1.ふみ会長
わたしの名前は真美。
ここは、図書館。
赤ちゃんの本と、お菓子の本を借りに来た。
ママにお見舞い、行けるかな?
「おばあちゃん。これから何かすることあったっけ?」
「うんん、ないよ。何かしたいことがあるのかい?」
「いや、ママのお見舞い行けたらいいなぁって思って」
おばあちゃんは本を借りて、わたしの本も借りてくれた。
あぁ、早く借りなきゃ。
並んでるんだもの。
「ありがとうございます」
図書館の係りの人が言って、また次の人の本を借りる。
今日、急にお見舞い行けるかな?
「多田本さん?」
誰がわたしの名前呼んだの?
四方八方振り返る。
「ちょっと、多田本さんでしょ?」
「え?あ、ふみ会長!」
図書館の奥から、ふみ会長ーーー杉田ふみがはや歩きしてきた。
おばあちゃんは、にっこり笑って「行ってらっしゃい」と言った。
「多田本さん。あら、初めまして。いつも真美さんと仲良くさせていただいている、杉田ふみです」
「丁寧にありがとう。初めまして。真美ちゃんがお世話になっております。真美ちゃんの祖母です」
え…なんか意気投合?
「わたしのことはいいですから、カフェスペースにでも行っておいで」
ふみ会長と目を合わせて…。
プッっと吹き出して。
一緒にカフェスペースに行った。