大人気国民的アニメクレヨンしんちゃんの2次創作者です
長くする気はないです
そしてまた新しい朝が来た───。
しんのすけ「おはよーとうちゃんー」
目元を手でゴシゴシ擦りながらしんのすけから朝の挨拶が飛んでくる。
ヒロシ「ああ、おはようしんのすけ。」
いつもと変わらない日常。
そこに変わることはただ一つ
─────みさえがいないこと。
ヒロシ「しんのすけ飯食って早く準備するぞ」
しんのすけ「ほほーいだゾ!」
朝飯を軽く平らげてしんのすけは幼稚園へひまわりはお隣さんちへ
そして俺は会社へと向かった。
支援
20:匿名:2021/05/22(土) 15:28 ID:MFo
会社につき、いつも通り仕事をする。
だが、何をしようにも気付けばいつも頭はどこか上の空だった。
ヒロシ「どうすればいいんだ。」
みさえを救う方法がわからない。
あいつを死なせたくない。
焦りと絶望。
みさえが死んでしまう恐怖が俺の胸を握りつぶす。
ヒロシ「死なないでくれ。みさえ。」
気付けば俺はスーツのズボンを握りしめていた。
川口「のは.....のはらせんぱい!」
そんな俺を現実へと引き寄せてくれたのは川口だった。
ヒロシ「ん!?ああ、どうした川口?」
俺は今にも涙がこぼれそうになってる目を悟られないように川口に話した。
川口「どうしたじゃないっすよ!先輩泣いてるじゃないですか!」
ヒロシ「えっ??」
自分の目元を擦るように手をやると目元が濡れていた。
自分でも気づかずうちに涙が出ていたのだ。
川口「野原先輩、何かあったか話してください」
ヒロシ「いや、なにも...」
そう言おうとした瞬間に俺は園長先生の言葉を思い出した。
園長先生「人は1人では生きていけない。」
その言葉を思い出して俺はハッと我に返った。
1人で悩んでも何も始まらない
1人で抱え込んではいけないんだと言うことを思い出した。
ヒロシ「川口..実はな、..みさえが..余命3ヶ月なんだ。」
俺は勇気を振り絞り川口に現在の状況を伝えた。
川口「...そうだったんですか。 それは...泣いてしまいますよね。」
今まで誰にも心配をかけまいとして誰にも打ち明けず自分1人で考えてきた反動のせいかずっと胸の内に秘めた想いが自然と言葉となって吐き出てくる。
ヒロシ「俺は...みさえを死なせたくない。だけど、どうすればいいかもわからないんだ。」
ヒロシ「何でみさえが。何でみさえが死ななきゃならないんだよ。」
只ひたすらにあの日から溜めてきた弱音が収まることなく口から吐き出てくる。
そしてついに俺は言ってはいけない言葉を喋ってしまった。
ヒロシ「俺が...俺が代わりにしねたら...死んでやれたら...しんの..」
そう発した瞬間だった。
俺の頬がヒシヒシと熱くなり痛みを感じた。
川口「野原先輩!それだけは言っちゃいけねーっすよ」
頬に伝わる痛みはすぐに川口によるものだとわかった。
川口「しんのすけくんもひまわりちゃんもヒロシさんの死なんか求めちゃいねーっす!」
川口「みさえさんが大変な状況で弱きになる気持ちも野原先輩がそう考えたくなる気持ちも理解できます。」
川口「けど、子供にとって親は1番生きててほしい人たちなんすよ。」
ヒロシ「あぁ。すまん川口ちょっと弱音がでちまった。」
思わず我に返った俺は冷静さを取り戻した。
川口「野原さん辛い時こそ笑うんすよ。笑えば少しは辛さは和らぐはずっすから。」
ヒロシ「ありがとう川口。」
川口「それに。みさえさんは絶対死なねーっす!」
ヒロシ「え?」
川口「だってみさえさんが死んじゃったら俺が野原さんちで飯食えなくなるっすからね! だらから絶対大丈夫っす! そう信じましょう!」
そう言って川口はいつものようにニコっと笑った。
その笑顔に俺は少しだけ気持ちが楽になった。
ヒロシ「結局お前が飯たかりにきたいからなのかよ」
川口「そら勿論。食費が浮かんで」
川口と冗談混じりに言葉を交わす。
そうだよな川口。
みさえは死なない。
そう信じよう。
支援
遅くなってもいいので続きが見たい…
>>24
支援ありがとうございます!
亀進行ですが読んでいただければ幸いです。
一方ふたば幼稚園では、しんのすけが風間君たちにみさえの事を話していた。
しんのすけ「…とゆーわけなんだゾ」
一番この中で涙もろいマサオくんが最初に涙を流した。
鼻水交じりの声でしんのすけに声をかける。
マサオ「しんちゃん・・・、僕にできることっ、ちょっと、でもあったらぁっ!なんでもするがらね!」
しんのすけ「んーー、それはありがたいけどぉ、思いつかないゾ!あははは〜〜〜!」
しんのすけの飄々とした態度に、ネネちゃんは苛立っていた。
いつもは殴って憂さ晴らしをするためのうさぎを地面に落として、しんのすけを睨んでいた。
ネネ「ちょっとしんちゃん!おばさんがもう少しで死ぬってのに、よくそんなヘラヘラと…!」
途中で風間君が止めて、校舎裏へ促す。
風間「ごめん!ちょっとネネちゃんと裏で話してくるよ〜アハハ!」
風間「ネネちゃん、しんのすけは本当におばさんが死んでも平気だって思ってるの?」
ネネ「そうじゃないの?あんないつもみたいにふざけてヘラヘラして!」
風間「そんなわけないだろ!しんのすけは悲しんでいるんだ!でも泣いちゃったら、おばさんに心配かけるからってがまんしているんだよ、耐えているんだよ!」
ボーちゃんがぬっとあらわれて、ぼそっと言う。
ボーちゃん「ぼく、ママが死んじゃったら、悲しい…。しんちゃんも、きっと、同じ。」
風間「そうだよ、僕だってママがいなくなるのはぜったいやだ!ネネちゃんもじゃないの!?」
ネネ「私も…、ママが死んじゃうのいやだ……。」
ボーちゃん「ネネちゃん、しんちゃんに、謝りに、いこ。」
そういって、三人はしんのすけも元へ戻った。
戻ると、しんのすけは泣いていた。
分かっているのに、みさえが死ぬってことは分かっているのに、ネネちゃんに傷を深くえぐられた。
その痛みで、泣いていた。
しんのすけ「オラだって…、オラだってえ!オラだって母ちゃんが死ぬのやだゾ!」
マサオ「しんちゃん…!」
しんのすけ「確かにオラは悪い子だゾ!いっつも母ちゃん困らせて、尻だけ星人やってるし、ぞうさんもやってるし、ピーマンのこすし、シロの散歩もいかないし、ひまにイジワルばっかだし、オラはうちゅーいち悪い子だゾ!」
しんのすけ「でも悪い子でも、悪い子でも………、母ちゃんは必要なんだゾ!」
そのまま、しんのすけは地面に崩れ落ちた。
──その日の夜。
またも奴は突然現れた。
カルマ「やあ!野原さん!調子はどうかな?⭐」
いつものように軽く少しおちゃらけた口調で俺に話しかけてくる。
ヒロシ「なんとかやってるよ。」
ヒロシ「なあ、カルマ。 俺はみさえの為なら何でもする。頼むから...みさえを連れてかないでくれ。」
カルマ「酷い言いようだなあー。それじゃあまるで僕がみさえさんをあの世に連れて行こうとしてるみたいじゃないかー」
カルマは頬を膨らましながら不満そうな顔をしている。
ヒロシ「みさえの余命宣告がされたあの日以来
俺の頭の中は常にみさえのことを考えている。
どうすれば救うことが出来るのか
その為に何をすればいいのか
そんなことを何処にいても考えてしまう。
だが、俺の頭じゃ何をするのが正解なのかがわからない。」
ヒロシ「カルマ、お前は言ったよな?何か一つの出来事で未来は大きく変わるかもしれないって。
それが一体なんなのか俺には分からないんだ。
時間がないんだ。頼むよカルマ。
その出来事ってなんなんだよ。」
夢の中でさえ泣いてしまいそうな掠れた声で俺はカルマに問いかけた。
みさえが居なくなってしまう
その事が焦りとなり俺の思考を停止させる。
カルマ「野原さん。残念だけどそれは教える事ができないよ」
ヒロシ「な...なんで...」
カルマ「前も言ったけど僕の役割はあくまでも死期を知らせる死神であって生死を司れる神様ってわけじゃないからだよ」
ヒロシ「そう....か。」
そらそうだよな。
こいつは神ではない死神なんだ。
ヒロシ「くっそ....なんで...なんで神はみさえを選んだんだよっ!みさえが、俺たちが何をしたって言うんだ。」
あ
29:匿名さん:2021/11/13(土) 10:21 ID:.M6 あの夢には慣れてしまって、俺はゆっくりと寝床から起き上がる。
隣を見ると、しんのすけは幼稚園の制服ではなく、いつもの赤いシャツに黄色のズボンを着ていた。
しんのすけ「父ちゃん、オラ今日幼稚園休む!」
突然の宣言に俺は驚いてしんのすけを見下ろして叱る。
ひろし「休めるわけねーだろ、さっさと着替えろ。お前は幼稚園に行くんだ!」
しんのすけ「やだ!だって母ちゃんはあともう少しなんだゾ!病院で一人ぼっちで、きっと泣いてるゾ!オラお見舞い行く!おいさしゃんに治る方法聞くんだゾ!」
その瞬間、俺は時が止まったように体が凍り付いた。
たしかにしんのすけのいうとおりだ。
みさえを死なせたくないのであれば、何か行動を起こすべきだ。
カルラにも「みさえを長生きさせろ」なんてことを言いまくってたけど、俺自身は何もしていない。
俺にできることは俺にしか分からない。
なら必死こいて頭動かさなきゃいけねーんだ。
ひろし「分かった、今日は父ちゃんもしんのすけも悪い子だ!会社と幼稚園、休むぞ!」
しんのすけ「ファイヤー!」
俺達はいつもの気合を入れる掛け声を上げて、拳を天井に向かって突き上げる。
ひろし「……というわけなんです。なので今日はお休みしても…、……。」
まつざか「いえいえ、どうぞ今日はお休みください。奥様にすこしでも寄り添ってあげるべきです。」
ひろし「ありがとうございます、まつざか先生。」
なんていい先生なんだよ。目頭が熱くなってくる。
俺に寄り添って一緒に戦ってくれる人達のためにも、俺は何かをしなきゃならない。
それが、こんな残酷な運命に抗う唯一の方法なんだから。
まつざか「当然です、私はこれでも教員なのですから!」
電話の先で胸を強く叩いて咳き込む音が聴こえる。
俺と話し終えるとまつざか先生はしんのすけに代わるように言った。
受話器をしんのすけに渡して、電話台に座らせる。
まつざか「しんのすけくん!」
しんのすけ「ほいっ!」
まつざか「お母さんにあったら、別に優しくなる必要はないのよ。
いつものしんのすけくんでいなさい。」
しんのすけ「なんで?」
まつざか「それはね、お母さんはいつものしんのすけくんが好きだからよ。おバカで、はた迷惑で、騒がしくて、なによりうるさい。それでもしんのすけくんは絶対に悪いことをしないわ。
そんなしんのすけくんが、お母さんは大好きなの。
だから今日は、お母さんといっぱいお話ししなさい!」
しんのすけは黙って受話器を下ろした。
泣かせんじゃねえぞ。゚(゚´Д`゚)゚。
31:匿名さん:2022/01/15(土) 15:53 ID:hmU ひろし「よーし、次は会社っと。しんのすけ、電話。」
しんのすけ「ほいっ!」
しんのすけから受話器を受け取り、会社の番号にかける。
呼び鈴が数回鳴って、川口が出る。
川口「はい!ふたば商事です!」
ひろし「おう川口か?」
川口「その声!野原課長ッスか?どうしたんすか」
ひろし「今日の会議、休ませてもらうわ」
俺のその一言で、電話の先の川口は察したようで、優しい声で返事をくれた。
川口「あっ…、了解です!みさえさんの所行くんすよね」
ひろし「あぁ、時間はねえって医者も言ってるし、………な」
川口「…そうッスね、分かりました!週明け、二人で部長に叱られましょう!」
ひろし「だな!」
そして会話は終わり、受話器を置いた。
少し放置してる間に乗っ取られてて草
まぁいい感じに落としてくれるならよしとします
>>32もはよかかんかい亀ペースっていうよりカタツムリペースやん
34:匿名希望:2022/02/01(火) 15:51 ID:ZTE >>33
気づいたらもう2年経ってますからねw