とおい昔の話です
いばらのつるに囲まれた
小さなお城がありました
住んで居たのは女王様と
十にも満たぬお姫様
ある日女王は気が付いた
姫は日に日に美しく
自分は日に日に衰えて
二人の間が開いてく
いつか死んでしまうなら
美しいまま朽ち果てたい
そう考えた女王様は
しろい しろい雪の日に
自分と姫の首はねた
まっさらな雪の絨毯の上に
紅い 綺麗な花が咲く
この世の何より鮮やかな
紅い 二輪の花が咲く
春になったらいばらが茂り
二人を優しくおおってく
いばらの中に骨の花
とおい昔の話です
そして月日は流れ行き
女王と姫の白い花
混ざり合って
溶け合って
やがて儚くちって行く
そして2人がいた事も
そこにお城が建ってた事も
だぁれも覚えていなかった
覚えていたのは皮肉にも
2つの花の
生みの親
一振りの紅い劔だった
主人の帰りを待つ劔
風に溶けて消えた主人
傍観を決め込む古い城
何も悪くない姫様
犯人は一体誰だろう?
遠い昔のはなしです
遠い異国の話です
続きを作るのは貴方です
ほら、もう後ろに姫がいる・・・