君に、愛の言霊を――、

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3:遥姫 ◆ml2:2015/09/21(月) 15:47 ID:NrY


赤い糸のその先は、 【 緋色の欠片 / 拓珠 】

 
 昔からの言い伝えの中にこんなものがある。
 ――運命的な出会いをする男と女は、生まれたときからお互いの小指と小指が目に見えない『赤い糸』で結ばれている。

 運命的な出会いだなんて、幼い頃の自分にとってすごく憧れるもので、自分の小指にある赤い糸の先にいるのは誰なんだろうと、いつ現れるんだろうとすごく楽しみにしていたことを覚えている。




「珠紀」

 名前を呼ばれるとともに、つないでいた手のぬくもりが増すのを感じ隣の彼へと視線を向ける。

「何? 拓磨?」

「あのさ……今度の週末に、どこか出かけないか? まあ、そうは言っても村の中だけだけど……」

 照れくさそうに、わずかに視線を逸らし。少しだけ頬を赤く染める彼は、普段とはかなりのギャップがあって。すごく愛しく感じた。

「いいよ、村の中でも!」

 だって、拓磨と一緒ならどこに行っても楽しいのは変わらないから。言いかけたその言葉をなんとか胸の中に留める。なぜなら、これを言ってしまえば、彼はさらに照れて別れ際まで無言、なんてこともありえるかもしれからだ。

「本当か? じゃあ、10時ぐらいに迎えに行く」

「うん、待ってる」

 そう言って微笑み合う。
 こんなこと、あの頃の事を思えばどんなに幸せなことなんだろうと思う。

 今思えば、幼い頃に何度も想像した赤い糸の相手は彼だったのではないかと思う。
 根拠は何もないけれど、でもそれは確かなことなのだと思う。

「拓磨、大好き!」

「な……、い、いきなりなんだよ」

「言ってみたたかっただけ」

「はぁ……全く、お前ってやつは」

 不器用で、でも優しくて。暖かい自分を見つめるその眼差しが好き。
 初めてこの村に来たとき、すごく不安で、ここに来なければ良かったって思う。でも、今では違う。この季封村に来てよかったと思えた。だって、貴方に出会えたから――。



 
――赤い糸のその先は、小さな村の中にありました。


‐‐‐‐‐‐

ほのぼののような…そうじゃないような、意味のわからないものになってしまった。
拓珠可愛いっ! 可愛いという以外に何があるというのだ!

絶対にこのふたりは、運命の糸で結ばれてたんだと思います! だって、ねぇ?(何が)


このふたりの糸が、この先切れることがありませんように!

 


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