*with you in a new world*~アラジン二次創作~

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1:樹音@新一 ◆6Y:2019/10/15(火) 19:21 ID:MJ.

D社のアラジンの二次創作です。
家族から呆れられるほどアラジンを観まくり、
アラジンをこよなく愛する樹音による
アラジン二次創作です。

※注意※
荒らし、成り済まし、特攻絶対禁止。
第一話はアラジン完結編のエンディングから
数日って感じ。オリキャラも出てくる場合が
あります。その際はプロフィールを書きます。

2:樹音@新一 ◆6Y:2019/10/15(火) 20:00 ID:MJ.

*第一話 新しい世界*

―二人の結婚式も終わり、浮わついたアグラバー王国は
少しずつ落ち着きを取り戻し、日常に戻りつつあった。
しかし、宮殿はまだどこか浮わついた空気を感じる。
二人―アラジンとジャスミンは、二人で落ち着きたくて
誰もいない噴水へ向かった。
二人共、気恥ずかしいのか沈黙を貫く。
その沈黙を先に破ったのはアラジンだった。

「―ねぇ、ジャスミン。僕達、結婚したんだよね?何だかまだ夢を見ているようだ」

ぼうっと満月を見つめながら、アラジンは
そう口にした。ジャスミンも同じく、満月を見つめ

「それは私だって同じよ。…貴方に出逢ってから全てが変わったわ」

と言った。

「私はずっと、宮殿から出ることを許されず、友達もいなかった。悩みを話せる相手もね。ラジャーは別だけど」

そう言ったジャスミンの表情は、どこか儚げだった。
月明かりに照らされているせいだろうか。

「僕だってそうさ。家族の温もりを知らずに生きてきた。でも、君と出逢って、たくさんの人に囲まれて、死んだと思ってた父さんにも逢えたんだ!結婚式も見てもらえた」

ジャスミンの目をまっすぐ見て、アラジンは言った。

「アル…私も。貴方に出逢えたから、友達もたくさん出来たの。みんな、貴方と出逢えたおかげよ」

ジャスミンも、アラジンの目をまっすぐ見て言う。
そう、互いに巡りあったことで変わったことが
たくさんあるのだ。

「宮殿で暮らして、豪華な絹の衣を纏い、召し使いに囲まれて、愛するプリンセスと幸せな日々を過ごすのが夢だったんだ。その夢が叶うなんて、思ってなかったよ。君と出逢ってから、幸せの連続だ」

ジャスミンと出逢う前、「ドブネズミ」と罵られ
ボロ屋で暮らしていた時、遠くに見える宮殿を見つめて
相棒の猿、アブーにこう言ったことがある。

"あそこで暮らしてこそ人生だよね、アブー? "と。
そんなアラジンの話を聞いて、ジャスミンは

「アル…愛しているわ」と言ったのだった。

「僕もだよ、ジャスミン…」

キスをしようと、顔を近付け、唇を重ねようとした
その時――

「―オッホン。お二人さん、お楽しみのところ悪いんだけど…王様が呼んでるよ」

陽気な声が響いた。ランプの魔神、ジーニーだ。
二人は顔を真っ赤にして俯いた。

「な、何だよ、ジーニー。いきなり声をかけて…」

そのアラジンの言葉を聞いたジーニーは
チッチッチ…と舌を鳴らす。

「さっきからずっと声をかけてたぜ?なぁ、モンキーちゃん?」

アブーもコクコクと頷く。

「………どこら辺から?」

「アル…愛しているわ辺りから」

ジャスミンの声を真似して、ジーニーが言う。
二人は再び顔を赤くする。

「で?王様の話って?」

「さぁ、とにかく行きましょう。お父様に話を聞きに」

誤魔化すように二人は言い、腕を組んで歩き出す。
ジーニーとアブーはやれやれというように二人の
後に続いた。

【第二話 新たな王国の仲間 へ続く】

3:樹音@新一 ◆6Y:2019/10/15(火) 20:13 ID:MJ.

第二話 新たな王国の仲間 で登場するキャラ

名前:アカネ・フィーリン
年齢:19歳
容姿:物凄い美人。つり目で瞳の色は赤。
巨乳で、長い黒髪が彼女の自慢。ちょっとセクシー。
髪:赤みがかった黒髪。
性格:頼りがいがあって、姉御はだタイプ。
しっかり者で仕事もきちんとこなす。
ジャスミンのよき話し相手となる。頼られるのが
好き。ちょっとセクシー。元・踊り子。
備考:アラジンのことが好き?

4:樹音@新一 ◆6Y:2019/10/15(火) 20:39 ID:MJ.

*第二話 新たな王国の仲間*

―三人と一匹は王の間に向かった。
人の良さそうな王様が、玉座に座って三人と一匹を
待っていた。

「お父様、話って何かしら?」

ジャスミンは緊張しつつも、父親に問いかける。

「それはのぅ、ジャスミン。明日…新しい者をこの宮殿に迎えることにしたのじゃ」

それを聞いた三人と一匹は、ピク、と反応する。

「新しい者、ですか?それってまさか…」

新しい国務大臣を迎えるのではと推理したアラジンが
呟くように言う。ジャファーが追放されてから
この王国には国務大臣が不在だったからだ。
きっと、ジャスミンも、ジーニーも同じことを
かんがえているだろう。

「ああ。ジャスミンの侍女じゃ」

―王様の答えは予想だにしないものであった。
ジャスミンは驚き、言った。

「お父様、私、大抵のことは一人でできるわ。侍女なんて必要ないわ」

ジャスミンは賢く、活発なプリンセスだ。
本人の言う通り、侍女など必要ないだろう。

「それは分かっておる。しかし、お前はもう独り身ではない。新婚には、悩みも多い。そこで、侍女がいれば悩みも打ち明けられ、アラジンと幸せな夫婦生活を過ごせるだろうと思ったのじゃ」

王様がそう言っても、まだ納得しない様子のジャスミン。
はぁと溜め息をついて、言葉を続ける。

「それに、頼りがいのある人じゃ。故郷もアグラバーらしい」

王様の熱心な訴えに、ジャスミンは白旗を挙げた。
父親にそこまで言われては仕方あるまい。

「そこまで言うなら仕方ないわね、お父様。明日を楽しみにしてるわ」

―明日、王国は新たな仲間を迎えるのだ。

5:樹音@新一 ◆6Y:2019/10/16(水) 20:48 ID:Bpw

(>>4の続き)

―翌日。ジャスミン王女の侍女を迎える為に
いそいそと宮殿を飾りつける。主に動いているのは
勿論魔神・ジーニーである。
着々と準備が進み、あとは侍女を迎えるのみ。
ジャスミン王女は緊張していた。

「大丈夫、ジャスミン。きっと、良い人さ。まずは信じてみないと」

ジャスミンの心配を悟ったアラジンが、彼女の肩を
ポン、と軽く叩き励ました。

「ありがとう、アル」

にこやかに笑みを返すジャスミン。
緊張は少し解けたようだ。

―すると。宮殿のドアが開き、ジャスミンの侍女と
なる美しい女性が入ってきた。
ツカツカと進み、王様・ジャスミン・アラジンに
深々とお辞儀をした。

「はじめまして、あたしはアカネ・フィーリンです。故郷はここ、アグラバー。元・踊り子です」

皆に笑顔を向けると
「これからよろしくお願いしますわ」と付け足した。

人の良さそうな笑顔を見る限り、悪い人では
なさそうだった。
彼女―アカネは唐突にアラジンに話しかける。

「ねぇ、貴方がジャスミン王女様とご結婚なさったアラジンさんかしら?」

いきなりのことで驚いたアラジンだったが

「あ、ああ。僕はアラジン。これからよろしく、アカネさん」

と、明るく人懐こい笑顔を見せた。
オープンマインドで誰とでも仲良くなれるのが彼の
魅力。きっと、アカネともすぐ仲良くなれるだろう。

二人の挨拶を見たジャスミンは急いで

「私はジャスミンよ。この王国の王女。貴方と仲良く出来ることを祈っているわ。これからよろしくね」

と言ったのだった。
**
―その夜は、侍女アカネの歓迎会。
豪華なご馳走や高いお酒が用意され、アカネも
宮殿の仲間達と積極的に話しかけ、すぐに宮殿に
溶け込んだ。そして、歓迎会も終わりに近付いた時。
彼女の特技である踊りを披露し、皆を圧巻させた。

「おぉ、凄いのぅ!凄いのぅ!」

王様は手を叩いて彼女の踊りに見いっていた。
一方、ジーニーは負けるもんかと言わんばかりに
隣でマジックを披露したり、踊ったりしていた。

「ジーニー、何張り合ってるんだい?」

笑いながらアラジンが言う。

「別に張り合っちゃいないさ。俺はパーティが大好きなんだ!ヤッフ〜‼」

ジーニーは歓声を上げ、魔法でアグラバーの夜空に
花火を彩った。
その花火を見た皆がさらに盛り上がる。
アカネも嬉しそうにしていた。
歓迎会は大成功だ!

歓迎会の終わり。踊りを終えたアカネが
アラジンに近寄る。何か話でもあるのだろうか。
近寄り過ぎて、アカネの胸がアラジンに当たる。
思わずアラジンは赤面した。

「ねぇ、アル。あたしの踊り、どうだった?」

いきなりあだ名で呼んだアカネ。アラジンは
驚いたが、すぐに宮殿に打ち解けたアカネだ。
きっと、アラジンとも仲良くなりたくてあだ名で
呼んだのだろう。

「え、えっと……とても魅力的だったよ!君の踊りは最高だ!」

アラジンは心からそう思った。アラジンも彼女の踊りに
見いっていたのだ。

「あら、嬉しいわ。とにかく、これからよろしくね」

意味ありげな笑みを浮かべ、ジャスミンの元へ向かう
アカネ。アラジンは彼女が分からなかった。

【第三話 ジャスミン王女と侍女アカネ へ続く】

6:玲織◆rI:2019/10/16(水) 21:37 ID:JzY

玲織来たぜ!!
書き込んで良いのか...?

私アラジンは見たことないけど、面白そうやね!情景も分かりやすいし、物語の展開もちょうど良い感じかも。
更新楽しみにしてます^ ^

7:樹音@新一 ◆6Y:2019/10/17(木) 17:14 ID:Bpw

お、あざす!
もちOK🆗👌

そうかな?見たことない人にもそう言ってもらえて
めっちゃ嬉しい🎵😍🎵
そっか、良かった。←何が
うん、楽しみにしてて!

8:樹音@新一 ◆6Y:2019/10/17(木) 17:15 ID:Bpw

あ、感想はどしどし下さい!
むしろ待ってます(おい)

(れおに書き込んで良いのかと言われたので)

9:樹音@新一 ◆6Y:2019/10/17(木) 20:14 ID:Bpw

*第三話 ジャスミン王女と侍女アカネ*

―アラジンに意味ありげな笑みを送った後アカネは
ジャスミンの部屋へ向かった。お気にいりのお茶を
持って。

「王女様、アカネです。入っても良いですか?」

アカネはコンコンと軽くドアをノックすると、
そう言った。「どうぞ、入って」という明るい王女の
声が返ってきた。アカネは部屋へ入る。

「良かったら、お茶いかがですか?」

お茶をジャスミンに差し出し、アカネは言う。
ジャスミンはにこやかに笑みを浮かべ
「ありがとう、いただくわ」とお茶を飲む。

「あら、このお茶、とっても美味しいわ」

ジャスミンは一気にお茶を飲み干した。
アカネのお気にいりのお茶を、ジャスミンも
気に入ったようだった。

「まろやかなミルクが温かくて、優しくて…まるで――」

ジャスミンは少し頬を紅潮させる。
アカネはジャスミンの言葉を引き継いだ。

「まるで――アルのようだとおっしゃりたいのでしょう?アルは、明るくて、優しくて、あったかい人ですものね?」

ふふ、とアカネは微笑む。
ジャスミンはアラジンのことを"アル "とあだ名で
呼んでいるのにびっくりしていた。だが、別に
気にもとめなかった。すぐに宮殿に打ち解けたアカネだ。
アラジンとも仲良くなったのだろう。
それよりも―ジャスミンは気になっていたことがある。

「ねぇアカネ。ちょっと良いかしら?」

アカネは身を固くする。緊張した面持ちでジャスミンを
見つめた。

「な、なんでしょう、王女様?」

「私のことはジャスミンで良いわ。それに、敬語もなし。分かった?」

それを聞いたアカネは驚いた。侍女と王女の関係。
決して、敬語で話すような相手ではない。

「いけません、あたしとジャスミン様は王女と侍女の関係ですわ」

アカネは焦りながら訴えるが、ジャスミンは首を振る。

「私は貴方と友達のように接したいの。もっと言えば家族のように。王女の命令よ、逆らうの?」

ジャスミンは、悪戯っぽい笑みを浮かべた。
アカネもつられて笑う。このとき、二人の友情が
生まれたのだ。

【第四話 彼女の過去とアラジン へ続く】

10:樹音@新一 ◆6Y:2019/10/18(金) 20:13 ID:Bpw

*第四話 彼女の過去とアラジン *

―翌日。朝早く起きたアカネはぼうっと宮殿から
見えるアグラバーの市場を見つめていた。
それから少しして、ジャスミンが起きたのを
確認すると部屋のドアをノックし、

「お目覚めおめでとう。お茶はいかが?目覚めのよいハーブティよ。どうぞ」

と言ってお茶を差し出した。
ジャスミンは「おはよう」と朝の挨拶をして
お茶を受け取り、ゆっくりと飲み干した。

「このお茶も美味しいわね。何だか、スッキリするみたい。目が覚めたわ、ありがとう」

にこり、と笑みを浮かべ、ジャスミンは言った。
**
アカネにとって、アグラバーの宮殿での初めての
朝食。運ぶのを手伝い、籠いっぱいのパンを
アラジンの目の前のテーブルに置く。

「アル、貴方細いわね。もっとたくさん食べたら?たくましくならなくちゃ」

悪戯っぽく微笑むと、アカネは言った。
アラジンはパンを手に取り、一口かじる。

「ありがとう。でも、よくも気にしてることを言ってくれたね」

わざとらしく眉をひそめる。そんなアラジンを見て
アカネは何がおかしいのかクスリと笑っていた。
アラジンもつられて笑う。そんな二人の姿を見た
ジャスミンは少しだけ気になり、アカネが席に着いた
時に言った。

「アカネ、随分アルと仲が良いのね?」

「ええ。彼、オープンマインドで誰とでもすぐに仲良くなれるからね。でも、それだけ。焼きもち焼かないでね?」

その彼女の言葉を聞いたジャスミンは赤面し、
「そういう意味じゃないわ」と言った。
****
朝食が済み、ジャスミンはアカネと話したくて
アカネの部屋へ向かう。だが、アカネの姿はない。
宮殿を歩いて探してみても、見つからない。
―ドンッ。誰かとぶつかる。

「あら、ごめんなさい。私、急いでて……って、アル!」

ジャスミンのぶつかった相手はアラジンだった。

「大丈夫かい、ジャスミン?怪我は?」

慌ててアラジンが聞く。ジャスミンは首を振る。
どうやら、怪我はないようだ。

「ねぇアル。アカネを見なかった?」

今度はジャスミンがアラジンに聞く。

「いや。見てないけど。何か用事かい?」

「もしアカネを見かけたら私が呼んでたって伝えてくれるかしら?」

「勿論!」

アラジンはにこりと笑い、元気よく返事をする。
アブーを肩に乗せて、アカネを探しにいく。

「さぁ、行くぞ、アブー‼」

宮殿を歩いて探し回るが、なかなかアカネを
見つけることは出来ない。チラ、と横目で
アブーを見やると、ヤレヤレとでも言うような
表情をしていた。"もう無理だよ、諦めよう "
アブーの表情がそう語っていた。だが、勿論
アラジンは諦めない。うーんと考えていると一つの
考えが浮かぶ。

「あ、もしかしたら、あそこじゃないか?」

アラジンの言う、"あそこ "とは噴水だった。
ジャスミンもよく噴水にいる。特に、アラジンと
出会う前は。アカネは噴水にいると確信し
早足で噴水へ向かった。

11:樹音@新一 ◆6Y:2019/10/21(月) 18:51 ID:OoE

(>>10の続き)

―噴水に腰かけるアカネを見つけたが、アラジンは
声をかけることが出来なかった。理由は明白。
彼女が、その美しい瞳からツーと一筋涙を流すところを
見たからだ。流れた涙は溢れだし、次第に止まらなく
なる。嗚咽音まで聞こえてくる。
アラジンは、彼女を慰めたくて声をかけた。

「あ、あの……!アカネ?」

アラジンの声に反応し、アカネがパッと振り向く。
涙でぐちゃぐちゃな彼女の顔がこちらに覗く。

「ハンカチ、いる?」

緑色の綺麗なハンカチをアラジンは彼女に
渡す。アカネは黙って受け取り、涙をそっと拭いた。

「何かあったのか?王宮の暮らしに慣れない?ホームシックとか?いじめ…も可能性に挙げるのが妥当かもしれないけど、皆優しいし、そんなことする訳ないから…えーと、何があったの?」

最後の方は独り言のようになりながら問い掛ける。
アカネは最初、黙っていたが、しばしの沈黙ののちに
口を開いた。

「あたし、この宮殿に来てから、家族のような温もりを受けたわ。凄く暖かい人達よね。勿論、貴方も含めてね。それで、あたし、家族を思いだしちゃって…」

何故か自虐的に微笑みながら、彼女は言った。

「やっぱり、ホームシック?」

「―もう、その家族には会えないんだけどね」

再び、涙を流して彼女は言った。
それにしても、もう会えないとはどういう意味なの
だろうか?アラジンには分からなかった。
そこで、少し躊躇いつつも、聞いてみることにした。

「それってどういう……」

「あたしの家、極貧でね。食べる物もなくって。あたしの三個下の弟が、お腹空いたって泣いちゃって。それで、パパが市場の屋台からパンを盗んだのよ。―案の定、捕まったわ。当たり前よね?その時のことで覚えてるのはママの"主人をどうか許して下さい "ってすがるような声と、弟の泣き叫ぶ声。パパは最後に"ごめんな "って言ったわ。それが、パパの覚えてること。ママも弟もわんわん泣いてたけど、あたしは泣けなかった。だってそうじゃない‼家族四人で居られれば、パンも、宝石すらも要らなかった‼家族で居られるだけで良かったのよ……あたしは」

そこまで言って、アカネはもう一度涙を拭った。
アラジンはアカネの
"家族四人で居られれば、パンも、宝石すらも要らなかった‼家族で居られるだけで良かったのよ…… "という言葉に
激しく共感した。彼も、父に対して、そのような
感情を抱いていたからだ。アラジンはアカネを励ますように
肩をポンと軽く叩いた。

「僕も、同じ気持ちを父に抱いたことがあるよ」
という言葉も付け足して。

「ありがとう。―で。話の続きだけど…いつしかママも消えた。パパを追うようにしてね。弟もショック死したわ。あたしだけよ、家族で生き残ったの。―――ね、アル。抱き締めて?お願いよ、アルの顔が…パパに似てるの」

必死な彼女の言葉を聞いたアラジンは断る気には
なれなかった。ギュッと、黙って抱き締めた。
アカネもギュッと、アラジンを抱き締めかえす。
**
―どうして?ジャスミンはなかなか
戻ってこないアラジンを
心配して探しに行った先の噴水で、抱き合う二人を
見つけてしまったのだ。もしかして、浮気?
暗い可能性が浮かびあがる。
ジャスミンは必死に涙を堪えながら部屋に戻った。

【第五話 Hey why―ねぇ、どうしてそんな へ続く】


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