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12:空ラビ◆mU:2017/08/10(木) 21:55


少しの沈黙が続いた後、

「嫌えば良いよ…」
少し弱々しい声がこの白い部屋に響いた。

「…意味わかんない、何で、何で蓮夜が悲しんでるの、
悲しいのは私だよ、親もいなくて、やっと本気で好きになった人は……、」


完全な八つ当たり。わかってるよそんなこと。
蓮夜に抱き締められながら、私はぼろぼろと泣き崩れた。

こんなに良いところなかったら、彼と会えていたとしても、
私は選ばれるはずがない。


そう、大好きでたまらない彼の名前は…

「亜蓮、?」

「な…んで、知ってるの…」


蓮夜は、私を抱き締めるのをやめて、私の両肩に手を乗せるようにして言った。
初めて、バレていたらしい。

もうどうしようもないと悟った。今さら何を言っても、バレたものはしょうがない。


………そして私は、神様の悪戯としか思えない事実を知る。


「俺猫田さんのことが好きです。」


突然の告白に私は固まった。私なんて人に好かれるたちでもない、その上アイドル好きもバレている。

何で、好き…?

「俺の、兄の名前、知りたい?」


脈絡のないことを言い出す蓮夜は意味不明でしかない。

「何が言いたいの、」「亜蓮だよ、橘亜蓮。」


「アイドルやってる、橘亜蓮。」


…………神様は意地悪だ。


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