こんな親なら、いらなかった。〈ノンフィクション〉

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1:アル ◆6.:2020/05/26(火) 19:02

ノンフィクション小説を描きます。
私の経験などをもとにした小説です。
感想待ってます!

30:みぃ◆VZbV1gU:2020/06/02(火) 11:45

美亜ムカつくー!
どうか救われてくれるといいな

31:アル ◆6.:2020/06/02(火) 17:35

>>29
ゆかりさん、嬉しいお言葉ありがとうございます!!!
これからも頑張ります!


>>30
みぃちゃん、見てくれてありがとう😉👍🎶
これからどうなるか、見ててね!

32:アル ◆6.:2020/06/03(水) 19:37

私は大きな溜め息をつきながら、自室に戻った。
自室のクローゼットを開け、どの服を着ようかと、その中を
覗くと綺麗な淡い水色のワンピースが目についた。
ーこの服って………
私はまた、亜依との大切な思い出を思い出した。
**
親と遠出してデパートに買い物に出掛けて、洋服売り場で
綺麗な淡い水色のワンピースが目についた。凄く綺麗で
私はうっとりと見入ってしまった。
そんな私の視線に気がついて、親が買ってくれた
このワンピース。私は嬉しくて、そして亜依と、この
喜びを分かち合いたくて、その週末が終わるとすぐに
学校に新しく買ったワンピースを着てきた。
それを見た亜依が、

「アルちゃん、可愛いワンピース着てるね!綺麗な色……
アルちゃんに凄く似合ってるよ‼️」

と、褒めてくれたのだ。その思い出のワンピースを
再び学校に着ていけば気分が少し明るくなると思った。

33:アル ◆6.:2020/06/04(木) 19:31

私は久しぶりに明るい気持ちで、学校へ向かった。
ふわふわ、軽い足取りで歩くとすぐに校舎が見えた。
下駄箱で上履きに履き替えて、教室へと続く階段を上る。
どんどん教室に近付くにつれて心臓の鼓動が速くなる。
ドクドクと緊張と恐怖により、高鳴る心臓の音が煩い。
ー大丈夫。落ち着くんだ。深呼吸をすると、教室に
入る。美亜と目を合わせないよう、気を付けながら
自分の席についた。
ランドセルから荷物を取り出したり、準備をしていると
美亜が席から離れ、まるでルーティーンのように窓際に
立った。おまけにあの美亜の悪友も一緒だ。
ードクン。心臓が跳ねる。また何か言われる
のではないかという恐怖。金縛りにあっているかのように
私は動けなくなった。そして、また昨日の美亜の
あの言葉がフラッシュバックした。

「亜依のいないあんたに、何の価値もない」

今日は言われませんように。そう願いながら一度
目を閉じる。
ーすると。美亜が口を開いた。

「ねぇ、見て。あいつの髪、茶色くなーい?
もしかして、染めてんの?ヤバ〜っ」

ーそう。私は生まれつき、髪が少し茶色いのだ。
美亜もハーフで、生まれつき金髪なのだ。だから
染めている訳ではないことくらい、美亜なら分かる
はずなのに。私は少し、チクリと胸が痛んだ。

34:アル ◆6.:2020/06/04(木) 19:51

私が下を向いて、俯いていると、美亜がこちらに
近付いてきた。その手には何か持っている?

「ウソ、あれ、はさみ?」

私は心の中でそう呟いた。はさみで一体何をする
つもりなの?思わず恐怖で体が震えた。
ついに私の席の真後ろまできた。
怖くて振り向くことすら出来ない。怖い。ただ、その
感情だけが私の心を渦巻いた。

「ヤッホー、アル。ねぇ、今から良いことしてあげる」

良いこと……?仲が良かった頃ならまだしも、今の
美亜に『良いこと』だなんて言われても素直に
喜べない。

「あんたのその髪、切ってあげるの。ぶすの癖に
髪なんか染めて、調子乗ってるから」

「嫌!止めて……ずっと伸ばしてる大事な髪なの‼️」

私は勇気を振り絞り、美亜に訴えた。
だが、美亜は私の訴えを無視し、ついに私の髪に
手を触れた。そして。

ージョキッ。

綺麗に揃えていた毛先が、不恰好で不揃いで毛先へと
変わってしまった。綺麗に揃っていて、長く伸びた
この髪は、私の数少ない自慢だったのに。
思わず泣きそうになる。

「アハハハッ!ガッタガタ〜。だっさっ!でも、そっちのが
あんたにはお似合いだよ!」

ー普通に酷いな、そう思った。落ち込む私に、さらに
畳みかけるようにこんなことを言ってきたのだ。

「あーあ。可愛いワンピースが台無しだねー。
あんたの髪の毛で汚れちゃってさー?ぶすがお洒落なんか
するからいけないんだよ」

「……亜依が褒めてくれた思い出のワンピースだったのにっ……!」

私は思わずそう呟いた。折角、気分を上げようと、この
ワンピースを着てきたのに。
何もかも無駄だ。そう思った。

35:アル ◆6.:2020/06/04(木) 20:19

そのすぐ後、担任のすず先生が教室に入ってきた。
美亜は急いで自席に戻る。私の気分は最悪だった。
窓の外をぽけっと見つめながら、亜依のことを
考えていた。ー今、亜依はどうしてるだろう。
亜依も朝の学活の時間なんだろうか。もしかしたら
同じ空を見つめているかも…………そんな風に、亜依の
ことを考えていたら、少しは気分が落ち着いてくる。
でも。自慢の髪はボロボロ、思い出のワンピースは
美亜により、無惨にも切られてしまった私の髪が
こびりついている。私はまた溜め息をついた。
ーそうしている内、朝の学活は終わり、もうすぐ
一時間目が始まる。一時間目の授業は理科である。
理科の道具を準備して、理科室へ向かう。
うちの小学校は、まるで中学校のように理科担当の
先生がおり、その先生の授業を受ける。
私は理科室に着くと、席に座る。
美亜は私の前の班だ。ジロジロこちらを見ている。
チャイムが鳴り、理科の授業が始まった。

ボーッと授業を受けていると、消しゴムを床に
落としてしまった。拾おうと私は席を立った。
すると、美亜も一緒に席を立つ。
ーえ?何?また何かされるのかと、恐怖に駆られた。
美亜は真っ直ぐに私の方へ近付いたくる。

ードカッ。美亜は私を蹴り飛ばした。
痛い。蹴られた場所がじわじわと痛む。
でもまだ希望はあった。理科担当の先生は私も
信頼している伊東先生だ。伊東先生なら助けてくれるはず。
そう思い、私は伊東先生にアイコンタクトを送った。
ーだが。目を反らされた。見捨てられたのだ。
信頼を置いていた伊東先生も、私を助けては
くれなかった。私に味方はいない。

36:アル ◆6.:2020/06/04(木) 20:26

ドカッ。ドカッ。
無表情でまた私を蹴り飛ばした。
痛いよ………。誰か、お願い…

「た、助けて……誰、か……」

私は思わず呟いた。すると、美亜は誰にも聞こえないよう
小声で私にこう言った。

「はーい。残念でした、誰もあんたを助けないよ」

美亜はクスクス笑っている。私は美亜を見つめて
いたくなくて、周りに目をやった。
私を哀れむように見ている人、ひそひそ囁き合う人、
『もっとやれ』と言わんばかりに笑いながら見ている
男子達、色々な人が見えた。だけど。
誰も私を助けようとしてくれる人は一人として
いなかった。分かってた。私に味方はいないだなんてこと。
とっくに分かってたはずなのに。
やっぱり、悲しくて涙が流れてきた。

「おっ、お願い………や、止めてよ……………」

私はか細い声で美亜に訴えたが、美亜はクスクス
笑うだけだった。

37:ぶどう豆◆s.:2020/06/04(木) 21:45

髪切るのって一番やばくない…?🦰✂


訴えれるらしいけど(ぼそっ

ちなみに私は毎日嫌なことされたら、帰ってから訴えれるか調べてます😊📱✨

38:アル ◆6.:2020/06/05(金) 19:37

>>37
確かに。あの時は、本当に泣くかと思った😭


あー調べるのは分かるかも。ちょっと。

39:アル ◆6.:2020/06/05(金) 19:57

私は耐えきれなくて、その場にしゃがみこんで
しまった。美亜の顔と、私を助けてはくれなかった
伊東先生の顔を見ていたら涙が零れてきた。
高学年になって初めて、学校で、泣いた。
その時やっと、伊東先生が口を開いた。

「ー授業中だぞ。座りなさい!」

それだけ?私はそう思ってしまった。
私は蹴られたのに。そして今、泣いているのに。
どうして………?どうして誰も私を助けてくれないの?
どうして誰も私の手を取ってはくれないの?
また涙が出てきた。

「泣いちゃってさー。だっさ」

そう言って、美亜は席に座った。
私は痛みを堪えながら先生に近付いた。

「ーーせん、せい……」

「ん?」

伊東先生は表情すら変えなかった。

「………お腹、痛いので保健室行って来ても良いですか……?」

「…ああ」

私は痛みを感じながら、逃げるように理科室を出た。

40:アル ◆6.:2020/06/07(日) 19:17

保健室に向かいながらも、私の涙は引っ込むことは
なかった。胸が苦しい。とぼとぼと歩いている内に
いつの間にか保健室の前まで来ていた。
私は慌てて目をゴシゴシ擦り、涙を押し殺した。
保健室のドアを開けて、小さく保健室の先生に
挨拶をする。大きな声で挨拶出来る程の元気はなかった。

「……失礼します」

保健の中内先生がこちらをふりかえる。
私が小学2年生の時からいる、私をよく知る先生の
一人である。女性らしいふくよかな身体つきを
していて、大人の魅力をたたえている中内先生。
何となくお母さんって感じだな。そう思う。

41:アル ◆6.:2020/06/07(日) 19:46

「ーいらっしゃい」

ニコ、と優しく微笑む中内先生の顔を見ていると
少しだけ落ち着いてきた。
その場に棒立ちをしている私を眺めた後、中内先生は
また口を開いた。

「今日はどうしたの?どこが痛いの?」

ーそうだ。今、中内先生に真実を告げれば良いんだ。
そうすれば、私は、地獄から解放される。
もういじめられることもない。
「美亜に蹴られたお腹が痛いです」
一言、そういうだけで、私の日常は、平和に戻る。
言え。言うんだ。中内先生に。
今がとっておきのチャンス!もう、こんなチャンスは
二度と巡っては来ないだろう。

「あ……」

私の口から、音が漏れた。
言え。言え!

「どうしたの?」

中内先生が心配そうにこちらを見た。
早く、言うんだ。

「…………あ、おっ、お……なか、が、痛むんです」

42:アル ◆6.:2020/06/10(水) 19:29

ー私は本当のことを、中内先生に告げることが
出来なかった。友達だと信じていた美亜にいじめを
受け、信頼を寄せていた伊東先生にも、見捨てられた私は
中内先生にまでも裏切られたら……と考え、本音を言う
ことが出来なかったのだ。

「大丈夫?一時間ここで寝てる?」

中内先生が、そう持ちかけてくれた。私は黙って
頷いた。保健室のベッドにモゾモゾと潜り込みながら
さっきの出来事を思い出していた。
髪を切られて思い出のワンピースを台無しにした
だけじゃなく、ついに暴力までふるわれた。
痛くて、辛くて、でも、それだけじゃない……。
助けてくれると期待していた、伊東先生にまで
見捨てられたという、心の苦しみ。そして、悲しみ。
はぁ、と溜め息を漏らした。

ー私って、何の為に生きてるんだろう。
辛いことばかりで、悲しみしか感じたことがなくて、
人を羨んで、人を憎んで、朝起きたらパッと人生が
変わっていたら良いのにだなんて考えて、結局
何にも変わらなくて。私の人生って何だろう。
「亜依のいないあんたに、何の価値もない」
美亜はそう吐き捨てた。…あながち間違いじゃないのかも
しれない、そう思った。今までは、亜依がいたから
楽しくて友達だってたくさん出来て。だけど、いざ
亜依が転校して、新学年になったらいじめられて。
それでも誰も助けてなんてくれなくて。
そうだ。あの時は亜依がいたから、みんな優しくして
くれたんだ。亜依のいない私には何の価値もないんだね。
けれど、それなら………

「私の存在理由って、私がここにいる意味って、何?」

思わず呟いてしまって焦った。
どうか、中内先生に聞かれていませんように。

43:アル ◆6.:2020/06/11(木) 20:11

どうやら、聞かれてないみたい。ほっと胸を
撫で下ろす。私は目を閉じた。このまま、目が
開かなきゃ良いのに。もう生きていたくないよ。
いつも私ばかり、いじめられて。辛い。辛い。辛い。
死んだら、楽になれるのかな。そんなことを考えて
しまう自分が嫌いで、優しくない、この世界が嫌いで。
私は涙を流しながらいつの間にか眠りについていた。

44:優妃◆kk hoge:2020/06/11(木) 22:49

乱入失礼致します、!
小説すごく良いです!!リアルな感じが伝わってきます…!(語彙力)
関係ないのですが、一年くらい前に紅葉っていう半値で活動してましたか?人違いだったらすいません…

45:アル ◆6.:2020/06/12(金) 17:31

>>44
返事遅くなり、すみません😣💦⤵️

大丈夫ですよ!コメントありがとうございます✨
めちゃくちゃ嬉しいです‼️ノンフィクションなので
リアルな感じを出せるよう、同時の感情を思い出したり
日記を読み返したりして頑張っているので、そう
おっしゃっていただけて、とても嬉しいです(^-^)

はい!元・紅葉ですよ!気付いて貰えて嬉しい!

46:優妃◆kk hoge:2020/06/12(金) 21:46

>>45
やっぱり!!私は元いっちーとか一華とか一花とかの半値で活動を…
覚えてるかな、?小説頑張ってね!応援してる!!

47:アル ◆6.:2020/06/13(土) 08:30

>>46
いっちー?え、待って………嘘でしょ!?
懐かしい……✨忘れる訳ないよー!
また逢えて嬉しい!また仲良くしてね‼️

ありがとう!これからも、頑張って小説書くね!

48:アル ◆6.:2020/06/13(土) 08:57

起きると、一時間目が終わっていた。
先生がカーテンを開け、私の顔を優しげに
覗きこむ。

「具合、どう?」

ーここで「大丈夫です」と答えたら、教室に
戻らなくてはならなくなる。でも、もうそんなの
無理だ。もう、誰にも会いたくない。特に、美亜には。
教室にも戻りたくないと考えてしまった。
あんなことをされた後で、平気な顔して教室に
戻れる程私は人間が出来ていなかった。
暫しの沈黙の後、私は答えた。

「だ、大丈夫じゃ、ないです……まだ痛みます」

まだ蹴られたお腹の痛みは消えない。…心の痛みも。
ズキズキという痛みが、私の体を蝕んでいく。
苦しくて、耳鳴りまでしてきた。どうしよう……
そう思いながら、クラッとしためまいに襲われ
保健室のベッドに倒れこみ、軽く気を失った。

49:マフユ◆7U:2020/06/20(土) 22:48

アル、小説書いてたんだね!

50:アル ◆6.:2020/06/21(日) 17:08

せやで!


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