人魚姫~零れ落ちた真珠の涙~

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1:AL ◆6.:2020/09/21(月) 17:13

アンデルセン童話の「人魚姫」をアレンジした
小説を書いていきたいと思います。

※D社のリトル・マーメイドの二次創作では
ありません。アリ⚪ルとも何の関係もありません。

・感想、アドバイス待ってます!
・私は豆腐並のメンタルなので否定コメントは
お止めいただけると幸いです。
・読者様求む(ボソッ

2:AL ◆6.:2020/09/21(月) 17:23

ーー貴方は、人魚が涙を流した所を見たことがありますか?
人魚は涙を流すと真珠のような涙が瞳から零れ落ちるのです。
かの伝説の人魚姫も、真珠の涙を流しながら
泡となり、消えたのです。
ーーしかし、人魚は人前に姿を現すことが全くと言って
良い程無いので、真実かどうか怪しいと言う者もおります。


でもこのお話を読めば真実だと言うことが分かりますよ。
では早速読んでみましょうか………

3:AL ◆6.:2020/09/21(月) 19:49

ーー昔々、蒼き海の王国に見目麗しい人魚姫が
七人おりました。その中でもエメラルドグリーンの髪、
金色の瞳、聴く者全てを魅力してしまうような歌声を
持つ、末の娘のアクアス姫は王国一番と言っても
過言ではない程の美しい人魚姫。
更に彼女は心優しく明るい性格をしていた為、国中の
人魚や魚達に深く愛されていました。
勿論、上の六人のお姉様と国王である父上も
アクアス姫をとても可愛がっておりました。

ーーそんな穏やかな海の王国ですが、厳しい掟も
ありました。海上と人間には近付いてはいけないという
掟です。みなこの掟に、何の疑いもなく従って
おりますが、それには訳があります。
人魚や魚は小さな頃から王国にある本や絵画で
人間が魚を捕らえている姿、人間が人魚の肉を食らう姿を
見てきていたのです。
その為、海の王国に住む者はみな、人間は残酷な
生き物だと信じきっておりました。
ーー例外はありません。末のアクアス姫も、です。
ただ、アクアス姫は物事をじっくり深く考えるのが
好きな性格をしておりましたから、人間はどうして
そんなにも野蛮で残酷なことをするのかを
考えることもありました。

4:AL ◆6.:2020/09/21(月) 19:51

>>3
誤字発見

❌聴く者全てを魅力してしまうような歌声

⭕聴く者全てを魅了してしまうような歌声

すみません……

5:AL ◆6.:2020/09/21(月) 20:24

けれど、優しいアクアス姫には野蛮人のことなど
考えても分かりませんでした。
考えて、考えて、分かったのは残酷だと言うことだけ。
人間はきっと、血も涙もない悪人なのでしょう。
アクアス姫は、人間のことを考えるのを止めにしました。
それが姫の十二歳の頃でした。

ーーそれから三年の月日が流れ、アクアス姫は
もっともっと見目麗しく、綺麗な透き通る美しいを
持つ人魚姫に成長しました。
心優しく明るいアクアス姫は、年端もいかぬ
人魚や、魚と遊んであげるのが毎日の日課でした。
この日もアクアス姫は、魚達と鬼ごっこを
しておりました。

「うふふ、逃がさないわよ!」

アクアス姫は綺麗な尾びれをヒラヒラさせて
小魚達を追いかけておりました。追われた小魚達は
きゃあきゃあと楽しそうな声を上げています。
アクアス姫も、その楽しそうな声を聴いてうふふと
笑いました。
ーーその時です。お城に仕える大臣の人魚…エムプールが
泳いでアクアス姫の方へやって来ました。

「アクアス姫様!」

姫を探すのに、あちこち泳ぎ回ったのでしょう、
ぜえぜえと荒い息をしながら、大臣がアクアス姫に
呼び掛けました。アクアス姫は小首を傾げます。

「あらエムプール、今日はお城の用事は無かった筈よ。
どうしたの?」

アクアス姫は問い掛けました。

「そ、それは確かに、そうだったのですが………
国王陛下が姫様にご用があると仰られましてねぇ。
何でも、急用だとか……」

「まぁ!そうだったのね、それで貴方急いで私を?
ありがとう、そしてごめんなさい。探すのに
手間取ったでしょう?今日は、可愛い小魚ちゃん達と
鬼ごっこをしていたから、あちこち泳ぎ回っていたのよ」

姫はエムプールの手を取り、謝りました。

「ああ、それで中々見つからない訳です!でも、わたくしは
大丈夫でございます。わたくしめなんぞにお気を遣わせて
すみません」

アクアス姫の言葉を聞いて、エムプールの方が
逆に謝りました。アクアス姫はにこりと優しく微笑み、

「気を遣ってなどいないわ、エムプール。
私は貴方に心から感謝しているの。いつも私達に
良く仕えてくれて」

と言いました。

6:AL ◆6.:2020/09/22(火) 17:29

そんな姫の言葉を聞いて
エムプールはうやうやしくお辞儀をしました。

「貴方様のような、お優しい人魚にお仕え出来て
このエムプール、誠に光栄でございます!
それでは、お父上が待っておりますので参りましょう」

エムプールは握られたアクアス姫の手を優しく離すと
言い、泳ぎ始めました。

「ええそうね、行きましょう。………それにしても
お父様、急用って何かしら……?」

アクアス姫も彼に続きながら、そんなことを呟きました。
そして、まだ楽し気な声を上げて泳ぐ小魚達を見て
姫は泳ぎながら声を飛ばします。

「小魚ちゃん!ごめんなさい、今日はもうおしまいよ!
また明日、一緒に遊びましょうね!」

それを聞いた小魚達は寂しげにアクアス姫を見つめ、
ヒレを手のように振りました。姫も手を振り返し
急いでエムプールに続いてすいすいと泳いでお城へ
戻りました。

7:AL ◆6.:2020/09/26(土) 11:54

お城へ帰ると、国王の間で国王陛下が待っておりました。

「お父様、ただいま帰りました。それで、私に
話って何なの……?急用だって聞きましたわ」

アクアス姫は優雅にお辞儀をした後、
父親に問いかけました。国王陛下はアクアス姫を
真剣な眼差しで見つめると、話を始めました。

「わが娘よ、良く聞きなさい。お前ももう、年頃の娘だ。
そこで、婚約者を決めようと思う。
丁度、隣の海に住んでいる王子がそなたに婚約を
申し込んで来た。よい機会だ、是非会ってみないか?」

アクアス姫は、国王の言葉を聞いて目を見開きました。

「でも、私は十五歳よ……まだ早いわ」

8:AL ◆6.:2020/09/27(日) 12:48

アクアス姫は父親に反論しました。

「″もう″十五歳ではないか、娘よ。
会うだけでも構わん。いきなり結婚しろ等とは
儂も言わぬ。だが、会ってみないことには何も
始まりはせんだろう?」

国王陛下は姫を諭すような、優しい口調で言いました。
アクアス姫は父親から目線を逸らすと、目を伏せました。
そして、目線を逸らしたまま、反論を続けました。

「そうね……それはその通りよ、お父様。
だけど私は社交界デビューしたのだって、つい最近の
ことなのよ?それなのに、もう婚約者を決める?
物事には段取りというものがございますわ、お父様」

9:AL ◆6.:2020/10/07(水) 19:20

姫の言う、社交界デビューとは舞踏会に
出席するということです。人間だけではなく人魚にも
舞踏会もあるのです。美しいヒレをひらひらさせて
踊るのです。その、人魚の社交界デビューの年齢というのが
アクアス姫の年と同じ、十五歳だったのです。
そして姫は、先日デビューしたばかりなのでした。
ですので姫は、こうして父親に反論をしているのです。

「お父様、お願い、分かって!」

姫の懇願も空しく国王陛下は

「今日中に、返事を出さなくてはならんのだ。
とにかく、何度も言うが会ってみないことには
何も始まらない。明日、隣国の王子と会うように」

と、おっしゃいました。

「でも……」

アクアス姫がまごつくと、国王陛下は更に続けました。

「これは、国王の命令だ!破ることは出来ぬ!」

その威厳溢れる父親の姿に、姫はこれ以上反論出来ないと、
溜め息を吐き「はい」と小さく頷きました。

国王が、返事を出す為に部屋を出るとアクアス姫は
もう一度溜め息を吐き、

「本当に、国王陛下はご立派だわ」

と皮肉を言いました。

10:零桜:2020/10/08(木) 23:53

まーた読者を引き込む小説を書いてらっしゃるよこの人は...((
好きやわぁ...

11:AL ◆6.:2020/10/09(金) 17:01


そんな大それたモンじゃないよーw
え、ありがとう❤️


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