プリパラ短編集

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1:リリア◆Zw:2018/01/02(火) 01:12 ID:6d2

私がプリパラの短編集を書くところです。恋愛は百合・薔薇がほとんどです。
アドバイス・感想待ってます。更新速度遅めです。雑談はやめてください

2:リリア◆Zw:2018/01/02(火) 01:34 ID:6d2


 むかーしむかし、ある所に、お姫様と王子様がいました。

ファルルの小さな声が部屋に響く。誰もいなくなって静かになってしまったプリパリでは、小さな物音でさえ大きく街中に響き渡る。その音を利用して、ファルルにピアノを弾いてもらって踊ったり、缶やフライパンを叩いて音楽隊ごっこをしたり、路上ライブをしてみたり、ひとしきり遊んで飽きたら眠りにつく。ファルルはいつもニコニコと変わらずに笑顔で付き合ってくれる。
お伽噺を読んでくれるファルルの声を聞きながら目を閉じ、文字から想像される映像を頭の中で流す。星空の下、お姫様と王子様が舞っている。キラキラと輝く星と月が二人を照らしている。そこに天使と悪魔が現れて、王子様がお姫様と結婚し、永遠に縛られ、自由を奪われる未来を選ぶか、王子様が自由なまま友達として会い続ける未来を選択するかをお姫様に選ばせる。
…そういえばあろまとみかんはパパラ宿で元気にしているだろうか。昔から変わらず仲のいい2人は、遠く離れた土地に居る。悪魔と言えどもとても優しいあろまに、天使の名がふさわしいみかん。2人は自分の自慢の友達だ。…とても大好きなのだが、たまに二人はあろまげどんのまま続けたかったのではないか、自分が足を引っ張っているのではないか不安になってしまう。…その不安もライブ中には消え失せるのだが…
ファルルが続きを読む。お姫様は王子様が縛られる未来を選ぶのだ。理由は自分が寂しいから。それに怒った天使は姫を叱り、反省した姫は王子様と結婚しない未来を選んだ。王子様はショックを受けたが、草原で動物と戯れる天使を見て恋に落ち、天使と王子は結ばれた。心優しい天使が幸せになったのでみんな幸せになって、姫もそれを見てにこりと微笑み終わり。

…この物語がどういう意味なのか、わかった。わかって、しまった。冷や汗が頬をつたい落ちる。目をうっすらと開け、ファルルに声をかける。

「……ねえ、ファルル」

言いたいことは一つだけ。

「……後悔、してないガァル?」

返事は決まっているのに。

「………えぇ、もちろんよ、ガァルル。後悔なんて…する訳ないじゃない。」

そういったファルルの顔は、暗闇を月明かりを頼りに見ることしか出来なくともわかるほど、綺麗で、澄んでいて、愛らしく、恐ろしい程に優しい笑みを浮かべていた。

3:萌恵:2018/01/02(火) 01:36 ID:/mc

おもしろいね!ちなみに私みな・もえだよ。
リリアちゃん頑張れ

4:リリア◆Zw:2018/01/02(火) 02:06 ID:6d2

>>2
ありがと〜!頑張るね!

5:せな◆9c:2018/01/02(火) 21:47 ID:Ad6

わたしもちりちゃんの小説いいですか?

6:リリア◆Zw:2018/01/02(火) 22:24 ID:T0o

>>5
大丈夫ですよ〜!

7:リリア◆Zw:2018/01/02(火) 22:26 ID:T0o


「らぁら、らぁら」

「なに?ゆい」

「ユメプリカ炊けたよ!食べる?」

「うん、食べる!」

「ずっとお外みて何してたの?体冷えちゃうよ。」

「ううん、何でもない!」
(マイドリ結成嬉しいんだけど、なんでこんなに胸が痛くなるのかな。なんて。)

8:リリア◆Zw:2018/01/09(火) 07:14 ID:T0o


【ひとりの女の子の朝】

 朝目が覚めて、一番最初に思うことは自身のチームメイトである彼女のこと。
金髪のくせっ毛の髪はふわふわとしていて、紫色の瞳はぶどうの飴玉ようにキラキラしている。純粋にまっすぐ前だけを見ているそのポジティブさは私も見習いたいくらいだ。ただ少し真っ直ぐすぎてそれが短所にもなってしまっているが。性格も悪いとは一概に言えないが、すぐに妄想のしすぎで別の世界へと飛んでしまうのは勘弁して欲しいものである。夢を忘れていた自分にとって彼女の夢を追いかける姿は尊敬できたが、同じチームになるとそれも少し鬱陶しくもなる。黙っていれば可愛いのに、ともたまには思うが、大人しく、じっとしている彼女なんて想像もできないし、もし出来たとしてもそれはもう彼女では無いだろう。そんな自分の思考が少しおかしくて思わず吹き出してしまう。
すぐに我に返ってとっさに口を抑える。人を起こしてはいないだろうかと辺りを見渡し、変わらず寝息をつく同級生を見てほっと息をついた。今日は少し早く起きすぎてしまった。まだ朝日が登っている途中だろう。ぼんやりとカーテンから淡い光が漏れている。いつもティッシュなどのゴミで散らかっている彼女たちの部屋とは違い、自分の部屋はや野球のボールや脱ぎっぱなしのユニホームが散乱している。大掃除で一旦綺麗になったとはいえ毎日の練習ですぐに散らかるのは女子としてどうかと思うが、まあいいだろう。
 今日はどうしようか。いつも通り学校で朝食をとり、勉強をして、運動をして……そして放課後にはプリパラへ行こう。また、彼女達と一緒に歌おう。本当は体を動かすために始めるつもりだったが、最近ではすっかり彼女達とライブをすることにこだわってしまっている。これも彼女のなせる技か、とすっかり感心してしまっていた。

9:リリア◆Zw:2018/01/20(土) 13:05 ID:pA2


【夢も希望もないお話】

 今思えば、あの時はひたすらがむしゃらに走っていて、目の前のことを片付けるのに忙しかったんだと思う。だから、こうなることが予測できなかったんだ。

最近私はおかしい。ゆい達のチームがグランプリで優勝したのを見ても、何故か心に穴が空いたように何も感じなくなっている。口は勝手に動いて「おめでとう」だとか「感動した」だとか言って、ファララとガァララのために頑張ってる野を見ても馬鹿みたいだとしか思わなくなった。もちろんライブをする時は楽しくてたまらないし、友達のみんなの応援を聞くのは好きだ。でも、日頃から考えることが前とは違っている。
前のように楽しい、とか好き、とか叶えたい、とか。そんなことを考えられないようになっている。
ライブ中だけ楽しいのなら、歓声の中にずっと包まれていたいなら、ずっと踊り続ける人形になってしまいたい、と少し思うが、それは私が散々否定したひびきさんの考えと同じだ。頭を振り否定する。
必死に楽しいことを考えようと頭をひねる。そういえば、今ジャニスは何をしているのかな。女神としての仕事を頑張っているのかな。…ジュリィは、元気なのだろうか。
あの日、やりたいことがあると消えてしまったジュリィ。最後の笑顔を思い出し、少し悲しくなる。命をかけてでも、何をしてでも助けたかった。だから神アイドルになった。…だけどジュリィも私の元から離れてしまった。パラ宿で活動してた時の夢は「神アイドルになること」。ただそれだけだった。みれぃやそふぃとチームを組んで、ファルルを助けて、セレパラからプリパラに戻して、最後には神アイドルになりたいという思いが強くなっていった。…そんな夢も、かなって……しまって…………
神アイドルになった私達SoLaMi♡SMILE。他に目標は出来て、それがいつしか夢に変わるんだと思う。それが私の場合は「パパラ宿の復活」と「ファララとガァララの問題の解決」。でもパパラ宿はもうすっかり回復して、ファララとガァララだってメガネを探せば大丈夫。あの時ほどの情熱が湧いてこない。
…みれぃはどうしているんだろう。そふぃは頑張っているだろうか。Dressing Paféやほかのチームの皆は、神アイドルになるために今日も努力しているんだろう。……心に黒い感情が湧いてでる。
ほかのみんなが羨ましくなる。キラキラと輝いていて、ひたむきに走り続けるみんなが。私の夢はもう叶ってしまって、夢を追いかける皆を上から見ているだけの人間になってしまった。他のみんなも神アイドルになったらこうなるのかな、なら、ずっとこの座を譲りたくないな。

 もしもこうなることを誰かが私に教えてくれたとしても、きっと未来は変えられなかっただろうけど。


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