莉愛の小説を一番早く!

葉っぱ天国 > 創作 > スレ一覧 101- 201-キーワード▼下へ
30:まい◆8Q:2017/07/24(月) 13:04

2.好きな人
6年生棟へ行くと、わたしたちは、コソコソ言われていることに気付いた。
確かに、男の子と女の子がふたり並んで歩いてたら、ねえ。
涼太って、結構人気みたいだし。
なのに、こんな地味なわたしって。
涼太もどうせ、他の子が好きなんでしょうね。

「ふみちゃん。好きな人いる?」

へっ?
いる、けど。
涼太だよ、涼太。
すると、ニヤッっと笑ったかと思うと、わたしの前に来て、止まった。

「もしかして、俺?」

ええ?
何で知ってるの?
でも、わたしは涼太に言ってない。
気付かれていないから、イタズラだろうってことにした。

「涼太、行くよ」

否定せずに歩いていくと、涼太はニヤニヤ笑いながら6年1組に戻った。
ふぅ。
目立つことはないわね。

「杉田ー。りょーたと付き合ってんの?杉田ー!」

前に同じ学級委員だった野田くんがニヤニヤしながら聞いてくる。
どうしてみんな、ニヤニヤするの。

「付き合ってなんかないから。野田くんこそ、付き合ってんじゃないの」

からかうと、頬を染めて帰っていってしまった。
ふふん。
付き合ってるのね。
野田くん、リア充だったんだ。
全学級に学級日誌を持っていくと、椅子に座り、本を読む。
わたしの将来の夢は特にない。
だから、『小学6年生が選ぶ職業』という本を読むんだ。
この中から絞りつつ決めるつもり。

「ふーちゃん、将来の夢何〜?」

まーちゃんが聞いてきて、わたしはうーんと考える。
確実なのは、涼太の、お、お…。
ないよっ!

「まーちゃんは?」

「特にないな〜」

まーちゃんもないんだ。
じゃあ、焦んなくていいね。


続きを読む 全部 <<前 次100> 最新30 ▲上へ
名前 メモ
画像お絵かき長文/一行モード自動更新