ドン「おい、内通者。俺らを売って、自分だけ助かろうだと?」
レイ「…違う!俺はッ、もうあんなこと…!」
トーマ「俺ら、家族だろ…。信じらんねー。」
レイ「トーマ…、俺はだな…。」
ラニオン「お前の話なんか聞きたくねえよ!」
アンナ「…チッ。」
レイ「ア、アンナ…。」
アンナ「あんたなんか、助けるんじゃなかったわ。この髪も…、あげなきゃよかった!」
レイ「う、うわあぁぁ!」
エマ「…イ!…レイ!」
レイ「…っ!あ、夢か…。」
ノーマン「どうしたの、レイ?すっごい魘されてたよ。誰かと話してるみたいだった。」
ここはGFハウスを鬼と人間が改造し、2つの種族が住みやすくなるためのGS(グレイス シェア)ハウス。今日も鬼と楽しい一日を…、と思っていたが…。
レイ「………。」
ドン「おい、レイ。顔色わりぃぞ?」
レイ「…っ!あ、ああ…さんきゅー。」(ビクッ)
ドン「…?」(レイがビビるなんて珍しいな、なんかあったのか?)
エマ「レイ、どうしたの?具合悪そうだよ?」
レイ「平気平気…、心配すんな。」
エマ「…うん、なんかあったらすぐ言ってよ?」
レイ「ホントに大丈夫だから。」
トーマ「朝ごはんだー!行こうぜ、ラニ!」
ラニオン「おう!あ、ごめんレイ!」どんっ
レイ「うわっ!……っ!」
ラニオン「おい、…だいじょぶか?ごめん。」
レイ「あ、ああ。」
エマ「ここは…、どこ?」
コニー「エマぁ…。」
エマ「ええっ!コニー、なんで…。」
コニー「おむねにね、おはな刺されたの、怖かった。エマ、ノーマン、助けてくれなかった。」
エマ「あれは、…ごめんね!」
コニー「わたしは、怪獣のごはんになっちゃった…。」
エマ「…っ、みんな…。」
コニー「みーんな、エマが大ッキライ。」
コニー「キライキライキライキライキライキライキライキライキライキライキライキライキライキライキライキライキライキライキライキライキライキライキライキライキライキライ!」
エマ「うわあぁぁあぁあぁ!」
コニー「こっちにくるまで、一緒にいてあげる!」
ノーマン「エマ!」
エマ「…、っ!」
ノーマン「…大丈夫?」
エマ「うん…、怖かった…。コニーや出荷されたみんなが私を…、…コニー。」(ガクブル)
レイ「あがっ!…めろ、違うんだって…!」
エマ「れ、レイ!レイ!?」
ノーマン(二人に悪夢が?二人に!?)
レイ「………。」
エマ「………。」
オリバー「二人とも、珍しく元気ねーな。」
ジリアン「どったのどったの?」
ザック「なんかあったのか?」
エマ「なんか、私とレイが悪夢を見たみたいで…。」
ジリアン「悪夢?どんな?」
レイ「俺はドンたち、エマは出荷されていった兄弟たちに罵倒されるって夢だ。」
エマ「うん…、夢の中でコニーは…。」
ジリアン「コニー?」
レイ「6才の女の子だ、家族だった…。」
エマ「うん、コニーやみんなが私を恨んでて、タヒぬまで追い込んでやるって…。」
ジリアン「6歳っしょ?そんなこと言わないよ…。」
エマ「コニーの顔、怖かった…。」
ザック「夢だろ、そんなん気にする必要ねえだろ?」
ナイジェル「ラートリー家の技術を、誰かが使ってるとしたら?」
レイ「ああ、まだこの世界を乗っ取れると思ったってことか?」
ナイジェル「そんで、誰かをスパイに出してる可能性も…。」
レイ「またGFの時と同じ状況か〜。」
ジリアン「GFの時と?」
レイ「俺が第3プラントのスパイだった。」
ジリアン「へぇ〜…、そっか。」
エマ「……。」
シスロ「ん?どしたエマ、…とGP共。」
バーバラ「なんか考え事か?」
ザジ「あうー、あうあー。」
レイ「あ、ラムダ共w」
シスロ バーバラ「うっせぇこのやろー!」
バーバラ「で、なんなんだ?」
レイ「実はな…、」
バーバラ「はっはっはー!そんなことかよ!」
シスロ「俺らに比べたら、そんなことちっこいもんだぜ!」
レイ「うっせぇこのやろー。」
シスロ「ああわりいわりい、ふざけ過ぎた。」
ノーマン「やあシスロ、バーバラ、ザジ。」
シスロ バーバラ「ボスっ!」
ザジ「あうあー!」
ノーマン「二人の相談に乗ってたの?」
シスロ「お、おう!」
バーバラ「しっかり話を聞いてやったぜ!」
ジリアン「うそつけ。」(びしっ)
ノーマン「嘘はだめだよ〜、二人とも。」
シスロ「チッ…、GPが…!」
ジリアン「私達が、なによ。」(銃を向けて)
ノーマン「二人ともやめなよ〜。」
シスロ「分かったよ、ボス…。」
シスロ「ほんわかしてるボスも…。」
バーバラ「すげえいいなぁ、可愛いしw」
ザジ「あうあー、うあー。」
ノーマン「3人とも、二人の悪夢、どうしたらいいと思う?」
シスロ「いや、ただの夢なんだろ。妄想にすぎねーよ。」
ノーマン「しかし、同じ夢を二人もだぞ?」
バーバラ「このシェアハウスに、悪夢を見させる機械があるわけないだろw鳥鬼がいつも見張ってっしよ。」
ノーマン「バーバラ、変わったね。あんなに鬼を憎んでたのに、なんで?」
バーバラ「いや、アウラとマウラって名乗る鬼のガキがいてな。こっち側の幸せを願ってくれる奴もいるんだなって思って。そりゃ、最初は信用できなかったけど、そいつらの純粋な目を見て、こいつらは本物の心持ってんだなって確信したよ。んで、こーゆーわけ。」
ノーマン「よかったぁ、バーバラの気迫には少し驚いていたからねw」
シスロ「さあさあ、そんなことよりエマたちの悪夢についてだろ。俺らが気づいてないだけで、どっかに隠してっかもしんねえし、今夜子供たちが寝た後探そうぜ。」
ノーマン「うん、もう二人には苦しんでほしくないしね。」
ザジ「あうー、あうあー!」
バーバラ「どうしたザジ、いくよ!」
ザジ「あうーっ!ああーーっ!」
バーバラ「いいから来な!ったく…。」
ノーマン(バーバラ…、もうすっかりザジのお姉さんだな。)
ザジ「………。」
ジェミマ「悪夢?」
レイ「ああ、」
エマ「そうなんだー、へへ…。」
ドン「レイ、俺たちは別にそんな風には思ってねえから安心しろよ?」
アンナ「そうよ、レイ。大丈夫だから、気にしないでね。
レイ「ああ、さんきゅな。」
ギルダ「エマ、後悔してる?…コニーのこと。」
エマ「う、うん…。何でもっと早く気づけなかったんだろうって、そしたら今も…。」
ムジカ「エマ、大丈夫?」
エマ「ムジカ…。」
ムジカ「…エマ、無理しちゃだめよ?ギルダたちから聞いてるの、エマは家族のためなら命も惜しまないかのように無茶をするって、命を捨てる覚悟で戦うって…。」
ムジカ「私たちは、人間と鬼の最初の友達で家族なのよ?失いたくないの、だから…ね?」
エマ「ありがと…、少し気が楽になったよ。ねえ、仮面とってくれない?顔を見てみたいの。」
ムジカ「いや、恥ずかしい…///」
エマ「ふふっ。」
ムジカ「…?」
エマ「ムジカって、可愛いなあ。」
ムジカ「エマも可愛いわよw」
ノーマン「エマ、僕たち今夜、このハウスを調べてみる。機械が仕掛けられてないか、探してみる。」
エマ「ありがとう、ノーマン!」
シスロ「俺たちに任しとけ、しょんべんたれ!」
エマ「たっ!たれてないもん!たれるわけ、ないじゃん!」
バーバラ「どうだかーw」
エマ「もーっ、二人の意地悪!」
ノーマン(ああエマ…、なんてかわいいんだぁ///)
夜
ノーマン「よし、みんな寝たね。早速どこから調べる?」
シスロ「まずは、エマとレイが寝てる部屋から調べようぜ。」
バーバラ「そうだな、ほかのガキどもは悪夢ってのは見てねーみたいだし。」
ザジ「あうあー。」
ノーマン「そうだね、じゃあいこうか。」
ノーマン「シスロ、大丈夫なの?…足。」
シスロ「いや、あれはボスを守るためだしあたりめーよ!義足を3Dプリンターっての?を使って作ってもらって、こうして歩けてるから少しでも恩返ししなきゃなって。だから心配するなよ、ボス。」
ノーマン「ありがとう、シスロ。」
バーバラ「二人とも何してんだー、早くいくぞ!」
ノーマン「ごめんごめん、待って待って〜。」
エマ「Zzz…。」
レイ「ZzzZzzz…。」
ノーマン「みんな静かにね、何か見つけたらすぐに言うんだ。」
シスロ バーバラ「了解!」
ザジ「あうあー…。」
ノーマン「ここにはなかったね、次は廊下を見てみよう。」
ノーマン「廊下にもないか…、じゃあカメラを確認だ。モニタールームに行こう。今日の当番は…、ポーラ?さんか。」
モニタールーム
コンコンッ
ポーラ「…だれ?」
ノーマン「こんばんは、ノーマンです。実はですね…。」
ポーラ「へえ、エマとレイが同じ悪夢を…。分かったわ、ここ一週間の夜の映像を見てみましょう。」
ノーマン「ご協力感謝します。」
エマ「そろそろ寝よう、みんな!」
みんな「はぁい!」
レイ「歯磨き忘れんなよー。」
みんな「はーい!」
ポーラ「二人ともすごいわ、鬼の子供の世話までしてる。」
ノーマン「そうですね、鬼の子供も人間を受け入れてくれている…。素晴らしいことですね。」
ポーラ「あまり目立つところは見当たらなかったね、至って普通だった。」
ノーマン「うーん、なんだろう…。」
バーバラ「ボス、二人の様子を見に行ってみたらどうかな?」
ノーマン「そうだね、人間は夢を何度も見ると言われている。今も見ているかもしれない。」
ザジ「あうー…、うぅぅ…。」
シスロ「いくぞ、ザジ。」
ザジ「あうあー。」
寝室
レイ「エマ⁉エマ!」
ドン「なんだよレイ、こんな夜中に…。」
レイ「ドン、…エマが悪夢を見始めた。」
ドン「へっ?」
エマは目を大きく見開き、きょろきょろと動かしている。しだいに体が痙攣していく。
ドン「うわっ、そんな感じするな…。」
アンナ「え、悪夢を見てるって?」
ノーマン「みんな!耳を澄ませてみて、何か聞こえないか?」
みんな「………。」
ドン「何も聞こえないぞ?」
レイ「…っ、聞こえる。ノーマン、エマをベッドから降ろせ!」
ノーマン「わかった、よいしょ!」
レイ「バーバラ、でっかい刃物持ってこい!」
バーバラ「お、おう?わかったよ!」
バーバラ「持ってきた、エマは?」
ドン「ずっと痙攣したままだぜ。」
レイ「包丁か…、よし!」びりっ(包丁でエマとレイのベッドを切り裂き)
レイ「…何かある、なんだこれ。」
シスロ「なんかの発信機か?」
ノーマン「多分、電波を出してトラウマや後悔していることを、夢の中で呼び戻しているんだ。」
レイ「バーバラ、壊せるか?」
バーバラ「よっしゃ!やってみる!おらぁ、砕けろこのやろっ!」
バーバラ「ダメだな、かってー!」
ヴァイオレット「おいおいなんだようっせーな、みんなが眠れないぜ。」
レイ「おいヴィンセント、アダムを連れてこい!」
ヴァイオレット「…は?」
レイ「いいから早く!」
ヴァイオレット「…ったく、わあったよ!」
ヴァイオレット「連れてきたぞ、つまんねーことじゃ怒るからな。」
アダム「63194…、22194…、81194…。」
レイ「アダム、これを踏みつぶせ!」
アダム「・・・?ふんっ!」ビキビキッ
ノーマン「もう少し!」
アダム「…うぅ〜、ふんっ!ふんっ!ふんんんんっ!!!」バキッ!
レイ「やっと一個壊せたか、もう一つ頼むアダム!」
アダム「ふんっ!ふんっ!ふんんんんっ!!!」バキバキバキィ!」
ノーマン「壊せた、…協力感謝するよ。」
ヴァイオレット「おいおい、状況が読み込めねーよ。エマが今どーなってんだ?」
ヴァイオレット「ふーん、二人が悪夢見て、その元凶がこれってか…。」
レイ「そうゆうことだ。」
ヴァイオレット「でも夜中にやることねーだろ。」
ノーマン「ごめん、僕らだけで対処するつもりでね…。」
エマ「…っ!ぶはっ!はあっはあっ!」
みんな「エマ!」
エマ「……っ!………。」(レイになにか伝えようとして、口をパクパクさせて)
レイ「ん?なんだエマ?」
エマ「……がっ、…はぁっ、はぁっ。………。」
レイ「…わかんね。」
ヴァイオレット「そりゃそうだろ、なんか悪夢ってより病気に近い気がするぜ?あの機械が、病気を起こしてたかもしれない。」
ノーマン「だったら、エマとレイ二人を隔離したほうがいいね。今は出てないけど、こういう発作がレイに出るかもしれない。そして、明日からこの機械を分析してみる。」
レイ「そうだな、…それまで俺がエマの世話をする。」
シスロ「じゃあ、この変な機械は取り外したし休むか。」
ノーマン「そうだね。レイ、君はエマと一緒にソファで寝てくれる?毛布は持ってくるよ。」
レイ「お、おう…。分かった、任せろ!」(エマと…、2人っきり…///)
バーバラ「じゃあ解散!」
シスロ「おつかれー!おっと!」(転びそうになり、咄嗟にバーバラの髪を引っ張り起き上がり)
バーバラ「痛え!いてーなこのやろーー!」
バーバラ「シスロ、まだ慣れてないのか?義足…。」
シスロ「へーきへーき!」
バーバラ「嘘つけ、下手くそ。しゃーねーな、支えてやるよ。」
シスロ「すまん…。」
レイ「さ、いくぞ。エマ!」
エマ「…………。」(ガクガク)
レイ「…チッ。ほら、おぶってやる///早く乗れよ、見られるだろ!」
エマ「……///」
レイ「あの機械はないな?」
ノーマン「平気だよ、安心して寝て。」
レイ「ありがとな、さあ寝ようエマ。」(エマに優しく毛布をかけて)
翌朝
ジリアン「ふふふ…、お二人さん♡朝ですよー!」
レイ「…っ!あ、いやこれは/////エマが昨日、痙攣起こして…そんで俺がこいつの面倒見なきゃいけなくなって…///そーゆーんじゃねーかんな!」
ジリアン「かーわーいーいー!もぉ〜、かわいすぎー!」
レイ「からかうなっ///」
ジリアン「はいはいごめんなさ〜い。朝ごはん行こう、エマも起こして、レイ。」
レイ「…先行ってろ、すぐ行く。」(赤面しつつも、エマの体を揺らし)
ジリアン「はいは〜い!みんなも起きようー!」(子供たちを起こしに行き)
レイ「ほらエマ、お前も起きろ。」
エマ「う…、うう。ふわぁぁあ…、おはよーレイ。」
レイ「朝めし行こーぜ。」
エマ「うん。」
ノーマン「あ、おはよーエマ!」
ドン「エマ、治ったのか?痙攣…。」
レイ「ああ、今んとこ収まってる。」
アウラ マウラ「おにーさん、おねーさん!」
ジリアン「かわいいーっ、名前はなあに?」(小さい鬼の子に目線を合わせて)
アウラ「ぼくアウラ!」
マウラ「わたしマウラ!」
ジリアン「わたしはジリアン!」
レイ「俺はレイ、こいつはエマ。」
ドン「ドンだ。」
アウラ「これ、なに?」(ベッドに入っていた機械を持って)
レイ「!? どこで見つけた!」
マウラ「みんな寝相が悪くて、爪とかでベッド引っ掻いちゃうんだけど…。」
アウラ「今朝、友達がベッド引っ掻いてこれがはみ出てたんだ。」
レイ「…まじか、全員に見させる気なのか…。」
アウラ「え?なに?」
レイ「俺とエマが悪夢を、家族にひどいこと言われる夢見たんだよ。で原因は何だろうって友達が昨夜探してたら、ベッドからこれが出てきた。」
レイ「お前たちは、夜中になにかあったりしたか?」
アウラ「友達の寝言がうるさいなーって思ってた。」
マウラ「悪夢を見てたんだ…、その友達は身体からガタガタして目がギョロギョロしてたの。」
ドン「エマと同じ症状…!」
レイ「すぐにノーマンのところに行こう!」
ノーマン「ダメだねー、データが取れない…。」
ヴィンセント「ああ、自動ロックが何重もかかっている。」
ノーマン「鬼が作ったのか…?」
ヴィンセント「なら解析できないのも無理ないかもな、ボス。」
レイ「鬼でもなさそうだぜ?」
ノーマン「レイ…、何か分かったの?」
レイ「ああ、鬼の子供にも影響が出ているぜ。」
ノーマン「鬼の子供にも?」
レイ「ああ、偶然子供が寝相悪くて、爪でベッド引っ掻いて見つけてくれたみてーだ。」
ヴィンセント「そうか…、鬼が…。」
ノーマン「ヴィンセント?まだ、…信用できてない?」
ヴィンセント「そうなんだ、…いい鬼もいると、分かっているのに…だ。」
ノーマン「そっか、…まあ慣れてくしかないよ!」
ヴィンセント「ありがとう、ボス。」
レイ「まあそういうことは置いといて、どうする。隔離すべきか?」
ノーマン「隔離すべきではないね、ウイルス型ではないみたいだし。」
レイ「分かったのは、それだけか?」
ノーマン「お恥ずかしながら…、えへへ。」
ドン「レイ!ノーマン!」
ノーマン「ドン…、エマに何かあったの?」
ドン「エマが急に歩き出して、どこかに行っちまった!」
レイ「見失ったのか!」
ドン「ああ、でもあんな状態じゃここを出るわけないと思う。」
ノーマン「どっちにしろ、早く行ったほうがいいのは確かだ!」
レイ「エマに誰かついていってるか?」
ドン「一応、アンナとギルダがついてる。」
ノーマン「二人がついているなら、そんなに遠くには行けないはずだ!」
レイ「よし、早く行こうぜ!」
エマ「あは〜、私ぃ〜コニーをぉ〜裏切ったぁ〜わ〜る〜い〜や〜つぅ〜あはははははは!」
ギルダ「エマ!」
アンナ「気をしっかり持って!」
エマ「あはははははははははははははははは!」
ノーマン「エマ!エマーーー!」
レイ「アンナ!エマは大丈夫か!」
アンナ「レイ!エマがシュレッダー室に行こうとしてる!」
レイ「はあっ!?一回眠らして、お前に診てもらったほうが…。」
ノーマン「よし、じゃあ彼を呼ぼう!ハヤトーーー!」
ハヤト「ボスー!今行きまーす!来ましたボス!」
みんな(耳良っ!ハヤト耳良っ!)
ハヤト「ボス、何でしょうか!」
ノーマン「エマが機械でおかしくなっちゃって…。」
ハヤト「ええーーっ!どゆことっすかーーー!」
ノーマン「カクカクシカジカだから、医務室・改から麻酔持ってきて!」
ハヤト「了解っすーーー!待ってくださいエマさーーーーん!」
ノーマン「エマに打ちやすいように、横にならせよう。」
ハヤト「そうっすね、麻酔持ってきたっす!」
ノーマン「わぁっ!速いよハヤト!」
エマ「こにぃぃぃぃ、うえへへへへははははは!」
ハヤト「エマさん、すみません!」ぷすっ
エマ「はははは…、………。」バタッ
アンナ「エマ…、エマぁ…。」
ノーマン「アンナ、エマは必ず助けるよ。」
数時間後
エマ「う、うぅ…。ここは?」
ノーマン「医務室・改だよ、おはようエマ。」
エマ「わざわざ改つける?」
ノーマン「まあまあwエマとレイのベッドには、この機械が仕掛けられていてね、それで癲癇させて悪夢を見せてたんだ。」
エマ「悪夢…。」
ノーマン「ああごめんね、思い出させちゃって…。」
エマ「ノーマン…、これで良かったのかな。」
ノーマン「ん?なに、エマ?」
エマ「もっと早くハウスのこと、知っていたらコニーもここにいたかも知れない…。」
ノーマン「エマ。」
エマ「私がノーマンみたいに頭良くて…、何でも分かってたら、こんなことには…。コニー、みんなここで生きていたかもしれない。そう考えると、震えが止まらない。」
ノーマン「エマ、落ち着こう。しっかりして、エマ。」
エマ「私が無知なせいで、みんな…。」
エマ「みんなを守らなきゃ、いけなかったのに…!」
ヴァイオレット「マジでただの悪夢じゃなさそうだな。」
オリバー「そうだな、次はレイ、そしてどんどんみんながおかしくなっていくんだ。たぶん、エマの発作もまた起きるぞ。」
ジリアン「ここにユウゴや、ルーカスがいたら…。」
オリバー「やめろジリアン、お前もエマみたいになってるじゃねーか。」
ジリアン「ごめん、なんか今朝からおかしいんだよね…。」
ナイジェル「発作だ、エマと同じ…。」
ザック「五段階…。」
みんな「へ?」
ザック「エマを見ていて分かった、この発作は五段階ある。」
オリバー「三段階?」
ザック「1つ、トラウマ、後悔の類の悪夢を見せて不安にさせ、免疫を下げる。2つ、周りの景色と夢がごっちゃになる、それで対象を追い詰める。3つ、過去の出来事を脳から引っ張り出してきて、思い出させる。4つ、後悔させる、そしてその後悔を償いたくなる。5つ、ジサツをする。」
ジリアン「それじゃ、私は…。」
ザック「3段階目…。」
オリバー「五段階目まで近いじゃねーか、対処法は!?」
ザック「分かんねえ…、ノーマンのおかげでエマは助かったけど一時的だし、次いつ起こるか…。」
ヴァイオレット「分かんねえじゃねえよ、早く探すんだよ!早くしねーとみんな氏んじまうぞ!」
オリバー「…じゃあ、いやだけど鬼の力を借りよう。」
ヴァイオレット「ジリアン、歩けるのか?」
ジリアン「少しふらふらするけど、平気。」
ヴァイオレット「そうやって大丈夫と思っているほど、あぶねーんだよ。」
鬼 大人部屋
オリバー「あそこに、邪血が…鬼がいるのか…。」
ヴァイオレット「やっぱ少し気が引けるな…。」
ジリアン「でも行かなきゃ!」
コンコンッ
ソンジュ「あ?」
ジリアン「失礼します…。」
ソンジュ「…何しに来た。」
レウウィス「まあまあ、ソンジュ。君たち、入って来給え。茶でも飲んでいけ。」
オリバー「あ、ありがとう…。」
ムジカ「あなたはこっち座って。」
ジリアン「え…、私?」
ムジカ「ええ、私とじゃ嫌ならいいけど。」
ジリアン「ううん、ご一緒します。私はジリアンといいます。」(かわいいこの子!友達になりたい、うんなろう!)
ムジカ「ムジカよ、ため口でいいわ。」
ソンジュ「んで、用件はなんだ。」
GP(ゾオッ)
ムジカ「ソンジュ、ラムダの子たちじゃないんだから…。ごめんね?ソンジュ、まだあなたたちを信じ切れてないみたい。エマたちしか信じれないみたいで…。」
ヴァイオレット「そう、そのえまっちについて話しに来たんだ。」
ムジカ「え?エマに何かあったの?」
ヴァイオレット「…氏にそうになった。」
ムジカ「どういうことなの?」
オリバー「このハウス全体が危ないんだ!みんなのベッドに、これが入ってた。」
ソンジュ「…これは?」(不思議そうに、手に取り)
ポーラ「おそらくそれから電波を発して、悪夢を見させていると推測しています。」
ザック「電波を浴びると、発作が出ます。発作は五段階。内容は…、」
レウウィス「なるほどね、しかしそんなに巧妙なもの作れる者がいるのだろうかねぇ?」
レウウィス「こんなもの、貴族の私でも見たことないね。」
ジリアン(そうだ、こいつ貴族だったか!)
レウウィス「でも、下のものに頼めば何とかなるんじゃないか?そう思わないか、ソンジュ?」
ソンジュ「そうかもしれない、…だが信憑性がないな。」
ザック「鬼の子供にも影響が出ているんだ、とりあえず信じてくれないか?」
レウウィス「分かった、じゃあそのレイとやらをこちらに引き渡してくれ給え。調べてみよう、その機械はまだ動いているね?」
ぺぺ「ああ、一応な。」
レウウィス「実験室で、これをレイ君に使って影響を見たい。さすれば、これが解析できると思う。」
ムジカ「え、実験…。」
レウウィス「ん?まさかだが、『かわいそう』という実に滑稽な情が、私の言葉を引き留めているのかね?」
ナイジェル「そうだろが!レイは俺らにとって、大切な…!」
レウウィス「家族、かね…?少しの犠牲も払わなければ、この事態は解決できないのだよ?」
ムジカ「滑稽って…、あなたね、この子たちの気持ちも知らずに!」
レウウィス「そりゃ他人だもの、知ることはできないさ。」
ポーラ「ふざけるのもいい加減に…!」
ジリアン「…分かりました、お願いします。」
ヴァイオレット「はあっ⁉おいジリアン!」
ムジカ「ジリアン!?いいの!?」
ジリアン「たっ、…大公の言うことも、ごもっともですし…。」
レウウィス「ほお、物分かりがいいコで良かった。話が早く進む。」
ムジカ「…っ!」(ムッカァア!)
ジリアン「………。」
レウウィス「用はこれだけかね?」
ジリアン「…はい、ありがとうございました。」
ジリアン「…。」
ムジカ「ジリアン、待って!」
ジリアン「ムジカ…。」
ムジカ「あなた、本当は納得してないんでしょ?なのに、どうして…?」
ヴァイオレット「そうだ、なんで言わなかった。」
ジリアン「怖かった…、レイが苦しむこと…。でも、彼には逆らえなかった…。」
ヴァイオレット「GPでの勢いはどこいったんだよ、納得できてねえなら…!」
ムジカ「…ジリアン?」
ジリアン「…ああ言うしか、出来なかった。私は、家族を…、レイを…。」
ムジカ「でも、レイは…。」
ジリアン「うっ、うあああああああああああああああああ!」
レイ「あ、オリバー達だ。…?どうした、そんな暗い顔して。」
オリバー「レイ、この事態がどういうものか分かった。」
ザック「この機械が電波で俺たちを狂わせる。それを…、まあ発作と呼ぼう。発作は全部で五段階あるんだ。内容は…。」
レイ「エマに当てはまる症状だな、でも何で俺に?ノーマンに言えば…、ジリアン?」
ジリアン「レイ、ごめんなさい。レウウィスがあなたを使って、この機械の実験したがってる。それで、私はレウウィスに逆らえなくて…、承諾してしまった。」
レイ「………。」
オリバー「ごめんな、協力してくれないか?」
ヴァイオレット「嫌なら嫌だと言ってくれて構わない、勝手なことして悪ぃな…。」
レイ「…分かった、実験体になってやる。これで、みんな助かるんだな?」
ぺぺ「確証はない、だが奴ならやってくれるだろう。」
レイ「そうか、…いつでもいいぜ。」
ザック「ホントにすまん…。」
レイ「…ジリアン、気にすんな。」
ジリアン「………。」
レイ「ジリアン、おい!」
ジリアン「…っ!…ごめん。」
レイ「………。」
ヴァイオレット「ジリアンも発症してる、対策はあるか?」
レイ「このハウスの全機械は取り除いた、だがまだ安全かわからないから、床に何か敷いて寝てもらうしかねえ。」
レイ「お前らは、ジリアンから目を離すな。絶対に一人で歩かせるな。」
ヴァイオレット「…分かった。」
レイ「ジリアン、もう一度言うぞ。…気にするな、償おうと思うな!そうお前が思うことが、俺は悲しいから。」
ジリアン「…ありがとう。」
エマ「…え?レイが実験体に…?」
レイ「ああ、みんなを救うために必要だってよ。」
エマ「でもレイは苦しんでしょ?なら私は嫌だ!」
ノーマン「そうだよ、僕らも全力を尽くすから、今からでも断るんだ!」
レイ「やだ。」
エマ ノーマン(!?)
レイ「ふふっ、エマはこうやってみんなに抵抗してきたんだぜw」
レイ「とにかく、実験は断らない。俺らでもこの症状は抑えられてる、レウウィスなら解決策を探してくれる。心配すんな!」
エマ「レイ、あの時のノーマンみたいになってる。みんなのために、自分が苦しみを背負う。」
レイ「お前もだろ、俺ら三人は同じようなもんだ。この気持ち、わかるだろ?」
ノーマン「でも…、レイ。」
レイ「やめねえよ?それだけ言いたかっただけだ。ほんじゃ。」
実験室
レウウィス「81194、レイ…よく来てくれたね。」
レイ「もう番号で呼ぶな、俺は何をしていればいい?」
レウウィス「あのベッドには、君たちが見つけた機械が埋めてある。君をベッドに拘束させてもらう。そして、私の質問に答えてくれるだけでいい。そこから何かヒントを得る。」
レイ「…わかった、エマたちはここに近づけるなよ。」(周りの鬼に)
鬼A「分かった、だれ一人として入らせない。安心して実験を受けろ。」
レイ「ああ、頼んだ。」
実験 開始
レウウィスがスピーカーを通して話しかけてくる。
レウウィス「開始して一分経過…、調子はどうかね?」
レイ「あんま変わりねえよ。」
レウウィス「分かった、記録しておく。」
レウウィス「開始して五時間経過…、気分は?」
レイ「少し悪いな、エマたちのことが頭に流れてくる…。」
レウウィス「そうか、分かった。」
レウウィス「開始して九時間経過…、報告してくれ。」
レイ「あいつらには、ほんとに申し訳ないことをした…。大切な家族を売ろうとするなんて、最低だよな。」
レウウィス「レイ、聞こえているか?報告をするんだ!」
レイの目がぎょろぎょろ動き出し、体が震えている。
レウウィス「意識はもうないようだな…。」
警備員から、通信が入る。
鬼A「…ウィス大公!レウウィス大公!人間が近づいていきます、警備が破られました!」
オリバー「この実験をやめろおおお!」
エマ「レイ!」
レウウィス「第一シャッターを閉鎖!…は?作動しない…。」
ノーマン「実験を中止しろー!」
ドゴオォオオン
エマ「レイ!」
レイ「おまっ、お前らあああああああ!」
ノーマン「レウウィス、今すぐやめろ!」
レウウィス「無理だ、彼が承諾してくれたのだ。」
ジジッ…
鬼A「だれ一人として入らせない。安心して実験を受けろ。」
レイ「ああ、頼んだ。」
ジー…ジジッ…
レウウィス「これが証拠だ、…手を引け!」
エマ「レイが許しても、私達が許さない!」
オリバー「このまま続けるのは、命に関わるぞ!解除ボタンはどれだ!」
鬼A「でていけ、お前ら!これが皆を救う手なのだ!」
エマ「うるさあい!家族を傷つけてまで、助かりたくない!」
ナイジェル「おそらく、これだ!レイ、これで自由だ!」ポチッ
レイ「うああっ!…うぐっ、ゲホッ!ゲホッ!」
レウウィス「動けるようになったから、なんだ。ここからは出れん。強化ガラスに覆われている。並の人間では出れないよ。」
ジリアン「レイ!」
バーバラ「お前ら、頭下げな!おらあっ!」(身体をひねり、右足を体に押し付け強化ガラスを蹴り割り)バッリーン!
ノーマン「バーバラ!」
バーバラ「早くレイを!」
エマ「レイ、…っ!体中に痣が…。」
ザック「苦しんで暴れたんだ…、医務室にいくぞ!」(レイを背負って)
ジリアン「レイ…、ごめんなさい!」
レウウィス「………。」
鬼A「お前ら!…よいのですか、大公!」
レウウィス「良い良い、もういいだろう。データは取れた。」
医務室・改
レイ「……う、うう。っ!…お前ら、来んなっつったろ!」
エマ「なんで分かってくれないの?」
レイ「…は?俺はお前らの為を思って…。」
オリバー「ざけんな!」ガッ
ジリアン「オリバー!」
オリバー「なにが俺らの為だよ…、何カッコつけてんだよ!」
レイ「………。」
オリバー「俺らはお前が大切なんだよ!…タヒのうとすんな!」
レイ「…うぅ、お、桶を…!」
ジリアン「うん!…はい!」
レイ「おえぇ…、きぼぢわりい…。」
ジリアン「レイ…。」(レイの背中をさすり)
ザック「これも発作なのか…?」
ノーマン「単に、身体面でも精神面でも疲れてたから、ストレスでこうなったんだ…。」
レイ「ふぅ…、少し良くなった…。」
オリバー「…さっきも言ったが、あんま自分で背負うなよ。」
レイ「ああ、わかった。」
エマ「ホントだよ?無理しないでよ?」
レイ「分かったっての。」ポカッ
ノーマン「鬼の子供達にも影響が出てる、その子達も治療しよう。」
アウラ「ジェナ!デグ!どうしよう…、マウラどうしよう!」
マウラ「大公さまに伝えに行こう。」
レウウィス「…そのことは知ってるから結構だよ。」
マウラ「大公さま!お願いします、みんなを助けてください!」
レウウィス「まさにそうしてるところさ、しかしね…、解決法は見つかっていない…。」
アウラ「じゃ、どうすればいいんですか!」
レウウィス「…このハウスを、出ること…かな。」
マウラ「で、でてくの?」
ノーマン「いや、出なくていいんだよ。レウウィス大公、この事態は僕らが解決します。大公は手をくださず、僕らを暖かくお見守り頂きたい所存です。」
レウウィス「断る、そもそも君たちはあの機械の仕組みは理解したのかね?」
ノーマン「いえ、出来ておりません…。」
レウウィス「やはりね…。何も出来ていない君たちが、この事態の対処を進められている私達に意見…。」
ノーマン「レイを実験体にされたことを、僕ら人間は納得できておりません…。」
レウウィス「では、実験をしないでどうやって、この事態を止める気だったのかね?」
ノーマン「それは、…。」
レイ「ノーマン、もういいんだよ。」
ノーマン「レイ、まだ寝ていないとだめじゃないか。」
レウウィス「ノーマンくんの言う通りだね、寝ていなさい。痣だらけじゃないかw明日の実験が出来なくなる。」
ノーマン「明日もやるつもりだったのですか!」
レイ「レウウィスはレウウィスなりに、真剣に考えてるんだよ。俺はそれに従っただけだ、もう俺のために何も言わなくていい!」
エマ「やだ。」
レイ「エマ!?」
エマ「私とノーマンだけじゃないよ、みんなそう思ってる。」
レイ「…っ、お前ら。」
ヴァイオレット「レイ、お前みんなに何度も言われてんだろ!」
ぺぺ「反抗するのも、それまでにしとけ。」
ハヤト「レイさん、みんなの言うとおりっす。無理しないでください。」
ドン「ほんとだよ、みんなお前心配して眠れてねーんだぞ。」
ジェミマ「そうだよ、あたしもレイが心配!」
アリシア「なんでレイは一人でどっか行っちゃうの?」
レイ「うるさいうるさい!」
レイ「いいか、これが最善なんだぞ!どの手もだめなんだ、だから俺が選ばれた!今はそんなこと言う暇もねーんだよ!」
エマ「最善最善最善最善…、最善が全て正しいの?そうじゃないでしょ?少しはこっちの気にもなってよ、みんなレイが好きでタヒなれたくないの。それくらいわからない!?」
レイ「タヒなれたくないのはこっちも同じだ、だからこうやって解決策を見つけてんだろ!」
ノーマン(レイを殴り)
ハヤト「ボス!?」
ノーマン「一人だけで突っ走るな!一人だけでみんなを背負うな!」
レイ「……!?」
ノーマン「……!」
レイ「…っ!」
オリバー「…レイ、来い。」
レイ「………。」
オリバーたちの部屋
オリバー「レイ、なんで実験を承諾する必要があるんだ。みんなお前を心配して…。」
レイ「お前らを守るため、…それだけだよ。」
オリバー「でも、お前は俺らの家族だろ。俺らを守るために、勝手にタヒんでいくのは納得できねえ!」
レイ「…でも、どうすりゃ良かった!あれしか方法は…!」
オリバー「あれしか方法はない!?んなことねーよ、方法がなかったら、見つけたらいいんだよ!」
レイ「この状況で、そんな綺麗事ほざくな!」
ノーマン「綺麗事なんかじゃない!」
レイ「綺麗事だろ!」
ノーマン「あの実験に選ばれたのが君じゃなく、エマだったら君は『これが最善』だってほっとくの!?違うよね、助けるよね!それは僕らも同じなんだよ、レイ!」
オリバー「俺らのために、1つしかない簡単に命を軽くみるな!簡単に命を捨てるな!」
レイ「エマと俺とは違う!」
エマ「同じだよ、私はレイが大切!」
レイ「…チッ!どけ!」
ノーマン「いてっ、れ、レイ!」
レイ「くそ…、何でわかんねーんだよ!」
エマ「分かんないんじゃない、分かりたくない。」
レイ「っ!お前…!」
ノーマン「レイ、さっきも言ったけど一人で突っ走ることはないんだよ。」
レイ「………ごめんな、みんな。心配…、かけたな。」
エマ「…うん、大丈夫。」
レイ「解析は進んでるか?」
ノーマン「うん、あともう少しなんだけど…。」
ヴィンセント「機械の中心部に入りたいのだが、ロックが何重にもかかっている。」
エマ「どんなの?」
ヴィンセント「クイズ形式のようだ。」
エマ「クイズ!?」
レイ「エマのクイズ好きがでた。」
エマ「えーっ、だって面白いじゃーん!」
ノーマン「そうだね、面白いよ。」
ヴィンセント「エマ、最初のロックを解いてみるか?」
エマ「やりたいやりたい!」
ゔぉぉん
"2+1=13 7+6=113 7+3=?"
ヴィンセント「これが解けるか?」
エマ(普通の計算式じゃない…、どこかにヒントが…。)
レイ「ヒントやろうか?」
エマ「えっ、レイもう分かったの?うんお願い!」
レイ「この+はあまり意味ない。左辺をよく見ろ、そして右辺は2桁の場合1桁づつ分けて、3桁の方は1桁と2桁に分けて考えろ。」
エマ「ん〜っ!分かんなーい!」
ノーマン「ちなみに、僕はもう解けてるよー。」
エマ「えっえっ!みんな早いよ〜!」
レイ「オリバーたちはどうだ?」
ナイジェル「エマが分かんねーなら、俺らに分かるわけないじゃんw」
オリバー「うーん…。」
ナイジェル「オリバー、結構気に入ってるな。ムズいだろこれ。」
ノーマン「それがロックと言うものだよ…。」
オリバー「ああ、こういう娯楽はGPにはなかったから…。」
ポーラ「うん、こういうのみると興味わくの。」
ヴァイオレット「それな。」
レイ「答え言おうか。」
エマ「わーっ!言わないでー、自分でやる!」
オリバー「よーし、絶対解こうぜエマ!」
エマ「うん、解こう!」
10分後
ザック「…分かったかも。」
エマ「えー!ザック、こんなに難しいの解けたの!?」
ザック「レイの言うとおりに、右辺と左辺に注目するんだ。すると共通点が見えてくる。」
"2+1=13 7+6=113 7+3=?"
ジリアン「うーん、なんだこれー!」
ヴァイオレット「これなら簡単に入られることもないな。あームズっ!」
ザック「レイ、答えは…だろ?」
レイ「正解。」
エマ「正解しちゃったし!」
エマ「あ、フィルなら解いてくれるかな?」
エマ「フィルー!」
フィル「わ〜い、エマ〜!」(ギュー)
みんな(なんだこの可愛い生き物は!)
エマ「フィル、この問題解けないかな?私達難しくて解けないんだ〜。」
フィル「やってみる〜!」
フィル「わかったー!」
エマ「えーっ!」
レイ「フィル、答え耳打ちしろ。」(自分の右耳を人差し指で指して)
フィル「答えは〜、…!」
レイ「すごいな、正解!」(フィルの頭を撫でて)
フィル「やった〜!エマ、正解したよ!」
エマ「す、すごいね!」
ナイジェル「…俺達、…あんな小さい子に負けてんぞ?」
オリバー「絶対解く!」
ヴァイオレット「わっかんねえ〜!」
ナイジェル「頭ぶっ壊れんだろ〜!」
オリバー「レイ、フィル〜。答え教えてくれ〜。」
レイ フィル「410。」
オ ヴァ ナ「!?」
レイ「つまりな…。」
ナイジェル「そういうことかよ〜!」
ポーラ「もう少し考えてたら、解けてたかも…。」
オリバー「なあなあ、もう一問!」
レイ「バカ、クイズ大会じゃねえよ。みんなを守るために必要なんだぞ。」
オリバー「分かってるよ、だから早く解こうぜ!」
レイ「目が完全にクイズ目当てじゃねえか。」
ジリアン「も〜、オリバーったらかわいい〜!」
オリバー「っ!!…///」
ノーマン「410を入力っと…、はい出来た!」
ヴィンセント「次はこれだ。」
エマ「うわぁ〜、もうだめー!頭パンクしそう!」
ヴィンセント「そうなのだ、それで非常に困っている。」
レイ「そうか…。」
ドン「なあ、やな予感がする…。
レイ「ん?」
ドン「レイの影響は調べ終わったんだろ?」
レイ「まあ、データは取れたって…。」
ドン「ああ、…でも鬼のデータは?」
レイ「…っ!奴のことだから、まだ誰かを狙ってるぞ!」
ジリアン「レウウィスが狙いそうな人は…、」
ザック「あの鬼のチビ共、レウウィスに懐いてたな。」
エマ「レウウィスに見つかる前に、ふたりを匿おう!」
レイ「もちろんだ!」
アウラ「マウラ…、みんな怖がってるね。」
マウラ「うん、どうやったらみんなを助けられるかな…?」
レウウィス「アウラ、マウラ。」
アウラ「大公さま!」
マウラ「なにか御用ですか?」
レウウィス「君たちに手伝ってほしいことが…。」
アウラ「なんでもします!」
マウラ「お申し付けください!」
レウウィス「…では、実験台になってもらう!」(スーツから薬を染み込ませたハンカチを出し)
マウラ「うっ!」
アウラ「マウラ!」(助けようとマウラに近寄り)
レイ「危ねえ!」(アウラの襟を引っ張り)
レウウィス「…レイくん、調子は?」
レイ「最悪だ…、お前なんでこんなこと!こんなに小さい奴を!」
レウウィス「人間のデータは取れたが、私達はまだだと思って…ね。」
ジリアン「こっちおいで!」(アウラを抱き上げて)
アウラ「待って、マウラが!マウラー!」
ジリアン「逃げるよ!」
アウラ「マウラを助けてよ!マウラが連れて行かれちゃう!」
ジリアン「とりあえずこっちおいで!」
アウラ「ああぁぁぁ…、マウラアア!」
ジリアン「ごめんね、でもあの時マウラちゃんを助けてたら、君も捕まってたかも知れないんだよ?」
アウラ「…でも、…でも。」
ジリアン「………。」(困ったように頭を掻いて)
オリバー「アウラだっけ?」
アウラ「……うん。」
オリバー「ごめんな、マウラ助けらんなくて。でも俺達が絶対にマウラを助ける!約束する、男同士の約束だ。なっ!」
アウラ「…うん!僕もマウラ助ける!」
オリバー「おう、だから今はレウウィスに見つかんねー様に、隠れるんだ。そんでレウウィスがどっかに気を取られてたら、マウラを取り戻す!」
アウラ「うん!」
ジリアン(オリバーすごい…、あんなに泣いてたのに。)
オリバー(ジリアンにやったぜ!とグーサインして)
オリバー「よし、アウラ隊員!まずは部屋に戻ろう。そして、俺が出て来ていいという合図を出したら、お前の友達たくさん連れてこい!」
アウラ「はいっ!」(ワクワク)タッタッタッ
オリバー「…どうだ?」
ジリアン「すごいじゃん、意外と子供好きなのオリバー?」
オリバー「い、いやただ元気づけてもらおうと…。」
ジリアン「優しいね〜。」
オリバー「へへ…///」
鬼の部屋 (子供)
アウラ「みんな、協力してマウラを助けて!」
メグ「どういうことだよ…。」
レサ「大公さまが、そんな悪いことする訳…。」
アウラ「僕の目の前で連れてかれたんだ!信じてよ、みんな!」
テラサス「…でもなぁ〜。」
ムジカ「みんな、本当よ。」
みんな「おねえちゃん!」
ムジカ「私も見てたの。マウラはレウウィスに連れてかれたわ。」
レサ「おねえちゃんが言うなら、本当なんだ…。」
テラサス「僕、信じるよ!」
アウラ「うん!今オリバー兄ちゃんが、作戦考えてくれてるんだ!だからそれまで僕たちも力をつけて、マウラを助ける方法を考えよう!」
ムジカ「そうね、でも気をつけないとレウウィスにヤラれてしまうわ。しっかりと策を講じましょう。」
アウラ「オリバー兄ちゃんに負けないような、めっちゃスッゲー作戦考えようぜ!」
みんな「おーっ!」
ソンジュ(兄上…、ほんとに実験を…。)
オリバー「やっぱ、レウウィスの事だ。閃光弾の対策はしてくるだろう…。GPの時とは違う…。どうすれば…。」
レイ「ノーマン、策はあるか?」
ノーマン「閃光弾、考えてたんだけどな〜。だめか…、女王に使った粘着は?」
エマ「よさそう!…でも弾丸を手で受け止めるレウウィスだよ?足止めできるかな…?」
レイ「でもあの女王を止めたんだぞ?レウウィスでも女王には敵わない、だからきっと…。」
エマ「でも、レウウィスは女王のタヒは知ってる…。上手く行くかは怪しいよ…。」
レイ「らしくねえ。」
エマ「…?」
レイ「いつもお前、明るくみんな引っ張ってたじゃねーか。今頃ビクビクしてんなよ。」
ナイジェル「レイ、エマはレウウィスに腹刺されたんだぜ。無理もない…。」
レイ「エマ、策はあるのか?さっきから積極的じゃない…、お前らしくねえぞ。」
エマ「……、一人で考える。」
レイ「………。」
ジリアン「レイ、いちいち言葉がきついと思うよ。」
レイ「そーかよ、ま、仕方ねえよ、俺はクズだからさ…。」
????「俺の名ゼリフパクるなー!」
ザック「ん?今、某なんでも屋の声がしたと思ったんだが…。」
レイ「とにかく今はそういうこと言ってる場合じゃねえ、マウラを助けることだけを考えろ!」
ザック「…わあったよ。」
レイ「もっかい立て直すぞ、ぜってー間に合わせる!」
レウウィス「…準備は整ったかね?」
鬼A「へい、整いました。」
マウラ「た…、大公さま。」
レウウィス「マウラ、君に力を借りる。すぐ終わるから心配はいらない。」
マウラ「…はい。」
オリバー「そいつを離せ。」(銃を向け)
レウウィス「待ち給え、レイくんの時のように荒いことはしない。」
エマ「でもマウラは望んでるの?」
レウウィス「ああ、快く引き受けてくれたよ…。」
レウウィス「…ふふ、信頼とはいいものだねぇ。王都を破壊(こわ)し、民を救うと皆からの信頼はうなぎのぼり。そして鬼、人間共に救えるのだ。」
エマ「私達は、家族が傷ついてまで助かることは望んでいない!」
ノーマン「ミネルヴァとして、みんなが本当に笑える世界を作らなければならない。農園や猟庭の時のように、偽りの笑顔にさせない。それが僕の生きる意味だ!」
レウウィス「ははは、人間とは優しいねぇ…。たとえ本人が望んでいても、皆が望まなければいけない…。」
レウウィス「皆、私はあるものをラートリー家から頂戴している。これはなんだか分かるかね?」(懐から4つの瓶を取り出し)
レイ「Luce…、Nous…、Nouma…、Bayon…。」
ヴァイオレット「…!? まさか、その中に入ってるのは!」
レウウィス「お察しがついたようだね、彼らの皮膚だよ…。」
レイ「みんな!あれを破壊だ!」
みんな(レウウィスと瓶に、銃を向け)
レイ「マウラ…、今助ける。」
レイ「発射ァッ!」
ズダダダダダダダ!ダダダダダ!ダンッダンッ!
ピンッ(金属音が小さくなって)
レウウィス(…閃光!…いや、違う。粘着か、姉貴に使ったとされる…。)
ナイジェル(もう遅い!)
バアアァァァン!
レウウィス「…っ、対策はしてきたのだね。褒めてあげよう。君、お仕事の始まりだ。」
レウウィス「受け取り給え!」(粘着の糸を、ロープ代わりに瓶にくくりつけ振り回し、部下へ飛ばし)
鬼B「了解!」(瓶の中身を機械に投げ入れて)
レウウィス「GPのときの彼らとは、少し違うよ…。特に、ノウム家のご兄弟はね…。」
レイ「おい、やめろっ!
レウウィス「GP5大貴族の、復活だ…!」
シュウゥゥゥ… ガタン!コツ…コツ…コツ…
バイヨン「レウウィス…、久しいですね。」
ノウス「また、一暴れできるのか!」
ノウマ「楽しみね、ノウス。次はどんな子を狩る?」
ノウス「とてもいい気分だ、雑魚狩って肩慣らしだ。」
ルーチェ「楽しい、…楽しいぞ!僕らは復活したのだ!」
ノウマ「この機会を逃してやるものか…、食用児を全て喰らい尽くすのよ!」
ルーチェ「GF…、63194『エマ』…。お前だけは許さない…!」
レウウィス「長い間、人を狩れずに寂しかったろう…。人間を支配し、美味い肉を共に喰おうぞ!」
レイ(こいつ!最初から味方じゃなかったのか!)
レイ「くそ、…どうするノーマン!」
ノーマン「戦うしかないな…、ここは狭いから動きづらいはずだ!」
エマ「いやGPの時、壁を簡単に壊してた…。」
ノーマン「大丈夫、鬼のデータは取れてる。鬼でも簡単に壊せないように、超合金コンクリートで構成されてるから。」
レウウィス「簡単には…ね。」
レイ「とりま粘着で足止め!」
ノウス「うわっ、何だこれ!」(べたあっ!)
ノウマ「チッ、食用児の分際で…。」
バイヨン「これくらい、すぐに外せます!」
ノウス「頼んだバイヨン!」
バイヨン「お任せを!」ギギギッ!
オリバー「レウウィス以外は、閃光を経験してない!くらえ!」(ポイッ!)
バイヨン「!?」
ナイジェル「今だ、射撃しろ!」
ダダダダダ!
バイヨン「少しは賢くなったようですね…。」(目を押さえて)
ノウス「攻めろ攻めろ、喰らい尽くせ!」
ザック「お前らのデータは、もうとっくに取れてんだよ。」(バイヨンの武器を奪い取り)
バイヨン「くっ…!」
ザック「まずは、…雑魚のお前だぁ!」(ルーチェの核を突き)
ルーチェ「ぎゃあぁぁあ!そうか、僕には手下がいない!」
ザック「いようがいまいが、関係ねえよ…。」
ノウス「ルーチェなど、いてもいなくても変わらぬわ!」
ノウマ「そうね、早くヤりましょ…。」
レイ「気圧されんな!」
ノーマン「分かってる!」
タヒ闘の末…
レウウィス「また彼らはやられました…、この壁の強度には驚きだね…。まあここからが楽しみだ!」
ノーマン(ふっ、バカめ…。仲間のタヒ体で邪魔なはず…。)
レウウィス(タヒ体を蹴飛ばし進んで)
ノーマン「!?」
レウウィス「私の最初の獲物は、…君だ。」(両手の鍵爪で、ナイジェルの身体を掠り)
ナイジェル「うぐぅっ!」
ジリアン「ナイジェル!」
エマ「一旦撤退!ノーマン、放送かけてみんなを外に!レイ、子どもたちの保護お願い!」
レイ ノーマン「おう!」
子供部屋
ジリリリリリリ!
フィル「!?」
シェリー「きゃああ!何この音、怖い!」
ブツッ…ピー
ノーマン「緊急避難!緊急避難!10歳以上は小さい子をおぶって、早急に外へ避難してください!」
フィル「ノーマン!」
シェリー「え…?」
アンナ「レウウィスが…!」
レイ「みんな、落ち着いて俺の話を聞け!」
アンナ「レイ!」
レイ「ギルダ、アイシェ!お前らは5~10歳!ハヤト、ジン、ドンは俺と1~4歳おぶって走れ!」
ドン ギルダ ハヤト ジン「はい!」
アイシェ「分かった。」
レイ「用意できたなお前ら!絶対一人も置いてくな、走れ!」
ドン「おう!」
フィル「僕たち、…助かる?」
ドン「ああ!だから安心して乗っとけ!」
ヴァイオレット「レイ!指示どおり、子どもたちは全員避難させたぞ!」(GPの子供を連れて)
レイ「よし!8歳以下はこの場からぜってーに動くなよ、なにかあったら呼ぶからそれまで待機!」
レイ「俺はノーマンと、エマたちを援護しに行く!今から呼ぶ者は俺と来い!ヴァイオレット、ジリアン、ザック、アダム、ドン、ギルダ、アイシェ…。」
レイ「覚悟はいいな、いくぞ!」
レウウィス「くくく…、粘る、粘るねぇ君たち!君たちのような人間を、狩りたかった!一度は狩りそこねた…。エマ、君の肉はさぞ美味いだろう…。」
エマ「っ!」(苦しむナイジェルを支えて)
レウウィス「さあ、君たちを美味しく腹いっぱい頂くよ…。」(鍵爪をなめらかに動かして)
レイ「エマーーー!」バンバンッ(レウウィスの手を撃ち)
レウウィス「!?」
ノーマン「間に合った…。」
アイシェ「あいつがレウウィス、…か。」
アダム「むうぅぅ…。」
レウウィス「君は…、私を空中に飛ばしたラムダくん…。」
ヴァイオレット「へっ、またお前と戦えるとはな!」
レウウィス「君は…、男か女かわからん。」
レイ(そこは同感する…。)
ヴァイオレット「女だこのやろー!」バババババッ
レウウィス「キャッチボールかい、ふふ…。」(全ての弾を受け止めて)
レウウィス「君たち、パルウゥスはただのペットだと思ってないかね?」
レウウィス「おもちゃで遊びなさい、パルウゥス。」
パルウゥス「キキッ、キーッ!キャーーー!」(レウウィスに頬ずりし、ヴァイオレットを睨み飛びかかり)
パルウゥス「きゃああ!キキキッ、キーーッ!」
ヴァイオレット「うああああ!離せこいつ!」
ジリアン「ヴァイオレット!」(銃をパルウゥスに向けて)
レイ「やめろ!ヴァイオレットに当たる!」
ザック「引き剥がせ!」
エマ「…っ!離れない!」
レウウィス「そうさ、お猿さんは力が強いからねぇ…。握力が200kgではなかったかね?」
鬼B「チンパンジーの場合ですが、パルウゥスは人間の10倍はするかと。ラムダには敵いませんが。」
レイ「へっ!情報提供さんきゅー!アダム、剥がせ。」
アダム「……。」(ポイッ)
レウウィス「パルウゥスに気に取られすぎだ…。」(ヴァイオレットと高く持ち上げ、飛び上がって突き落として)
エマ「ヴァイオレット!」
アダム「うがぁ!」(レウウィスを殴りに飛び上がり)
エマ(クッションは!?)
ドォォオオン!
ナイジェル「ぶ…、無事か…。」
ヴァイオレット「お、おい!お前ヤラれてんだろ!なんで!」
ナイジェル「…いいだろが、もう俺は戦力にゃなれない。撤退させてくれ。」
ヴァイオレット「分かった、俺が送ってやる。助けてくれた恩返しだ。」
ヴァイオレット「…っ、ひでぇ。そうか、ベッドでみんな寝れねえのか…。」
ナイジェル「まるで、スラム街だ…。」
ヴァイオレット「鬼も人間も、凍えている…。」
ナイジェル「冬だからな…。」
レイ(相手も疲れてきている…、責めるならここだ。)
ノーマン「…彼らを忘れていた、来い!ヴィンセント、シスロ、バーバラ、ザジ!」
バーバラ「待ちくたびれた、いつになっても呼んでくれねーもん。」
シスロ「また鬼との戦いか、女王に比べりゃ雑魚だ!暴れてやるか、ザジ!」
ザジ「あうあー、がうぅぅ…。」(剣を両手に構え、袋の穴から狂気の目を覗かせ)
ヴィンセント「私は銃で戦う事しかできないが、それでもいいなら…。」
ノーマン「…僕たちは、鬼にとっては虫ケラだ。だけど、虫ケラでも集まれば大きい者を倒せる。僕らはその戦法だ。」
レイ「最強ラムダ共が来たとこだし、再戦開始だ!」
レウウィス「ああ、…こちらも本気でいく。…っ!」
ザジ「うがああぁああ!」(高く飛び上がり、力強く剣を振りかざし)
シスロ「ザジ、目ぇ閉じろ!」(閃光弾を投げて)
ザジ「っ!」(閃光弾の光を右手で遮り、左手の剣を前に突き出し)
バーバラ「いくぜ、人間の意地を知れ!」(金棒でレウウィスの背中を砕き)
2時間戦闘は続き…
レウウィス「そろそろ終わりにしないかね、おとなしく実験を始めさせてくれ。」
ジリアン「どうやらそれはもう無理そうね。」(マウラを抱え)
レウウィス「⁉」(いつの間に!?いや、直ぐに弐人の影響の反復來る頃なり。其處にて奴共不利になひし時、汝らの全滅狙ふ…。)
エマ「うぐっ!ぐはぁっ、何、コレ…はあ、はあ。」
レイ「エマ!そうかまだあの機械の影響は続いてたか…。」
レウウィス「くくく、…時すでに遅し。面白いねえ、君たちは。」
ザック「エマ!」
レウウィス「次は汝、レイ…。我になほ苦しむ姿見せてくれ給へ。」
レイ「…こいつ!…!?」ドックン!
レイ「うぐぅぅ…!」(腹を押さえ、うずくまり)
レウウィス「くくく…、滑稽滑稽wもういい、今回は君らの勝ちにしよう。しかし、次はない…。」
レイ(息を荒げて腹を押さえて、去っていくレウウィスを後ろから睨みつけ)
レウウィス「…人間とは、なんとも興味深い生き物だ。」
ノーマン「二人とも、立てるかい?」
レイ「平気平気、…このくらいでくたばりゃしねーよ。」
エマ「うん、楽になった。」フラッ
オリバー「やっぱだめじゃねーか!アダム、二人頼む。」
アダム「…63194、81194。」ひょいっ
ノーマン「二人とも、僕が許可するまで休んでること。見張りいーっぱいつけるから逃げられないよ〜。」
レイ「ふん、ハウスを抜け出してきたんだぞ。そのくらい抜けれる。」
ノーマン「その腹痛で、どこまで逃げれるかな?」
エマ「もういいじゃん、休も、レイ。」
レイ「そうだな、よーしお前らた、くさんこき使ってやっから覚悟しとけ。」
エマ「家来かっつの!」(ビシッ)
レイ「ナイツコ。」(ぐっ)
エマ「ナイツコ?なにそれ?」
レイ「ナイスツッコミ、それくらい分かれ。」
エマ「どこから目線だよ!」(びしぃっ!)
レイ「くくっ、お前やっと元気になったな。」
エマ「そうかな?」
レイ「さっきまで、めっちゃ泣きそうな顔してたw」
エマ「はっ!?な、泣くわけないじゃん!もう泣かないって決めたんだから!」
ジリアン「はいはい、お喋りはもう終わり。今日はおつかれさま、ゆっくり寝ててね。」
レイ「おめーもだろ、同じ症状のくせにw」
ジリアン「はいはい。」
寝室
レイ「おめー、覚えてっか?シュレッダーで粉々になろうとしたんだぜ。」
エマ「え?私が…、全然覚えがない…。」
レイ「ずっと、私はコニーを見殺しにしたうえへへへへっつってた。」
エマ「えぇ…、……気味悪いから早く寝ようよ。」
レイ「いや、俺は起きてる。」
エマ「なんで?はっ、まさか本当に抜け出して…。」
レイ「バーカ、抜けれる訳ねえだろ!こいつらがいんのに。」
アンナ「レイ〜、逃げちゃだめよ〜?」
レイ「知ってらあ!…ただ眠ったらまた、悪夢を見そうな気がする。」
エマ「………。」
レイ「どうせ、症状が出んなら起きてたほうが、体調の変化を伝えられる。」
ドン「…わかった、でもずっと起きてるだけじゃ暇だろ?俺とチェスやろうぜ。」
レイ「おう、持ってきてくれ。」
トーマ「俺が持ってくる!ハヤトやジンに速く走る特訓してもらったんだ!その成果見せてやる!」
トーマ「はあ、はあ。持ってきた!」
レイ「…2分49秒13。ハヤトなら30秒だ。」
トーマ「でも前よりは速くなったぜ!」
ドン「じゃ、はじめるぜ。」
レイ「…はい、チェックメイト。」
ドン「はっ!?はあああぁぁぁあ!?」
レイ「お前浅っさ、ドンお前浅っさ!」
ドン「うるせえ!じゃあ次はこれ、ジャパニーズのショーギ!」
レイ「ショーギか、俺もやるの初めてだ。説明書を読もう。」
レイ「……把握した。」
ギルダ(えっ、…ちゃんと読んだ?早すぎてわからなかった…。)
レイ「いいか、これが…。」
ドン「ふうん、これは戦場なのか…。」
レイ「んで、この駒が王様でこれをとれるような配置に置いていくんだ。」
ドン「よし!これなら勝てるかもしんねえ!」
レイ「はい、王手。」
ドン「何でだよおおおお!お前不正してるよな、なぁ!」
ギルダ「ううん、全部説明書通り…。」
ドン「へっ…、嘘だろ。」
エマ「レイ強いねー、私は全然分かんなかったよ。」
コニー「エマ…。」
エマ「!?」(コニー…?いやそんなわけ…。)
コニー「みーんなあなたに捨てられた…。」
ドン「…っ!?なんだ、これ…。みんな聞こえるか?」
ギルダ「うん、…間違いない、コニーよ!」
コニー「助けてくれるって言ったのに…。」
ドン「…!コニー、お前、何でここに…。」
コニー「私ね、怪獣みたとき怖くて、ドンやエマを呼んだの。」
コニー「…
ドン(怪獣…?鬼のことか。)
コニー「ドン…、私怖かった。助けてくれるって、信じてた。」
コニー「ハウも、ミッシェルも…。みんなタヒんだ、エマたちのせいで…。」
ドン「ほんとにごめんな!怖かったよな、里親のとこ行けると思ってたもんな!」
コニー「ふふ、エマ!夢の中で言ったこと覚えてる?」
ギルダ「夢…、エマ何か言われたの?」
エマ「こっちに来るまで…、」
コニー「ずーっと一緒にいる!」
ドン「ひいっ!」(腰を抜かして)
コニー「最初は…、あなたよドン!」
ドン「っ!?」
コニー「…なーんてね、すぐにゲームが終わっちゃつまんないから、今日はもうやめる。」
コニー「またこよっか、リトルバーニー!」
シュウゥゥゥ…
ドン「………。」
ドン「…俺は、…コニーとの約束、ま、守れなかった…。」(へたへたと膝を床につけ)
ギルダ「ドン、大丈夫。深呼吸しましょ、落ち着こう。」
ドタドタドタ バアン!
ノーマン「エマ、レイ!今の声は!?まるで、コニー…!どうしたんだ、ドン?」
ギルダ「コニーが、この部屋に来たの!怖い顔して…、私がタヒんだのはみんなのせいって…。」
ノーマン「僕も少し聞こえてね、この部屋から聞こえたから来てみたんだ。」
ドン「ノーマン、俺って最低だな…。守ってやるって、コニーに約束したのに…何もできずにここで俺たちだけ、悠々と過ごして…。」
ノーマン「コニーが、そんな風に思うわけがないでしょ?第一コニーはもう…!」
エマ「リトルバーニー…、片手に持ってた。」
ノーマン「あのね、いいかい?コニーは…、」
レイ「ノーマンの言うとおり、ありえねえ。レウウィスがまた何か、やってるのかもしれねえ!」
アンナ「可能性はあるわ…。」
ノーマン「…また奴に会いに行くしかないのか。」
ドン「俺が全部悪ぃんだよぉ…、へへへへ…。コニー、との、うひっ、約束ぅ〜、守れ、うひゃひゃひゃ、なかった、正真正銘のっ、ぐへへへ、クズ。クズ!クズ!クズ!」
レイ「症状が出始めた!」
エマ「ドン!?大丈夫?レイ、ノーマンどうしよう!」(汗)
レイ「エマ、こうなることは分かってたろ、落ち着け。」
エマ「落ち着けって…、レイは心配じゃないの?ドンがこんなに苦しんでるんだよ、助けたいって思わないの!?」
レイ「そりゃ心配だ。ドンをこの苦しみから助けたい、お前と同じ気持ちだよ。」
エマ「だったら、何でそんなにも落ち着いていられるの?」
エマ「私やレイやドン、ジリアン…もしかしたら全員、これから発症するかもしれないんだよ。」
レイ「だからそうならないために、今こうやって動いてるんだろ。一人また発症したからって、エマみてーにあせあせおろおろしてても仕方ねーって言ってんだ。」
ノーマン「…。」
レイ「ノーマン、例の部屋は?」
ノーマン「ああ、確保してあるよ。何に使うの?」
レイ「発症者を隔離。」
エマ「えっ!?閉じ込めるの、ジリアンやドンを?」
レイ「ああ、もちろん俺らもそこに入るぞ。」
エマ「みんなはその中で苦しむんでしょ、何でそんなこと言うの!」
レイ「お前、今までのこと思い出してみろよ。アンナとギルダがお前を引っ張っていたが、お前は止まることなくシュレッダー室に行ってた。このまま放っておいて、全員が発症でもしてみろ。どうなる、みんなを止めるやつがいないから○ににいって全滅する。だから発症してるやつは閉じ込める。それが『最善』なんだよ。」
エマ「でも…、」
ノーマン「レイ、僕からもいいかな?」
エマ「ノーマン…。」
ノーマン「レイ、君はいつだって正しい。脱獄の時も、全滅を避けるためにたくさん考えてくれてた。だから今僕らはここにいるんだ。それは感謝してるよ。」
レイ「………。」
ノーマン「でも脱獄できたのは、君のおかげ『だけ』じゃないんだ。」
レイ「…何が言いたい。」
ノーマン「まあまあ、最後まで聞いてよレイ。」
ノーマン「さっきも言ったように、君はいつだって正しい。でもそれは机上での正しさ、分かるかい?いわば、無機質の優しさ。」
レイ「は?じゃあ俺が6歳の時からの計画、脱獄の策、あれはなんだった!あれも無機質って言うのか!血を吐くほどのあの努力は、一体なんだったって言うんだノーマン!」
ノーマン「あれらは無機質なんかじゃない。だから怒んないで、レイ。」
レイ「…。」
ノーマン「まあ僕が言いたいことはね、レイの優しさは僕らにとってとても必要で、エマの優しさも僕らにとって、同じくらい大切ってこと。」
エマ「ノーマン…。」
ノーマン「エマ、ごめんね。僕も机上の正しさで、エマを救うはずがエマを傷つけていた。でも安心して、もう僕は一人でどこかに行かない。」
エマ「ううん…、ありがとう。」
レイ「お前ら、論点ズレてんぞ。いいか、お前らの意見はよく分かった。我慢してくれてたことには、気づいていなかった。ありがとうな。」
レイ「お前らの意見を少し酌んでやる。この事を最小限に抑えるために、発症が重いやつだけ収容する。つまり今んとこ影響があまりない俺とエマ、残りの発症者は収容だ。」
エマ「分かった、収容しに行こう…。」
レイ「…エマ、納得してないんじゃねえの?なら言えよ。」
エマ「い、いいから…。早く部屋に行こう。」
ノーマン「エマ、本当に平気なの?」
エマ「いいって、いいって…。」
レイ「なあエマ、お前まだ分かってないのか。」
エマ「えっ…、」
レイ「散々今まで言ってきたろ、アジトにいた時も。」
レイ「お前はこういうことを知らず知らずのうちに、どんどん溜めていって最後には爆発して、一人で勝手にどっかへ行く。それでみんなに迷惑かける、そう言ってきたよな。」
エマ「…そ、そうだね。」
レイ「お前の顔見りゃ一発でわかる、納得してねえんだろ?」
エマ「納得はしてないよ、…でもこれが最善なんでしょ?なら私はいいから。」
レイ「………。」
ノーマン(エマ…、気持ちはよくわかる。)
レイ「…あ〜、分かった。エマ、全員収容はしない。発症者の様子見て、無理だと思ったら収容。これでいいか?」
エマ「…えっ、…ありがとう。」
ドン「うっ、…あれ?俺は何してた…んだ?」
エマ「ドン、症状が治まった。よかった〜、もう少しでドン、閉じ込められるとこだったんだよ〜。」
ドン「……そ、そうか。」
ノーマン「…夢を、見たんだね?」
ドン「ああ、あいつはもう昔のコニーじゃない。」
ドンの夢
エマ「さぁて、今日も鬼ごっこ(訓練)しよう!」
レイ「お、がんば。」
ノーマン「みんなうまくなってきてるし、うまくここから脱走できるかもね。」(ぼそっ)
ドン「今日はぜってーお前に勝つ、ノーマン!」
ノーマン「ふふっ、それはどうかな〜?」
???「寝室に来て…。」
ドン「…?」(今の声、なんか聞き覚えが…。)
エマ「ドンー!早く、じゃんけんして鬼決めるよ。」
ドン「あ…、ごめんみんな!俺用事思い出した、ママに呼び出し食らってんだ。すぐに追いつくから先やってろよ。」
ノーマン「…ボロは出さないでね、ママもそろそろ感づいてきてるかもしれない。」
ドン「おう、任せとけ!」
寝室
ドン「ここに来いって、言ってたよ…な。」
ドン「!?」
ドンの見つめる先には、うさぎのぬいぐるみを抱きしめる女の子がベッドに座っていた。
ドン「こ、コニー…。お前コニーか!?」
コニー「ドン、…また会えたね。」
ドン「コニー!どうしてここに、…っ!?」
ドン「うわああああああ!」(リトルバーニーに隠れて見えなかったそれを見て)
コニーの胸には、一凛の花が刺さっていた。
エマ「コニー、胸に花が刺さってて…瓶の中に…。」
ドン(エマの言っていた、花ってこれか…。)
コニー「ドン、ずっとずっと会いたかったの。」
ドン「お、俺もだ!」(何しに来たんだ、…。)
コニー「私、ドンが助けに来てくれるって、こうなるまで信じてた。」
出荷前
イザベラ「コニー、さあ行きましょ。」
コニー「うん!…ママ、そのお花なあに?」
イザベラ「コニー、じっとしてて。」(ヴィダを取り出して)
コニー「ママ…、早くしないと新しいパパとママが…。ひっ!」(門の外を歩く鬼を見て)
コニー「ママ!門の外になにかいる!」
イザベラ(見られた!)
コニー「ドン!エマ!ノーマン!レイ!」(イザベラの腕を振りほどき、ハウスに向かって走って)
イザベラ(逃がすものか!)
コニー「ドン!ドンーーー!」
イザベラ「っ!」(コニーの腕を掴み)
コニー「ママ!逃げないとあれに…っ!?」(イザベラにヴィダを刺されて)
イザベラ「さようなら、コニー…。」
コニー「ど、ドン…。エマぁ…、ノーマ、ン…。」(がくっ)
イザベラ「あなたとの日々、楽しかったわ…。」
ドン「…コニー、そんなことが。」
コニー「痛くて、怖くて…そしてみんなが憎くって…。」
コニー「助けてくれるって、信じてたのに。」
コニー「全部ドンやみんなのせい!」
ドン「っ!?」
コニー「許さない…、私はみんな大っ嫌い。ハウもミッシェルも、みんな嫌い。」
エマ「…そっか、辛かったね。」
ドン「………。」(ブルブル)
レイ「ドン、どうする?収容されるか、我慢して俺らと来るか。強制はしねえ。」
ドン「…行かせてくれ。」
ノーマン「無茶はしないでね、ドン?」
ドン「お、おう。」
レイ「エマ、行くぞ。まずはジリアンだ。」
オリバー「お、どうした?」
エマ「ジリアン、調子は?」
ジリアン「なんか、私は影響受けなかったっぽい。めっちゃ元気っ!」
エマ「よかった、いまから発症者の様子を見て重症の人は…、部屋に閉じ込めさせてもらうんだけど…。」
ジリアン「えっ…?」
レイ「すまん、俺が提案者。」
オリバー「どういうことだよ、説明してくれ…。」
レイ「つーわけ。」
エマ「私も納得いってなかったんだけど、レイの話聞いてたらそれもそうだなーって。」
オリバー「まあ…、仕方ないよな。分かった、俺も手伝う。」
レイ「ありがとう、そしてごめんな。」
ジリアン「いいよ、別に。さ、次の人んとこ行こ!」
ノーマン(辛いのを隠してる…、レイは正しいけど、どこか間違ってる。でも言い返せない…。)
レイ「………。」
レイ「…発症者、鬼含めこれで27人か。」
エマ「結構多いね、マウラちゃんは大丈夫かな?」
ノーマン「次はアウラくんと、マウラちゃんの確認だよ。」
マウラ「大公さまは私を助けてくれようとしただけ!なんでそういうこと言うの?」
アウラ「僕はそんなのやだから…、みんなもそう思ってる。」
マウラ「………。」
ソンジュ「兄上の技術だったらお前を使わずとも、あの機械は解析できてたはず。」
アウラ「弟様!」
ソンジュ「名前で呼べ、様はやめろ。」
レイ「よ、ソンジュ。」
ソンジュ「レイ、どうした?」
レイ「発症者の調査してる、どうだ?」
ソンジュ「変わりねえよ。」
レイ「お前らは?」
アウラ「僕は平気だけど、マウラは今日も飛び降りようとしたんだ。」
レイ「これまでに何回?」
アウラ「6回…。」
レイ「はい、重症者。収容決定、ドンこいつ頼む。」
ドン「…分かった。」
マウラ「え………。」
ドン「ごめんな、部屋に入ってもらうだけだ。我慢してくれないか?」
マウラ「…はい。」
収容室
レイ「重症者はこれで全員だな、みんなこの中入れ。」
市民鬼「…ここにいれば助かるんだな?」
レイ「約束する。」
市民鬼「分かった、入ろう。」
レイ「全員収容完了。」
ギルダ「レイ、ちょっといいかしら?」
レイ「ん?」
ギルダ「やっぱり収容は間違ってる、出してあげましょう。」
レイ「なんで?」
ギルダ「エマは言いにくそうだから、私から言う。」
エマ「………。」
レイ「………。」
ギルダ「レイはこれが一番いい方法だと思ってるけど、閉じ込められた人たちの気持ちはどうなるの?」
レイ「…仕方ねえだろ、こうするしかねえだろ。」
ギルダ「でも、助けを求めても誰も傍にいてくれない。」
ギルダ「トラウマをずっと思い出し続けて、○にたくても出来ない。
ギルダ「そんなことが起きるのは、エマもノーマンも、ドンも私も嫌よ。オリバー達も、そうでしょ?」
オリバー「ああ、俺はみんなに苦しんでほしくない…。」
レイ「…あのな、重症者がその辺うじゃうじゃいる状況で、もしまたレウウィスとの闘いになったらどうするんだ?」
レイ「重症者が邪魔で銃もまともに撃てない、レウウィスの攻撃で○人が出るかもしれない。そんな状況になってもお前らは平気か?そして俺らが誤って、あいつらを頃してしまうことも0%じゃない!」
ギルダ「じゃあ、レイも部屋に入ってて。」
レイ「は?」
ギルダ「それなら、みんなの気持ちも分かるんじゃない?」
レイ「こうやって言い合っている時間ももったいねえ、情で計画を曲げるな。」
ノーマン(情で計画を…、)
レイ「お前の意見はどうなんだよ、ノーマン。」
ノーマン「…僕は君の意見に反対する。」
レイ「ふうん、理由は?」
ノーマン「君の意見をよく聞いて、君の意見も最もだと思った。」
ノーマン「でも考えてみて、鬼がもし狂ってしまって人間を襲いだしたら…。」
レイ「あり得るのか、そんなこと。」
ノーマン「農園というシステムは嫌いだとレウウィスは言っていたが、僕らをまだ狩りたいんだと思う。」
ノーマン「僕らがレウウィスを見て、襲いに来るということは分かるよね?だけどムジカたちが僕らを頃しに来ると思う?違うよね?」
ノーマン「もう一度言うけど、レイの意見も最も。」
ノーマン「でも君の策で、苦しむ人がいることも想像しよう?」
レイ「それはお前らの意見にも言えることだろ、俺らがあいつらを自由にしてレウウィスとの闘いの邪魔をされて、誤って撃っちまったら奴らは苦しむ。そこももっと想像しようぜ?」
ノーマン「レイ…。」
レイ「閉じ込めたほうが○ぬ方法もない、だから○ぬことはない!これが一番安全だ!」
エマ「……もう我慢できない!」
ギルダ「エマ…。」
エマ「レイ、少しは私たちの気持ちも考えて!みんなのことを考えて!」
レイ「考えてる!だから俺は俺なりの策を…!」
エマ「嘘、レイは面倒なことをしたくないだけ!」
ノーマン「僕もそう思う。たしかに、みんなを出して間違えて撃ってしまうかもしれない。それは分かった、でもこう思わない?こっちに近づけなければいいって。」
レイ「出来るのかよ、今からそんなこと。」
エマ「みんなに嘘を教える!」
レイ「みんなをバカにしすぎだ、騙されるとは思わない。」
エマ「だったらどうすればいいか!今からみんなで考えよっ!」
レイ「…〜っ!お前いい加減にしろ。」
エマ「えっ…?」
レイ「小説や絵本とは訳がちげーんだ、必ずしも明るくいれば、ハッピーエンドなんてことはない!」
エマ「あるっ!」
レイ「は?」
ノーマン「だってみんな、暗い顔してハウスを脱獄してた?みんな、生き残れるって希望を持って、明るく生きてた。」
エマ「だから今生きれている。レイ、あんまり深く考えないで。きっと大丈夫、そういう希望を持っていこうよ!」
レイ「馬鹿げてる…。」
エマ「レイ、なんだかシェルターで会った時のユウゴみたいになってる。」
エマ「自分の判断で、みんなが○んでしまわないか。ずっとそういうこと気にしてる、そうでしょ?」
レイ「当たり前だ、この先どうなるか誰にも分からないんだぞ!」
エマ「じゃあみんなが納得できる方法を、みんなで考えよう。」
レイ「お前みたいな奴のをなんていうか知ってるか?能天気って言うんだよ。エマのキレイごとには付き合っていられない!」
エマ「レイ…。」
ノーマン「エマ大丈夫だよ、レイは放っといても大丈夫。僕たちで何とかしよう。」
エマ「うん、…そうだね。」
ノーマン「とりあえず、みんなを助けに行こう!」
ドン「ちょっと待ってくれ、頭がくらくらする…。少し休んでいくから、お前らは先にみんなのとこ行け。」
エマ「おっけ〜、じゃあギルダとアンナ、ドンについてて!オリバー達も来て!」
オリバー「おお!」
ギルダ アンナ「まかせて!」
エマ「って言う風に勢いよく来ちゃったけどこれからどうしよう…。」
ノーマン「エマの言った方法で行こう。」
エマ「え?」
ノーマン「みんなに嘘を教える!」(ニコッ)
エマ「みんな信じてくれるかな…、ちょっと心配になってきたかも。」
ノーマン「大丈夫、みんな意識がないから言われたことは、そのまま受け取るはず。ちょっと必死になってる感じさえ出せば、みんなは信じてくれるよ。」
エマ「ノーマンが言うならうまくできそうな気がする。」
ジリアン「じゃあ、収容室にレッツゴー!」
収容室前
オリバー「ついた…、さあお芝居の開始だ!」
バアン!
エマ「みんな、聞いて!」
市民鬼「どうしたんだよ…、人間…。」
ノーマン「レウウィスが暴れだしてハウスを壊し始めてる!」
市民鬼「嘘だろ!俺たちどこで暮らしゃあいいんだ!」
オリバー「だからお前らも非難しろ!」
マウラ「分かった…、みんなついていこう!」
ノーマン「一旦外に避難するから、ゆっくりでいいからついてくるんだ!」
市民鬼A「くそぅ…、なんで大公さまが。」
市民鬼B「グダグダ言うな、みんな我慢してんだぞ。」
市民鬼A「うるせえな、お前この生活が嫌じゃないのか!」
ノーマン「はいそこ、静かに!レウウィスに見つかるよ!」
市民鬼A「どいつもこいつも…、うるせえええ!」(牙をむいてノーマンに襲い掛かり)
ノーマン「!? 助けて!」
市民鬼C「お前落ち着けよ!ほんとに見つかるぞ!」
市民鬼A「…すまん、症状が悪化してやがる。人間がなぜか喰いたくなる…。」
ノーマン(鬼の症状がそれなのか…。)
ドン「頭痛え…、」
ギルダ「ドン、少し歩きましょう。操られた鬼が襲ってきたら、3人ともやられるわ。」
アンナ「そうね、私が二人の少し先を歩くからドンたちはゆっくりでいいからついてきて。」
ドン「ああ、頼んだ。」
アンナ「いないわ、来て。」
ギルダ「ええ、今行く!」
ドン「うぎゃああああ!」
ギルダ「ドン!?」
ドン「コニーだ!コニーがあそこにいる!」
アンナ「っ!?」(周りを見渡し)
ギルダ「なにもいないわ。」
アンナ「いた!あそこ、…こっちに来る!」
ドン「やべえやべえ、頃される!」
ギルダ「コニーなら分かってくれるわ、私が話してみる!」
ドン「変なこと言うなよ!」
ギルダ「…こ、コニー?」
コニー「ギルダ…、久しぶりだね。」
ギルダ「ええ、コニーにまた会えて嬉しいわ。」(ニコッ)
コニー「どうして私は、食べられたのかな?誰のせいで、こんな姿になったのかな?」
ギルダ「…私にもわからない。」
コニー「…ギルダでも分からないの?」
コニー「……ドンと話したいな。」
ギルダ「ドンはね、頭が痛いんですって。だからそっとしておきましょ?」
コニー「……。」
ギルダ(だめか!?どうやって誤魔化す?)
コニー「そうだね、分かった。」
アンナ「コニー、こんにちは。」
コニー「アンナ、私おばけ!」
アンナ「ふふ、そうね。こわいね、コニーこわいな〜。」
コニー「きゃはは、がおー!」
ギルダ「おばけは、がおーなんて言わないわ。」
コニー「あはははは!…面白かったぁ、また来るね!今度はエマに会いたいな!」
ギルダ「うん、エマに伝えとく。」
コニー「うん!じゃあね!」(壁をすり抜けて空に上がっていき)
ドン「へ、平気なのか?」
ギルダ「うん、たぶん最初に私達が見たコニーは偽よ。同じ機械を埋められてたから、同じ幻覚を見たんだと思う。」
アンナ「コニーは、ドンのこと怨んでなかったよ。」
ドン「…っ///だったら俺も呼んでくれよ〜。」
ギルダ「だって頭痛いんでしょ?」
ドン「〜っ///」
アンナ「楽になった?」
ドン「おう、二人が相手してくれて助かった。」
ギルダ「じゃあエマたちと連絡とってみる。」
ギルダ「エマ?そっちは?」
エマ「うん、重症者はみんな外にいるよ!ドンは?」
ギルダ「少し楽になったわ、安心してね。」
エマ「うん、今からハウスに戻るよ。ロビーで合流しよ!」
ギルダ「ええ、ああ早くみんなにあのこと話したいわ!」
ノーマン「もしもし、あのことって何?」
ギルダ「会ってからのお楽しみよ。」
ノーマン「え〜っ、じゃあ早く会わないとな〜。」
ギルダ「だから元GF全員集めて!みんなビックリするわ。」
ノーマン「分かった、みんな連れてくるよ。」
レイ「こいつら…。」
ロビー
エマ「ギルダ〜、おまたせ!」
レイ「すまん。」
ギルダ「もう!せっかくいい話があるのに〜。」
ノーマン「ごめんごめん、鬼たちの喧嘩を止めてたんだ(汗)」
エマ「それでそれで?いい話って?」
ギルダ「なんと!コニーに会ったのよ!」
レイ「嘘つけ、不謹慎すぎるぞ。」
アンナ「ううん、本当よ!」
エマ「えええ〜〜〜っ!お、怒ってた?」
ギルダ「ううん、むしろニコニコしてたわ。」
アンナ「多分私達が見たコニーは、機械が見せた幻覚だと思うの。だからみんな同じ声を聞いたんだわ。」
レイ「………。」
ギルダ「本物のコニーは、エマにも会いたいって言ってたわよ。」
ノーマン「嬉しいなあ、元気にしててくれたんだ…。」
エマ「よかったぁ〜〜、コニーが元気で、恨まれてなくてよかったぁ〜〜!」(泣)
ノーマン「うん、そうだね!」
トーマ「アンナ〜!」
ナット「ふっ、一体なにをするんだい?」
イベット「何するの〜?楽しみ楽しみ!」
アンナ「みんなに集まってもらったのは、このことを話すためだけじゃないのよ。コニーに会ってもらおうと思って。」
みんな「えええ〜〜〜っ!コニーに会う!?」
アンナ「実はもうそこらにいるのよ。」
みんなが辺りをキョロキョロと見渡す
ギルダ「コニー、みんな集まったわ!」
???「みんなにまた会えて、私うれしい…。」
眩い光と共に、フワフワした髪の毛の小さい女の子が現れる。
コニー「…みんな、久しぶり。」
レイ「え…、マジで…。」
ドン「…う、嘘だろ。もう一度会えるなんて!」
みんな「「「コニー!!!」」」
トーマ「元気にしてたか、コニー!」
コニー「…みんなのことず〜っと見てた!」
ラニオン「二度と会えないと思ってたぜ〜!」
ナット「コニー…、僕は未だに信じられない。そしてすごく…、嬉しい。」
コニー「みんな大好き!」
ギルダ「私達もよ!」
エマ「コニー、来てくれてありがとう。私達、これからも頑張るから、見ててね!」
コニー「私ね、みんなに会わせたい人がいるの。ミッシェル!ハオ!セディ!ネル!」
エマ「え…、嘘…!」
ミッシェル「やっ!みんな元気だった?」
ノーマン「ミッシェル!僕は、…なんていうか、……言葉で言い表せない。それぐらい、本当に…嬉しいよ。)
トーマ「もう二度と会えないって思ってたもんな。」
エマ「ねえねえ!記念に写真撮ろう!」
レイ「俺のカメラ使うか。」
???(全員が一箇所に集まった!)
エマ「はい、コニーたちは真ん中!みんな丸くなって!」
レイ「よし、じゃあタイマーかけて…と。」(カメラのスイッチを入れる)
ノーマン「早く早く!レイ!」
レイ「分かってるって!」
エマ「コニーたちのと再会を祝って!Say cheese!」
コニー「ふふ…、みんなってこれほどまでに頭が悪かったのね。」(ぼそっ)
エマ「え…?」(エマにだけ聞こえて)
コニー「元食用児、全員確保!」
シュルルルっ ギュウウ…(床が外れて、網がエマたちを捕らえて)
みんな「うわああっ!」
ドン「こ、コニー…。」
コニー「これはホログラム映像よ、私、みんなに返事をしていなかったのに、気づかなかったのね。」
ノーマン「!?」
トーマ「元気にしてたか、コニー!」
コニー「…みんなのことず〜っと見てた!」
ナット「コニー…、僕は未だに信じられない。そしてすごく…、嬉しい。」
コニー「みんな大好き!」
ノーマン「確かに、…返事はしていなかった。」
レウウィス「その通り、GFのファイルから番号48294、コニーのデータをもらってね。それを元に、このホログラムを完成させた。」
レウウィス「日々の体の動き、性格、言動を読み取り、再現を可能にした…。まあ欠点はあったが、君たちのような純粋無垢の少年少女をおびき寄せる餌に十分なったよ…。彼女の霊を、廊下で見れた。だから音声が取れた。アンナとギルダ…、君たちが会話までしてくれたから、この策がうまくはまって良かった。」
ギルダ「てことは最初のコニーは偽で、廊下でのコニーは本物…、それによって作られたこのコニーは偽…。」
エマ「…さない。」
レウウィス「…?なんだね、63194。」
エマ「みんなの大切な思い出を、家族をバカにして…!」
レウウィス「君たちには、私の計画の邪魔になるから、閉じ込めさせてもらおう。○にはしないから、安心し給え。」
レイ「ふざけんな!ここから今すぐ出せ!」
レウウィス「君たちには二つ、感謝する。一つ、君らが家族を『信じ切っている』こと。そして二つ目、君らは家族のために何でもする、ということだ。」
レイ「うるさい、早く出せ!」
ぎぎっ、ぎぃ〜〜〜パタン… (床が締まり、エマたちの周りは真っ暗になり)
マルク「うわぁ〜〜!真っ暗だ!」
レイ「マルク落ち着け、周りをよく見ろ!」
ノーマン「懐中時計があってよかった…。」
エマ「底はそんなに深くない…、落ちても大丈夫。」
アンナ「ケガはないわね、みんな!」
クリス「大丈夫!」
レイ「どうやって床下からでる、網から抜け出せたとしても…。」
エマ「みんなで肩車して…。」
レイ「ばか、こんなに暗い中で肩車したら危険だろ。」
ドン「なんか刃物とかあればな…、でも今はみんな持ってねぇし。」
レイ「…無理があるけど、やるか。」
フィル「なに?」
レイ「お前らも持ってる、…歯だよ。必死に噛み続けていれば、出れるかも。」
トーマ「うげっ、こんな縄を噛むのか…。なんか臭えし…。」
レイ「他に何があるんだよ。」
ノーマン「じゃあ提案者からどうぞ?」
ビリッ
ノーマン「?」
ドサドサッ
レイ「なんか知らんが出られた。」
???「キィ~~!」
エマ「なにかいる!」
ドン「おいあれ!」
ネズミ鬼「キキッ!」
ネズミ鬼がエマめがけて飛びかかる
ネズミ鬼「キキッ!ギィィイイ!」
ギルダ「エマ!」
ドンッ!
ネズミ鬼「きゃっ!」(何かに当たり、棘いて逃げていき)
暗闇に眩しい光が差し込む
レイ「…誰だ?」(右手で目を隠して)
レウウィス「いやぁ、すまんすまん。君たちにこれをプレゼントするのを忘れていた。」(袋に入った球体の物体を取り出し)
レイ「何する気だ!」(自分の後ろにいるアリシアたちを守るように左腕を広げて)
レウウィス「君たちなら、分かるはずだがねぇ?」
エマ「!? みんな、奥に逃げて!」
イベット「え?」
レウウィス「逃げないでくれよw」ボトボトボト
ガチャガチャッ ピピピッ キィイイイイィィン!
レイ「まずい、あの機械だ!作っていたのは、レウウィスか…。」
レイ「エマ、携帯は!」
エマ「部屋に置いてきちゃった!」
ノーマン「外に助けも呼べない状況か…。」(このまま全員発症したら、頃し合うことも考えられる。そんなのは絶対に嫌だ!…)
レイ「お前らよく聞け!年長者は年小者を連れて、バラバラに逃げろ!一人も置いていくな!」
エマ「分かった!」(フィルの手を取り)
フィル「エマ…、頭がいたい…。」
エマ「え!?…もう少し我慢して!」
ノーマン「ふぅ…、ここまでならいいかな。」(床下なら声がよく響く…、多分エマたちとも連絡が取れる!)
ノーマン「みんな、逃げ切れた?」
レイ「ああ!大丈夫だ、出口を探すぞ!」
ノーマン「うん、使えそうなものがあったら集めよう!」
エマ「ノーマン!フィルが発症した!」
レイ「なに!?体に何か変化はあるか!」
エマ「見たところ…、どこも異状なし!」
ノーマン「やはり精神面での病か…、薬があるわけでもない。」
レイ「こっちも発症者、2名!ドミニクとイベット!」
ノーマン「こちらも1名!ジェミマ!」
レイ「ドン!そっちは!」
ドン「こっちはいねえ!ギルダは?」
ギルダ「発症者2名、シェリーとトーマ!」
レイ「周りは何も見えねーし、外に助けも呼べねえ。この状況で発症者まで…、どうすんだ。」
フィル「え、…エマ。僕こわい…、また誰かタヒんじゃう…。」
エマ「タヒなないから!大丈夫だから、そんな事言わないでよ。…ナット、フィルお願いできる?」(うずくまるフィルをナットに預けて)
ナット「分かった、エマは周りを確認してくれ!」
エマ「みんな、柱に気をつけて進んで!」
レ ノ ギ ド「了解!」
ノーマン「ジェミマ、どこか痛い?」
ジェミマ「頭…。」
ノーマン「歩ける?」
ジェミマ「ゆっくりなら…。」
ノーマン「分かった、ゆっくり行こう。」
レイ(ドミニクが発症か…、足の怪我と合わせっとめんどくせーな…。)
レイ「マルク!俺らの先行って、また鬼来ねーように見張れ。」
マルク「分かった!」
レイ「ドミニク、足の怪我は?」
ドミニク「治っては来てるけど、歩きにくさはまだある…。」(頭を片方の腕で押さえて)
レイ「…イベット、平気か?」
イベット「我慢できないわけじゃないから、大丈夫。」
レイ「マルク、状態報告!」
マルク「鬼はいない、行ける!」
レイ「よし、ドン!」
ドン「どうした、レイ!」
レイ「こっちに来い、ドミニク背負え!」
ドン「おう!アリシア、クリス来い。」
アリシア クリス「はーい。」
ギルダ「シェリーを私が背負う、アンナはトーマについてて。」
アンナ「分かったわ。」
トーマ「へーきだよ、先にいけ。」
アンナ「ほんと?」
トーマ「平気だっつの!」(無理して笑って)
ギルダ「分かった、ゆっくり行きましょう。」
レイ「…イベット、随分と辛そうだが?」
イベット「まだ行ける…、大丈夫!」(左手で頭を押さえ)
レイ「ドミニク、気分は?」
ドミニク「…少しよくなったかな。」
レイ「それはよかった、此処らで休むか?」
ドン「そうだな、二人の体力温存しなきゃな。」
イベット「うん…、ちょっと疲れた…。」
アリシア「イベット、どんくらい痛いの?」
イベット「大っきいハンマーで、すっごい頭叩かれてる感じ…。」
アリシア「痛そ〜…。」
レイ「少し汚えけど、我慢して座ろう。」
レイ「あ〜っ、何でこんなことに…。」
ドン「まあまあ、今更くだくだ言っても仕方ねーよ。」
ジリアン「レウウィス、どっか行ったね。」
ザック「ああ、だが油断はできないな。」
レイ(ジリアンとザック…。よし、助けを呼べる!)
レイ「2人とも、聞こえるか!」
ジリアン「レイ?」
ザック「ん?レイの声がする…。」
レイ「床の下だ、レウウィスにハメられちまって…。助けてくれ!」
ジリアン「おっけー、これくらいすぐに壊せる!」
レイ「エマ、ノーマン、ギルダ、こっち来い!」
エマ「なーにー?」
レイ「ここから出れるぞ!」
ノーマン「本当かい!?」
レイ「ジリアンとザックに、見つけてもらえた!こんなとこ早く出るぞ!」
ギルダ「よかった…、急ぎましょ!」
レイ「お前ら大丈夫だったか!」
エマ「フィルは、あんまり影響ないっぽい。」
ギルダ「こっちも。」
ノーマン「僕の方も、影響なし。」
レイ「全員無事だな、よし!少し離れろ、床の破片が落ちてくる。」
ジリアン「今助けるよー!えぇい!」
ドンガラガラガラガラガラ…
ザック「梯子降ろすぞ!」
エマ「助かった…、みんな登ろう!」
ジリアン「みんなケガしてない?」
エマ「ダイジョブ!でも、あの小さい子達が機械の影響を受けてる。」
ザック「チッ、レウウィスめ…。でも年長者が影響出なくてよかった。お前らも助かったし、あとはレウウィスを探すだけだ。」
ノーマン「ええ、貴方達二人がここを通らなければ、僕たちはずっと床下を彷徨うところでした。」
ジリアン「気にしない気にしない!さ、その子達を医務室に連れていきましょ!」
レイ「ああ、早くしねーと鬼の子供にも手を出しに行く…。早急に手を打つぞ。」
ギルダ「ドン、早く行こう。」
ドン「あ、ああ!…ちょっとボーッとしてた。アリシア、クリス先に登ってろ。俺最後でいいから。」
アリシア クリス「はーい!」
ドン「ふう、助かった〜!レウウィスめ、見つけてボッコボコにしてやるぜ!」
アリシア「ボッコボコのベッコベコのドッカドカ!」
ドン「なんだよそれ〜ww」
ギルダ「………。」
エマ「2人とも〜、早くみんなの看病しなきゃ!」
ギルダ「うん、今行く。」
ドン「おう、ケガはねーけど、一応処置道具持ってくる!」
ドン(やっぱ…、コニーはここにはいねえよな。ああそうだ夢だ!コニーに会いたいだなんて、夢なんだよ全部!それに約束を守れなかった俺に、コニーに会う資格なんかない…。)
医務室
トーマ「いてててっ!」
ラニオン「ほんとに平気かよ、すげー痛そーじゃん。」
トーマ「おお、めっちゃいてー。」
ラニオン「我慢するなよ、エマ達みたいに。…と、トーマ?」
トーマ「なんか変な気持ちする…、コニーや喰われていったみんなのことが頭に浮かぶ…。」
ノーマン「症状が進んでる…、今日はゆっくり寝てて。」
トーマ「ああ、なんもする気起きねーし、そうするよ。」
レウウィス「ふふふ…、新たな猟庭だ。農園にするから鬼は、すぐに人間を喰らえない。ならどうすればよいか?」
レウウィス「…捕食者を近くに置く、しかも元食用児たちは私以外、鬼を受け入れた。私が皆の目を覚まし、邪血なれど人を喰らう快感を思い出させるのだ。ハハハハハハハ!」
ソンジュ「………。」
医務室
ドン「お前ら〜、器具一応持ってきた、なんかあったらすぐ俺らに言え。」
ラニオン「しー。こいつら寝てるから静かに、ドン。」
ノーマン「もう、部屋が静かになってたら、分かると思うけどなぁ。」
ドン「悪かったって、…俺外出てるよ。」
ノーマン「うん、分かった。」
ロビー
ドン「……。」
ナット「ドン?」
ドン「ああ、ナット…。」
ナット「酷いよな、僕らの気持ちを踏みにじって…。」
ドン「コニーに会えるわけねえよな、俺なんか。」
ナット「ドン、気にするなよ。コニーのおかげで僕たちは生きれているんだ、コニーの分も頑張っていこう。」
ドン「本当にそう思うか…?俺らだけこんなに、楽してて。あいつは親の元にいけると思って…、苦しんで氏んでいったっていうのに…。」
ナット「…一人にしててやるよ、静かにしてたいだろ?」
ドン「ああ、頼む。」
ドン「……………。」
エマ「ドン、ずっとあのままだね。」
ギルダ「ドンが1番、コニーに会いたがっていたから…。」
レイ「………。」
ノーマン「それがあんなことされちゃ、…声もかけられない。」
ドン「ああ…、コニー!コニー!お前は本当はどうなんだ、恨んでる?そうだよな、恨んでるよな!」
エマ「……っ!」
ドン「俺、お前との約束守れなかったもんな!最低だよな、クズだよな、ゴミだよな!」
ノーマン「ドン…、」
ドン「俺はずっと…、ザコのままだ。GFハウスのときから強くなれない、お前一人守れないザコ…。」
ギルダ「…そんなことない、そんなことないよ。」
ドン「あああああああ、くっそぉ!なんで俺は生きてるんだよ、なんでこんな贅沢してんだよ!なんで贅沢にうめえメシなんか食って、贅沢にベッドなんかで眠って、贅沢に家族なんかと過ごして、贅沢にこんなハウスなんかで暮らしてんだよ!」
ドン「俺なんか…、生きる価値のないクソザコだ。ああそうだ、コニーの為に償おう。こんな生活してる場合じゃねえ。」
レイ「…発症4段階目に突入、か。」
エマ「!?…ドン!」
ドン「っ!?エマ、ギルダ、ノーマン、レイ…。」
ギルダ「ドン、辛いのはわかるよ。私もそう思ってるから…、でも自分を…責めないでほしい。」
ドン「でも、……俺は!あいつのために何一つしていない、こんなザコ…いないほうがマシだ。」
エマ「そんなことないよ!」(ニコッ)
ドン「なんでそんなことが言える!」
エマ「だって、ドンがいなきゃみんながあの事実を知ることはなかったでしょ?」
ノーマン「そうだよ、君は十分僕たちの為に頑張っててくれてたよ。」
ドン「あんなのは頑張ってたなんて言えねえよ、ロープしか作れなくて、ヤケクソになってお前ら二人ぶん殴って八つ当たりして…。俺はお前らのために、コニーのために何一つ出来てないザコなんだよ!」
ギルダ「ううん、ドンがママから鍵盗んでくれて、あの部屋に入れてたから私達は真実に気づけた。決して、ザコなんかじゃない!」
エマ「みんなも、そう思うでしょっ?」
トーマ「ああ、ドンが最初に崖を渡ってくれたから、俺たちも安心して崖を渡れたんだぜ!」
ラニオン「そうだよ、ドンそんな暗い顔すんなって!」
アンナ「エマもだけど、ドンも脱獄の時、明るくいてくれたから私達も元気になれた!」
ドン「………。」
エマ「ねえドン?ドンの気持ちもわかる、私もそう思ってるもん。なんで早く気づけなかったんだろうって、ずっと思ってるよ。」
ドン「だったら!」
エマ「でもね、ドンがコニーの為にタヒのうとすることは、私達は嫌なんだけど、コニーも嫌だと思うの。」
ドン「はい出ました、そういう奴!」
エマ「っ!」(ビクッ)
ドン「お前らもコニーも望まない?コニーが生きれなかった人生?…バカバカしい。」
ギルダ「私達全員、悔しい!レウウィスのホログラムなんかに騙されて…。」
レイ「だから、タヒぬことでレウウィスへの仕返しが出来なくなるだろ?タヒぬ前に、レウウィスへの仕返ししようぜ。」
ドン「…なーにが復讐だよ、お前らには俺の気持ちなんかが分かるわけねえんだ!」
ドン「一人にしろって言ったろ、ナット。」(ギロッ)
ナット「いや、…その、」
ドン「なんだ!」
ナット「…ご、ごめん。ドンがあまりに、…その。」
ドン「………。」
エマ「………。」(椅子に座り)
ノーマン「………。」(ボーッと立ち尽くして)
レイ「………。」(両手をポケットに入れて、ドンを見下ろして)
ドン「…あっちいけよ。」
みんな「やだ。」
ドン「は!?」
エマ「だって、このまま放っておいたらタヒにに行っちゃうでしょ?」
ノーマン「僕らはそんなのは絶対ヤダから。」
レイ「ま、そーゆーこった。勝手にタヒぬことは許さねえ。」
ノーマン「うん、許さない。」
ドン「………。」
ドン「どう思おうと、俺には関係ない。」
エマ「関係ある!」
ドン「うるさい!」
エマ「うるさくない!」
ドン「…俺を思うなら、一人にしろ。」
ギルダ「ドンって、人一倍責任感じやすいし、こんな状況だし放っておくわけにはいかないわ。」
レイ「おいドン、ザコなのが悔しいんだろ。ならお前はザコのままで人生終わるのか?」
ノーマン「レイの言うとおりだ、君は伸び代がこれからたくさんある。だから、…ね?」
トーマ「そうだよ、俺とラニ、アリシアやエウゲン、イベット、マルク、ナイラ、ジェミマにとってドンは…恥ずかしいけど、大好きな兄ちゃんだからさ!氏なれたくないんだよ、分かるだろ?」
ドン「………。」
ノーマン「ねえドン、あり得ない不謹慎なたとえ話だろうけど聞いてくれない?」
ドン「………。」
ノーマン「いいね、話してもいいね?」
ノーマン「もし出荷されていったのがドンで、コニーが生き残っていたとして今ここにいて…、コニーがドンを助けられなかったって、氏のうとしてたとしたら君はどう思う?」
ドン「………。」
ノーマン「多分、君の答えは『コニーに生きていてほしい』だと思うんだ。コニーも同じ気持ちだと思うんだ。」
ドン「そう、…なのかな。」
エマ「ドン、断言する!コニーは絶対そう、ねっ、みんな!」
みんな「おお!」
エマ「…ドン、辛いのは私もみんなも同じなの。コニーはきっと私たちを見てくれている、だからこんなことしたらコニーが泣いちゃうよ?」
ノーマン「そうだよ、ドンは優しいお兄さんなんだから、妹を泣かしちゃだめだよ。」
レイ「ドン、コニーの為に氏ぬな!コニーの為に生きろ!」
ドン「…そうだな、お前らの言うとおりだな。俺、コニーの為に生きるよ…。」
ノーマン「そう、その意気だよ。」
レイ「俺たちは、コニーに心配かけちゃダメなんだ!」
ギルダ「うん!ドン、頑張ろう1」
ドン「ああ、心配かけたな。ごめんな。」
エマ「気にしない気にしない!私たちも最初、ドンみたいだったもん。ドンの気持ちはよくわかる、気にしないでね。」
ドン「ああ。」
コニー「ドン、……よかった。」
コニー「よかったね、リトルバーニー!」
ドン「……!誰かいるのか!」
エマ「どうしたの、ドン?」
ドン「いや、…なんでもない。」(まさか、…まさかな!)
エマ「ふうん…。」(…ドンも見たんだ。)
レウウィス「…エマたちの言葉で、我が機械が無力化されたか。」
レウウィス「これでもうこの手は使えぬな…。」(コニーのホログラム映写機を眺めて)
レイ「おそらく鬼達は、レウウィスをまだ信じてる。なんとか説得して鬼をこっち側に引き込んで、レウウィスを頃すしかない。」
エマ「鬼とは組みたくない。」
レイ「…?」
エマ「だって、同族を頃したいだなんて思わないよ。私達も、お互いを頃したいとは思わない。」
レイ「それもそうか…。」
エマ「シスロたちに頼ってみたら?」
ノーマン「なるほど、女王を倒したからね…。」
レイ「反対。エマは一回奴に腹刺されてる、奴は神出鬼没の如く、素早く移動して攻撃する。万一もう一度やられてしまったら確実にタヒぬ!バーバラもだ。」
エマ「そっか…、」(お腹の手術痕を触って)
ギルダ「どうすれば…、あっ!コニーに力を借りれないかしら。私とアンナは一度会ってる。」
レイ「バカ言うな、機械による幻覚かもしれねえ。それにレウウィスは、コニーの姿もおそらく見てる!だからあのホログラムのアバターが完成したんだ。コニーが奴に近づいて、気づかれたらどうする…。」
ドン「そうだよな…。」
ノーマン「まあ、幽霊がいつも見えるとは限らないよ。」
レイ「そうなんだけどさ…、万一見えちまったらって。第一ほんとにいるか怪しいぞ。」
ギルダ「いいえ、あれは間違いなくコニーよ。ホログラムなんかじゃない。会話できていたもの、信じて!」
エマ「私は信じる!レイやノーマンならともかく、ギルダは嘘つかない!」
レイ(全員で逃げる件と…、)
ノーマン(王都での件で信用失ってる…。)
ドン「俺もあんまり会話聞いていなかったから、よくわかんねーけどコニーらしさはあったような…。」
レイ「一回コニーは置いといて、レウウィス討伐の策についてだろ。」
エマ「そうだったそうだった!えへへ…。」
ドン「やっぱり、倒すより近づけなければいいだけだと思う…。」
レイ「それが不可能だから、倒すしかねえんだよ。」(はあ、話にならねえ…。)
ドン「そっか…、」
レウウィス「ふふふ…、食用児たちよ。我々の力を思い知り給え…。」
レイ「ぐうっ!…くそ、この足じゃ逃げれねえ…。」
レウウィス「終わりだ…、レイ。…っ!?」
レイ「かかったな、レウウィス…。」
ひゅ〜ん!どっし〜ん!
エマ「みたいな囮作戦は?」
レイ「なんで俺が足ケガしないといけねーんだよ!」
エマ「いやいや、みんなから少しずつ血をもらって足にかける!」
レイ「匂いでおびき寄せんのか…、そこらの単純な犬っころじゃねえし簡単に行くかよ。」
エマ「そっかぁ〜、作戦考えるのむずかしいな〜。」
ノーマン「対策たてるのは大変だよ〜、今まで僕はたくさんの柵を練ってきたからね〜。」
レイ「ああ、そりゃ〜大変そうだ。」(適当に流して)
ノーマン「もぉ〜、スルーしないでよレイ〜。」
レイ「今は冗談言ってる暇はねえんだよ、考えりゃ分かるだろ!」
ノーマン「ご、ごめんね…。」(気弱そうに)
レイ「チッ…。」
エマ(レイ…、ピリピリしてるな。あまり苛つかせないでおこう…。)
ドン「なあ、もう夜中の2時だぜ…眠ぃよ。寝ようぜ…。」
レイ「ハウスのみんなの命がかかってんだ、眠気ぐらい顔洗って覚ましてこい!」
ドン「………。」
ギルダ「ねえレイ、そろそろ小さい子達が夜泣きするころだから、私あやしに行かないと…。」
レイ「あーもういい、作戦会議は終わりだ終わり!やる気がねえなら、勝手に寝て、ちび共あやしてろ!くだらない事で、計画の進みを止めんな!」
エマ「………。」
レイ「………。」バタン!
翌朝
エマ「みんなおはよう…、すごく…眠いね。」
ノーマン「おはようエマ…、2時間しか寝れなかったよ。」
ドン「ふあぁ…、エマおはよー…。いいなあ2時間か…、昨日は俺もギルダとみんな寝かしつけてて…、30分しか寝てないから…本当に眠ぃ…。」
ノーマン「30分だなんて…、かわいそうに…。」
ギルダ「大変だったわ…。3人も大泣きして…それでみんな起き…ちゃって、みんな抱っこ…して寝かしつけて、寝不足よ…。」
エマ「みんなに言って…、今日…は寝てよ…うよ。このまま…じゃ、体を壊し…ちゃう…よ。」
ドン「いや、起きてないと…レイが怒るんだよ…。怒って怒鳴って…、だから起きていないと。」
ギルダ「レイは、ず〜っと作戦考え続けてるんですって…。だから私達も起きてなきゃ…。」
エマ「いや、今日は…寝る日。みんな、…疲れて、作戦失敗したら…、だめだから…。」
ドン「お、おお…、そう…だな、レイに言いに行こう。それで…レイも、寝か…せよ…う。」
ギルダ「体…、壊してからじゃ…、遅いもの…ね。」
トーマ「うわあ!4人共すげえくまだ…、ゾンビみたいだ。」
ラニオン「ホントだ、ヤバいぞあれは!」
レイ「…くそっ、どれもダメだ!……っ!いけねえいけねえ、目を覚ませ!」
エマ「れ、…レイ。」
レイ「エマ、…お前ら何しに来た?」
エマ「レイ、すごい…くまだよ。寝なよ、体…壊しちゃうよ…。」
ドン「頼む…、俺たちを、…寝かせ…てく…れ。」
ギルダ「私達、…もう限界。……お願いレイ。」
ノーマン「そして…、君にも…寝て…ほしい。」
レイ「…ああ、その前にみんなに言いに…、行くぞ。」
ジリアン「ふんふふ〜ん、さて今日も作戦を練ろう!…きゃああああ!」
オリバー「どうしたジリアン!…って、あああああ!」
エマ「みんな、…お願いがある…の。」
ノーマン「今日は一日、…静かにしててほしい。昨夜から徹夜で作戦練ってて、全然寝てなくて…、」
ギルダ「小さい子達の…夜泣きを、…あやしたりしてて、すごく眠いの…。」
ヴァイオレット「当たり前だよ、すぐに寝ろ!支えてやるから、寝室まで行くぞ!」
寝室
レイ「…さ、作戦は…?」
オリバー「俺たちがなんとか考えておくから、今日一日誰もここに近づけないから、ゆっくり寝ていろ。」(毛布をレイにかけて)
ジリアン「ひどいくま…、こんなになるまで…。」(ギルダをベッドに誘導して)
ギルダ「…あ、……。」(意識がほとんどない)
エマ「ヴァイオレット…、ありがとう…。」
ヴァイオレット「もう喋んな、休め。ったく、お前ってやつは…!」(毛布をエマに渡して)
ドン「眠い…、眠い……。」(足がもつれていって)
ザック「もう少し、頑張れドン!」
ナイジェル「みんな、ありがとう。俺たちも頑張るから、今日はゆっくり寝ていろよ。さあもう少しでベッドだ、ノーマン。」
ノーマン「……ありが…とう…ございま…す。」
ヴァイオレット「…無茶すんなって、…何回も言ってるだろ。」
…………パタン
ヴァイオレット「…なんであいつらは、あんなになるまで頑張れるんだよ…。」
ジリアン「たぶん、周りのことを人一倍考えてるからね。」
ヴァイオレット「だからって、あんなゾンビみたいな…。」
ジリアン「ヴィオちゃんが一番、みんなのこと心配してるね〜。」
ヴァイオレット「ったりめーだよ!いつもすっげえ明るいエマが、あんなになってたら心配するぞ。」
オリバー「なあ、寝てても大丈夫かな…。悪夢とか、見たりしねえかな?」
ザック「その点については大丈夫だ、なんらかの力により全員の悪夢が無力化していた。」
オリバー「よかった…、ってなんで分かったんだ?」
ザック「アンケートとって調べたんだよ。どうやら悪夢が消えたのはレウウィスの罠にはまった、約一時間後だ。その時はみんな集まって、何かしていたらしいんだが…。」
トーマ「ラニ、5人の様子ちょっと見に行こうぜ!」
ラニオン「え?でも近づくなって…。」
トーマ「見張りを引き受ければいいんだよ、行くぞ!」
トーマ「なあ、5人の見張りをさせてくれよ!」
オリバー「…じゃあ少しだけ頼もうかな。トーマは中に入って5人の様子を静かに確認、ラニはここで仁王立ちしていろ。俺は少し休憩してくる。」
トーマ ラニオン「了解!」
トーマ「さてと、5人の様子は…っと。」
レイ「…マ、トー…マ。」(か細い声で)
トーマ「!? どうした、レイ。」(ぼそっ)
レイ「眠…れな…い、眠いのに、寝…られ…ない。エマたちも…だ、オリバー達に、…すぐに伝えろ。」
トーマ「おう!」
トーマ「ラニ!5人が大変だ、寝られなくなってる!」
ラニオン「え?…よく分かんねーけど、オリバーのところ行こう!」
ラニオン「お、オリバー!!!」
オリバー「ん?お前ら、見張りは?」
トーマ「それどころじゃないんだ、5人が眠いのに寝られなくなってる!もしかしたらだけど、レウウィスの新しい機械が埋められているかも。」
オリバー「なに!?くそっ、レウウィスめ!ジリアン、ナイジェル、ザック、ヴァイオレット!部屋に行くぞ!」
ジ ナ ザ』ヴァ「おお!」
ギルダ「…寝れない、寝られないよ。」
ドン「なんだっ、これ…。意識がどんどん強くなっていく…。」
オリバー「みんな!…!?」
レイ「ベッド…、ベッドに何かがある。」
ヴァイオレット「はやく5人を別室に移せ!」
ザック「おう!」
別室
オリバー「ここなら平気か…、どうだエマ。」
エマ「うん、…だんだん眠くなってくる。…ここなら大丈夫だね。」
ヴァイオレット「くそっ、レウウィス!今度は何をするんだ、くっそお!」
ザック「眠いのに眠れないことを利用して、体力や免疫をさげてもう一度あの機械を使うか、攻撃をしてくるか…だな。」
ヴァイオレット「汚い手を使ってきやがって…、」
ジリアン「もう部屋から出ましょ、うるさくしてたらまた眠れなくなるわ。」
ヴァイオレット「ああ、そうだな…。」
28時間後…
エマ「……!おはようみんな!」
ノーマン「おはようエマ、…元気だね。」
エマ「なんか寝たら元気になった!」
ノーマン「よかった、僕も元気だよ。」
ドン「〜〜っ!ふぅ…、おはようエマ、ノーマン。」
エマ「ドン、おはようっ!」
ノーマン「おはよう、よく眠れたね。」
ドン「ああ、お陰で元気いっぱいだぜ!」
ギルダ「…おはよう。」
ノーマン「おはよう、ギルダ。よく眠れたかな?」
ギルダ「ええ、よく寝れたわ。」
エマ「レイも起きて、っていない…。どこ行ったんだろう?」
ドン「もう朝ごはんの用意しに行ったんじゃねえか?俺たちも行こうぜ!」
エマ「おはよー!」
ジリアン「おはよう、エマ!あっ、よかったみんなよく眠れたのね。」
ノーマン「ええ、お陰さまで。」
ドン「レイはどこにいるんだ?」
オリバー「あれ、一緒に寝てたんじゃないのか?」
ギルダ「いえ、起きたらもうベッドにはいなくて、朝ごはんの用意しているのかと…。」
ヴァイオレット「みてないぞ。」
ノーマン「早起きしてたのかな?」
エマ「レイのことだし、私達より早く起きて対策たててるかもしれないね。」
ザック「そろそろ朝ごはんできるから、レイを呼んできてくれ。」
ドン「わかった、手伝いしに来たのにもう終わってたか。」
ギルダ「レイ、いないね。」
ノーマン「レイ、もしかしてあの部屋にいるかも…。」
書斎(広い)
ノーマン「…レイ、いる?」コンコンッ
ギイィィ…
エマ「…うわぁ、紙がいっぱい。」
ドン「あ、奥のイス!」
レイが机に伏せて寝ている。
ギルダ「レイだ、…やっぱり対策たててたんだ。しかもこんな量を…。」(床にたくさん捨ててある、クシャクシャの紙くずをゴミ箱に捨てながら)
ノーマン「どうやら策を紙に書いているところ、寝落ちしちゃったんだね。」
エマ「…レイ、朝だよ。」(レイの肩を優しく叩いて)
ドン「お前もそろそろ起きろ。」
レイ「……う、うぅん……。」
レイ「あ、お前ら…。」
ギルダ「朝ごはんできるから、行きましょ。」
レイ「ああ…、〜〜〜っ!…行こうか。」(イスから立ち上がって、伸びをして)
廊下
レイ「お前、いつも通りだな。」
エマ「うん、寝てたら元気になったんだ〜!」
レイ「ふーん、よかったな。」
ギルダ「レイ、ちゃんと寝たの?」
レイ「は?お前らが起こしに来たんだろ。」
ギルダ「あ、そうなんだけど。もしかして私達が寝たあと、無理して書斎で策練ってたの?」
レイ「まあそうだな、寝てたのは5時間ぐらいくらいかな。」
ノーマン「なんでそんなに、寝る時間も削って…。」
レイ「別に、早くこの件を解決したいから。それに5時間寝れば十分だ、ナポレオンって人は3時間しか寝ていなかったらしい。」
ノーマン「ちょっと足りないかな〜、その分ナポレオンは戦争のあと2日寝てたんだよ〜。」
ギルダ「2日…、ナポレオンも結構頑張り屋さんだったのね。」
ノーマン「そうだね、さあ朝ごはんを食べてレウウィス討伐の作戦を考えよう!」
レイ「その前に、オリバーたちの策を聞かねーと。」
エマ「そうだったそうだったw」
エマ「ごちそうさまでした!」
みんな「ごちそうさまでした!」
作戦会議
オリバー「俺たちの考えた策は…、」
レイ「なるほどな、…かなりいい方向だと思う。」
ノーマン「珍しいね、いつも否定から入るのに。」
レイ「いい作戦じゃないか、完璧!これで行こう。」
エマ「えっ、こっちの策表示は?」
レイ「いや、いい。」
ヴァイオレット「お前らの策も聞きたい、レイあんまり寝ずにたててたんだろ?」
レイ「…ま、いいか。俺は……」
ジリアン「へえ〜、すごいじゃん。私レイのがいいと思うな〜。」
ポーラ「私も同意見。」
ノーマン「…この2つの作戦を両方ともうまく活用できれば、勝てるかもしれない。」
レイ「いやそれは難しいだろ、武器とか罠の数調整しなきゃいけなくなるぞ。」
ノーマン「足りないものとかは僕にかかれば、すぐに調達できるよ。やってみようよ!」
エマ「うん、私もそう思う!やってみなきゃ結果は分かんない、やろう!」
バーバラ「おいボスー!なんで私らは仲間はずれにすんだよ〜!」
ノーマン「ごめんごめん、だってバーバラたちは小さい子達と遊んでたでしょ。だから悪くて…。」
バーバラ「ヴィンセントは小さい子達との遊び方わかんなくて、ずっと実験器具いじってたけどw」
シスロ「遊びぐらい、すぐに中断できる。必要なら呼んでくれよ!」
ノーマン「わかったわかった、次からはそうするから。」
レイ「…。」
エマ「レイ?顔色が悪いよ、もう少し寝てきたほうがいいんじゃない?」
レイ「大丈夫だって、少しフラッとしただけだから…。」(発作が始まった!なんとか覚まさねえと、策が…。)
ノーマン「レイ!…!?発作だ。」
レイ「くっ、…これで俺も重症者だな。」
ノーマン「何をのんきなことを言ってるんだ!覚ます方法は、まだ何も見つかっていない…。」
ジリアン「ふんふふ〜ん、あれ?レイ!?大丈夫?」(朝食が食べ終わり、スプーンやフォークをまとめて)
エマ「ジリアン、レイがまた発症しちゃった。ハウスのみんなにすぐに伝えて…!」
レイ「いや、その必要はない…。」
ノーマン「は?何言って…、!?何をする気だ、レイ!」
レイ「ジリアン、それ貸せ。」(フォークを指さして)
ジリアン「え…?何するの!?」
レイ「いいから早く寄こせ!」
ジリアン「…は、はい。」
エマ「レイ!何するの、ねえレイってば!」
レイ「悪夢(ゆめ)から覚めるには、体に痛みを与えればいい…。」
レイ「…こうすりゃいいんだよ!」(フォークを自分の腕に突き立てて)
レイ「うぐっ!」(肉に痛みを伴い)
エマ「っ!?レイ!!!」
ジリアン「何やってんのレイ!」
レイ「これで目が覚めた…、さあ策を…。」
ノーマン「バカ!なんてことをするんだ、レイ!」
治療後…
エマ「ねえレイ、…やめてよ。こんなことするの、やめてよ。」
レイ「…まだ悪夢から覚ます方法は見つかってなかった、意識がなくなる前に痛みを与えれば目が覚める。そうしたまでだ。」フラッ
エマ「また発作だ…、もう自傷なんてしないでよ。すぐに助け呼んでくるから!」タッタッタッ…
レイ「………。」
ハウスの外
ドン「おーい、これはこっちでいいか?」
大工鬼「おう、兄ちゃん力あるじゃねえか。すぐにでも大工になれるぜ。」
レイ(…工事してるのか、ならレンガはどこかに…あった!)
ドン「レイ、何やってんだ?顔が青いぞ?」
レイ「いや、別に。」(いつもの無関心な顔を装って)
ハウスの裏
レイ「ここなら誰もいないな。」(げっそりした顔で)
レイ「…っ!っ!っ!」(レンガを力いっぱい腕に叩きつけ)
ビキッ
レイ「うぐぅっ!…まだ覚めねえ!おらああっ!」
バキィッ!
レイ「〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!」(エマに見つからないよう、手で口を押えて悲鳴を抑えて)
ドン「あれ?レンガが一個足りない、あレイ!」
レイ「すまん、一個持ってた。」
ドン「おう、…ん?レイ、こんなもの何に使ってたんだ?」
レイ「ちょっとした自傷行為…。」
ドン「へ?お前、…病んでんのか?」
レイ「どうだろーな、じゃ。」
エマ「あ、レイ!どこ行ってたの、急にいなくなるから探してたんだよ!」
レイ「よ。ちょっとドンのとこ行ってた、あんま心配するな。」
エマ「だってケガしてるじゃん、心配だよ〜。」(…?レイの腕に、赤茶色の粉っぽいものが…。)
エマ「…レイ、外で何してたの。」
レイ「だから、ドンのところ行って工事見学…。」
エマ「嘘、見学だけならこんな粉、腕につかない。ちょっと腕みせて、…っ!レイ!」(無理やりレイの腕をとって、袖をまくり)
レイ「あーあ、バレちった〜。ま、そういうことだよ。」
エマ「…やめてって言ったよね!」
レイ「………。」
ギルダ「エマ?どうしたの、なにかあった…!?」
エマ「医療器具すぐにもってきて!」
ギルダ「う、うん!」
ノーマン「なんの音だ!…レイ、何をやってるんだ!」
エマ「ノーマン、レイが腕を折った!そこらへんに棒落ちてない?」
ノーマン「なんだって!?えっと、…これでいけるかな?」
エマ「うん、ぴったり。」
ギルダ「エマ、持ってきた!」
エマ「ありがとう、貸して。」(中から包帯を取り出し)
再治療後…
レイ「………。」
ギルダ「レイ、どうして?」
レイ「発作が起きたから、抑えるためだ。」
ギルダ「………。」
トーマ「や〜い捕まえてみろ!」
ラニオン「待て〜!ハヤトとの特訓ナメるなよ!」
トーマ「へへっ、…え、レイ。」
ラニオン「何やってんの?」
ノーマン「なんでもないよ、ちょっとレウウィス討伐の打ち合わせしてたんだ。」
トーマ「ふうん。」
レイ「チッ、めんどくせえな。ただ、タヒを逃れただけだ。気にするなっつったら気にするな!」
ノーマン「気にしないほうがおかしいよ。」
エマ「そうだよ、レイ。」
レイ「あ〜、はいはい。」
作戦決行
エマ「作戦確認するよ!第1部隊はレウウィスのエサとなり、最初は接戦。弱いと見せかけて、スキを多く作る!」
ノーマン「第2部隊は、ハウスの住民を避難。重症者を骨折治療法で治療し、その後第1部隊とレウウィスを狙撃。そして、エマの誤発砲で僕が負傷したと見せかける。」
レイ「そこでさらに俺たちにスキを作る。第3部隊、ノーマンにレウウィスが迫ったところで、閃光と投網で捕獲。」
バーバラ「んで、私ら第4部隊が核を狙撃。」
エマ「チャンスは一度だけ、必ず成功させるよ!」
ノーマン「レイは腕を骨折してるから、その分僕らがカバーするから安心してね。」
レイ「ああ、…しくじるなよ!」
全員「おお!」
レウウィス「今日は何もすることがない…。」
エマ「レウウィス…、よくもレイを実験台に!」
レウウィス「エマ、…なんだね。その数で私をヤる気かね。」
レウウィス「面白い、さぞ面白い策を講じてきたのだろうね。乗ってみよう、エマ…。」
ギルダ「今までの私達とは、…違うので。」ガチャッ
ドン「ノーマン、ホントにやるのか?」
ノーマン「うん、レイが骨折してほんとに発作はなくなったみたいなんだ。だからこれが一番効果的なんだと思う。それに鬼は再生するから、心配はあまりいらないんじゃないかな?」
ドン「…そ、そうだな。」
市民鬼「はあ?腕を折る!?」
ドン「ごめん、でもこれが一番効果的らしいんだ。」
市民鬼「そういうことじゃねえんだ、子どもたちもいるんだぞ!」
ノーマン「子どもたちは折る必要はない、少し針で腕を刺すだけだ。」
市民鬼「…わかった、早く治してくれ。」
バキィ!バキィ!バキィ!
ノーマン「じゃあ再生してくれ!」
市民鬼「…あれ?気分が軽くなったかもしれない。」
ノーマン「第2部隊、応戦しに行きます!」
エマ「はい!こちら第1部隊です、廊下を逃走中!」
レウウィス「なぜ逃げるんだ?作戦会議してきたのではないのかね?」
ギルダ「…はあ、はあ!」
エマ「ギルダ、ノーマンたちが来るまで逃げるよ!」
ギルダ「うん。」
エマ「射撃!」
バンッ ババババババババババババッ!
レウウィス「ふっ、走りながら核を狙うか。だが私は弾を止められるのだ!」
ドン「エマ!来たぞ、大丈夫か!」
エマ「うん、逃げ切れているよ!」
ノーマン「ケガはないね、エマ。」
エマ「大丈夫だよ、心配性だなぁ〜。」
ギルダ「二人とも油断しないで!」バババババッ!
レウウィス「ギルダ…、やるねぇ。そうやって焦らされると、もっと狩りたくなってくるのだよ!」(エマに急接近し)
エマ「え…。」
ノーマン「エマーーーー!」バンッ!
エマ「あああああああああああああああああああああああ!」
ギルダ「エマ、…エマ!」
エマ「ぐうっ!あがっ、あああ…。」
ノーマン「ぼ、僕は一体何を…。」
レウウィス「滑稽滑稽wまさか家族を、誤って撃つとは…。」
ノーマン「エマ!…くそっ、どうして!」(第3部隊、来い!)
レウウィス「一ヵ所に固まったら、こちらの勝ちだ。さあ、私の美味い肉となってくれ給え。」
ノーマン「エマあああああああああああ!」
レイ「かかったな、レウウィス…。閃光、投網!」
レウウィス「…!?」(閃光だと、この狭い空間で!?目を塞いでいては、網で捕まる。しかし目を開ければ、…ふっ。また同じ手にかかったか…。)
バーバラ「銃を持つのは初めてだな、練習代わりに撃たせてもらうぜ!」ババババババババババッ!
レウウィス(…やられたか。食用児よ、…君らとの狩り合いは、楽しかった…。)
レイ「討伐完了、安全確認!俺たちの勝ちだ!」
ドン「よっしゃああああ!ほらエマ、勝ったぞ!いつまで演技してんだ、俺ら勝ったんだぞ!」
ギルダ「ねえ、…エマの様子がおかしいよ。」
エマ「あああ…、ああああああ!」
ノーマン「どうして…、銃弾に耐久する血糊を入れていたはずだ…。それとも僕が、外したのか…!」
レイ「いや、…こいつ血糊を持っていない!」
ギルダ「嘘…、なんで…。」
レイ「俺らが確認した時はつけていたはずだ、どこかに落としたのか!?」
ノーマン「エマ!どうして…、エマあああ!」
医務室・改
ザック「とりあえず、弾は取り除いた。命に別状はないが、あまりの痛みに気を失っているみたいだ。」
ノーマン「そう…、です…か。」
ザック「………。」
ノーマン「ありがとうございます…。」
ギルダ「あ、ノーマン。エマは…。」
ノーマン「…あ、ああ。ザックさんが、助けてくれた…。」
ドン「ノーマン、血糊が廊下に落ちてた。やっぱり走ってる時に、落としたんだ。」
レイ「落としたのは、故意か否かは分からない…。」
ノーマン「うん…、」
ギルダ「ノーマン…。大丈夫、ノーマンのせいじゃない。」
ノーマン「………。」
ドン「悪い、俺がエマんとこ行く途中に気づけてたら…。」
ノーマン「ドンが気にすることはない、悪いのは僕だ。」
ドン「…ノーマン、笑えよ。」
ノーマン「…え、」
ドン「エマは心配性だからさ、お前が落ち込んで暗ーい顔してたら、エマに心配かけるぜ。」
ノーマン「…そうだね。」
エマ「…う、……?」
ノーマン「エマ!ごめん、ごめんね。」
エマ「ノーマン、私なら大丈夫だからね。」
ノーマン「うん、…うん!」
ノーマン(僕は、…なんて未熟なんだ。)
エマ「…の、ノーマン?」
ノーマン「…あ、え?何、どうしたのエマ?」
エマ「…自分のせいって思ってる?」
ノーマン「だってそうでしょ?…気付けなかった僕が悪い。」
エマ「大丈夫だから、ね?」
ノーマン「…うん、でも僕は…!」
ドタドタドタドタ バアァァン!
フィル「エマあ!…エマ、エマ〜!(泣)」
エマ「ふぃ、フィル!」
フィル「エマ、ケガしたの?ぼく、ぼく…。」
エマ「あ〜あ〜!大丈夫だよ、フィル!私は元気だから、泣かないで〜。」(ヨシヨシ)
ドタドタ…
シェリー「エマぁ…、ひっく。」
ノーマン(シェリー…。)
フィル「ぼくっ、ぼくエマがケガしたって聞いて…、銃で撃たれたって聞いて…!うわあぁぁぁぁあん!」
ラニオン「エマ!大丈夫か、足ケガしたって!」
アンナ「…痛くない!?何か私達にできることがあれば…!」
トーマ「水とか持ってこようか?」
イベット「なんかあったら言ってよ、何でもやるから!」
ノーマン「フィル…、みんな…。」(エマだけじゃなく、みんなも傷つけてしまった。僕はなんてことを…!)
エマ「みんな、私は大丈夫だよ。そんなに悲しい顔しないで、ね!」
トーマ「お前の『大丈夫』は信用できない!」
ナット「そうだよ、いつだってエマは無茶して大丈夫なんて言って…。それで倒れて…、僕らがどれだけ心配してるのか分かってるのか!?」
エマ「ごめん、…でもみんなに心配かけたくないし、なによりそんなに悲しい顔しないでほしいの。」
トーマ「でも、…俺たちはエマが大好きだ!だから無茶なんかしないで、俺らを子供扱いしないで、たまには頼ってくれよ!」
ラニオン「そうだ!俺らはエマが思ってるほど、ガキじゃないぞ!」
アリシア「お水とか、ご飯とか持ってこれるもん!」
エマ「…っ!」
エマはまだハウスにいた時のドンの言葉を思い出した。コニーを助けようと嘘をつき、2人にバレたときのドンの言葉を。
ドン「家族だろ…、兄弟だろ!…少しは信じてほしいんだよ。」
エマ「………。」
ラニオン「はあ、…はあ。」
ノーマン(もう黙っていられない…!)
ノーマン「みんな、本当にごめん!エマがケガしたのは、僕のせいだ!」
アンナ「…え?いきなりどうしたの、ノーマン。」
ノーマン「僕が銃を誤発砲して、エマの足を…!許されることとは思ってない!」
エマ「ちょ、ちょっとノーマン!」
ノーマン「僕のせいでエマはケガをしたんだ!本当にごめんなさい!」
トーマ「え…、ノーマンがエマを?へっ、…嘘だろ?」
ノーマン「ごめんなさい…、ごめんなさい…。」
ラニオン「………。」
フィル「ノーマン!」(急に大声をあげて)
ノーマン「!?」(ビクっ)
エマ「ちょっ、…フィル!」(フィルがノーマンを怒ると思い、声を出して)
ノーマン「フィル、ごめん!怒ってるよね、ごめんね。」(必死になって)
フィル「…ノーマン、僕は怒ってないよ。」(にこっ)
ノーマン「え…、……?」
フィル「エマがケガしたことは、すっごく悲しい…。」
ノーマン「…ごめん、僕のせいだ。」
フィル「ううん、ノーマンのせいじゃないよ。誰のせいでもないんだ、だから謝んないで!」
ノーマン「………。」
エマ「ということらしいから、大丈夫。あまり気にすることはないと思うよ。」
ノーマン「…少し、一人で考えさせて欲しい。」(医務室のドアを静かに閉めて)
ノーマン(エマの足を撃って、逃げるなんて…。僕はやっぱりグズで臆病で…。)
ナット「エマ、やっぱり僕らは君に無理はしてほしくないんだよ。今は療養しててほしい!」
クリス「うん、エマはいつも僕らを明るく導いてくれてた。だから今度は僕らの番!」
エマ「…そうだね、じゃあお言葉に甘えさせてもらおうかな〜。」
アンナ「うん、ありがとう。」
ノーマン「あああ…、なんで僕は確認もせずに…!」
レイ「ノーマン、隣いいか?」
ノーマン「レイ…。」
レイ「エマ、頑張って我慢してるけど、ほんとはめちゃくちゃ痛えはずだ。それでみんなに心配かけないように、まだ意地張って平気な顔してる。」
ノーマン「あああああ…!エマ、エマ…!」
レイ「………。」
レイ「お前、ほんとにエマが好きなんだな。」
ノーマン「当たり前だろ!僕はエマが大好きだ!エマのことは誰よりも理解できる、誰よりもエマを尊重できる!」
レイ「嘘つけ、お前はエマを理解していない。エマを尊重していない、だろ?」
ノーマン「…っ、君に僕の何が分かるんだ!僕はこの体がズタボロになったって、エマを守ってみせる、そういう覚悟で生きてきたんだ!自分の体に火をつけて、あの夜タヒのうとした君よりはマシさ!」
レイ「くくくっ、……あははははは!バカを言うな、ノーマン。」
ノーマン「何がおかしい!」
レイ「お前もタヒにに行こうとしたろ、忘れたとは言わさねえぞ。」
ノーマン「レイ…。」
レイ「お前はなんで、あの日逃げた?…それはな。」
ノーマン「………。」
レイ「お前は鬼が、ハウスが怖かったんだよ。それで俺とエマ、ギルダ、ドンにあの計画を押しつけた。違うか?」
ノーマン「違う、僕はタヒなないと分かっていた!」
レイ「命はくれてやる…、その他何一つ譲る気はない、だっけ?」
ノーマン「…っ!」
レイ「嘘をつくのはやめろよ、全部バレバレ。」
ノーマン「………。」
レイ「話を戻すが、お前はエマを理解、尊重なんかしていない。尊重するなら、そんな顔すんな。理解するなら、逃げないでエマの側にいろ。」
ノーマン「………。」
レイ「まだ納得できないことでもあんの?」
ノーマン「…いや、大丈夫。少し落ち着いたよ。」
レイ「それは、やふござんした。」
ノーマン「…ふふっ、ありがとう。」
レイ「さあ、早くエマのとこ行ってこい。」
ノーマン「ああ、分かった。」
医務室・改
ノーマン「ごめん、エマ。僕少し取り乱していたよ、もう大丈夫だから。」
エマ「あ、ノーマン。…そっか、よかった。」
ノーマン「心配かけたね、エマ。」
エマ「うん、平気平気!」
ナイラ「はいエマ、お水。」
エマ「あ、ありがとー。」ゴクゴクっ
ノーマン「エマ、まるでお姫様みたいだね。」
エマ「えっ、えええ!あ、…えっちょっと、いきなり何!?」
ノーマン「水が欲しいと言えば、水が来て。おなかがすいたと言えば、料理が来る。お姫様みたいじゃない?」
エマ「…もー!びっくりしちゃった、急にお姫様みたいとか言うんだもん。」
ノーマン(まあエマは、僕にとって本物のお姫様なんだけどね。)
エマ「イベット、今日の夕食は何?」
イベット「今日はね、ハンバーグ・デミグラスソースがけだよ!」
エマ「やった、ハンバーグおいしいよね。ねえノーマン、一緒に食べない?」
ノーマン「うん、じゃあテーブル拭いて、みんなの配膳終わったら自分の分持ってくる。」
エマ「うん。」
ギルダ「エマ〜、ご飯持ってきたよ。」
エマ「ありがとう、ギルダ。」
ギルダ「食べ終わったら、トーマとラニを呼んでね。じゃ、私も食べてくる。」
エマ「は〜い!」
ノーマン「ナイラ、イベット。先に配膳しておいてくれる?僕もすぐに行くから。」
イベット「うん、分かった。行こナイラ!」
ナイラ「うん!またねエマ。」
エマ「またね〜。」
ノーマン「エマ、あとで話がある。食べながら話そう。」
エマ「…?うん。」
ノーマン「じゃあ、すぐに戻ってくるよ。」
ノーマン「ただいま。」
エマ「おかえり〜!」
ノーマン「じゃあ食べようか。」
ノーマン エマ「いただきます。」
ノーマン「…足のこと、我慢してるんでしょ?まだ、意地張って我慢してるってレイが言ってた。」
エマ「うん、…そうだよ。心配させたくないから、どうしても。」
ノーマン「トーマ達は、本気で心配してくれてる。だから、エマは休んだほうがいい。」
ノーマン「痛みを、みんなのことを考えて我慢し続けるのは、やめてほしい。」
エマ「…そうだね、うん!今度からは我慢せずに言う!」
ノーマン(エマ、ここでも嘘をついて…。)
ノーマン「よかった、僕も心配だったから。」
ノーマン エマ「ごちそうさまでした。」
エマ「トーマ、ラニ!」
トーマ「はーい!」
ラニオン「今行くぜ!」
トーマ「よし、エマはいつもきれいに食べるな〜。」
ラニオン「俺らに任せておけ!」
エマ「二人とも、もうすっかりお兄さんだね〜。」
トーマ「へっ///あ、ありがと…。」
ラニオン「はっ、早くいこーぜ/////」
ドン「エマ、プレイルーム行こーぜ。」(車椅子を持ってきて)
エマ「あ、今日はエウゲンの誕生日だったね。」
ドン「そ、だから行こうぜ。エマでも無理のないような企画立ててあるから。」
エマ「じゃあ行こっかな。」
エマ「あ〜、楽しかったね!次の子いつだっけ!」
ドン「次はマウラだな。」
エマ「楽しみで待ちきれない!」
ドン「さ、もう遅いし寝るぞ。」(エマを抱き上げてベッドに降ろして)
エマ「うん、おやすみ!ドン!」
ドン「おお、おやすみエマ。」
この夜、誰も悪夢を見ることはなかった。
完