こばと side
葉月ちゃんが泊まる!
チョーチョーチョー!うれしい!
嬉しすぎて、なんとなく外に出てしまう。
だって、葉月ちゃんが来る!
私にとったら、従姉妹だし、小説のセンパイだもの。
「よっ!こばと〜」
誰!?
怖い!
「俺だよ、竜也!」
なぁんだ、竜也かぁ〜。
鮎沢竜也は、私の幼なじみ。
私には、分かんないけど、女子にはとってもモテる。
そのため、私の小説で主人公の相手役の男子としてモデルにしてる。
ある意味、得だけど。
コイツはなんかある時、私に突っかかる。
でも私は、コイツの弟──霖くんが好き。
可愛いし!
あっ、可愛いって言っても、小学5年生なんだけどね。
「霖くんは?」
竜也はチッと、舌打ちする。
態度悪いっ!
「そろばんだよ、バァカ」
あっ、そうなんだぁ。
バァカ・・・?
私がバカ?
イライライラ!
「そっちこそ、バァカ・・」
私の声に被さるように、
「こばと〜!」
七瀬の声がする。
振り向くと、自転車に乗った七瀬がいた。
七瀬は、目をキラキラさせて、
「誰?そこの男子?・・・あ〜、こばとのカレシ?」
爆弾発言。
「か、カレシじゃないしっ!」
「こんなヤツと、付き合ってねえし!」
同時に言って、お互いの顔を凝視する。
七瀬は、面白そうに笑ってる。
七瀬、止めてよね!