なにもかも
>>2
まじで没 >>39
「 好きな人が出来た 」
つぶやくようにきみは言った 。わたしはちらりと彼女を見て 、よかったねなんて思ってないことを吐き出して笑った 。
こんなにもつらいなんて思ってなかった 。
彼女が好きなのは四組の山田とかいう奴らしい 。明るくて人気者で 、少女漫画でいう王子様的ポジションの彼は彼女持ちだ 。
きみはいつも笑っていた 。山田が彼女と笑おうが何をしようが 。
「 山田くんがね 、幸せならわたしも嬉しいの 」
そんな綺麗事どうせ通用しないのに 。きみはいつも嬉しそうだった 。そして 、そんなきみを見ているのがとんでもなくつらかった 。
どうして私じゃだめなのか 、いつも一緒にいて 、いつも笑って 、きみのことを何でも知ってる私より 、なんで彼奴なんだ 。
そんな問いの答えなんてわかりきっていた 。
私たちが同性だからだ 。私はきみが喜ぶことならなんでもするし 、一生をきみに捧げてもいいとまで思っている 。
それほど、性別なんか関係無くきみを 、愛している
「 好きだよ 、だから離れないでね 」
泣きそうなきみは笑って言った 。
きっと僕はその時きみをそっと抱き締めていた、と思う 。
きっかけは単純だった 。
きみは僕が好きで 、交際を申し込んできて 、僕が断る理由なんてなくて 、付き合って 。
なんてことない一連の流れに不満さえも抱かなかった 。
きっと僕もきみのこと好きになってたんだと今更ながら思う 。
好きだと気づくのが遅すぎた 。きっとそうなんだ 。もっと早くにきみを愛せていたら、こんな未来は
「 変わっていたかもしれないね 」