君に、愛の言霊を――、

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21:遥姫 ◆ml2:2016/03/02(水) 21:36 ID:gBQ


 新月の夜の訪問者 【 ぬらりひょんの孫 / リクオ×夢主 】


 風呂上り。階段を登って自室の扉を開ければ、壁に背中を預ける一人の客人――いや、侵入者といったほうが正しいかも――がいた。

「よぉ、邪魔してるぜ」
「……ねぇ、あんた、どっから入ってきたの? 今日は窓の鍵も閉めておいたはずなんだけど」
「そらぁ……俺がぬらりひょんだからだ」

 そいつの言うとおりで、新月の夜に決まって私の部屋へ訪れるこの男は、ぬらりひょんという妖怪、らしい……が。

「それがなんだって言うのよ!! 私、勉強しなきゃいけないの。早く帰ってってば」

 窓を全開にし、男の背中を押して強引でもいい、追い出そうとした。でも、あのぬらり、くらりと躱すこの男にそれが通じる訳もなく、いつの間にか彼は私の目の前にいて、覆いかぶさるようにしで抱きしめられていた。

「つれねぇな……」
「い、いから……、離してってば!!」
「顔が赤いじゃねぇか。どうした?」
「べ、別に……」

 無駄に美形だから、その顔外気が触れ合うほど近くにあるから顔が赤くなるのであって、決して好きってわけじゃ――。

「へぇ……、“好き”ねぇ」
「はっ……」

 どうやら、口に出してしまっていたようだ。違う、違うからと必死に弁解する私を見て、男はくつくつ、と喉を鳴らして笑う。

「そぉかい。お前はそんなに俺が嫌いか」
「そ、そーよ!! 嫌いよ、あんたみたいな奴」
「――俺は好きだけどなぁ」

 空気が固まった。え、今この男、なんて言ったの。好き、私のことが好き?
 頭の中が真っ白になって、呆然としているのが悪かった。男は、さらに顔を近づけて。

「っ……」

 軽く唇を触れさせた。私の唇に。
 顔が熱い。これでもかってぐらいにきっと、真っ赤になってる。
 唇をパクパクさせるだけで、肝心の言葉が出てこない私。男は、またもやくつり、と笑った。

「俺は、狙った獲物は逃がさねぇ。必ずや仕留めてみせる。――だから、覚悟しとけよ」



(彼は、私の耳元でそう囁いた)
(さらに顔を熱を上げた私を、彼はまた笑った。――今度が愛しげに)


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 何が書きたかったんだろうね、私()
 なにか書きたくて結果がこれだ。…まあ、満足できたしいいかな。

 で、中編、どうしよーかな。
 
 


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