紅茶のパウンドケーキ 

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1:かてぃあ◆E2:2018/04/29(日) 15:32



 「 紅茶を飲みながら食べるって、なんか変な気分 」 >>2


35:かてぃあ◆E2:2018/11/23(金) 22:08



 きみのスマホの暗証番号は長かった。正確になんてわからないけど、20桁くらいあると思う。季節の変わり目で手の皮が剥けて指紋認証が反応しないから、と言いながらとてつもなく長い暗証番号を入力きみの顔はいらいらで歪んでいた。
 「 なんでそんなに長い暗証番号番号にしてるのよ 」
 きみが映画を見終わった後も、ご飯のクーポンを見るときも、きみはその暗証番号を打ち込んでいたから、帰り際そう聞いてみた。
 「 おまえは、何桁にしてるんだよ 」
 きみは、暗証番号を打ち込んでいた手をとめて顔を上げた。
 「 4桁だよ、 」
 「 危機感ねーな。いいか?スマホっていうのは世界に何万台とあるんだよ。偶然おまえのスマホを拾った人と被ってたらどーすんだよ、適当に打ったら合ってるかもしれないし 」
 「 きみみたいに、見られたら困るものなんてないよ 」
 「 いや、俺もねーし 」
 きみは、そこだけきっぱりと否定して、打ちかけの暗証番号が表示されたスマホを閉じてポケットにしまった。
 「 でも、4桁なのにも、ちゃんと理由はあるんだよ 」
 わたしはきみに笑いかけて、スマホを開いた。暗証番号は、きみの誕生日だった。
 「 意味わかんねー 」
 きみは苦笑いして、またポケットからスマホを出してまた暗証番号を打ち始めた。なんで、さっきポケットにしまったのよ、きみも意味がわからない。
 でも、いつかきみのパスワードも、わたしの誕生日の4桁にしてもらえるように頑張ろうって、そう思った。


36:匿名希望:2018/11/25(日) 19:12



 ネイビーで揺らいだ君の瞳、油性ペンの匂いで歪んだきみの顔、

37:かてぃあ◆E2:2018/11/25(日) 20:12



初めて開けた歯磨き粉のような苦味が口の中に広がった


38:かてぃあ◆E2:2018/11/26(月) 18:28



 三白眼が揺らいだ、ウインクのできない君の話


39:かてぃあ◆E2:2018/12/16(日) 09:46



 「 やっぱ、ロングスカートじゃあんまり深く海に入れないね 」
 きみは笑ってスカートの裾を持ち上げた


40: めぐこ ◆G2:2019/02/20(水) 08:00



 「 そうだよ、きみはずっと綺麗なんだよ 」

 あなたはふんわりと笑ってそういったけど、わたしの頭の中はぐわんぐわんしてて、ずっと、ずっとって反復していた、
 わたし、振られたのに、なんで褒められてるの?それは、あなたなりの優しさなの?それとも、わたしじゃない誰かのことなの?わたしはあなたとずっとなんて時を過ごしてないよ。どうせ、あなたはすぐ比喩だなんて言って誤魔化すんでしょ。わたしはそのままなにも言わずにあなたの元を去った。わたしの頭の中ではずっと、ずっと、って言葉がまだ反復していた。

 駄作が過ぎる


41:かてぃあ◆E2:2019/03/16(土) 22:34



 「 たしかに君に優しくしたいけど、君より君のことを労えるわけなんてないよ 」
 彼女はかっこつけた台詞を言いながら冷えた麦茶をコップに注いだけど、少し零した。
 「 どういうこと? 」
 「 君って、ほんと自分のこと好きだと思うよ。ナルシストってわけじゃなくて、ちゃんと自分に優しくできるでしょ。誕生日には自分にプレゼントを買って、月末にはご褒美に美味しいものをたべて、なんか辛いことがあっても俺は偉い、俺は偉いって自分を鼓舞できてさ 」
 彼女はいつも通りばーっと喋って、わかりやすく溜めた。
 「 わたし、きみのそういうところすきだなと思うよ 」
 彼女はあまり愛情表現をしないタイプだと思う。でも、たまに言ってもらえるだけで構わないんだよなあ。


42:かてぃあ◆S.2:2019/04/21(日) 21:06






43: ◆E2:2019/06/12(水) 14:08



 「 僕のこと、好きなんでしょ? 」と彼は言った。正確には、彼が言ったわけではない。彼の指先が、瞳が、彼のさらさらな髪を揺らす風が、全部わたしの好みをつくようにスローモーションで動いて、梅雨のじめじめした世界の中にきらきらとちらついて離れない。わたしをとりまく空気が、変わった音がした。きっとそうだ、とわたしは答える。世界が変わるような、そんな出会いだった。


44:かてぃあ◆E2:2019/08/14(水) 07:08



 そうするとやがて、きみは涙を流す。流した涙はさらさらと頬を伝って、彼女の腕や太もも、床を濡らしていく。それはまるで、なにかの象徴のように。しかし、それらはきみがそのちいさな手で自分の目をこする間に音もなく乾いていった。もうきみの涙は目に見えない。この部屋の湿度がすこし、上がった。



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