Pink Star and Dream Land

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1:暦月:2017/07/25(火) 12:13 ID:RiU

注意:このスレは、星のカービィWiiを主として
呆れかえるほど平和な星と言われているポップスターで、本編では描かれていない裏側の事情について
自分が考察した話を書き殴ってみるだけの場所です。

…まあ正直、マホロアばかりの話になると予想します。
あと、場面は順番通りではなくバラバラに書くことになると思います。

とりあえず
しょーもない奴が、ここでしょーもない物書きをするだけの予定です。
因みに、自己解釈設定 過多 です。
何か感想がある方は、遠慮せずどーぞ。
単なる自己満足から出来た話なので「絶対ねーよw」と言われる方もいらっしゃるかと思われます。

あと、別の名前で別の場所でも同じ設定の上で…内容を詩文体として記述していますが

こちらでは、登場人物の会話やモノローグを中心に綴る予定です。
情景は、書くのが苦手な事もあり省略する事が多いと思います。
そんな物でももし良ければ、読んでくださると光栄です。

2:暦月 shadow kirby:2017/07/25(火) 12:26 ID:RiU

ぼくは、もう…疲れちゃったよ
このセカイでは、みんなカナシイことばっかりするんだ
いっつもケンカばっかり
いっつもくるしいばっかり

そんなことしても
だれもしあわせじゃないのに
そんなことしても
みんなえがおになれないのに

この1まいのカガミを超えたセカイは
みんながなかよくトモダチでいるのに
どうしてこっちのセカイでは
それができないんだろう
どうしてわかってくれないんだろう

仮面の黒い彼は前よりも…というより
ぜんぜん話をきいてくれなくなった気がする

何回しんじてもらえなかったかな
何回だまされてきたかな
そんなこと数えた事はないけれど
こっちのセカイで困ってるヒトを助けると
そのヒトからも周りのヒトからも
「偽善者」「お人好し」
そんな言葉が出てきて離れていくんだ

その言葉のいみを、ぼくはしらないけれども
きくたびに、胸が痛むようになってきたんだ



ポップスターにいるぼくとのやくそく
守りたい
でも…すごくつらいんだ…

ゆめもみられない
ゴハンもたべられない
そんなこのセカイを変えたいけれども
なんだか、ぼくの方が変わってしまいそうだよ…

3:暦月 参ドロOP風:2017/07/26(水) 07:41 ID:p2E

シャドー(はぁ…もう限界!
    おなかがすいて、ちからが出ないよ〜;;;
    …ポップスターで何かおいしいものたべに行きたいなぁ…
    ……ちょっと、抜け出しちゃおうかな……)

    (……少し心配だけど、すぐにこのミラーの前に戻ればいいよね
    とりあえずプププランドに降りてみよう)


カービィ「ケーキ♪ケーキ♪今日のおやつはショートケーキ〜♪」
シャドー(あ、カービィ…いいなぁ、おいしそうなケーキ
    うぅ〜たべたい……)
カービィ「いい天気の日はやっぱりここでケーキをたべるのがサイコーだよね〜」
シャドー(…ぼくに気づいてるようすは、なさそうだなぁ
    っていうか今のはなしをきくと、ケーキよくたべてるってこと!?
    ずるい!ぼくだってあんなおいしそうなケーキたべたい!!
    うぅぅぅぅ…がまんできない!!)
カービィ「よしっとうちゃーく![ケーキの乗ったお皿を地面に置く]
    えへへっ楽しみだなぁ♪[ナイフとフォークを用意]」
シャドー(この位置なら…ばれないよね…!)
カービィ「さあ、いただきま

サッ

    ……………………………………あれ?
    あれれれ??ケーキなくなった?!」
シャドー(んー!!おいしい!スポンジふわふわ♪
    生クリームとイチゴのあまずっぱい味とかおり♪
    [静かに手と手を合わせて]ごちそうさまでした!)
カービィ「あ、きっとデデデ大王のしわざだな!
    全く、グルメレースでもぼくに勝てないからってこんなことするなんてひどいや!」
シャドー(え、なんかすごいカン違いしてるんだけど…)
カービィ「ぼくのケーキ、返してもらわなきゃ!」
シャドー(…ま、まあいいか…ぼくにとっては都合がいいし
    しーらないっと!
    それよりはやくディメンションミラーのところに戻らなきゃ…)

4:暦月 異次元球の正体:2017/07/26(水) 11:45 ID:p2E

カガミの前までもどってきたのはいいけど

やっぱり、ぼくもポップスターにいたいな
向こうのセカイは、どうしてもスキになれないや

…でも、もしもこのカガミがなかったら
ぼくは生まれなかった
このステキな星のことも、知ることができなかった
だから、守らなきゃ

ぼくだって、このセカイのカゲの一部なんだ
そのぼくが、こんなふうに思ってるんだ
だからいつかみんなも、きっと分かってくれるハズだよね
それまで、ぼくひとりでもがんばらなきゃ!

[ディメンションミラーに何かが映る]

シャドー「え…!?どうして、どうしておまえがいるんだ…!?
    カービィが、たおしてくれたはずなのに…!!」

??? 「ならば、今度は貴様が倒してみるがいい
    一人でも頑張るのだろう?くくくく…」

シャドー(いくらぼくでも、こいつあいてにはかてない…!
    カービィを呼んでこなきゃ!)

??? 「そうはさせぬぞ」

シャドー「わっぷ?!
    (なんだこのくろい雲…いや霧?振り向いた瞬間にかかった…
    え、どこだここ?ぜんぜん知らないところに来ちゃった!?)」

????「隙あり隙だらけー!」

シャドー「うわっ!いたいなぁ、いきなり何するんだよ!!(相手のうごきが速すぎて…すがたが見えない…!)」

????「そーれそれそれそれそれそれそれそれそれ♪」

シャドー「っく…!はなしをきいてくれないなら、ぼくもかんがえがあるよっ!![反撃]」

[手応えはなかったが、代わりに相手が攻撃を止めてシャドーカービィの前に姿を現した]

????「へぇ〜、それってどんな考え?」

シャドー「!?(あのすがたは、いったいなんなんだ…すごくアヤシイいろをしてる)」

????「ねー、考えってなぁにぃ〜?はなしってなんなのぉ〜??はやくしてほしいなぁ〜」

シャドー(カービィのかたちをしてるけど、カービィじゃない…!)

ドカッ

シャドー「うっ(また、すがたが見えなかった…!)」

?カービィ「あははっごめぇんねぇ!でもきみがわるいんだよぉ?[攻撃]」

シャドー「ぐは」

?カービィ「せっかく待ってあげたのにさぁ、しゃべってくれないんだもんきみぃ[連続攻撃]」

シャドー「や、やめ」

?カービィ「なぁんにもきこえなぁい!!あははっ!![急所攻撃]」

シャドー「うわああああああああああぁっ!![床に叩きつけられて倒れる]
    …う、くっそ…!(こいつ、ほんとにつよい…!一体なんなんだ!?)」

?カービィ「あれれ〜もう終わり〜?つっまんないなぁ!
     こんなやつがぼくの元だなんて信じらんないよ〜クスクス」

シャドー「なん…だって…!?」

?カービィ「あれ、てっきり気付いていたのかと思ってたんだけどなー
     ぼくはきみの心の闇から生まれたんだよ♪
     きみはシャドーカービィだから…
     さしずめ、ぼくはダークシャドーカービィってところかなー
     まあそんな名前どうでもいいんだけどね♪
     だって…今からぼくは、きみに取って代わるんだもの![シャドーの額を掴みあげる]」

シャドー「っ…!!」

5:暦月 Gray changed black and blue:2017/07/26(水) 11:55 ID:p2E

シャドー(そんな…!このままじゃぼく、こいつに消されちゃうってこと!?
    そんなのいやだ!
    それに、そんなことになったらカガミの国やポップスターはどうなっちゃうんだよ!
    カービィとのやくそくも、守れないじゃないか…!!
    でも…こいつに吸い取られてるせいか、ちからが出ない…!)」

ダクビィ「あ、でも安心しなよ
     ぼくがきみになっても、きみが消える事は無いから
     きみはこれから生まれ変わるんだよ」

シャドー(生まれ変わる…だって…?)

ダクビィ「詳しいことは知らないけどねー♪[シャドーを真上に放り投げる]」

シャドー「わっ…![投げられた後、落下していく]」

ダクビィ「じゃ、そういうわけだから…」

[ダークシャドーカービィと、落ちてきたシャドーカービィの目が合う]

ダクビィ「さよなら、ぼくの偽者さん♪」

[白い目と口を一瞬赤く染めて嗤い、床スレスレで灰色の体を強く蹴飛ばした]
[体のあまりの痛みと回転する体で目を回したシャドーカービィは思わず目を瞑る]
[その瞬間、何か大きな壁のようなものをすり抜けるのを感じる]
[そして同時に鏡が粉々に砕けるような音が聴こえた気がした]




アァ、そうだ
思い出しタヨ…
ホントのボクは…あのトキにいなくなっちゃったンダ

そうか、ボクは…あのトキからズット……
ヤツに してヤラレていたンダネ…結果オーライだったケド
まさかこんなカタチで ヤツから記憶を奪い返すナンテ
思ってもみなかったヨ

コレは、走馬灯ってヤツなのカナ…

マァ助かるワケないヨ…





ン…?
こんどは 異空間ダ
アレ、カービィ
どうして キミがココに…
…って、コレはユメみたいなものだものネ 
もうなんでもありダヨ…
こんどは…ワープスターか
のせてくれるのカィ?
マッタク、キミっておひとよしダヨ
ユメじゃなくてもこんなコトしそうで、すこしシンパイになるヨ
…あたたかい

ポップスターが 見えル

甘いケーキ お日サマやお月サマのヒカリ
カワイイおはな カービィのタクサンのトモダチ

ミンナ わらってる

ボクに手を 差し伸べテル

…いっしょに遊んでクレルのカィ?



…キエルまえに
こんなステキなユメが 見られるナンテ

ボクって ホ〜ント ウンがいいヨ

コレは サイゴに見るユメ…

すこし さみしいケレド、サヨナラ
アリガトウ そして…


ミンナ



ゴメンネ

6:暦月 If before Story mode:2017/07/31(月) 11:09 ID:2Bk

(ンー?おかしいナァ…
このランディアがたおれて、これでマスタークラウンも元の姿に戻ったハズ…
なのに取れないって どういうコト?)

…ィ…
ぞわっ
(ナ、何…今の寒気…それに今、声が…)
…ぁ……ぃ…
マホロアには確実に、その声のような音が聴こえていた
(そ、空耳だと思いたいケド、
まさか コノ王冠が喋ってタリ…なんてコトは…)
……かぁ……びぃいぃ!!!!!!
「ヒィ!?」


 この王冠はカービィでなければ外れんぞ

(ダ、ダレ!)
辺りを見回すが、誰もいない
他の三体のランディア達も倒れたままである
警戒心を強めるマホロア
突然マントを翻すような音がしたかと思うと、マホロアは視界を奪われてしまった
(ウワッ!何ナノ!?)
黒に塗りつぶされた景色の中、この闇の主と思わしき低音の声がまた聴こえてきた

 マスタークラウンが欲しければ、カービィを連れてこい

闇から聴こえてくる声が洞窟にこだまして反射するように響く
その声が聴こえなくなったと同時に自分が横たわっている事に気付く

7:暦月:2017/07/31(月) 11:19 ID:2Bk

(ゥ…いつの間に ローアの中で寝ちゃってタのカナ)
(デモ、ココどこだろう…なんかアマいカオリがスル…)
(こんなニオイ…ハルカンドラではかいだコトないシ…)
※実はカービィの落としたケーキの匂いだったり
(…っていうカ、いま目の前に…ダレかいる?)
恐る恐る目を開けてみた、入ってきたのはローアが内部崩壊していたという事実
「!?!?」
右も左も崩れていた、非常事態である
目が覚めたらこんな事になっていたとは
(ま、まさか…)
慌ててメインシステムのチェックをする、スフィアもパーツも全て 無くなってしまっていた
(エエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエ)
流石に呆然とした、これでは自分の目的を果たすどころかハルカンドラにも戻れない
(…ドウシヨウ、これじゃどうにもならないヨ
しかもスフィアも120個ゼンブってツイテナイヨォ… せっかく使ってタ船なのに…)
つんつん
(!?)
ローアに夢中で人が入ってきていたとは気づかなかった為もあり、 触られて内心驚きつつ少し焦っていた
(ナ、ナンダ…?ボク、どうなっちゃうンダ?)
「ぼくカービィ!きみ困ってるみたいだから手伝ってあげるよ!」
(…へ…?)
思わず呆気にとられる、とても綺麗で純粋な青い目
そこからは裏がある感じは全く無かった…

どこかで見たような気もしたが思い出せない

「俺様も特別に行ってやろう」
「大王様が行くのならば僕も行きます!」
他3人も何故かやる気に、恐らくこの最初のピンクが言い出したからだろう
嬉しさもありギュッとピンクの手を握る
「アリガトウ!ボクはマホロア、 必要なモノはコノエリアに落ちているはずダヨ」
一番近いエリアをローアが示す
「よーし、頑張るぞー!」
「「「おー!」」」

「ボクは船をシュウリしなくちゃいけないから、
ココで待ってるヨ 〜!行ってらっしゃい!」

(…そういえば あのピンクは、見覚えがアル)
(ローアで 情報収集 してたトキに みた気がスル、確か…)
(星の、カービィ)
(…そうだ!星のヒーローで メチャクチャ つよいって 書いてあったヨウナ)
(…あんまり きたいはしてないケド、ま、ちょうどイイや クックック)

内部の整頓と共に、夢中になって考えていたゲームの作成のためにローア内部を改造することにした
本当はまだ整頓が出来ていないところが多いけれども、流石にパーツもスフィアも集めるとなれば時間はかかるはずだ
とりあえず出来上がった一つを設置する
(うまく起動するか ゲームのテストを しようカナ)
(とりあえず さいしょの奴ダケ 確認してから カービィのコトを 調べてみよう…)
と思っていた直後にローアが映像を映す

8:暦月 悲劇とは悪夢:2017/07/31(月) 11:23 ID:2Bk

変身して大きな剣を携えたカービィの姿が映し出されていた

(…ナニコレ…チョー強そうジャン)

違う形にも変形していくその剣は、道を塞ぐ敵を薙ぎ倒していき、仲間の歩を進ませていった
(…カービィっていつもはあんな 感じなんだろうケド、ホントに強いんダネ)

能力を失って異空間へ吸い込まれても、迫りくる波に怯まず先を急いでいく
(エ、あのスフィアローパーまで 倒しちゃうノ?!)
(ボクは いつもヤツラから 逃げてるしか デキないのに…)
(他のミンナも スゴいナァ…ボクにも もっとチカラがあれば…)

ふと、いつの間にか画面に釘付けに なっていた事に気付く

(ってイケナイイケナイ、これからのコト考えなきゃ…)

(ァ、そういえば マスタークラウンを 手に入れたければ…)
(カービィを 連れてくればいいって 言われた…ヨウナ?)
(…アレ?って言うカ、ボク いつどうやってこの星に 来たんダロウ?)
(ランディアを たおして、マスタークラウンが 外れないトコロまでは 覚えてるケド… )
思い出そうと頭を回転させていたその時、 目の前に見覚えのない存在を視認した
(…誰コイツ、なんか見るカラにヤバそーな奴ダヨ…)
昆虫の触角のようにも見える刺々しい冠を被っていて、尖った耳と鼻、笑った口からずらりと並ぶ鋭い歯が見える
首元には冠とセットになっているような怪しげな色合いのネックレス、それ自体が目にも思えてくるサングラス
体は幽体なのか漆黒のマントに隠されていてよく分からない、下の方が煙状に見える
どう見ても魔王や悪魔の類にしか見えない

(さっきまで いなかったハズダケド、いったい いつカラ…)
(そんなアヤシイそぶりは してなかったハズだけど、チョット 油断し過ぎタかも)
「ヤァ!キミも さっきの カービィの知り合いカイ?
悪いケド、カービィは 今 ボクのタメに ボウケンに行ってるし、
ボクも イロイロやるコトが あるから キミの相手は してあげられないヨォ
マタ今度 コノ船に 来テくれないカナァ?」

表面上笑顔だが、内心は不信感でいっぱいになっている青の旅人
そんな旅人の胸中など他所に、唐突にその悪魔は切り出した

 お前は今我の見せている夢の中にいるのだ

「…ユメの中?(イキナリ何言ってんのコイツ)」

 しかし珍しい事もあるものだな、 この夢の中で我と会話が出来る者がまた出てくるとは思わなかった

(何だこのグラサンアゴジジイ… 言ってるイミ全然分カンナイし)
(コレってアレかな 厨二病ってヤツ?)
(イイトシしてきもちワルいヨ…)
「ネェ、ボク ホントに忙しいカラ 今日は 帰ってくれないカナ?」

しかし青の旅人は次に相手から放たれた言葉に耳を疑った

 この夢で見た事は、目が覚めた後の現実でも全て実現する

 その手中に、お前が求めるマスタークラウンを収める事も確実に出来る

マスタークラウンという言葉に反応するマホロア、 同時に酷く警戒した

「…キミ、何者なのカナ?
どうして ボクが マスタークラウンを欲しがってるって 知ってるンダィ?」
その瞬間、辺りが真っ暗になった
(?!何も みえない…!どうなってるンダ?!)

 我が名はナイトメアウィザード

 この夢が終わるまでお前の前に現れ続ける

 お前の選択次第でこの夢の終わりは決まる


マントを翻す音とともに視界が開ける
まるで、舞台の緞帳が開くように

9:暦月 ココロはツウジあえない:2017/07/31(月) 11:48 ID:2Bk

眼前にはハルカンドラの景色、ローアが既に完成している
「何、コレ…さっきまでゼンブ無かったのに」
先程カービィの手を握れたのと同様に、ローアにも触れる
「スフィアも、殆どハマってる…」

 何を驚いている これは夢だ 

 夢が突然切り替わるなぞ不思議でも何でもあるまい

「…キミ、ボクに 何をさせたいノ?
何か ワルイこと企んでるんじゃないノ?」

 この夢で起きた事は現実でも全て実現する

 カービィもこのハルカンドラにいる

 カービィがランディアを倒せばマスタークラウンを手にすることが出来る

 もう既に戦いは始まっているようだぞ

 さぁ、お前の悲願を叶えてみせろ

夢魔の声に不信を抱きながらも
龍達がいる場所へ向かった
無限の力を秘めた王冠を手に入れる為に

戦いの地へ向かうと、もう既に後半戦になっている
そして…

カランコロン
(…ホントに外れたヨォ…アンビリーバボー…)
気分が高揚として自然と体が動いていた、カービィ達の前に見せつけるように現れる
「ブラボー、ブラボー。
さすがは星のカービィ。」
夢だからなのか、突然自分が何を喋っているのかよく聴こえず曖昧な部分が顕著になった
確かなのはカービィ達に自分が何か言っているという事…
マスタークラウンを奪うように掴み取った両手に力が入る
何故かふと、心の底で沈んでいたはずの苦々しい記憶が急に沸々と頭を巡る
「ついに手に入れタゾ・・・
『マスタークラウン』!」
過ぎた日々に蓋を閉める為に頭にそれを被ると、みるみる力が全身に漲っていく
無力の過去を否定して振り払うように手を広げると体も大きくなっていった
ローブの下で隠されていたような紫は、先程までとは打って変わって王冠の真下に堂々と彩られた
燃えるように揺れる青いマントの中心部は、剥き出しになった感情の瞳よりも暴力的な赤へ
今の自分なら何だってしてやれる、やっとマスタークラウンの力を手にしたのである
事の運びが上手くいった事に、マホロアは思わず笑みを零す
「クックク・・・
コレでボクはコノ星の・・・
イヤ!
全ウチュウの支配者とナルのダ!」
自分の口から発した言葉に内心驚いているマホロア
(ってアレ…全ウチュウの支配って、ボク何イッテ…? ユメだからこんなコト言ってるのカナ)
ポップスターへの異空間ロードを開き、そこでカービィ達に向けて口を動かしているのは確かだが…また聴き取れなくなっている

体が異空間ロードの中に移動すると
今度は煙を上げて宇宙の中を落ちていく
紫に侵食されたような宙船の姿が目に映った
(ローア…!!どうして、コンナコトに…)
よく見てみれば、船を破壊したと思われる者たちが同じ空間にいた
「!…よくも…!よくもローアを…!」
夢とは分かっていても悲しみと怒りが湧きあがった
一瞬近づこうとするが、体は言う事を聞かない
(ハヤクしないと…ローアが!)
自力でまた近づこうと抗うが、船から遠くに離れようとする体
自分の体なのにまるで操られている気分だった

そしてまた唐突に場面が切り替わる

ガキイン

カービィのスーパー能力ウルトラソードを咄嗟に魔法陣で受け止めるマホロア
だが力の差は歴然としていた
(ウッ…コレは、押し切られる…!!)
容赦なく斬撃が襲い、体は爆発を起こしている

(…イヤダ…死にタクナイ…)
(ボクは…このまま、死ンジャウノ カナ)
(ボクのユメは…ここで終ワルノ カナ)

 終わらせたくないか

(…折角マスタークラウンが手に入ったのに、やりたいコト、 出来てナイヨ…このまま終ワリタクナイヨ…)

 ならば、お前の頭上の王冠に力を願うがいい

(…ボクは…)

炎と化して消えていく体と
目の表面に浮かびつつすぐに蒸発していった悔し涙
(…ここで終わらせたくなんか、ないヨォ…!)
ナイトメアウィザードの不気味な笑い声が響き渡る



 ならば本当の悪夢を見せてやろう

10:暦月 Generalprobe:2017/07/31(月) 11:58 ID:2Bk

「おいバンダナ、大丈夫か…」
「だ、大王様も…」
「…何とか皆、生きているようだな」
「そうだね…」
ズシン
「「「!?」」」
ズシン
「…な、なんの音だぁ…?」
「…まさか…」

クラウンの宝石が妖しく光を放つ
「マホロア…!?」
自身が王冠の形に変わり果てた巨大なマホロアの姿が咆哮をあげる
四人は驚いて咄嗟に動けなかった、そして
バシーン
「うわ!ウルトラソードが!!」

「アハハハハハハ!力ガマダ溢レテクル!マダ僕ハ戦エル!凄イゾ !」
「お、おい…冗談だろ…!?」
「マホロア…もう止めようよ!」
「ドウシタンダイ君達!ボクヲ倒したいンダロウ!?僕ハマダマダ動ケルゾ」
マホロアは異空間に向けて強大なレーザーを放出した
「い、一体何をする気なんでしょう…」
「サア!逃ゲ惑ウガイイ!アハハハハ!!!!」
カービィの足元に異空間の穴が出現する
「カービィ!」
メタナイトがカービィを突き飛ばして庇う
「うおあああっ!!」
「メタナイト!」
レーザーの威力に、力尽きたメタナイト
「わあああああ!」
「バンダナくん!」
別の異空間の穴から出たレーザーにやられたバンダナワドルディ
「てめえ…よくも俺様の大事な部下をやってくれたなぁ!許さねえぞ! !」
レーザー攻撃に当たってダメージを受けつつも、 怒りに力を奮うデデデ
「俺様の最大パワーのハンマーを食らいやがれ! おらおらおらおらおらぁあ!!!」
「グウゥウゥ…!痛イナァアアアアアアアアア!!オ返シニ君ニハコイツをプレゼントしてヤルヨォオオオオ!!」
左右から炎の龍が召喚されてデデデ大王に直撃
「ぐあっ…!!!」
黒焦げになりデデデ大王も戦闘不能
「デデデ!」
「残リハ、君ダケダネェ!カービィ」
両手の指で見えない壁を作り出す
「もう止めてよマホロア…ぼくきみとはこれ以上戦いたくないよ! 」
「ダッタラ君は何モセズニソコニ突っ立ッタママデ」
両手をクロスし星型の結界を出現させて、 壁ごとカービィに向けて放つ

 ボクノタメに死ンデヨ

星型の結界に閉じ込められたカービィは、電流を浴びせられる
そしてカービィも動かなくなった

(…チガウ、こんなコトしたいんじゃナイ…!)

自分がしてしまった事とカービィに最後に言ってしまった言葉が自身の心を締め付ける
胸の痛みで呼吸困難に陥り、苦しさのあまり目を閉じる

(こんなオワリ、ボクは望んでナイヨ…!)

 終わらせたくないか

(!)
先程と同じ台詞に同じトーンの悪夢の魔術師の声

嫌な予感がした 魔法か何かで封でもされたのか、何故か目が開けられない
(チガウ!ソウじゃないヨ!止めてヨ!)

 ならば、お前の頭上の王冠に力を願うがいい

(もう止めてクレヨォ…!)

再びナイトメアの不気味な笑い声が響き渡る
視界が闇に閉じこめられたかのようで、 恐ろしさのあまりマホロアは懸命に目を開けようとした
悪夢がまた音を再生させて聴こえてくる

「おいバンダナ、大丈夫か…」
(逃ゲテ)
「だ、大王様も…」
(ハヤク逃ゲテ)
「…何とか皆、生きているようだな」
(ボクが皆を殺シテしまう前に)
「そうだね…」
(アァ、ダメだ…間に合わない)
「「「!?」」」
(イヤダ)
「…な、なんの音だぁ…?」
(イヤダヨォ…)
「…まさか…」
(ボクは…ナンデこんな王冠なんて望んでしまったんダロウ…!)


その時


勇ましい龍の雄叫びが場に響き渡る


意識は現実に連れ戻された
そこはハルカンドラ
外れない王冠、眠ったままの一体の赤き竜
その目の前で突っ立ったまま息を切らしている青の旅人


歯車は確実に嵌められていく
悲劇の観劇を望む者の手によって

青の旅人が
それが外す事の叶わないものと知るのは
実際に本番の舞台に立たされたと
思い知らされてからだった

11:暦月 Just before:2017/08/11(金) 18:24 ID:g5A

明るい照明が光る中
目を回して気を失った事を知らぬ魂

(…クソッ…なんなんダヨ
ランディアめ
ボクが ハルカンドラからはなれるトキを
ねらうタメに ワザとあんなマネを

………………………………………)

信じられない事に
瞳には再び夢魔が映っていた


 む?お前、我を見ているのか

「…ナ……ナンデ オマエ……!?
ユメはもう 終わったハズなのに」

 ほほぅ…これは面白い事態になっているな

「じょ、ジョーダンじゃないヨ!!
っていうか、ユメじゃないのになんでオマエいるんダヨ!??」

 言っておくが、現実のお前は今、気絶しているぞ
 
「き、きぜつ…ダッテ…」

 眠っているに等しい今のお前の状態…

 其れは我が力が及ぶ範囲内

 強い願望を持つ者は我の姿を捉えるが、それは今迄一度きりであった

 お前は余程マスタークラウンが欲しかったようだな

「オマエのせいで 全ク ほしくなくなったケドネェ…!」

 それでも一度は我に見せたシナリオ

 取り消せば、客は失望し全員即退席するであろう

見慣れた景色は気が付くと暗転のステージ上に切り替わっていた
パッとスポットライトが当てられると、眼前に上から下まで埋め尽くすほどの客席の椅子のようなものがうっすらと見えた
そこから喝采の意を発せられている事にも気づいた

 見よ!

 この観客席の広さを

 お前の舞台を、この満席の数が待ち望んでいるのだ

 聴こえるだろう、この数知れぬ拍手の音が


馬鹿げている
あんな非現実が実現されるわけがない
なのに…どうして頭ではこんなにも恐れている


「………コレは、ただのゆめダヨ
2ども 惑わされてたまるカヨ
だいたい、キミのみせるユメが 現実でおこってたまるカヨ…!
イヤ!キミの、キミじしんの夢を 叶えさせてたまるカヨ!!
そうダヨ!現にボクは、ローアに指示を出して
ほかのホシに行くことにしていたンダ!
ハハハッ、ざんねんダッタネ!
キミのかなえたい夢は ボクには叶えられないンダヨ!!」

気が付くと必死になって否定している自分が馬鹿らしいと思いつつも
本当に実現してしまいそうな力を持っていそうなこの魔術師相手に
心を壊されまいと自然と言葉を並べていった
少し意識が夢から遠のいていく感覚を感じる

 ………面白い事を言う

 ではその言葉通りに事が運んでいるかどうか

 確かめてみるがいい



拍手の音が消えていくと同時に、意識が現実に戻っていった
(…ココは…)
(…ローアの中で、いつの間にか 寝ちゃってタのか…)
(イヤ、きぜつさせられて…?もしかしてあのトキに 目を回して…)
(…ローアはぶじカナ いちおう、完全停止は免レタようダケド)
(それにしても、このニオイ…ドコカで嗅いだコトあるような…)
鼻をくすぐるは、生クリームと酸味のある果実の香り
ある一つの洋菓子の画が頭に浮かぶ
(でもコレ、たべたコトないハズなんダケド…)
嗅覚が頭に信号を与えて再現されるその味は
記憶を奪われているままに
鮮明に蘇った

混乱と不安が渦巻く中、目をそっと開けてみると…


望まぬクライマックスへ向かう約束されたシナリオが
既に序章を迎えていたのだった


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