『アイツの居場所』
昼休み___
「ちぃの勉強おいしそー」
「真綾はコンビニ弁当さんか」
「いえす、ラブ・コンビニ」
親友の真綾と話ながらお弁当を食べていた。
♪〜♪〜
ウチの携帯の、メールの着信音が鳴った。
彩斗じゃん。
『ちょ、今から屋上来いやぁー』
・・・???
「誰から??」
「彩斗ー」
「・・・カップルか!」
「違うよー、彩斗好きな人いるし!!」
「ふーん」
真綾は疑いの目でウチを見つつ弁当を食べた。
『え、弁当食べてんのにー』
『来いやぁー』
『えー、』
なんてやり取りをしていると
トゥルルル___
「もしもーし?」
『もしもし、屋上来てやー』
「なんでよー?」
『・・・振られた』
・・・え?
彩斗が?
なわけないよ!!
何かの間違いだよね。。。
「えと、、」
『ずっと待ってる』
プツッ
「え、ちょ!彩斗??」
有り得ない。。。
彩斗が振られた?
どーして?
「真綾、ちょっと行ってくる!」
「行くってどこに??!!」
「屋上っ!」
ウチは走って屋上に向かった。
・・・振られて弱ってる彩斗。
今なら振り向いてくれるかもって卑怯なことを考えてしまった。
・・・弱ってる彩斗じゃなくて、素直にウチのこと好きな彩斗に振り向いてほしい。
・・・まぁ、無理だろうけどね。
___ギギギギー
屋上のドアは錆び付いていて、開けるとイヤな音がした。
ドアをくぐると、寝転がっている彩斗の姿が見えた。
「あーやと?」
声をかけると、起き上がって笑顔で言った。
「ちぃ、来てくれてありがとな!」
「!!!」
彩斗はそんなつもりなんてないのに、あるはずないのに勝手にドキドキして・・・バカみたい。
「ちぃ、俺振られて思った。」
「ん?」
「俺の居場所はちぃの隣だなーって」
「・・・え」
どういう意味?
聞きたいのに出かかって、つまる。
「ちぃと居ると落ち着くんだよなー」
「ウチ、も彩斗のこと・・・」
「やっぱ幼馴染みの隣が落ち着く!」
「・・・え」
幼馴染み?
「俺、女つくらねーからさ、ちぃの隣キープしていい?」
「え、あのー。」
「幼馴染みとしてな!」
幼馴染み、幼馴染みって・・・そんな強調しなくてもいいじゃん。
今日、告白もしてないのに失恋した___
きゃー!!
弁当が勉強になってる><
×『ちぃの勉強おいしそー』
○『ちぃの弁当おいしそー』
です!
はずかし(*´д`*)笑笑