からかい上手の高木さん二次創作

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1:Rika◆ck:2018/08/12(日) 20:22 ID:9x2

基本1レス完結の短編になります
恋愛要素はそんなに濃くありません

17:Rika◆ck:2018/09/21(金) 20:43 ID:2KI

>>16
ええと、申し訳ありませんがこのスレで物語を書くのは私だけってことで……
文章自体はいいものなので、個人のスレを立てて書くことをオススメします

18:なな:2018/09/22(土) 12:48 ID:OQo

あっ。そうなんですか!
すみませんでした!
お邪魔しました〜!

19:Rika◆ck:2018/11/15(木) 07:16 ID:Bf6




 コツコツコツ……。上履きの音が、廊下に響く。
 ゆっくり歩いて、辿り着いたのは1年2組の教室前。小さく三回深呼吸をして、私はそーっと扉を開いた。

「―――浜口君、いる?」





「珍しい、な。北条さんがオレを呼びに来るなんて」

「そうね」

 通学路。二人で肩を並べて、何度目か分からない、ぎこちない会話をする。
 普段は彼からの誘いが殆どだったけれど、今日はそれが無くて。黙って一人で帰ればいいものを、何だか少しモヤモヤしてしまったから。
 ……実際は、日直の仕事で居残ってただけだったみたいだけどね。

「……今日は?」

「コーヒー」

 いつも通り、自動販売機の前で立ち止まる。短い会話の後に、浜口君は二本コーヒーを買い、片方を私に差し出してきた。

「ありがと」

 それを受け取って、私は缶のフタを開ける。そして、ちびちび飲み出すと、隣の彼の顔がやけに歪んでいることに気がつく。

「……飲めないなら飲めないって言えばいいのに」

「ブフォッ!」

 私の発言は図星を突いていたらしく、浜口君はものすごい顔をしながらコーヒーを吹いた。
 ……彼はいつだってそう。初めて一緒に帰った時も、恥ずかしさからなのか何なのか、「一緒に帰ろう」の一言を誤魔化そうとしていた。

「別に、無理に大人ぶらなくてもいいよ」

 私みたいにね。流石にその言葉は飲み込めた。
 一度誤魔化すと、がっかりされるのを恐れてもう戻れなくなって。常に自分を隠し続けるから、疲れてしまう。それを、浜口君には経験して欲しくない。……ちょっと手遅れかもしれないけれど。

「素のあなたも、いいと思う」

 そんなちょっとしたお節介が原因なのか、私は言うつもりのなかったことを、いつの間にか口走ってしまっていた。
 自分でも恥ずかしいことを言った自覚がある。相手に気まずい思いをさせていないか、それが心配になって、私はちらりと横目で浜口君の顔色を伺う。

「……」

 その時の彼は、本当になんとも言えない顔をしていて。驚いてるのか、怒ってるのか、何なのか、全く検討がつかなかった。
 ……表情を読み取ろうとするあまり、見すぎていたらしい。彼は私から恥ずかしそうな顔をして目を逸らし、「……ありがとう」と小声で言った。きっと、これはさっきの私の恥ずかしい発言に対する返事だろう。

「……」

 そんな風にをされると、こっちまで恥ずかしくなってきてしまう。とりあえず、私は近くに公園を見つけたので、「一旦、あそこで休む?」と声をかけて強引に話を終わらせたのだった。





「……そういえばさ」

「……何?」

 ベンチに座り、お互い、少しの時間放心していた所で、突然浜口君がそう切り出してきた。

「どうして、オレなんかを呼びに来てくれたんだ? その……先に帰ってくれて良かったのに」

 遂に聞かれてしまった。言い訳を考えるのよりも先に、そんな事を思う。
 ……正直、私にも動機はよく分かっていない。ただ、いつもと違っていたからモヤモヤしただけ、なはず。だからきっと、

「当たり前に、なってたのかもね」

「当たり前に? ……あ」

 浜口君は私の言葉に不思議そうに首を傾げていたが、やがてピンと来たみたいで、顔を少し赤くして俯いた。
 そう、当たり前になっていたのは、「二人で一緒に帰ること」。お互いの都合もあるから流石に毎日まではなかったけど、結構な回数私達はこうして並んでいた。

「やめる?」

「それは……」

 本当はやめたいなんて微塵も思っていないが、試しに尋ねてみると、浜口君は焦ったような表情をした。……ホント、分かりやすい。

「冗談。さ、そろそろ行くわよ」

「あ、ああ……」

 早めにネタばらしをしてあげると、彼が心の底からホッとした表情をするものだから、吹き出してしまいそうになる。
 こうして、私達はまた肩を並べて通学路を歩き出した。あと何度、これを繰り返すのかは分からない。けど――やっぱり、こういうのは悪くない。

20:ウーパールーパー:2018/11/15(木) 09:20 ID:v.6

うぉぉー!からかい上手の高木さんSSで、希少な浜北SSや!


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