そこで一旦ママは切った。
私の知らないお姉ちゃんの話だもんね。
「彩美は、ピアニストになることが夢だったのよ。彩美がおつかいに行ったカバンも、ピアノのスクールカバンだった。その中に、旅立ちの日にの楽譜が入っていたわ。中学校の先輩の卒業式で彩美が弾くって。ずっと練習していたの。ブラジルへは行けないから、ママと日本に残ったの。パパと和騎、彩黄をブラジルに見送ってね。すごく前で、3人はブラジルに住んでいたのだけど。記憶ない?まあ、実際ブラジルでサッカー終わったら、フランスに行ってたんだけどね。」
え、そうだったの?
だから私、フランス語話せるの?
「すごくいい子だったわ。彩黄もそういう子になるのよ。」
はい!
なります、もちろん!
お姉ちゃんの人生短かったから、私がその分長く生きる!
続く