G-force 銀甲の兵団

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1:匿名 別スレの過去作の焼き直し。:2017/11/23(木) 14:10 ID:dTo

▼1954-1984-1995ゴジラシリーズ二次創作作品▲
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□G-force 銀甲の兵団□
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【プロローグ:1954-2017】
1954年11月3日、人類は史上未曾有の危機と恐怖を体感することとなった。ハワイ諸島ビキニ環礁で米軍によって行われた熱核兵器実験"ブラボー"がもたらした高濃度放射能汚染が、太古より奇跡的に行き長らえた恐竜を恐るべき怪物へ変異させたのである。暫く後に日本の大戸島に出現したこの怪獣は、現地の海神の伝説になぞらえ"ゴジラと名付けられた。ゴジラは程なくして東京に上陸し、高圧電流や当時最新鋭の軍事兵器をすら退け、東京を火の海へ沈めていった。
惨劇の後、人類に残された希望はただ一つ。若き科学者"芹沢大介"博士の発明した水中酸素破壊剤"オキシジェン・デストロイヤー"であった。
当初、芹沢博士はその使用を頑なに拒んだ。平和的な酸素研究の過程で偶発的に産み出されたそれは、砲丸大の大きさですら東京湾を死の海へ変えることが出来る、核兵器にも勝る大量破壊兵器としての能力を十分に備えたものだったからである。
それでも尚、かつての大戦以来再び焼け野原と化した東京の惨状と、平和への祈りの歌を目にした芹沢博士は「ただ一度きり」との条件を付けて利用を承諾した。製法を主とした、オキシジェン・デストロイヤーに関わる一切の資料を処分さえして。
そして東京湾で行われたゴジラ抹殺作戦は、如何なく効果を発揮したオキシジェン・デストロイヤーの効能によって成功、ゴジラは骨の一片をすら抹消され、死んだ。
歓喜に沸く人々、しかし芹沢博士の姿はそこにはなかった。芹沢博士は最後の資料……オキシジェン・デストロイヤーの製法を知る自分自身を、自害によって葬った。親友とかつての想い人の幸福を祈り、そして人の業が生んだ哀しき怪物を憐れみながら……。
【続】

2:匿名 ここから新作:2017/11/23(木) 16:25 ID:dTo

かの惨劇より30年を経た1984年、人類は再び恐怖に打ち震えることとなる。伊豆諸島南端に位置する大黒島より、新たなゴジラが姿を現したのだ。身長80m、体重5万tの更なる巨体を持つゴジラは、自衛隊の反撃にも怯まず東京を再び炎へと沈める。しかし体内に渡り鳥と同様の"磁性体"の存在を見抜かれたゴジラは、誘導波によって三原山の火口へ誘き出され溶岩の只中へ封印。人類とゴジラの戦いは一先ずの終息を見る……はずであった。
しかし1989年、核エネルギーを無力化する"抗核エネルギーバクテリア(ANEB)"を巡る三か国の争いに巻き込まれる形で、ゴジラは三原山から復活を遂げる。自らを止めるためANEBを撃ち込もうとする自衛隊、自らの細胞から作り出された植物怪獣"ビオランテ"との死闘を経て、ゴジラはANEBによって力を鈍らせ長き眠りにつく。
だが、二年後、ゴジラと人類との関係は思いがけない展開を迎える。23世紀の未来より、"ゴジラによる日本の破滅"を謳う"未来人"が現れたのだ。未来人はタイムパラドックスによるゴジラの消滅を図り、日本は救われるかに思われた。だが、未来人の正体は"地球均等化会議"を名乗る過激派集団であり、その真の狙いは20世紀の日本そのものであった。ゴジラに代わり自らの傀儡たる超ドラゴン怪獣"キングギドラ"を生み出し日本を滅ぼそうとするも、巨大コンツェルン"帝洋グループ"の思惑によって復活したゴジラにこれを阻まれる。ゴジラもまた日本を襲撃したが、20世紀に協力的な未来人"エミー・カノー"操るサイボーグ怪獣"メカキングギドラ"の尽力により、苦戦の末ゴジラは退けられた。
【続】

3:匿名:2017/11/23(木) 19:30 ID:kZo

1992年、隕石の落下と人類の自然破壊の影響によりゴジラが復活。そればかりか地球そのものの意思たる"地球生命"の使者、戦闘破壊獣"バトラ"もが太古より蘇ってしまった。その混乱を納めんとして、古代人類"コスモス"の生き残りとその守護神"モスラ"が現れる。珍生物以上の価値を見出ださない人類の欲望に翻弄されながらも、戦いの中でモスラとバトラは"地球の危機"を救うために和解。共闘の末ゴジラをベーリング海へと封じ込める。バトラの、身を呈した犠牲の上に。
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同年、人類は止まるところを知らないゴジラの被害に対応すべく"国連G対策センター"を筑波に設置。同時に対ゴジラ軍事組織"G-force"が編成され、各国の枠組みを越えた"ゴジラ撃滅"に本腰を入れ始めた。
1993年までの間に、対ゴジラ戦闘マシンの開発が行われた。まず、航空機型"1号ロボット"こと"UX-01-92ガルーダ"が試作されるも、優れた飛翔能力に比べ攻撃能力に大きな課題を残す結果となり、より強力な"2号ロボット"の開発が直ぐ様進められた。"2号ロボット"の建造に辺り、1991年に未来人よりもたらされたメカキングギドラの技術が大いに参考にされ、史上最強の対ゴジラ戦闘マシーン"UX-02-93メカゴジラ"として完成を見る。メカゴジラは初戦においてこそ惜敗するも、欠陥の改善とゴジラの生体研究、そして弱点たる低い機動力を補うべく、ガルーダとの合体形態"スーパーメカゴジラ"を得て、ゴジラの弱点部を破壊しゴジラを下したかに見えた。だがここで、対ゴジラ戦闘に乱入してきた翼竜怪獣"ラドン"がゴジラと融合、これを蘇生させるという緊急事態が発生。復活ばかりかより強化されたゴジラの前にスーパーメカゴジラは大破、ゴジラの撃破に失敗する。
【続】

4:匿名:2017/11/23(木) 19:43 ID:kZo

1994年、突如として宇宙よりゴジラ細胞生物"スペースゴジラ"が来襲する。メカゴジラの後継機として開発された対ゴジラ兵器"MOGERA"を退け、ゴジラがただ一頭の同族"リトルゴジラ"と共に住まうバース島を襲撃。ゴジラをも退けたスペースゴジラは、自ら生成した巨大な結晶体にリトルゴジラを幽閉しその場を立ち去る。程なくしてスペースゴジラは福岡を襲撃し、大量の結晶体を林立させ自らの拠点として支配下に置いた。時をほぼ同じくして、復讐とリトルゴジラの救出に燃えるゴジラ、そして対スペースゴジラ戦闘用に改修された"MOGERAU-SRF"が、本来の関係を越えて共闘。福岡タワーから宇宙エネルギーを無尽蔵に供給し続けるスペースゴジラは尚も両者を圧倒するも、ゴジラとMOGERAの連携によって福岡タワー、そしてエネルギー摂取器官を破壊されてしまう。MOGERAを何とか大破させるも、最後の悪あがきを見せたMOGERAの体当たりによって昏倒。自らのエネルギーを逆吸収したゴジラの必殺の熱線に仕留められ、地球は救われた。
【続】

5:匿名 作中年代は現実より1年先だった気がするけど、ややこしいので統一しました:2017/11/23(木) 23:21 ID:kZo

そして、運命の1995年……。ゴジラに、そして人類に未曾有の危機が訪れる。棲息地としてゴジラが腰を落ち着けていたバース島が、島内の核物質の異常活性化により崩壊。その巻き添えを食ったゴジラもまた体内の核エネルギーが暴走し、地球そのものを焼き尽くす大爆発を起こしてしまう可能性が浮上していたのだ。直ぐ様自衛隊の特殊兵器"スーパーXV"による冷却作戦が敢行されるも、今度は地球の内核にまで至る溶融を伴うメルトダウンの危機が浮上。根本的な解決には至らなかった。加えて同じ頃、東京湾にて……1954年に最初のゴジラが葬られた海底にて、異形の獣が産声を上げていた。完全生命体"デストロイア"。オキシジェン・デストロイヤーの産んだ無酸素環境、それは太古の微小生物を休眠より覚醒させていた。それより40年を経て、海底トンネル工事によって外気に触れたことで異常進化した生物である。あらゆる物質を分解してしまうオキシジェン・デストロイヤー・レイを放つデストロイアは、驚異であると同時にゴジラを安全に絶命しうる存在であり、人類は両者の同士討ちを図った。ゴジラをデストロイアへ誘導すべく、やはりバース島の核暴走の影響で巨大化したリトルゴジラ……"ゴジラジュニア"が利用され、その過程でジュニアはデストロイアに討たれ命を落としてしまう。この地上でただ一頭の同族を失ったゴジラは、悲しみとも怒りとも取れる咆哮をあげつつ、その体の暴走を加速させていく。40年来の因縁と共に対峙するゴジラとデストロイア。血みどろの死闘の末、デストロイアは敗走に至る。
「逃がすな!撃ち落とせ!」
オキシジェン・デストロイヤーをもってしても、怒れる"王"を止めることなど出来なかったのだ。同士討ちはもはや望めず、デストロイアもまた驚異である以上、人類はデストロイアの逃亡を許しはしなかった。冷凍兵器の一斉射撃にデストロイアは力尽き、地に堕ちて果てた。それは40年前、自ら生み出したに等しい"核の落とし子"を討つべく、"核以上の脅威"に縋った人類の業を清算する様でもあった。
【続】

6:匿名 ようやく本編へ!:2017/11/25(土) 21:46 ID:kZo

そして死闘を征したゴジラもまた、体内原子炉の暴走によりメルトダウンを迎えてしまう。大地をも穿つ溶融を防がんとして、ありったけの冷凍兵器群がゴジラへと放たれる。自衛隊の健闘は最悪の事態をこそ防ぐも、全てを終息させるには至らなかった。白煙の中崩れ行く骨身もろとも、その身に宿した核の毒を解き放ちながら、ゴジラは天へと還っていく。荘厳ですらある光景は、同時に東京が死の世界へと変貌する様であり、またそれは償いであった。科学を、核を弄んだ人類の。後に残ったものは、白煙と燐光、そして死の灰に包まれた廃墟。それはゴジラを生んだ破滅の光、その死と破壊が巡りに巡って人類へ返ってきたものなのだ。人々はただ無力に、その光景を受け入れ見届けるより他にない……そう考えた。


急激に低下する放射線数値と、王亡き大地に蠢く巨大な影を目撃するまでは。


灰と霧に消えたゴジラの肉体と核物質、それら全てを食らいつくし、蘇る者。新たな王となったそれは、誰もが知る雄々しき咆哮を轟かせた。

【プロローグ:完】
【NEXT Episode:"組織"】

7:Xif 今回よりHNを改めました:2017/11/26(日) 01:17 ID:Ipw

【Episode1:組織】

1995年から2017に至る22年、人類は怪獣の脅威から一先ず逃れられている状態であった。かつて日本を襲い、世界を震撼させた怪獣たち。その誕生に人類が大きな原因として関わっていることに国連は着目し、"生態系・環境への悪影響の低減"をスローガンに様々な決議が下された。具体的にはゴジラを産んだ核実験は勿論のこと、ビオランテを産んだ遺伝子研究、バトラを呼び起こしてしまった環境破壊といった"怪獣災害のリスク"の付きまとう活動に大きな制限が課せられる事となったのだ。これが功を奏してか、22年に渡って人類は再び――国際紛争など、人類同士による問題はさておき――平穏な地球を取り戻す事となった。そして、最大の懸念事項たるゴジラ……すなわち、生体となったゴジラジュニアの存在も、一応の安全が保たれている状態であった。
*
ベーリング海、アドノア島。かつて核廃棄物処分場であった荒涼たるこの島に、一隻の貨物船が停泊している。車輌輸送に適したRO-RO船と呼ばれるタイプのそれは、百台を越えるトラックを船内から吐き出し続けている。その全てに大きく放射線ハザードを標示されたトラックは、蟻のように真っ直ぐの隊列を組んで島内奥部へと真っ直ぐに進んでいった。
【続】

8:Xif:2017/11/26(日) 10:56 ID:Ipw

車列は暫くの間、山に挟まれた細い道をなぞっていたが、10分と立たない内に広大な平地に至った。
「こちら1号車、間もなくポイントに到達する。全車展開準備。」
先頭を走る車輌からの号令に合わせ、トラックは概ね10台ごとの隊列へと移行。一糸乱れぬ全体運動は、車列を長方形の隊型へと変じた。
「100(ヒトレイレイ)から120(ヒトニレイ)より停車を開始、順次後列から停車、車間前後10m、左右そのまま!停車した車輌より作業開始!」
取り残されるかのように、最後列からトラックが停止していき、やがて最前列の車列が停止すれば防護服姿の作業員が次々と降車する。そしてトラックのガルウイング荷台が開放されれば、内部にはやはり放射線ハザードを標示された密閉容器がずらりと並んでいる。また、長方形の車列両端のトラックは、それらと異なり密閉容器を降荷させるためのフォークリフトを搭載、これらも直ぐ様トラックより降車し作業にかかる。
「作業、順調です。島内の線量も異常なし、密閉容器も正常に機能しています。」
「今日も予定通りだな。やっこさんを刺激しない内に済ませよう。」
それらを見守る二人の姿があった。。他が白い防護服を着用するなか、役職が一目で確認できるようにそれぞれ赤と黄色の防護服を着用している。
【続】


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