蒼空

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26:日向:2015/10/18(日) 18:40 ID:y/2

<笑顔>

安条さんから事実を聞いてからここ数日、夏樹は学校に来ていなかった。

・・・どしたのかな?

龍騎も事情は知らない。

・・・そんな時だった。

「はい、今日は皆さんにお知らせがあります」

担任の中岡先生は言った。

「高橋夏樹くんが、今日を持ちまして転校することになりました」

・・・嘘??!!

「待って待って待って待って・・・どーして?」
「松田さん、落ち着いて」

先生がウチに声をかける。

「先生、夏樹はどこに転校するんですか??!!」
「神奈川だそうよ」
「神奈・・・川??」

神奈川。
ウチの出身地。

・・・どーして?

「どーしてですか?どーして転校しちゃうんですか?」
「将来の夢が見つかったから、専門に頑張りたいって」

・・・将来の夢

夏樹に夢があったんだ・・・


夏樹に本当のこと言いたいよ・・・

大嫌いなんて嘘だよって
本当は、大好きなんだよって・・・


放課後___

「絃、帰ろ?」
「あ、龍騎・・・」

笑顔がひきつる。
龍騎は、何も悪くないから辛い思いさせちゃダメだ。

・・・ウチが我慢するんだ。

「・・・なぁ絃?」
「ん?」
「・・・別れねぇ?」
「え、何言って・・・」
「俺、辛いよ・・・」

辛い・・・?

「絃が無理矢理笑ってんの見るのも、本当は夏樹が好きなのに我慢してんのも・・・」
「・・・龍騎」
「お前が辛いと俺も辛いよ・・・」

龍騎・・・

「ごめんね、龍騎」
「なんで謝ってんだよ」
「ウチのせいで・・・」

龍騎は辛いハズなのに笑顔で言う。

「もういいから!!早く行けよ??」
「ごめんね、ありがとう!!」
「早く!!走れよ!!伝えて来いよ!」

満面の笑みで見送ってくれた。

ウチ、龍騎に何もしてあげられなかった。

・・・ありがとね
・・・ごめんね

龍騎の優しさ、無駄にしないから。

ダメだって、分かってる。
けど、伝えてくるね。

本当、ありがと。


日向:2015/10/18(日) 18:43 ID:y/2 [返信]


日向=ひなんちょびくす

ですっ!


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