スレタイ適当、笑。
えーと、ここは私が様々なジャンルの小説を書くところになりますね、
公式cpだったり、伽羅の独白だったり、夢だったり…。
まあ、暇つぶし程度に寄ってくれたならと思います。
・ 荒らしや、迷惑行為はお断りです。
・ 感想は大募集しております!
・ 更新は亀さんです、笑。
それでは、よろしくお願いしますね!
名前を、 【 学園アリス / なつみかん 】
――棗、
目の前の、少女は寂しそうに笑って自分の名前を呼んだ。
蜜柑、と口を動かしたところで少女は、遮るように次の言葉を口にする。
――もう、さよならや。
そう、少女はその瞳に涙を浮かべた。
嘘だと、少女に向かって手を伸ばす。けど、その手は届かず、逆に彼女は遠ざかっていくばかりで。
――蜜柑っ!!
愛しい、少女の名前を叫んだ。
はっ、と目を覚ます。目に映ったのは見慣れてしまった病室。
先ほどの夢が頭の中に焼きついて離れない。汗が、頬をつたった。
荒くなった息を整えて、起き上がると同時に病室のドアが開く。
「っ、棗!」
「ルカ……」
ドアから入ってきたのは、学園入学前からずっと親友だったルカ。
ルカは、起き上がっている棗に驚き、ベットへと駆け寄る。
「目、覚めたんだね」
「ああ」
「棗、起きたのか!」
続いて、騒がしく病室に入ってきたのは目の下に星の印を入れた、翼。
「うるせぇよ、ハゲ」
「ハゲてねぇよ!」
不意に、あの夢が脳裏を掠めた。なんとなく、あれはただの夢ではないんじゃないかと思った。どうしても、そう思ってしまうのはきっと、ここにいるはずの彼女の姿がないから――。
「おい、ルカ。……あいつは? 蜜柑は……?」
純粋な質問だった。
自分の言葉に、顔を強ばらせ、ルカは視線を逸らす。様子がおかしい親友に、嫌な予感を感じた。
ルカ、と名前を呼ぼうとした矢先、「……棗、黙って聞け」と、翼が告げた。
翼から、聞かされたのは今回のことの結末。そして、蜜柑のこと。
彼女は――アリスを無くし、学園から出て行った。ここで過ごした、すべての記憶を消して。
「蜜柑……」
呆然と、呟いた名前に答えてくれるものはいない。
――棗!
もう、あの笑顔を見ることはできないのか。
自分の名前を呼ぶあの声を聞くことはもうできないのだろうか。
「み、かん……」
翼は、悲痛そうに棗を見つめて、ルカは顔を歪めて俯かせている。その目には涙が光っているように見えた。
それから、5年後――。
少しずつ、彼女がもういないということを受け入れて。そして、もう一度会うためにずっと、生き続けようと心に決めて。
そして、その日はやってくる――。
「待ってや! 二人共――――っ!」
あの幼い頃よりも、だいぶ大人びた容姿。けど、あの頃を一切変わらない笑顔を高台の上から見下ろした。
どれだけ、この日を待ちわびたのだろう。やっと、彼女に会えると思うと心が震える。
「蜜柑」
もうすぐ、彼女は自分のもとへ帰ってくる。そのことを、噛み締めながら小さく彼女の言葉を呟いた。
――棗っ!
それに答えるように、遠き記憶の中の彼女が答えた気がした。
あの、自分が好きだった笑みを浮かべて――。
‐‐‐‐‐‐
最初は、学アリのなつみかんで!…といっても、蜜柑でてないし。伽羅の口調迷子だ、笑。
でも、どうしても書きたかったんだ。このスレだって、これが書きたくて立てたもんだし()
学園アリス31巻の、棗が叫ぶシーンで少しだけど、書かれていた過去の絵から妄想を含まらせた結果がこれだ。
…うん、後悔はしてないよ←
追記.翼先輩の口調が、わかんねぇ、笑
赤い糸のその先は、 【 緋色の欠片 / 拓珠 】
昔からの言い伝えの中にこんなものがある。
――運命的な出会いをする男と女は、生まれたときからお互いの小指と小指が目に見えない『赤い糸』で結ばれている。
運命的な出会いだなんて、幼い頃の自分にとってすごく憧れるもので、自分の小指にある赤い糸の先にいるのは誰なんだろうと、いつ現れるんだろうとすごく楽しみにしていたことを覚えている。
「珠紀」
名前を呼ばれるとともに、つないでいた手のぬくもりが増すのを感じ隣の彼へと視線を向ける。
「何? 拓磨?」
「あのさ……今度の週末に、どこか出かけないか? まあ、そうは言っても村の中だけだけど……」
照れくさそうに、わずかに視線を逸らし。少しだけ頬を赤く染める彼は、普段とはかなりのギャップがあって。すごく愛しく感じた。
「いいよ、村の中でも!」
だって、拓磨と一緒ならどこに行っても楽しいのは変わらないから。言いかけたその言葉をなんとか胸の中に留める。なぜなら、これを言ってしまえば、彼はさらに照れて別れ際まで無言、なんてこともありえるかもしれからだ。
「本当か? じゃあ、10時ぐらいに迎えに行く」
「うん、待ってる」
そう言って微笑み合う。
こんなこと、あの頃の事を思えばどんなに幸せなことなんだろうと思う。
今思えば、幼い頃に何度も想像した赤い糸の相手は彼だったのではないかと思う。
根拠は何もないけれど、でもそれは確かなことなのだと思う。
「拓磨、大好き!」
「な……、い、いきなりなんだよ」
「言ってみたたかっただけ」
「はぁ……全く、お前ってやつは」
不器用で、でも優しくて。暖かい自分を見つめるその眼差しが好き。
初めてこの村に来たとき、すごく不安で、ここに来なければ良かったって思う。でも、今では違う。この季封村に来てよかったと思えた。だって、貴方に出会えたから――。
――赤い糸のその先は、小さな村の中にありました。
‐‐‐‐‐‐
ほのぼののような…そうじゃないような、意味のわからないものになってしまった。
拓珠可愛いっ! 可愛いという以外に何があるというのだ!
絶対にこのふたりは、運命の糸で結ばれてたんだと思います! だって、ねぇ?(何が)
このふたりの糸が、この先切れることがありませんように!
膝枕 【 緋色の欠片 / 真珠 】
すやすやと、己の膝の上で静かに寝息を立てる少女。寝顔というのはその人にとって一番無防備な顔だというが、少女の穏やかな顔を見て確かにな、と納得してため息をついた――。
宇賀屋家の縁側に座って、風鈴の音を聞きながら柄にもなくぼーっとしていたところに彼女がやってきたのが始まりだった。
隣いいですか?、と問われ反対する理由もなくそれを了承し、隣に座った珠紀と共にただ外を眺めていた。
ふと、肩が重いことに気づいて我に返って隣を見れば、自分の方に頭を乗せて眠る少女。そういえばと、最近は受験勉強やら、鏡の事件やらで忙しかったことを思い出す。
普段なら恥ずかしさに負けて、すぐに起こしてしまうだろうが今回は疲れている彼女のためにも恥ずかしさを抑えてこのままでいてやろう――と思うも、結局は自分が彼女と触れていただけなのだが。一体この言い訳は誰に向けられたものなのだろう。
この状態で小一時間、やはりこの格好では体が痺れてきてしまい、寝ているのを起こさないように体を動かしたとき。
「あ」
既にもう遅く、彼女の頭はするりと肩から落ち、そのまま己の膝の上へ収まった。そこで冒頭へ戻る。
好きな女が、己の膝の上で、さらには無防備な顔で寝ているのだ。どうも思わないわけがない。が、あの珠紀にだけ懐いているあの男にはなるまいと、なんとか理性を働かせる。それでも、自然と視線は彼女へと注がれる。
(……綺麗な顔してんなー……)
こんな綺麗な彼女が、今まで男に捕まらなかったこと、自分がその彼女を捕まえたことを不意に不思議に思う。もしかしたら彼女と自分は古から繋がっていたのかもしれないなと、珍しくそんなことを思った。
膝の上で穏やかな顔を見せる少女。この少女が、二度も世界を救ったなんて考えられもしないだろう。でも、確かに彼女は救ってみせたのだ世界を――自分を。
逃がさまいと自分に縋り付いて、まだ方法はある、諦めないで、先輩!なんて彼女は何度も訴えかけた。時には必死そうに、時には泣きながら。だから、今、自分はここにいる。世界で一番愛しい彼女の傍に。
真弘は、広げられたいつも手入れを欠かさないと言っていた彼女の髪をひと房持ち上げる。そして、その髪に口づけた。あの男と同じようなことをしていることが気に食わなかったが。別に、自分は自分の欲のためにしているわけではない、誓いのため。
「……安心しろ。お前は俺様が守ってやる。だから、いつも笑ってろ」
彼女に向けられたはずの言葉は、誰にも届くことなく、セミの鳴き声によってかき消された。
参考:TOY様
‐‐‐‐‐‐
始めて、お題を使わせていただきました!
TOY様のところは、素敵なお題が多く、使いたいものがたくさんあります!なので、これからも使わさせてもらおうと思っています、
さて、今回は前回に引き続き緋色の欠片で、真弘×珠紀です。時間軸は、蒼黒の楔以降ぐらいですね。
まあ、これは――真弘先輩の独白って感じですね。
……まあ、書きたいことはかけたし満足だ!
貴方に会いたくてたまらない ( 前編 )【 緋色の欠片 / 拓珠 】
「お願い……お母さん。私、あの村で生きていきたいの、大切な人のとなりで生きていきたいの……」
向かい側には、日々しい顔つきをした自分の母親が自分と同じように正座している。さっきから何度も訴えているが、母からは何も返ってこない。それがさらに不安を掻き立てた。
「お母さん!」
「……珠紀。今日はこれぐらいにしときましょう」
「でも……!」
「私は、あそこへ――あんな村へ貴方を行かせることはできません」
これから先何度も言われても、この意志は曲げない。そう言っているかのように母親はきっぱりと言い切れば、部屋を出ていった。
部屋の中が沈黙に包まれる。聞こえるのは時計が針を刻む音だけ。
「……拓磨」
珠紀はぽつり、と愛しい彼の名前を呟いた。
鬼斬丸を壊し、祖母の葬式終え、季封村から家へ帰ってきてから約2週間。珠紀は未だ、村で生きる許可を得られないでいた。
母親の気持ちも確かに分かる。季封村では何度も死にそうになった。更には身内に殺されかけたりもした。鬼斬丸がなくなったとは言え、まだ堕ちてしまったカミサマはいる。きっとそれは、玉依姫の力を持つ自分を狙ってくるに違いない。危険なのは変わらなかった。
(だけど――)
自分は出会ってしまったのだ。あの場所で、この世界で一番愛しいと思える人と。
確かに村は危険だ。自分だって何度逃げ出したいと思ったか。それでも、いつも傍には彼がいた。自分を支えてくれて、引っ張ってくれて、そして守ってくれたあの人が。
村を出る前に約束したこと、“時雨が終わるまでには戻って来い”それは、もう叶いそうにない。けれど、絶対に戻ってみせるから――。
「だから、待っててね……拓磨」
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後編に続きます!
貴方に会いたくてたまらない ( 後編 )【 緋色の欠片 / 拓珠 】
突然、廊下から電話のコール音が聞こえた。こんな夜にかけてくる人物はただ一人だけ。珠紀はばっ、と立ち上がる。長時間正座をしていたせいか足がしびれるも最早気にもとめない。
廊下に出て、突き当たりにある電話を受話器を取った。そして、少し震え気味の声で言葉を発した。
「……もしもし?」
『あ、えーと……鬼崎です。珠紀……さんはいますか?』
何度も電話で会話をしてきたというのに、変わらずに緊張した声が受話器の向こうから聞こえた。それがなんだかおかしくて、思わず笑いをこぼす。
すると、「おい!」と聞こえてきた笑いに腹を立てたのか乱暴な声が聞こえる。
「ごめん、拓磨。だって、何度も電話してるのに拓磨ってば言葉が片言なんだもん」
『悪かったな。……誰だって緊張するさ。好きな奴に電話をかけるなんて』
真っ直ぐに好きと伝えられたわけではないのに、頬が熱くなるのを感じる。多分、無意識なんだろうが遠まわしに自分を好きだと告げる相手をいつもずるいと思う。
『珠紀? どうかしたか?』
「あ、……ううん、なんでもないの」
『それで……どうだ? 今月中には帰れそうか?』
「無理かな……お母さんのあの調子じゃあ」
『そうか……』
それっきり無言になる。ふと、先程の母との会話を思い出す。母親はとても頑固だ――それが、珠紀にも継がれたのだろう――説得するのはとても難しい。本当に彼のもとへ帰れるのだろうか。もし、このまま帰れなかったらと思ってすー、と背筋が冷えたのを感じた。
不意に、拓磨が「珠紀」と名前を呼んだ。
「何? 拓磨」
少し声が震えていたかもしれない。それに彼は気づいていたのか気づいてないのかはわからないが、何も言わずに言葉を続ける。
『正直に言うけどな、俺は、お前をそこから拐ってしまいたいと思ってる』
「たく、ま……」
『でも、お人好しで馬鹿なお前なことだからな。絶対に嫌がるに決まってる――だから、俺は待つよ。お前をこの村で。……まあ、待つのは性分じゃないけどな』
なんて温かい言葉なのだろうか。次々と涙が目から溢れ出てくる。何か言いたいのに言葉が出てこない。彼が愛しすぎて、何も言えない。
『珠紀……? 泣いてるのか?』
啜り泣く声が聞こえてしまったのだろうか。でも、できるだけ声を抑えたはずなのだが。何も得ずに黙っていればふ、と笑う声が聞こえた。
『言ったろ? お前のことは離れてても分かるって』
「う、ん……」
やっと言葉を発する。そうだった、彼は自分のことに関してならばなんでもわかってしまうんだ。ならば、さっき自分が考えていたこともきっと見通されていたのだ。だから、彼は自分を励まそうとあんなことを言ったのだ。
「拓磨……会いたいよ」
『……俺もだ』
蔵の中に監禁されていた時とは違う。ちゃんと、声を聞くことはできるのに。名前を呼ぶことができるのに、なぜこんなにも寂しいのだろう。
「……私、頑張るから。絶対にお母さんを説得して、村に戻るよ」
涙を手で拭き取って、そう告げる。寂しい、ならば会いに行けばいいのだ。母親を説得して、あの村へ帰ればいいのだ。
『……お前はそうでなくちゃな。くよくよしてるのは似合わない』
優しい声が聞こえる。……いや、声だけじゃなくてちゃんと顔も見たい。彼に触れたい。
愛しい気持ちを抑えるように胸に手を置く。
「待っててね、拓磨」
『ああ、待ってる』
――もし、あの村に戻って彼に出会ったらまず一番にこう告げるのだ、ただいまと。そして次は――好き、大好きだと溜め込んできた相手への気持ちを告げようと珠紀は心に決める。
2人が再開するまで、あと、もう少し――。
‐‐‐‐‐‐
またもや、緋色の拓磨×珠紀です。このcpは緋色の中で二番目に好きです。一番目はもちろん、真弘×珠紀です、笑。
離れている間、二人はどんな事を想っていたのかそんなことを妄s…想像しつつ書かせていただきました!
今回は長く書きすぎました…まあ、これが私の拓珠へと愛です!←
眠り姫にキスを 【 緋色の欠片 / 拓珠 】
(やめろ……珠紀! 俺なんかのために――命を捨てようとするな!)
必死に叫ぶ声は、言葉には出ない。
重なる唇を介して、珠紀から何かが流れ込んでくる。そう、それは彼女の命そのものだった。
彼女は、自分の体の中に眠る封印の力を自らの命とともに拓磨に注ぎ込み、封印するつもりらしい。だが、拓磨にはそんなことを考える暇はなかった。
――愛してる。
キスをされる前、彼女の口から囁かれた愛の言葉。その言葉は、自分の中に眠るもうひとりの自分を呼び覚まさせた。
そして、そのもうひとりの自分も彼女が深い永久の眠りに落ちてしまうのが嫌だった。
(やめろ、珠紀……! やめてくれ!)
しかし、拓磨の声が届くことはなく、珠紀の体からは少しずつ力が抜けていく。
そして、珠紀が崩れ落ちたとき、それを拓磨が支えた。
変化した腕は元に戻り、角も顔も元に戻る。彼女の望んだ通り、力は拓磨の中で封印された。
「何やってんだ……馬鹿っ!」
抱き抱えた体から熱が少しずつ引いていく。そのなくなっていく温度に恐怖を感じる。
珠紀が死んでしまう。自分を支え、そして愛してくれた珠紀が死んでしまう。そんなこと、拓磨が耐え切れずはずがなかった。
「死ぬな、珠紀っ!」
今度は、自分から珠紀の唇に己の唇を重ねる。そして、彼女から注ぎ込まれた力を半分、彼女の中へ注いでいく。同時、彼女の体温が戻ってくるのを感じた。
顔を離し、数十分経ち、ゆっくりと、珠紀の瞳が開いていく。
「たく……ま?」
状況に追いつけていないのか、少し呆然とした声で拓磨を呼んだ。それすら、愛しくてその体をぎゅ、と抱きしめる。
「死のうとするな、馬鹿……っ」
震える声で告げれば、腕の中の珠紀は何も言わずに頷いた。
――王子様のキスは、眠り姫を呼び起こす。どうか、自分の目の前から消えていなくならないでくれ。
‐‐‐‐‐‐
……どうしよう、拓珠ばかり思いつく。本命は真弘先輩なのに() それは全て、拓珠が素敵すぎるからだ!←←
いっそのこと、緋色の欠片専用のスレ作ろうかな…。うん、そうしよ、
一度、拓磨へ命を注ぎ込み死と生の間を彷徨う珠紀ちゃん。その間、拓磨は何を思ってたんだろうという思いつきから生まれた作品、
拓磨……かっこよすぎるでしょ←←
夏の夜( 前編 )【 緋色の欠片 / 真弘×夢主 】
夏の夜。
花火に照らされ、無邪気に微笑む君に心奪われた――。
「へぇ……去年に比べて、賑わってるじゃないかい」
「お、おう……そうだな」
今日は季封村総出の夏祭り。最後には花火も上がるという村一番のイベントだ。最近はこれをもとにして、村おこしを行っているらしくここに来るまでの道でちらちらと見かけない顔の人や、家族連れを見かけた。
真弘もまた、己の彼女である黎を連れて、夏まつりへ足を運んでいたのだが。
(これは……やばいだろ)
ちらり、と隣にいる黎の姿を盗み見する。
スラリとした体型に似合う、淡い紫色をした浴衣に、茜色をした帯。普段は高く一つ括りにしている髪を今日は、簡単に団子にまとめていて、白いうなじが見える。
いつもより、さらに色気の増した黎に、真弘は胸を高鳴らせた。ここに人がいなければ、きっと今にも彼女を抱きしめ深い口づけをしていたことだろう。それを安心しているのか、それとも悔しいのか複雑な思いでいる中、やっと視線に気付いた真弘に視線を向けた。
「何さ?」
「……な、なんでもねぇ……」
「ふーん……」
黎は訝しげに真弘の顔を覗き込む。予想外の顔の近さに、真弘はふい、と視線を逸らす。
その状態で約10秒。はぁ、と軽いため息をついた黎がやっと離れる。真弘はほっ、と安堵をつくが黎の様子がおかしいことに気づく。――機嫌が悪そうだ。
「おい?」
「せっかく珠紀たちと一緒に街まで行って買ってきたってのに……褒め言葉も、一言もないのかい?」
ぶす、と少し膨れた顔でじろり、と真弘を見つめる黎。
ずるい。いつもより色気が増しているというのに、その顔で見つめられてしまえが顔が逸らせなくなってしまう。
今度は真弘の方が様子がおかしくなってしまい、それに気づいた黎が真弘へと顔を寄せる。
「どうしたのさ……――」
ぐい、と真弘は自分の頬に伸ばされた黎の手を掴み自分の方へ引き寄せる。急なことで、更にはなれない下駄のせいか簡単にバランスを崩してしまう。
自分の胸に収まった黎を軽めに抱きしめる。周りからの視線が恥ずかしいが、この際は仕方がない。コイツが可愛すぎるのが悪いんだと自己完結させた真弘は、ぼそり、と黎の耳元でつぶやいた。
「……綺麗すぎるんだよ、ばーか」
「――っ!」
ばっ、と胸を押して真弘から離れた黎の顔は、見事に赤く染まっていて、真弘は、声を上げて笑った。
夏の夜はまだ始まったばかり――。
‐‐‐‐‐‐
自分が書いてる夢小説の主人公と真弘での、短編です!
後編に続きますー!
お姫様、迎えに来たよ。 【 アニポケ / サトシ×夢主 】
私は、一世一代の告白をした。幼い頃から想いを寄せてた少年に。
好きです、と伝えたあと、少しの沈黙、そして返ってきたのは、ごめん、という謝罪だった。そこで、私は振られたのだと理解する。直ぐにその場を逃げ出したくて、私は駆け出した。
その背中に向けて、彼は何かを叫んだんだ。
――――。
それが数年前ぐらい。あの日を境に、私は彼の旅から抜けて故郷のマサラタウンへ戻った。それからは、彼の母親と同じように、彼を待つ人になった。
帰ってきては、また別の地方へ。博士のところへ預けられていくポケモンたちから、帰ってきた時に聞かせてくれる冒険物語から、彼は私が以前から知っている彼ではなくなっていることを知った。
悔しい。私が一番彼を知っていると思っていたのに、今では私の知らない彼を知っている人が居る。でも、振られた以上、もう彼のそばにはいられなかった。彼が許しても、私が許せないのだ。
――そして、ついにその時がやってきた。彼が、夢を叶えたのだ。
テレビで報道するそれに、私の両目には熱いものがこみ上げてくる。ただ、嬉しさがこみ上げた。彼が夢に向かってどれだけ努力をしてきたかを、苦労をしてきたかを知っている。それが報われた。彼の夢が叶った。私は自分のことのように喜んだ。
数日後、彼は帰ってきた。その後はただ、パーティーだ。その騒ぎように、シゲルは苦笑していたけれど、どこか嬉しそうだった。
彼は言った、「ここで終わりではない、まだまだ強くなってやる。だから、また旅に出る」彼らしいと思った。同時に、寂しくなった。
パーティも終わりを告げて、私は一人マサラの夜空を見上げていた。その時、つん、と足をつつかれた。足元にいたのはピカチュウで、その手には赤いバラの蕾が握られている。それを私の方に差し出しているのだから、多分、私への贈り物だ。
「……ありがとう」
ピカチュウを抱き上げれば、甘えた声を出しながら擦り寄ってくる。それが可愛らしくて、頭を撫でていれば走ってくる足音が聞こえた。
「ピカチュウっ!」
息を切らしながらやってきたのは、今日のパーティーの主役、サトシだった。ピカチュウは、彼を見るなり、私の腕から抜け出し、今度はサトシの肩へと登った。
「全く、先駆けしやがって……」
「サトシ?」
「いーや、なんでもない! それで、その花受け取ってくれたんだな」
その目線は、私の持つバラの蕾へ注がれる。
「サトシからだったんだね。……ありがとう」
きっと鈍い君のことだから、この花の花言葉を知っている私が浮かれていることを知らないのだろう。花言葉は――。
「“純粋な愛、愛の告白”」
「え?」
まさか、その言葉が彼の口から出てくるなんて思っても見なくて、私の口からは間抜けな声がこぼれ出る。
彼の顔は、バトルで見せる真剣な表情そのもので。
「……聞こえてなかったかもしれないけど、あの日、俺から逃げたお前に俺、言ったんだ」
――“俺がポケモンマスターになるまで待ってろ”って
「あの時、俺はトレーナーとしても、男としてもまだまだ未熟で。そんなんじゃ、絶対にお前に迷惑かけるってわかってたから。だから、ケジメとして俺が夢を叶えるまで待ってて欲しかった」
帽子のつばを下げて、一瞬表情を隠したあと、私に顔を見せたサトシ。その表情はとても、柔らかいもので。言うならばそう、愛する人に向ける顔。
「遅くなってごめん。でも、聞いてくれるか?」
(俺は、お前のことが好きだ)
(俺のそばにずっといてくれ)
(その言葉は、とても嬉しくて涙が溢れた)
(私は、勿論――はい、とか細い声で答えた)
‐‐‐‐‐‐
あけおめー、()
前の小説のやつの続きがかけなかったので、あれは放置。今回はサトシだよー。なんか、再熱した((
捏造ばっか、笑
長編書こうとして、でも挫折しそうだなと悟りボツになったネタ。()
少し長いかも、なので、設定を提示ー。
・ぬらりひょんの孫の原作沿い。
・これから書くのは、牛鬼編のお話。
【夢主】
・名前は、奴良リオ。リクオの姉。15歳ぐらい
・リクオのために、男として現在総大将の後を都合と奮闘中。学校には通ってない→家庭教師がいる。
・元は物静かだが、総大将になるため荒っぽい性格にした。
・リクオとは違い、クォーターではなく半妖。
これぐらい。姉弟愛有りです、注意。
じゃ、次からスタート。
父様が死んで、数年が過ぎた。
可愛い弟のためならば、私は男になり、魑魅魍魎の主になりましょう――。
部活の合宿先が捩眼山だと知った。そこは、俺が総大将になることをよく思っていない牛鬼組の本拠地。リクオに、直接の関係がないとは言えどもリクオも確かにぬらりひょんの孫。何もないわけがない。そう思って、付いていった結果、俺の予想は見事に的を居ていた。
「リオ様……! だめです、お下がりください……!」
「氷麗、俺は大丈夫だ。お前は安静にしてろ」
後方で叫ぶ氷麗の足は、鋭い刃物で刺され真っ赤に染まっている。それでも尚、俺のことを気にかけてくれる彼女の優しさを背中に受けて、目の前の敵を見据える。
「牛鬼は、お前たちはそこまで俺のことが気に食わないか」
「例え、お前がぬらりひょんの孫であろうが、女は弱い――っ!」
「くっ……」
牛頭丸と名乗ったその妖怪は、刀を手に俺へと斬りかかる。俺も、刀を構えてその一閃を受け流す。しかし、人間の体ではこれが限界で、ただ俺は逃げ回るのみ、
俺の親父も、半妖で、畏れを操り常に妖怪の姿でいた。しかし、対して俺は才能がないのか、その恐れを上手く操ることができず、今だ人間の姿。女であろうが、妖怪の姿ならば優勢な位置に立てるはずなのに。そう思ったとき、油断していた俺は手に持っていた刀をはじかれてしまった。
「これで終わりだ、――奴良リオっ!」
刀を持たない俺に、牛頭丸は先程よりも勢いをつけて斬りかかる。
防ぐ手を持たない俺は、痛みに耐えるために構え直す。そして、――きん、と何かが刀を弾く音が響いた。
俺の視界を埋め尽くしたのは、幼少期、俺の背中を追いかけてきた弟の――リクオの背中だった。
リクオが弾いた刀は牛頭丸の手から離れ、少し遠い位置の地面に突き刺さる。
「兄ちゃん、大丈夫?」
「あ、ああ……」
「リクオ様!」
此方へ目線を向けずに俺に話しかけたリクオは、普段の温和な時とは違った。そう、言うならば妖怪の時の雰囲気と似ていた。
俺がそれについての疑問を投げかける前に、氷麗が傍へとやって来る。元々足を負傷しているくせに無理に移動していたせいか、足が先程より赤く染まっている。
「お二人共、お逃げください。あの者は、若たちの命を狙っております。ここは、この氷麗が――」
「いや、俺がやる。だから、リクオ、お前は氷麗と一緒に――」
「いい加減にしねぇか」
小さくでも低くその威厳溢れる声は確かに目の前の弟から発せられたもので、俺も氷麗も口を閉じる。
リクオは、少しだけ此方へ顔を向けた。
「氷麗も、“姉ちゃん”もここで待ってて。……大丈夫だから、僕が何とかするから」
そう言ってリクオは駆け出した。
――俺は随分と昔から男を演じてきた。リクオは、父さんが死んだせいかそのあたりの記憶が曖昧になっていて、俺が女だったことも忘れていたはず。なのに、今、リクオは“姉ちゃん”と言った。
(思い出したのか……?)
なんにせよ、リクオに何らかの変化があったことは確かで、俺は牛頭丸とリクオの戦いを見守ることしかできなかった。
闘いが始まって少し――牛頭丸がついに畏れを見せた。その爪で何やらかの呪文で動きの取れなくなったリクオへと襲いかかる。
俺は、訳も分からずリクオの前へ体を投げ出す。ただ、大切な弟を守りたいという思いだけで。
「リオ様――っ!!」
「姉弟諸共……、これで終いだぁぁああ!」
目の前に爪がかざされる。それを防ぐ武器もない俺は、ただ目をギュ、と瞑った。やがてやってきたのは――痛みではなく、どさりという音と静かな沈黙。そして何故か俺は浮遊感を感じていた。
「え……」
目を開ければ、そこには妖怪へと転じたリクオがいた。
地面へと目を向ければ、刃で爪を切られ、意識を失った牛頭丸の姿。再び、リクオへと目をやれば手には刀が握られていた。
「リク、オ……?」
「姉貴……なんて無茶しやがる。今は人間の姿だってのに」
「リクオ様、リオ様……!」
負傷した足を引きずり、氷麗が駆け寄ってくる。その姿を一目見たあと、リクオは刀をしまい、空いた手で優しく壊れ物でも扱うように俺の頬を撫でた。
「もう、大丈夫だ。……知ってたよ、自分のこと――夜、こんな姿になっちまうんだな」
そういったリクオの頬に流れていた一筋の血が、まるで涙のように見えた。
あの後――リクオは、牛鬼のもとへ行くとそう言い残して消えてしまった。だから、俺は、今、眠ってしまった氷麗を抱えて石階段を下りていた。
暫くして前方から微かな光と、足音が聞こえた。それはやがて大きくなり姿を見せたのは、リクオの友人のカナちゃんだった。
「リオさん……!……と、及川さん?」
「カナちゃん……こんなところ一人だなんて、危ないよ」
「それはこっちの台詞です。……他のみんなは?」
「それは……」
俺は、言葉を濁す。清継君、島君はきっと無事だろう。しかしリクオは――。
俺はどうしたい。できるならば、すぐに追いかけたい。でも今の俺では足でまといになるに決まってる。けれど、俺はあいつの兄貴、だから――。
様々な思いが俺の中を駆け巡る中、ぎゅ、と俺の着物の裾を握る気配があった。
「氷麗……?」
「リオ様……、私のことは気になさらないで。リクオ様を……、リクオ様の所へ……」
俺にしか聞こえない声で、囁くように言ったあと氷麗はまた目を閉じ、裾を掴んでいた手もだらりと下に垂れた。
氷麗の言葉では、と気づく。――きっと、俺は行かなくてはいけないのだろう。足でまといだとしても、奴良組のために、俺たちのために、今までのことにすべて決着をつけなくちゃいけない。
「カナちゃん。氷麗をよろしく」
「え……、え、でもリオさんは?」
「俺は、3人を探しに行ってくる」
「え、あ……!」
素早く氷麗をカナちゃんに渡し、俺は階段を今度は駆け抜けるように登っていく。行き先は、山の上――!
俺が到着した時には、もうすべて、終わっていた。
床の上には腹を切り、血を流して倒れる牛鬼とそれを見下ろすリクオ。リクオも、腹の辺りを抑えている。そして、傍らには黒羽丸とトサカ丸もいた。
「――もはやこれ以上考える必要はなくなった」
牛鬼は、刀を構えた。しかし、リクオは動じない。
「これが私の、結論だ!!」
「牛鬼貴様ぁああ―――!!」
しかし、その刀が振り下ろされることはなく、一直線に牛鬼の腹へ向かう。俺はそれを止めることができず、ただ手を伸ばすのみ――。
キン、と音が静寂の中で響く。牛鬼は、生きていた。
「――-なぜ止める?リクオ………」
リクオの刀の一閃で、牛鬼の刀の派は、近くの柱へと突き刺さり、柄は牛鬼の手から離れてからん、と床へと落ちる。
「私には、謀反を企てた責任を負う義務があるのだ。なぜ死なせてくれぬ……牛頭や馬頭にも合わす顔がないではないか」
「オメーの気持ちは痛てぇ程わかったぜ」
リクオは牛鬼の前に立ち、そして見下ろす。
「俺が腑抜けだと俺を、――姉貴を殺して自分も死に。認めたら認めたでそれでも死を選ぶたぁ、らしい心意気だぜ牛鬼。――だが、死ぬこたぁねぇよ。こんなことで……なぁ?」
リクオは、刀を肩へのせ不敵に笑う。そんな彼に、牛鬼も黒羽丸らも驚いた表情を見せた。
「若!? そんなことって……!!」
「これは、大問題ですぞ!!」
「ここでのこと、お前らが言わなきゃ済む話だろ」
「わ、若ぁ……」
黒羽丸たちの困った反応を見、リクオは牛鬼へ顔を寄せた。
「牛鬼……さっきの答え。人間のことは、人間んときのオレに聞けよ。気に入らなきゃそん時斬りゃーいい。その後……勝手に果てろ」
背を向け、戸口へと歩いていくリクオ。牛鬼は、まるで糸の切れた人形のように床へと崩れ落ちそうになり、それを俺は支えた。
(2人が、奴良組がこんな目にあったのは俺のせいだ)
そんな確信があった。
リクオを守りたい一心に、奴良組を引き受けて、でも結局それは組のことなんて思ってなかった。ただの、俺の――私の自己満足だった。
「ごめん……、ごめんね……牛鬼」
記憶の中にあった、あの優しげな牛鬼を思い出し、気を失った彼を抱えて、私は泣いた。
流石妖怪ともいえよう。翌朝には、牛鬼は目を覚ましていた。
リクオが話を終えて出て行ったあと、俺は、部屋の中へと入り込む。
「リオか……」
「今回は、ごめん。……俺の浅はかな考えのせいで、こんなこと……」
牛鬼の傍らへと座り、顔を俯かせて俺はつぶやいた。
ため息をつく音が聞こえたあと、俺の頭に温かな手が乗せられた。
「え……」
「お前の、リクオを守りたい思いは承知している。だが、それが組のことになるとは思わない」
「牛鬼……」
「今回のことで、リクオは変わるだろう。……お前も、すべてを抱え込む必要はない」
「……うん」
俺が涙をこらえているのに気づいていたのだろうか。牛鬼は、不器用に、でも優しく俺の頭を撫でてくれていた。
牛鬼の部屋を出て、廊下を歩いていれば、柱に背を預けたリクオがいた。どうやら俺を待っていたようで、俺が現れた瞬間、柱から背中を話した。
「……兄ちゃん、話があるんだ」
何を言われるのだろうか。そのリクオの一言でそんな不安が自分の中を埋め尽くす。
俺は聞かないふりをして、その横を通り過ぎようとする。でも、リクオがそれを許すはずもなく、俺の手を捕まえる。
「兄ちゃん――」
「ごめん、……これで許されるのなら、俺は何度だって謝る」
「何を言って……」
すべての原因は、俺。牛鬼はああ言ってくれたけれど。俺がもっと自覚すれば、今までどおり奴良組は引っ張っていけるはず。
俺はリクオからの逃れようと、手の束縛をなくそうとする。
「俺が悪かったよ。だから――」
「――姉ちゃんっ!!」
リクオにそう呼ばれて、俺は、は、と体の動きを止めた。その数秒後に、此方へ向かってくる足音が聞こえてきて、リクオは俺の手を掴んだまま近くの空き部屋へと飛び込む。
いきなりのことでバランスを崩しかけた俺は、畳に倒れ込む覚悟をと、目を閉じた。でも衝撃はやってこず、逆にやわからな体温が体を包む込む。
「リクオ……?」
リクオは、俺をギュ、と正面から抱き抱えていた。
いつの間にか占められた襖の外からは慌ただしい足音と声。次第にそれは遠ざかって行って、それでもリクオの俺を抱きしめる腕は緩まない。
「リク――」
「もう、無理しないで」
名前を呼ぼうとして、リクオに遮られた。それは、すごく辛そうな声。
「謝るのは僕の方。今まで気づかなくてごめん。辛かったよね、悲しかったよね……。姉ちゃんは、僕の姉でぬらりひょんの孫である前に――ひとりの女の子なのに」
「リク、オ……」
「……泣いていいよ。今までの分、ここで全部吐き出して」
そう言われて、もう我慢ならなかった。私は、リクオにすがりついて、声を押し殺して泣いた。昨夜流した涙よりも、さらに長く泣いた。
ひたすら泣いて、涙が泊まった時には私の短い髪を、リクオは優しく髪撫でていた。
「姉ちゃん……長かった髪、切っちゃったんだね。口調も全く変えて……」
「リクオ……」
先程から、リクオとしか言えていない。それぐらい、私はほかの言葉を紡ぐ余裕なんてもの無かった。
「――もう、抱え込まないで。偽らず、女の子として生きてよ。僕が、守るから。奴良組も、姉ちゃんも……僕の大事なものすべて」
ぎゅ、とリクオは私を強く抱きしめた。漸く落ち着いてきた私は、久しぶりに使う口調に戸惑いながらも、言葉を紡ぐ。
「嫌です」
「なんで……?」
「私は、ひとりの女で、貴方の姉で、ぬらりひょんの孫だから。守られるだけは嫌です。そんなことをしたら、リクオも私のように抱え込んでしまう」
「姉ちゃん……」
「一緒に……、一方的に守るんじゃなくて。2人で、守っていきましょう」
きっと、私たちは一人では成り立たない。二人で成り立つのだと思う。
リクオは、小さく頷いて、私を抱きしめ直した。
あれから、私は女として過ごすようになった、髪も伸ばし始めた。でも、一部の人間や妖怪は、私の本当の性別を知らない。いつか、話せたらいいと今は思っている。
――私は、リクオのとなりで生きていく。一人じゃなく。二人で。そうすれば、私たちは何倍も強く優しくなれるから。
fin
よくわからねー、(棒)←
一体何が書きたかったんだろう、私。不思議だ。
……まあ、ええや、終わったことは気にしない!
さて、そろそろテストあるんで、休みます。んで、終わったら、拓珠か、真珠の転生小説書こうかなと。長さとしては、中編……ぐらいかな。