*─────甘い夢をどうか味わってくださいね?
短編集です、基本レス禁。
第一幕 ときめきスイーツ館〜夢子の場合〜
1,友達関係
イヤだ。
学校に何か行きたくない。
どうせ。
『篠原さん、なんもできないしさ、私と遊ぼーよ』
イヤだ。
鈴とほくそ笑んでいる莉愛を見たくない。
「・・・サボろうかな」
お母さんには、悪いけど。
私は、ランドセルを背負って、
「行ってきまーす」
お母さんが微笑んで、
「いってらっしゃい」
チクン。
ごめんなさい・・・。
私は、外に出た。
通学路を通って、不思議な館に向かった。
今日こそ、解き明かしてみせるんだ。
2,野絵さん
コンコン、とドアを叩く。
しばらくして。
「はーい。どなた?」
うわっ。
きれいな声・・・。
ドアから顔を覗かせたのは、綺麗な茶髪をふわふわとまとめている女の人。
「あのっ。私・・・」
なんて、言えば。
学校にすら、行こうと、してないのに。
怪しまれて当然。
「あなた・・・」
学校行ってないのかと、聞かれる。
私は、ギュッと目を閉じた。
「・・・甘いもの好き?」
えっ?
甘いもの・・・?
スイーツとか。
おやつとかの・・?
「あっ、はいっ」
女の人は、ふんわり微笑む。
美人だ。
「私は、石原野絵。ようこそ、このスイーツ館へ」
スイーツ館!?