまった。
はじめは私の笑う姿をぽかんとした様子で見ていた紗来だが、私の笑う様子を見ておかしくなったのだろう。
やがて紗来も笑い出し路上で女子中学生がふたり、爆笑するという変な状況が5分ほど続いた。
昼休み、私と柚菊はお弁当を食べ終えたあと他愛のない話で盛り上がっていた。
最近あの俳優が好きなんだよね、えーかっこいいかな?、かっこいいよー、なんて会話をしていると
急に教室が騒がしくなった。出入り口付近に女子が集まっている。すると、
「東城さんっ、新城くんが用事だって〜!!」
出入り口に群がっていた女子の一人が興奮気味に紗来を呼んだ。
「紗来、呼ばれてるけど…」
「よし、叶花も行こ。」
「えーっ、私も!?」
「いーから!」
紗来は勢い良く立ち上がると私の手を引き女子たちが群がる出入り口に行った。
紗来が来たことに気がつくと女子はみんな脇に引いていく。
みんなが群がる先にいたのは先ほどクラスの子が言っていた`新城くん´らしき人。
「やあ、紗来さん。」
新城くんはわざとらしく挨拶をすると口角を上げ笑顔を見せた。
その笑顔に周りの女子はキャーキャーと騒ぎ出す。
「今日もお綺麗ですね。」
その言葉に更に周りは騒ぎ出す。いやうるせえな。
「そりゃどうも。えーっとそれで…どちらさまですか?」
紗来は新城くんの言葉に一切応じず興味なさそうに流す。
「知らないんですか!?どうしてですか、僕を選んでくれたじゃないですか!」
「はあ!?」
何やら急に怒り出した新城くんに腹が立ったのか紗来も思わず声が出る。
ていうかこの人…なにかで一緒だったような…。
「本当に何?何の用なんですか?」
紗来が冷静に詰め寄る。
新城くんは泣きそうな顔で紗来を見つめている。
「紗来さん、僕を一緒の生徒会に指名してくれたじゃないですかぁぁ…!!」
あ、そうだ、思い出した!
新城くんは生徒会に入る3人のうちの1人だ。
紗来は私を指名したあと、一番前にいた新城くんを指名した。
「…え?」
紗来はぽかんとしたまま新城くんを見ている。
自分で指名しといて忘れちゃうとか…そりゃないよ紗来…。