「笠松先輩!みんな!!」
「ナミっち!!…ってそこは涼太くんって言う所じゃないスか?」
急いで海常高校の控え室に入る。駄犬が何か言ってるがそんなもの無視だ
今日はインターハイ当日。駄犬に見にくるようにと言われてたし、合宿の場所から近いということで見に行くことにした。
(今日はキセキの世代のスタメン同士の戦い…涼太くん対大ちゃん…!!)
涼太くんが大ちゃんに憧れてバスケ部に入ったことは何度も聞かされててから知っている。よく二人で1対1(ワンオンワン)をしていたことも…
そして、涼太くんが一度も大ちゃんに勝ったことがないことも
「や(り)ますよオ(レ)っ!!練習の成果を今こそっっ!!がんば(り)ますか(ら)っ!!マジでオ(レ)っ!!」
「は!?なんて!?」
やはりと言うべきか、このラ行が言えてなくて早口の先輩、早川充洋は、いつも通り暑苦しい
「だか(ら)っがんば(り)ますオ(レ)っ!!」
「あつっくるしーし、早口だし、ラ行言えてねーし、何言ってっか分かんねーよバカ!!」
バコッと笠松先輩が充洋を殴る。
「すんません!でもオ(レ)っ…」
「オイ森山!なんとかしてくれ、このバカ!」
笠松先輩がそう言うと、ストレッチをしていた由孝がこっちを見た。
「おお、ナミ!オレは今日、オマエのために戦うぞ…!!」
「無視かオマエ!そんで海常(ウチ)のために戦え!」
ヒラヒラといい笑顔でこちらに手を振る由孝に、苦笑しながらあたしも手を振る。
「センパイッ!!」
「あぁ!?」
すると、さっき控え室から出て行った涼太くんが笠松先輩に声をかけた。
「ファンの子からさっき差し入れもらったんスけど、食って大丈夫ですかね!?万が一何か入ってたら…」
少し困った様子を見せる涼太くんに、なぜか無性に腹が立ってので、そばにあったスクイズを涼太くんの顔面にめがけて投げる。もちろん命中した。
「食ってできれば死◯ね!!」
笠松先輩も目を釣り上げて涼太くんを蹴る。
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「どいつもこいつも…つーか集中させろ!!」
笠松先輩がキレていると、ガチャっとドアが開いた。
「オイ、お前ら準備はできてるか。もうすぐ入場だぞ」
「監督!あたし、ベンチで見た…い!?」
「気合い入れていくぞ。
それと朱崎、ベンチで見るのはいいが周りに迷惑はかけるなよ」
((なんで桐皇のイケメン監督に張り合ってんだオッサン!))
あぁ、あたし今、笠松先輩と同じツッコミを入れた気がする…
だって小汚いただのオッサンが、ピッチピチのスーツ着て髪の毛も整えて、ひげも剃ってるのよ!?
「ゲームプランはさっきのミーティングで話した通りだ。あとは集中力高めとけよ」
笠松先輩はツッコミに疲れていたが、あたしたちは面白くて笑うのを必死に堪える。
ーーーー
「黄瀬、あと五分になったら呼べ」
「あ、はいっス」
そう言うと笠松先輩は、そのまま控え室を出た
「やっぱセンパイでもキンチョーするんスねぇ…」
「そうね…」
「まあ
それだけじゃないがな…あいつは」
「「え?」」